著者
亀甲 博貴 森 信介 鶴岡 慶雅
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.28-35, 2016-10-28

本稿では将棋の解説文において示すべき指し手の推定手法を提案する.人間が付与した解説文中に現れる指し手符号と実際のゲームの状態空間との対応付けを行うことによって得られた,解説木という概念によって示された人間による解説文中に現れる指し手を教師として,解説すべき指し手の予測モデルを学習する.また,これによって得られた予測モデルと探索結果を組み合わせることで解説されるべき指し手の予測を行う.指し手の予測モデルは精度の大幅な向上は実現できなかったが,解説文中に現れる指し手は棋譜中の指し手とは異なる性質を持っており,提案手法によってその性質を獲得しうることを示した.またこの予測モデルと探索結果を組み合わせることで一部の解説木の生成が可能であることを示した.
著者
亀甲 博貴 浦 晃 三輪 誠 鶴岡 慶雅 森 信介 近山 隆
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2013論文集
巻号頁・発行日
pp.36-43, 2013-11-01

将棋の対局を観戦する上でコンピュータ将棋プログラムの形勢判断は有益な情報である.自然言語による局面の解説をプログラムが行えるようになれば,より有益な情報を提供できると考えられる.本稿では将棋の解説文を生成するモデルを提案し,その根幹である局面からの特徴語生成について調査した.学習の対象とする文を,意味でクラス分けする分類器を学習しその予測を用いることで限定した.しかし特徴語生成はF 値0.38 と,期待されるほどの精度では行えなかったものの,解説文の生成においては,特定の局面については正しい文を生成できることが分かった.
著者
国文学研究資料館
出版者
国文学研究資料館
雑誌
和書のさまざま――国文学研究資料館通常展示図録(2017年版)――
巻号頁・発行日
pp.1-16, 2017-01-20

和書すなわち日本の古典籍は、千二百年以上に及ぶ長い歴史を持ち、その種類の多様さと現存する点数の多さは世界的にも稀です。国文学研究資料館では、和書のさまざまな姿や特色を紹介するため、通常展示「和書のさまざま」を毎年行っています。本冊子は、その展示内容の概要を収録したものとして作成しました。ささやかながら、和書の豊かな世界への手引きとなることを願っています。*本冊子の掲載資料はすべて国文学研究資料館所蔵です。*項目番号は実際の展示と一致しますが、紙面の都合で一部の項目を割愛したため、番号が飛んでいる箇所があります。*本冊子の掲載資料が実際に展示されているとは限りません。
著者
菅 亮平
出版者
東京藝術大学

平成27年度
著者
和田 琢磨
出版者
東洋大学通信教育部
雑誌
東洋通信 (ISSN:18837859)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.15-29, 2017-02
著者
藤田 幸久 鷲田 祐一 鳥海 不二夫 植田 一博 石井 健一郎
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.49-61, 2010-01-26

昨今,情報通信技術の発達により,一般生活者が日常的に入手しうる情報の量と種類が飛躍的に増加している.意思決定や価値判断において,情報の有無は重要であり,情報量の増加は個人の行動に影響をもたらしている.多くの既存研究では,保持している情報の量と種類が多ければ,影響力や意思決定力が強くなるものとしている.しかし,その真偽を再考する研究も現れており,情報量の飛躍的増加という未曾有の現象の本質を理解することが望まれる.本論文では,情報の多様化を考慮した情報伝播モデルを提案し,情報の多様化が情報伝播に及ぼす影響をシミュレーションにより分析する.特に,既存研究において強い影響力を持つとされるイノベータに着目した.シミュレーションの結果,情報の多様化によりイノベータの影響力が低下し,イノベータ以外の層がコミュニティ全体に対して影響力を持つことが確認された.また,イノベータの影響力低下は,情報の価値が均一になる「フラット化」によってもたらされることを明らかにした.
著者
安倍満
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2013-CG-153, no.19, pp.1-14, 2013-11-21

局所特徴量を二値ベクトルで表現する手法について紹介する.これは,キーポイントの特徴量記述を実数のベクトルで表現せず,数十~数百個程度の 0 と 1 の列 (すなわち二値のベクトル) で表現するというものである.この方法により,計算速度・メモリ消費量の問題が飛躍的に改善されたことから,コンピュータビジョンの研究者の幅広い関心を集めるようになった.今では,SIFT や SURF に代わる新たな局所特徴量として急速に普及しつつある.本稿では,キーポイント周辺からコンパクトな二値特徴量を抽出する手法について体系的にまとめる.また,研究目的に利用可能なソフトウェアライブラリについても紹介する.
著者
岩本 和久
出版者
稚内北星学園大学
雑誌
稚内北星学園大学紀要 (ISSN:2189244X)
巻号頁・発行日
no.16, pp.39-48, 2016-03-31

視覚的なスポーツ表象は、古代エジプトやギリシアにまでさかのぼることができる。スポーツの歴史は美術と深く結びついていると言っても過言ではない。 ソ連においてスポーツ文化は華々しい発展を遂げたが、その美術においてもスポーツは積極的に取り上げられていた。では、ソ連解体後の現代ロシアにおいて、アーティストはスポーツ文化にいかにアプローチしているのであろうか? 本論文では2015年のヴェネツィア・ビエンナーレの関連展示として注目された2つの作品、すなわちグリーシャ・ブルスキン「考古学者のコレクション」とAES+F「Inverso Mundus」を分析しながら、そこでスポーツ文化が空虚な反復や死と結び付けられていること、同時にまた、スポーツ文化に潜在するエネルギーの存在も認められていることを、明らかにしている。このようなスポーツ理解はポストモダン的な批評精神の現われとも言えるが、一方で古代的なものとも言えるだろう。
著者
千葉 真也
出版者
相愛大学総合研究センター
雑誌
近代化と学問
巻号頁・発行日
pp.21-34, 2016-03