著者
東 一紀
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.267-270, 1996-09-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
6

約5ヵ月前に帯状疱疹が発症した77歳女子の, 右胸背部の疱疹後神経痛に対して, コタロー麻黄附子細辛湯エキスを投与して疼痛は著明に改善した。その後, ツムラ桂枝加朮附湯エキスを追加してやや改善し, さらにサンワ加工ブシ末を追加して疼痛はほとんど消退した。以上の臨床経過より, 上記の3薬剤に含まれる生薬のうちで最も鎮痛効果が大きかったのは3薬剤に共有される附子であろうと推測された。