著者
市原 学 小林 隆弘 藤谷 雄二 尾村 誠一 市原 佐保子
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.40, 2013

ナノテクノロジーは,並行して発展してきた分子生物学との融合を通じ新しい学術分野と革新的な技術を生み出すことが期待されている。ナノテクノロジー全体の中で,工業ナノマテリアルはその第一段階を形成するものである。一方,工業ナノマテリアルの健康,環境への影響,安全性についての研究は十分とは言えない。なかでもヒト健康へのリスク評価は優先順位の高い課題である。暴露評価はハザード評価と統合され,リスクを評価するために用いられる。工業ナノマテリアルに暴露された労働者を対象とした疫学コホート研究を立ち上げる構想が国際的にも議論されているが,その基盤としても暴露評価は重要な課題となっている。暴露評価におけるナノマテリアルに特異的な問題の一つは用量計測基準として何を選ぶかということである。この問題に関して国際的なコンセンサスはまだ得られていない。ナノマテリアルの個数,表面積が生体分子との反応性に貢献していると考えられていることから,従来の重量濃度に基づく計測基準が,ナノマテリアルの暴露を定義する上で十分かどうか疑問がある。走査式モビリティーパーティクルサイザー(SMPS)によりナノ領域を含む粒子を分級し連続的にモニターすることが可能であるが,高価で可動性に問題があり,労働現場でより簡易にナノ粒子を測定する機器の開発の必要性が唱えられてきた。米国国立労働安全衛生研究所は凝集粒子カウンター(CPC)と光散乱粒子計測装置(OPC)の併用を提案している。また,比較的安価で小型化されたSMPS,あるいは新しい小型計測機器も開発されている。長期の累積的な暴露の評価には多くの困難が伴う場合があることも指摘しなければならない。生体試料を用いた内部暴露評価のためにバイオロジカルモニタリング法の開発も求められ,そのためには様々な分野の研究者の共同が必要である。
著者
能 登志雄
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.339-343, 1933
著者
安部 国雄
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.71-84, 1981
被引用文献数
1

著者は1978年12月と1980年1.月に南インドのNilgirisに住む諸部族の調査を行なってToda-男31女42,Kota-男55女35,Kurumba-男38女42,Irula-男48女70の合計361人の形質人類学的資料を得た。その結果から各部族の生体計測学的特徴を明らかにすると共に,各部族間の形質の比較検討を行なった。Todaの形質は南インドに古くから住むKurumbaやIrulaとはかなり異なっており,IrulaはTodaと最も対照的な形質を有する。Kurumbaの計測値や示数はIrulaと非常に近似しており,この2部族は同一の種族に属すると考えられる。Kotaの主な計測値や示数はTodaと他の2部族の中間にあって,このことからKotaは嘗てTodaの1支族がKurumba或はIrulaと混血した部族であると考えられる。
著者
平凡社 編
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
vol.第1巻 (アーエ), 1959

1 0 0 0 教育新志

出版者
傳習社
巻号頁・発行日
1887

1 0 0 0 OA 佩文韻府

著者
蔡升元 等編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.2,3, 1890
著者
大分県商品陳列所 編
出版者
大分県商品陳列所
巻号頁・発行日
vol.大正10年, 1922
著者
金子光晴 訳
出版者
紅玉堂
巻号頁・発行日
1925

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1910年09月09日, 1910-09-09
出版者
五月庵写真製版所
巻号頁・発行日
vol.第2, 1935
出版者
中央公論社
巻号頁・発行日
vol.第9巻, 1942
著者
諸橋轍次 著
出版者
大修館
巻号頁・発行日
1940
著者
Hiroshi Ujike Yukitaka Morita
出版者
(公社)日本薬理学会
雑誌
Journal of Pharmacological Sciences (ISSN:13478613)
巻号頁・発行日
vol.96, no.4, pp.376-381, 2004 (Released:2004-12-22)
参考文献数
34
被引用文献数
39 63

Cannabis consumption may induce psychotic states in normal individuals, worsen psychotic symptoms of schizophrenic patients, and may facilitate precipitation of schizophrenia in vulnerable individuals. Recent studies provide additional biological and genetic evidence for the cannabinoid hypothesis of schizophrenia. Examinations using [3H]CP-55940 or [3H]SR141716A revealed that the density of CB1 receptors, a central type of cannabinoid receptor, is increased in subregions of the prefrontal cortex in schizophrenia. Anandamide, an endogenous cannabinoid, is also increased in the CSF in schizophrenia. A genetic study revealed that the CNR1 gene, which encodes CB1 receptors, is associated with schizophrenia, especially the hebephrenic type. Individuals with a 9-repeat allele of an AAT-repeat polymorphism of the gene may have a 2.3-fold higher susceptibility to schizophrenia. Recent findings consistently indicate that hyperactivity of the central cannabinoid system is involved in the pathogenesis of schizophrenia or the neural mechanisms of negative symptoms.
著者
久保 加織 玉記 加奈子 堀越 昌子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.21, 2006 (Released:2008-02-28)

【目的】ふなずしは塩漬けの後、飯とともに長期間熟成させ、製造されるが、食されるのは魚体であり、漬け床である飯はほとんど利用されない。しかし、この飯には魚から溶け出した成分の存在が考えられる。本研究では、飯の食品材料としての価値を検証し、洋菓子への添加について検討した。【方法】ふなずし飯は大津市内のふなずし専門店から漬け込み期間の異なる2種類を供与されて用いた。ふなずし飯およびそれから調製した菓子の成分として、水分、灰分、およびカルシウム、鉄を常法通りに、塩分をモール法により測定した。脂質をBright and Dyer法により抽出し、メチル化後にガスクロマトグラフィーに導入することにより脂肪酸組成を調べた。菓子の嗜好性については官能検査により判定した。官能検査は、外観、香り、食感、味、総合評価の5項目について5段階評価法で行った。【結果】 ふなずし飯には、魚由来と考えられるカルシウム、鉄、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イコサペンタエン酸(IPA)が豊富に含まれていた。飯を水中で撹拌、ろ過することによって塩分は4.5%から0.7%にまで減少し、これを脱塩飯として用いた。なお、pHは脱塩前後でほとんど変化せず3.8であった。飯を添加した菓子として、クッキー、チーズクッキー、バターケーキ、チーズケーキを調製して官能検査を行った結果、最も評価が高かったのはクッキーであリ、飯の含有率では20%が最も好まれた。飯の漬け期間の長さは官能評価にほとんど影響しなかった。脱塩飯を添加したクッキーは、カルシウム含量を98mg%と通常のクッキーの約5倍量含み、DHAやIPAも微量ではあるが含んでいた。
著者
鈴木 貞美
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究
巻号頁・発行日
vol.42, pp.187-214, 2010-09-30

日本の一九二〇年代、三〇年代における(狭義の)モダニズム文藝のヴィジュアリティー(視覚性)は、絵画、写真、また演劇等の映像だけではなく、映画の動く映像技法と密接に関係する。江戸川乱歩の探偵小説は、視覚像の喚起力に富むこと、また視覚像のトリックを意識的に用いるなど視覚とのかかわりが強いことでも知られる。それゆえ、ここでは、江戸川乱歩の小説作品群のヴィジュアリティー、特に映画の表現技法との関係を考察するが、乱歩が探偵小説を書きはじめる時期に強く影響をうけた谷崎潤一郎の小説群には、映画的表現技法の導入が明確であり、それと比較することで、江戸川乱歩におけるヴィジュアリティーの特質を明らかにしたい。それによって、日本の文藝における「モダニズム」概念と「ヴィジュアリティー」概念、そして、その関係の再検討を試みたい。