著者
井戸 尚則 井澤 寿敬 小長野 豊 渡辺 将弘 加藤 美樹 窪 優太
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1739, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】近年,職場のメンタルヘルスにおいて,個人の強みを伸ばすことや仕事に対してどのように働くかという態度についても考慮することが重要となってきている。仕事に対する積極的態度として,ワークエンゲイジメント(仕事に誇りを感じ,熱心に取り組み,仕事から活力を得て働く傾向)とワーカホリズム(強迫的かつ過度に一生懸命働く傾向)が概念化されているが,その態度の違いが及ぼす影響についての報告は少ないのが現状である。本研究では,当院リハビリテーション職員に対するワークエンゲイジメントとワーカホリズムが満足度(人生・健康・仕事・生活),睡眠に及ぼす影響について検討することを目的とした。【方法】対象は当院リハビリテーション職員55名(理学療法士34名,作業療法士21名,男性31名,女性24名,平均年齢27.5歳,平均経験年数3.8年)とした。ワークエンゲイジメントの測定は,日本語版ユトレヒトワークエンゲイジメント尺度短縮版(UWES-J)を使用した。本尺度は,活力,熱意,没頭を7件法,合計9項目で構成されている。ワーカホリズムの測定は,日本語版The Dutch Workaholism Scale(DUWAS)を使用した。本尺度は働きすぎ,強迫的な働き方を4件法,合計10項目で構成されている。人生満足度の測定は,Satisfaction with Life Scale(SWLS)を使用,7件法,合計5項目,主観的満足度(健康,仕事,生活)の測定は各4件法,合計3項目,不眠の測定は,アテネ睡眠尺度を使用,4件法,合計8項目で構成されている。ワークエンゲイジメントとワーカホリズムとの相関係数,ワークエンゲイジメント,ワーカホリズム各々と人生満足度,主観的満足度,睡眠との相関係数を測定した。統計処理にはPearsonの相関係数を用い危険率5%未満を有意とした。【結果】ワークエンゲイジメントとワーカホリズムとの相関係数はr=0.02であった。ワークエンゲイジメントは,人生満足度(r=0.26),健康・仕事・生活満足度(r=0.33)との間で正の相関が認められた。ワーカホリズムは,人生満足度(r=-0.36)との間で負の相関が認められた。一方,不眠(r=0.26)とは正の相関が認められた。【結論】本研究の結果からもワークエンゲイジメントとワーカホリズムとの相関係数はr=0.02であり,両者は積極的に働くという点では共通しているものの,動機づけに違いがあることが考えられる。ワークエンゲイジメントやワーカホリズムが満足度や睡眠に与える影響に関しては,ワークエンゲイジメントは満足度の向上,ワーカホリズムは人生満足度の低下,不眠の増強とそれぞれ関連することが認められた。したがって,個人や組織が活き活きと働く環境を支援する上で仕事に対する積極的態度の違いを評価し,認識することも重要である。
著者
坂根 直樹
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.143-148, 2006 (Released:2018-05-30)
参考文献数
26

わが国でも食生活の近代化に伴い、生活習慣病が増加しており、その基盤となる肥満対策が急務である。しかし、心理学的抵抗を示す肥満者への減量指導は困難を伴う。また、減量に成功しても逆に血圧が上昇する場合がある。その原因として低脂肪食を実行するため煮物など食塩摂取量の増加が関係している。一方、食塩味覚閾値には糖尿病のみならず、母親や遺伝子多型が影響を及ぼしている。そこで、「うま味」を活用したおいしくダイエット教室を開発し、その効果を検討したところ、有意な減量効果とともに有意な降圧効果も得られた。
著者
当真 孝 山口 浩 森山 朝裕 大湾 一郎 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.364-366, 2018

<p>外傷後急速に破壊が進行した肩関節症に対し,人工肩関節全置換術を行った症例を報告する.84歳,女性.1.5カ月前に転倒,右肩関節を打撲した.近医を受診し単純X線像では異常は指摘されなかった.その後,疼痛が増悪したため,当院を紹介された.初診時所見は,肩関節屈曲10度,外旋-30度,内旋L1,JOA scoreは36点であった.当院初診時単純X線像,CTでは上腕骨頭の扁平化,関節窩骨欠損を認めたが,MRIでは腱板断裂を認めなかった.急速破壊型関節症と診断し,関節窩骨欠損部への骨頭骨移植を併用した人工肩関節置換術を施行した.術後24カ月で疼痛はなく,肩関節可動域は屈曲130度,外旋40度,内旋L1(健側は屈曲130度,外旋40度,内旋Th8)でJOA scoreは85点まで改善した.</p>
著者
平良 啓之 仲宗根 哲 石原 昌人 山中 理菜 親川 知 松田 英敏 東 千夏 神谷 武志 大城 裕理 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.318-321, 2018

<p>【症例】35歳男性.習慣飲酒歴あり(ビール700 ml/日×15年),喫煙歴あり(20本/日×15年),ステロイド全身投与歴,外傷歴,潜水歴なし.25歳時に右ONFH(type C2, stage 3A)と診断されたが,その時点で左大腿骨頭に明らかな壊死はなかった.当院で右大腿骨頭前方回転骨切り術を行い,外来経過観察した.34歳時に誘引なく左股関節痛出現し,Xpで帯状硬化像,骨頭圧潰を認め,MRIで低信号バンド像を認め(type C1,stage 3A),左大腿骨頭回転骨切り術を行った.術後半年で原職の運送業へ復帰した.【考察】片側罹患ONFH例の追跡研究で反対側の骨頭壊死の出現はほとんどないと報告されている.本症例は片側罹患後に反対側に発生した稀な症例と思われた.</p>
著者
喜屋武 諒子 東 千夏 平良 啓之 山中 理菜 親川 知 松田 英敏 石原 昌人 仲宗根 哲 神谷 武志 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.43-45, 2018

<p>54歳男性.43歳時に関節リウマチ(RA)を発症した.高疾患活動性のため44歳時にインフリキシマブを導入したが経済的理由により1年で中止し,48歳時にはメトトレキサートを16mgまで増量した.51歳時に糖尿病(DM)と診断され加療開始されたがコントロールは不良だった.52歳時には両膝関節痛が増悪し車椅子で受診するようになり,多関節腫脹や疼痛が出現したためトシリズマブを開始した.両膝関節の変形が高度で歩行困難だったため,53歳時に両側人工膝関節置換術(TKA)を施行した.術後1週で立位可能,2週で平行棒内歩行が可能になった.経過中に胆石による胆石疝痛発作を発症し保存加療で軽快した.術後4週で歩行器歩行が可能になったが,再度胆嚢炎を発症したため腹腔鏡下胆嚢摘出術を予定し外科に転科した.その翌日に左被殻出血を発症した.保存加療を行い,現在失語は改善を認め,右麻痺は残存している.RA,DM,TKA,脳出血について考察を加えて報告する.</p>
著者
当真 孝 山口 浩 森山 朝裕 大湾 一郎 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.11-15, 2018
被引用文献数
1

<p>我々は,腱板断裂関節症(Cuff Tear Arthropathy:以下CTA)に対し,小径人工骨頭置換(Small Humeral head replacement:以下s-HHR)と腱板修復術または筋腱移行術を施行しているので,その治療成績を報告する.対象は術後1年以上経過観察可能であった17例17肩.平均年齢は73.9歳,性別は男性5肩,女性12肩.術式はs-HHR+腱板修復術7肩,s-HHR+筋腱移行10肩(肩甲下筋部分移行2肩,大胸筋移行術8肩).調査項目は,日本整形外科学会肩関節疾患治療判定基準(以下JOAスコア),平均肩関節可動域(屈曲,外旋,内旋:JOAスコアを用いて点数化),とした.結果はJOAスコアが術前45点から術後79点,術前屈曲55度,外旋26度,内旋1.6点から,術後屈曲123度,外旋26度,内旋3.7点と改善した.CTAに対するs-HHRおよび腱板修復術または筋腱移行は,有用な術式と考えられた.</p>
著者
押領司 将人 大久保 宏貴 川越 得弘 金城 政樹 普天間 朝上 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.134-137, 2018

<p>50歳男性,ゴルフ場整備員.芝刈り機のエンジン部に約1時間,右前腕を挟まれて受傷した.右前腕熱圧挫傷・コンパートメント症候群の診断で,他院にてデブリドマン・筋膜切開術を施行された.受傷11日で,前腕近位の皮膚が壊死し尺骨が露出したため治療目的に当院を紹介された.2回のデブリドマン後,受傷1か月で露出した尺骨を腕橈骨筋弁で被覆し,植皮術を施行したが,感染が持続し筋弁は壊死した.受傷後2か月,尺骨の病的骨折を来したため露出した尺骨(7cm)を切除し創外固定器を装着した.感染が沈静化した受傷後5か月で遊離血管柄付き腓骨皮弁移植術を施行した.皮弁は完全生着し,骨癒合が得られた.術後1年10か月,肘関節伸展-15°屈曲135°,前腕回外55°回内60°,手関節伸展40°屈曲60°,full grip可能で原職に復帰し趣味のゴルフやバスケットボールを楽しんでいる.</p>

1 0 0 0 OA 刑法原論

著者
岡田庄作 著
出版者
明治大学出版部
巻号頁・発行日
vol.各論, 1924

1 0 0 0 OA 刑法原論

著者
岡田庄作 著
出版者
明治大学出版部
巻号頁・発行日
vol.総論, 1924
著者
本間 亮平 若杉 貴志 小高 賢二
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.127-132, 2017 (Released:2018-05-15)
参考文献数
5

レベル3自動運転において,システム機能限界に伴う権限委譲時のドライバ対応行動を調べた.運転以外の作業として,ラジオ聴き取りタスクとテキスト入力タスクを設け,DS実験を実施した.テキスト入力条件下では,他の条件より対応の遅れる傾向がみられたものの,本実験設定において,ほとんどのドライバが対応できた.