著者
林 幹弥
出版者
早稲田大学史学会
雑誌
史観 (ISSN:03869350)
巻号頁・発行日
no.45, pp.32-44, 1955-09
著者
大井 学
出版者
Japanese Association of Communication Disorders
雑誌
聴能言語学研究 (ISSN:09128204)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.1-15, 1994

「自然な方法」による3つの言語指導法,相互作用アプローチ,伝達場面設定型の指導および環境言語指導に関連する最近の研究を展望し,それらの理論的な背景,技法,効果,今後の方向について検討した.大人との相互作用が子供の言語獲得に及ぼす影響に関する研究に基づく相互作用アプローチは,相互作用を改善し既有の伝達技能の使用を促す効果があるが,それによる新たな言語構造の獲得を示す証拠はない.また高い指示性と低い応答性という仮定の他に指導のモデルを求める必要がある.慣例化された活動が子供の伝達と言語理解を促すという研究結果を基礎としている伝達場面設定型の指導は,標的とされた伝達技能の改善に効果が認められているが,活動の選択や行動連鎖の形成方法について検討する必要がある.応用行動修正技法を基礎とする環境言語指導は,先の2つのアプローチとの交差によって,「自然な方法」による言語指導の発展に寄与することが期待される.
著者
村井 康彦
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
no.1, pp.p65-95, 1989-05

古代社会に成立した日本的王権=天皇制が、長期にわたって存続した歴史的背景を明らかにすることは、天皇制それ自体にとどまらず、日本の社会や文化の特質を知るためにも不可欠の研究課題である。天皇制を存続させた最大の理由は、王権における権威と権力が分化し、天皇が権威だけをもつ存在になったことにあるが、その権威と権力の分化をもたらしたのは、天皇の即位年齢の低下と、それによる天皇の政治的主体性の弱体化にある。そのきっかけをなしたのが、天智天皇が大友皇子(二三歳)の即位を実現するために発した詔を「不改常典」(天智が定めた、永遠に変更されることのない法)と称し、これを拠として、持統女帝と元明女帝がそれぞれ孫の皇子(一五歳・二三歳)の即位を実現したことにある。この過程で生れた、王権の継受に関する新しい制度が皇太子制度であり、これが持統女帝にはじまる譲位の慣例化とあいまって、年少天皇の即位、不執政天皇の出現をもたらすこととなった。日本的王権=天皇制の成立といってよい。それは平安初期のことである。
著者
中澤 務
出版者
関西大学文化財保存修復研究拠点
雑誌
Semawy Menu
巻号頁・発行日
vol.3, pp.21-30, 2012-03-08

In this essay I survey the historical process of the formation of the image of Egypt in 19th Century Britain. Following Foucault's and Said's of view, I analyze the following social phenomena in the 19th Cuntury : (1)The popular shows of Panorama and Diorama of Egypt, (2)The so-called "Egyptian Hall", (3)"The Great Exhibition of the Works of Industry of All Nations" in 1851, (4)The Importance of the "Crystal Palace," (5)Modern turism by Thomas Cook. In conclusion, I maintain that these social phenomena, which are deeply related to each other, created the modern image of Egypt.この論文の目的は、19世紀イギリスにおけるエジプトイメージの形成のあり方を歴史的に分析し、その特徴を明らかにすることにある。そのために、ミシェル・フーコーとエドワード・サイードの視点に立ち、次のような19世紀イギリスにおける多様な文化的現象を分析した。(1)パノラマ、ディオラマなどの見世物文化において、エジプトがどのように描写されているか。(2)いわゆる「エジプシャン・ホール」がエジプトイメージの形成に果たした役割。(3)1851年のロンドン万博博覧会の近代的特徴と、異文化イメージの取り扱い。(4)万博会場である「水晶宮」の果たした歴史的役割。(5)トマス・マックによる近代ツーリズムが、エジプトイメージ形成に果たした役割。以上の分析を通して、これらの社会現象が互いに密接に影響を与え合うことによって、近代的なエジプトイメージが形成されていったことが明らかになった。

1 0 0 0 総論

著者
横山 明彦
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会誌 = The journal of the Institute of Electrical Engineers of Japan (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.125, no.3, pp.145-148, 2005-03-01
被引用文献数
21 22

本記事に「抄録」はありません。
著者
宮崎 あゆみ
出版者
国際基督教大学
雑誌
教育研究 (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
no.58, pp.87-95, 2016-03

本稿の目的は,質的研究法の特徴を明確化し,質的研究法の重要な試みの一つであるポートレイチャー法を紹介することで,日本においてメインストリームとは言えない質的研究法のティーチングの発展に貢献することを目的とする。本稿では,まず,質的研究法の特質について整理し,質的研究法が,インタビューや観察等の質的なデータによって規定されるものではなく,人々の意味構築や実践のプロセスを問う「how」の枠組みに規定されることを明確化する。次に,「質的」枠組みの意味するところを考察する材料として,教育を初めとした広い領域で近年注目されているポートレイチャー法を紹介する。ポートレイチャー法とは,方法的トライアンギュレーションから得られた,文脈に即した厚い記述を基に,現実の複雑性,ダイナミズムや矛盾を捉える手法である。その手法は,社会科学の伝統的な表現方法に挑戦し,芸術と社会科学の境界を問う試みであり,「質的」の意味を考える上で示唆に富んでいる。In this article, I aim to contribute to the teaching of various types of qualitative research - which is still not viewed as a mainstream method in Japanese social sciences - through dissecting the features of qualitative research and introducing "portraiture methodology." First, I will explain that qualitative research is not determined solely by the quality of its data, but also by its framework and its "how" questions for exploring the processes of peoples' meaning constructions. I will then introduce "portraiture methodology," a widely respected methodology in many disciplines (including education), to think about what "qualitative" really means. Portraiture methodology combines various qualitative methods and pursues triangulations in various forms to obtain a thick, contextual documentation of complex, dynamic, and contested human experiences. It challenges the traditional ways in which social sciences represent reality, and incorporates artistic means to capture complex human experiences. This attempt to blur the boundaries of arts and sciences offers abundant suggestions about how to understand the meanings of "qualitative."
著者
中村 満紀男
出版者
筑波大学心身障害学系
雑誌
心身障害学研究 (ISSN:02851318)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-17, 1998-03 (Released:2013-12-18)

世紀転換期に、婚姻制限よりも有効な要保護者の発生防止策として登場するのが、去勢と断種(精管切除術)である。まず去勢が、性犯罪・累犯に対する懲罰と抑止、精神薄弱者等の生殖防止と性的抑制を目的として全国的に医師により提起され、少数ながら実施される。しかし、提唱者以外賛成はなかった。H.シャープは、精管切除術を生殖防止を目的として初めて非行者に実施した。去勢論者と類似したその目的は、コミュニティの保護および社会改良、性行動の抑制等の心身の改善、コミュニティでの結婚と家庭の維持であった。精管切除術は、第二次性徴の喪失がなく、簡便で安全であるゆえに、支持層は医師や矯正事業中心から社会事業へ、男性のみから男女両性へ、全国的に拡大し、施行もされる。その拡大は、精管切除術の対象を精神薄弱者とし、精神薄弱者の種族と国家に対する脅威説の支持に対応していた。20世紀初頭のアメリカでは精管切除術に対しては、法手続き論と感情論以外に強い反対論はなかった。
著者
須永 努 Tsutomu Sunaga
雑誌
商学論究 (ISSN:02872552)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.17-31, 2014-10-10

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出版者
陽明文庫
巻号頁・発行日
vol.第2回, 1941