著者
阿部 和広
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.16(2006-CE-083), pp.69-75, 2006-02-17

近年、教育用のプログラミング環境として注目されているスクイークについて、開発者のアラン・ケイ博士、その基となったダイナブックやスモールトークなどの思想的背景、オブジェクト指向やタイルプログラミングなどの特徴などについて解説する。また、特に科学リテラシ習得に向いているとされる点について説明する。
著者
飯塚 雄一 橋本 由里 飯塚 一裕 Yuichi IIZUKA Yuri HASHIMOTO Kazuhiro IIZUKA
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-11, 2011-12-26

実際の生活場面で相互に恋愛的好意感情をもっている者同士(DC群)と未知の者同士(UP群)の自然な会話場面における視線行動をVTRに収録し、観察者が行動分析器により直視量を測定した。実験計画は二者関係(交際中、初対面)と性を独立変数とする2要因の被験者間計画である。被験者は、交際中の男女学生18組と初対面の男女学生20組、計76名である。実験終了後、DC群にRubinの恋愛感情尺度を実施した。その結果、交際中の男女は相互に恋愛的好意感情をもっていることが確認された。また初対面男女についても、両者共、同様にほぼ中立的な感情をもっていることが確認された。分散分析の結果、UP群よりもDC群の男女の直視量が多いことが判明した。
著者
長谷川 由美 宮下 実
出版者
近畿大学生物理工学部
雑誌
近畿大学生物理工学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.43-53, 2015-09-01

[要旨]北米を原産地とするアライグマは今や日本全国に分布し特定外来生物にも指定されている. 日本に定着して50年を越えたが, ヨーロツパではその侵略の歴史はすでに80年の歴史を有する. わが国では生能系の撹乱, 農業被害, さらには各地の神社仏閣等での文化財被害など多くの問題をアライグマは引き起こしているが, これからのアライグマ防除を考えて行く上で, ヨーロッパでの侵略状況および現状, 対策等の先例を知ることは重要と考え, 本調査を行った. 1995年当時, 原産地以外でアライグマの生息が確認されていたのはヨーロッパではドイツ, ポーランド, オランダ, フランス, ロシアなど9力国に過ぎなかったが, 今回の調査ではアルプスを越えてスイス, イタリアヘの侵入, ドーバー海峡を渡って英国ヘの侵入, 東ヨーロッパでの分布拡大, バルト諸国, スカンディナヴィア半島への拡大と, 33カ国を調査した結果, 25カ国にも広がってアライグマが定着していることが判明した. [Abstract]Raccoons, native to North America, are distributed across Japan and designated as an invasive alien species now. Raccoons have also been an invasive species for over 80 years in Europe. They have colonized areas in Japan over 50 years and have caused ecological, agricultural and cultural property damage (to places such as shrines or temples). The reason we launched this research is that it is essential for raccoon control to study the European precedents, including the process of habitat invasion and also the current situation. In 1995, raccoons were found in only nine countries outside of their countries of origin, such as Germany, Poland, The Netherlands, France, and Russia et cetera, but this research found that they had expanded to 25 countries including Italy, and over the Alps to Switzerland, across the Straits of Dover to England, to the Baltic states, the Nordic and Eastern European countries, to a total of 33 nations.
著者
吉田 麻子
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国際日本文学研究集会会議録 = PROCEEDINGS OF INTERNATIONAL CONFERENCE ON JAPANESE LITERATURE (ISSN:03877280)
巻号頁・発行日
no.28, pp.77-95, 2005-03-01

A display of the enormous amounts of historical material connected with Hirata Atsutane and the Ibukinoya Juku kept by the Hirata family is to be held in October this year at the National Museum of Japanese History in Sakura. The presenter was involved in the organization of several thousand pieces, mostly connected with the publication and distribution of Hitrata Atsutane’s works. I have also been researching the affect they had on society. Research until now regarding Atsutane’s publications have focused on publishing during his lifetime, from Bunka 10 (1813) to Tenpou 14 (1843). This presentation, while utilizing this research, will also seek to look into publishing beyond his death.Hirata Atsutane’s written works were printed and spread widely following his death, through the end of the Edo and into the Meiji period. The volume printed and sold goes beyond comparison with that during his lifetime. It is clear that the method of sales and gathering money to cover publishing costs differed before and after his death. At the same time, particularly during the Bakumatsu period, due to the nature of his writings, care had to be placed in avoiding political persecution. Among his works there were some that for a time only found their way into people's hands as hand-copied manuscripts, and some, such as the case of the second volume of Tamadasuki, were printed well after the others in the series.This presentation will examine these works of Atsutane’s that were forced to drift between being distributed and simply not printed, based on new historical material.There is a connection between the problems of the need for and reception of Hirata’s publications, that is, his version of Kokugaku, and the “level of education” (including that involving Japanese “classics” centered on mythology) within society from the end of the Edo through to the Meiji period, which also connects with the theme of the conference.
著者
米田 航紀 横山 想一郎 山下 倫央 川村 秀憲 Koki Yoneda Soichiro Yokoyama Tomohisa Yamashita Hidenori Kawamura
雑誌
SIG-SAI = SIG-SAI
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.1-8, 2018-03-01

近年, 深層学習を使用した芸術の作成に注目が集まっている. また, 日本で古くから親しまれている芸術として俳句がある. そこで, 俳句を作成する方法として一般的な「モチーフから俳句を作る」ということを深層学習を使用して行うことで, 芸術作成としての深層学習の有用性を示す.そのための方法として, 小林一茶をはじめとする俳人たちの俳句を大量に用意してLSTMに入力して学習し, 文字列を生成する. その後, 得られた文字列から俳句としての条件を満たすものをとりだし, モチーフ画像に適合するかどうかの評価値を算出する. 評価が高ければそのモチーフ画像にあった俳句として生成できたものとしている. その過程で,LSTMが俳句としてのルールを学習できているかを確認するための実験を行った.
著者
中屋敷 太一 金子 知適
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1-8, 2018-11-09

近年コンピュータ将棋プログラムは対局で人間のプロ棋士に勝利し,棋力は人間のプロ棋士を超えたと言われている.一方で,将棋プログラムによる将棋の局面の解説は,局面の勝率予測や次の指し手の予想ではある程度成功しているものの,それが何を根拠に決定されたかという内容を説明する手法はまだ確立されていない.もし将棋プログラムの判断の根拠を,プログラムが自動で,プログラムの利用者に説明することができれば,人間の棋力向上のサポートなどに用いることができ有用である.本稿では,画像分類を行うニューラルネットワークに対して考案された顕著性抽出手法を,将棋プログラムに用いられているニューラルネットワークに適用した.また,顕著性抽出手法は元の画像のどの部分に注目して判断したのかを可視化する技術であるが,可視化する際にいくつかの手法が考えられるため,本稿ではそれらの手法の差異を検討した.
著者
飯倉 洋一 クリストファー リーブス 北村 啓子 舘野 文昭 高見 純 有澤 知世 神作 研一 海野 圭介 恋田 知子
出版者
人間文化研究機構国文学研究資料館
雑誌
国文研ニューズ = NIJL News (ISSN:18831931)
巻号頁・発行日
no.53, pp.1-16, 2018-10-15

●メッセージ古典籍を開くために●研究ノート博論を摘まむ古典ARの紹介――展示会での新しい鑑賞方法――●書評 ブックレット〈書物をひらく〉4小山順子著『和歌のアルバム 藤原俊成 詠む・編む・変える』●エッセイマレガ・プロジェクトでの共同研究と、バチカン・イタリアからの招聘旅程を終えて●トピックスないじぇる芸術共創ラボ アウトプットイベント2件開催和歌ワークショップ【X】2018夏イリノイ特別展示 祈りと救いの中世〈新収〉庵逧厳旧蔵資料の紹介中髙生向けの講演会・展示を国立国会図書館国際子ども図書館とのコラボで開催!第42回国際日本文学研究集会(プログラム)総合研究大学院大学日本文学研究専攻の近況●表紙絵資料紹介『比丘尼縁記』
著者
牧野 陽子
雑誌
成城大學經濟研究
巻号頁・発行日
no.105, pp.89-125, 1989-07
著者
羽田 大樹 後藤 厚宏
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.1596-1609, 2018-09-15

組織におけるWebアクセスの利用には多くの脅威が存在するため,悪性Webサイト情報のブラックリストが利用される.悪性Webサイト情報には登録理由やレピュテーションなどが付与されることがあるが,CSIRTのインシデントレスポンスにおいて合理的な判断を行うために適した情報を提供しているとはいえない.本稿では,インシデントレスポンスの「トリアージ」「対応実施」業務において,既存のブラックリストを活用した業務における課題を示し,合理的な判断を可能とするための「所有者」「コンテンツ」「現在の状態」「最終確認」という4項目による悪性Webサイト情報の分類を提案する.さらに,公開されている38種類のブラックリストの仕様について調査し,この分類に相当する情報がほとんど含まれていないことを示す.また,実際にブラックリストに一致してインシデント判定が求められた400件の悪性Webサイト情報について手動で調査を行い,一定数のWebサイト情報が外部からの調査によって定義に従った分類ができることを示す.この分類を活用することで速やかな対応ができることをケーススタディとして紹介し,提案分類が有効に働くことを示す.
著者
XING Yuqing HE Yuzhen
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.18-09, 2018-09

In this paper, we evaluate the domestic value added of Chinese brand mobile phones using the teardown data of two sample phones: Xiaomi MIX 2 and OPPO R11s. For calculation of the distribution of value added by country, we adopt two benchmarks: production cost and retail price. In terms of the production cost of the sample phones, which consists of bill of materials, manufacturing cost and royalty, Chinese domestic value added embedded in the MIX 2 is 15.4% and 16.7% in the R11s. The teardown analysis reveals that no indigenous Chinese firms are involved in the manufacture of the printed circuit board assembly, which explains the relatively low Chinese domestic value added. Using retail price to measure total value added, we find that the domestic value added of the MIX 2 to be 41.7% while that of the R11s to be 45.3%. The cost of retail services and gross marginal profits contribute most to the increase, which implies that nurturing mobile phone brands has not only enabled the Chinese mobile phone industry to move up ladder of value chains, but also to improve domestic value added.
著者
谷中 俊介 小坂 崇之 服部 元史
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.178-181, 2013-09-27

本研究では,睡眠不足の原因の一つである不安に対し,ユーザへの安心感を与えることを目的とした「ZZZoo Pillows」を提案する.本システムは,抱き枕に内蔵した風船に空気を送り込むことで,呼吸する人間の胸部のように膨張と収縮を行い,抱き枕内に温水を循環させることで,人と添い寝しているような温もりを提示する.また,重ねたゴムの間に空気を流し振動させることで,いびきのような音を発生させる.これによりユーザの情緒の安定や安心感を与えることを狙う.アンケート調査の結果,ユーザの主観評価では,本システムのように抱き枕が人の呼吸や体温を提示することで睡眠を誘発すると感じていた.
著者
伊井 春樹
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = The Bulletin Of The National Institute of Japanese Literature
巻号頁・発行日
no.01, pp.1-65, 1975-03-25

兼良は『花鳥余情』(文明四年十二月)を著作するにあたって、数多くの資料を利用したであろうが、その一つに文明二年三月に相伝した二条家伝来の、為家撰とする「紫明抄」ほかいく種かの秘説集があった。彼はこれらの説から、必要と思われる注記を『花鳥余情』に摂取していくとともに、相伝した中にすでに存在していた「三ケ条口伝」と「十ケ条口伝」を併せて、十三ケ条からなる「花鳥口伝抄」を文明三年三月に編纂し、伝授の形式を確立した。『花鳥余情』完成後は、それをさらに整理して、十五ケ条の『源語秘訣』を生み出したのである。今川範政も兼良以前にこの秘説集を『源氏物語提要』に用いたらしく、引用された内容から推定すると、現存本は部分でしかないと思われる。これらのことから、兼良の源氏学の形成には、二条家の学説が大きく関与していたことが知られるのである。 It appears that Kanera used a lot of materials on writing “Kachoyojo”(花鳥余情)(December, 1472), there are “Shimeisho”(紫明抄) which was inherited on March in 1470 by Nijo family selected by Tameie and some kinds of the secret stories as one of materials. He adopted an explanatory note that are considered to be necessary from these theories in “Kachoyojo” and also “Kacho Kuden sho”(花鳥口伝抄)which consisted of 13 articles collectively included “Sankajo Kuden”(三ヶ条口伝)and “Jukkajo Kuden”(十ヶ条口伝)that have been already existed in materials handed down was compiled on Mar,1471 and the form of transmission was established. After completing “Kachoyojo”, it was arranged more and produced 15 articles of “Gengo hiketsu”(源語秘訣). Imagawa Norimasa also seemed to use this secret stories for “Genji monogatari teiyo”(源氏物語提要)before Kanera did, the existence book is thought to be only a part when it is estimated from quoted contents. For these reasons, it is known that the Nijo family’s theory was greatly related to the formation of Genji studies of Kanera.