著者
三橋 亮太 水野 壮 佐伯 真二郎 内山 昭一 吉田 誠 高松 裕希 食用昆虫科学研究会 普後 一
出版者
[日本食品衛生学会]
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.410-414, 2013 (Released:2014-05-12)

福島県では福島第一原子力発電所事故が発生してから,イナゴの放射線汚染を懸念してイナゴ食(イナゴを採集し,調理して食べること)を楽しむ人が減少した。そこで2011年,2012年に福島県各地で採取したイナゴに含まれる放射性セシウムを測定したところ,134Csと137Csの合計放射能濃度は,最高で60.6Bq/kgであり, 2012年に設定された食品中の放射性物質の新たな基準値である100Bq/kgを下回ることが示された。さらに,イナゴは一般的な調理過程を経ることによって,放射能濃度が15.8Bq/kg以下,未処理時の1/4程度まで低下することが示された。
著者
山崎 永尋 尾崎 紘子 谷 耕一 橋本 直樹
出版者
北海道農事試驗場北農會
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.419-424, 2012 (Released:2013-07-30)

アスパラガスに発生する条状傷が,再現試験によりツマグロアオカスミカメによる被害であることが確認された。アスパラガスが萌芽する5月中旬から本種の越冬卵が孵化し,同時に被害が始まり,収穫期間が終了する6月中旬頃に成虫になる。その後,株養成のために立茎されたアスパラガスに産卵された2世代目が増殖して越冬卵を産んで翌年の発生源に事が確認された。防除薬剤の検討を行ったところ,散布後時間が経過すると効果は認められず,有効な解決策は見いだせなかった。
著者
松本 武夫
出版者
農業技術協會
雑誌
農業技術 (ISSN:03888479)
巻号頁・発行日
vol.28, no.12, pp.533-536, 1973-12 (Released:2011-03-04)
著者
酒井 昇
出版者
日本食品工学会
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.19-30, 2010 (Released:2011-03-28)

電子レンジを始めとしてマイクロ波加熱は、速く簡単に加熱・調理できることから、食品産業で良く利用されている。しかし、加熱速度が大きい半面、加熱むらも大きいなど問題も残っている。マイクロ波を照射したとき、被加熱物の加熱性を決めるのは誘電物性であることから、食品の誘電物性を知ることは重要である。本稿では、まずマイクロ波加熱の原理とマイクロ波加熱における水の役割について説明した。次に、水分濃度および塩分濃度の誘電物性に及ぼす影響について説明した。水分が減少することにより誘電率が減少し、塩分濃度が増えることにより誘電損率が増大する。最後に解凍にともなう物性変化について説明した。氷が融解するとき熱物性が変化するのと同時に誘電物性が大きく変化するため、ランナウェイ現象の原因となる。
著者
津脇 晋嗣 中島 徹 龍原 哲 白石 則彦
巻号頁・発行日
no.133-134, pp.41-74, 2016 (Released:2016-09-14)

我が国の森林・林業政策において,森林の多面的機能がどのように重視され推移してきたかを調べるため,林野庁における森林・林業に関する事業に着目して,森林の多面的機能に関する用語・記述が使われている事業の内容や予算額の推移などからその変遷などを調べた。その結果,森林の多面的機能の発揮を期待した事業量は60%~80%で推移し,事業に用いられる森林の多面的機能の種類は時期が進むほど多様化する変化がみられた。その変化は平成4年の「地球サミット」などを契機に大きくなり,保健・レクリエーション機能,生物多様性保全機能や地球環境保全機能などに関する用語・記述が増え,時期を追うごとに,ほぼ全ての多面的機能がほぼ全ての事業区分にみられ,異なる事業区分が一体となって推進する可能性も考えられた。また,森林の多面的機能を重視する傾向は,森林整備などの公共事業から,計画の策定や制度の充実などのソフト対策を行う非公共事業に移行していると考えられた。森林の多面的機能の持続的な発揮を図るため,今後とも持続可能な森林経営を行うことが重要であり,木材を利活用していくことへの国民の理解や森林所有者が伐採後の再植林や保育活動などに利点を見出せる状況をつくることが重要と考えられた。
著者
渡邉 誠衛 大野 剛 小林 忠彦 佐渡 高智
出版者
秋田県総合食品研究センター
巻号頁・発行日
no.18, pp.9-16, 2016 (Released:2017-04-28)

我々は、清酒の品質保持と様々な要因との関係を検討している。本報では、ビン内の気相と熟成との関連を検討した結果、清酒への二酸化炭素置換または窒素置換が、貯蔵中のオフフレーバーの発生抑制効果があることが分かった。また、ビンの色と熟成との関連を検討した結果、遮光環境下においても水色のビンにオフフレーバー(硫化物臭、脂肪酸臭等)が強く発生し、銅と高い正の相関があり、添加試験でも再現性が確認できた。
著者
柏木 豊
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.509-514, 2007 (Released:2011-01-20)