著者
槇 俊孝 若原 俊彦
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2014-GN-92, no.16, pp.1-5, 2014-05-08

近年,Web上のデータをリンクしてデータ共有を効果的に行う LOD(Linked Open Data) が注目されている.LOD は構造化されたデータ同士をリンクさせ,セマンティック・ウェブを実現するために必要不可欠なものとなっている.本研究では,Wikipedia を用いた LOD を提案し,これを用いて論文にメタデータを自動付与し論文のクラスタリングを試みる.電子情報通信学会は,2013 年 4 月から論文誌や研究会などの論文を横断的に検索できる I-Scover を提供しているが,キーワードや技術分野などのメタデータが欠損などにより完全ではないという問題点がある.そこで我々は,I-Scover に登録されている論文データを対象にして Wikipedia による LOD を用いてメタデータの自動付与を行い,論文のクラスタリングによって検索効率の向上を図る.
著者
長谷川 渡 松下 裕
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.25, pp.117-117, 2009

本論文の目的は次の推測が正しいかどうか確かめることである.すなわち,ピリオド3までの都市景観において,第2ピリオドで景観の変化を与える必要がある.実験の結果,暖色基調の景観において,明度や彩度のレベルでの変更が有効であることが示される.また,各ピリオドで刺激の選考順位が異なるため,ピリオドごとに評価値を算出し,色彩決定を検討する必要性が示される.
著者
阿久津 純
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
no.33, pp.1-11, 1957-06-30
被引用文献数
3

The stratigraphy of the Kanto Loam formation, its relation with the river terraces, volcanics which produced the many pumice beds, and the correlation of the formation with adjacent regions have been studied. The results are summarized as follow. From the lithofacies of the formation, features of sedimentation, and heavy mineral components, four membe s were recognized, these are named in descending order, A_1, A_2, A_3 and A_4; each one is separated by diastems. Each member is characterized by intercalating several pumice beds which are good guides in the stratigraphy of the formation and the correlation of the river terraces. Al member is characterized by the Shichihonzakura and Imaichi pumice beds, A_2 by the Kanuma and A_3 by the Mamiana and the. Moka, respectively. The intermittent deposition of the Kanto Loam formation and formation of the river terraces are intimately related with each other. There are no deposits of the Kanto Loam formation on the Kinushima terrace. The Tawara terrace is covered by the A_1 member and the Takaragi by the A_1 and A_2 members. The Hoshakuji, the highest river terrace, is covered by the A_1, A_2 and A_3 members. The Higher Terrace which was the depositional plane of the Kawasaki formation, is covered by all four members of the formation, but the greater part of the Higher Terrace, lacks the lower members (A_3, A_4). From the distributions and thicknesses of the pumice beds as well as from the mineralogical and lithological characters, it is inferred that the Shichihonzakura and Imaichi pumice beds are aeolian deposits, and are products of the Nantai volcanic eruptions, similarly the Kanuma is considered a product of the Akagi, the Mamiana of the Nikko and the Moka of the Takahara volcanic eruptions, respectively. From the stratigraphical and mineralogical as well as topographical characters, the Kanto Loam formation in the said area is correlated with the formations in the environs of Maebashi City, Gunma Prefecture and Southern Kanto region. A_1 member is correlated with the Upper Loam member of Maebashi and the Tachikawa Loam of Southern Kanto. A_2 member corresponds to the Middle Loam member and is a little younger than the Musashino Loam. A_3 member may be correlated with the Shimosueyoshi Loam. The Quaternary history, related to the deposition of the Kanto Loam formation, is briefly discussed.
著者
関川 宗久 稲葉 直彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.486, pp.139-143, 2014-03-03

本報告では,delayed logistic mapの結合系に見られる高次元トーラスの部分同期現象(Arnold resonance web)を解析する.この結合離散時間力学系は,連続時間力学系における3次元トーラスに相当する2次元不変トーラス(2次元IT:invariant torus)を発生する.また,2次元IT発生領域内部において,多数の1次元不変閉曲線(1次元ICC:invariant closed curve)発生領域が存在する.ここで,1次元ICCは連続時間力学系における2次元トーラスに相当する.パラメータ平面上において,1次元ICC発生領域は2次元IT発生領域内部で縦横無尽に存在し,そのweb状の分岐構造はArnold resonance webと呼ばれている.本報告で解析する結合系では,錯綜する1次元ICC部分同期引き込み領域の交叉点において,Chenciner bubblesと呼ばれる周期解発生領域が観察された.分岐解析により,Chenciner bubblesの境界にはサドル・ノード分岐とネイマルク・サッカー分岐の2種類が存在することが明らかとなった.
著者
神山 恭平 遠藤 哲郎 小室 元政
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.250, pp.145-150, 2014-10-09

我々は,これまでの研究において離散力学系(マップ)と連続力学系(フロー)の準周期解(正確にはマップの1-トーラスとフローの2-トーラス)について,その局所分岐の位置と型が分岐の直前におけるDominant Lyapunov Exponent (DLE)とDominant Lyapunov Bundle (DLB)によって知ることができることを明らかにした.すなわち, DLEが零になる点で分岐がおこり,その分岐の型はDLBをみることによってあきらかとなる.すなわち,マップの1-トーラスの場合はDLBにはA^+,A^-,M,Fと4つの型がある.フローの2-トーラスのDLBはマップの1-トーラスの2つのDLBの組み合わせであらわされるが,このうち,基本的にA^+×A^+(サドル・ノード分岐), A^-×M(被覆度倍分岐, M×A^-とM×Mは同じ分岐である), F×F(ネイマルク・サッカー分岐)の3種類の分岐しか存在しないことを明らかにした.被覆度倍分岐においてはポアンカレ断面の取り方によって被覆度倍分岐と周期倍分岐両方がみられる.本研究では,位相同期回路において被覆度倍分岐がおこることを示す.
著者
藤原 澄人 稲葉 直彦 関川 宗久 藤本 憲市 吉永 哲哉 遠藤 哲郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.487, pp.77-80, 2013-03-07

本研究では,delayed logistic写像の結合系を解析し,2-トーラスと3-トーラスの境界について調べた.2-トーラスと3-トーラスの境界については,リミットサイクルの2度のネイマルクサッカー分岐によって生じるという仮説があった.その仮説は多くの研究者を惑わせるシナリオであったに違いない.しかしながら,1世代前の計算機の計算機速度ではそのシナリオの可否を十分に検証することは難しかった.本研究では,3-トーラスを発生するdelayed logistic写像の結合系をリアプノフ解析することにより,その仮説が成り立たないことを明らかにする.
著者
山内 庄司 中西 重康 石谷 清幹
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.47, no.416, pp.693-702, 1981-04-25

蒸発管内密度波振動(流れ逸走を含む)の安定限界に対し, 各種因子が及ぼす効果について, 広範囲に解析的に検討した. 圧力降下一定の均一加熱管を対象に, 均質流モデルを用いて解析し, 7個の無次元パラメータによるスケーリングが可能であることを示した. また, 基礎式を線形化, ラプラス変換して得た特性方程式を用いて, ラプラス平面の虚軸をパラメータ空間に写像(ネイマルクのD分割法)することにより, いくつかのパラメータ平面で安定限界の形状を示した. 特に線形パラメータ面上では, D分割境界線の形状に双曲線状のものとだ円状のものがあり, 前者では, 安定限界は対応する漸近線にほぼ一致することを示した. また蒸発管内流動時間と安定限界振動数との関係についても検討し, 奇数次の振動が可能なこと, 本モデルでは極端な例を除いて基本振動が最不安定であることなどを示した
著者
関川 宗久 藤原 澄人 稲葉 直彦 遠藤 哲郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.15, pp.29-33, 2013-04-18

本研究では,delayed logistic写像の結合系を解析し,ICCと不変トーラスの関係を数値実験によって調べた.リアプノフ解析により,不変トーラスの発生パラメータ領域を調べたところ,縦横無尽に走るICC-アーノルドタングが観察された.同図において,準周期ネイマルク・サッカー分岐および準周期サドルノード分岐の発生を確認した.さらに,アーノルドタングがネイマルク・サッカー分岐によってICC-アーノルドタングに遷移するという極めて興味深い分岐構造を見出した.
著者
関川 宗久 稲葉 直彦 遠藤 哲郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.250, pp.129-132, 2014-10-09

本研究では, delayed logistic写像の2個の結合系である離散時間力学系を解析する.単体のdelayed logistic写像は不変1次元トーラス(invariant one-torus: IT_1)を発生するため, 2個のdelayed logistic写像の結合系は不変2次元トーラス(invariant two-torus: IT_2)を発生しうる. IT_2を発生する力学系では, IT_2を発生するパラメータ領域内部でIT_1を発生する部分同期引込領域(IT_1-Arno1'd tongues)が縦横無尽に交錯する.このような蜘蛛の巣状のIT_1部分同期引き込み領域はArnol'd resonance webと呼ばれている. 2つのIT_1-Arnol'd tonguesの交点ではChenciner bubblesと呼ばれる完全同期引き込み現象が生じ,周期解が発生する.本研究では,このChenciner bubblesの分岐構造を解析し,この同期引き込み領域がサドル・ノード分岐とネイマルク・サッカー分岐によって囲まれていることを明らかにする.