著者
倉掛 重精 菅原 和夫 三上 靖隆 中路 重之 長内 剛 岡村 典慶 大下 喜子
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, 1990-12-01

日本ナショナルチーム女子選手の試合中の心拍数は、勝敗によって影響を受けることはなかったが、試合内容や対戦相手によって大きく影響を受けるのではないかと考える。試合中の心拍数はゲーム数の違いによって、差が認められ、ファイナルゲームになると心拍数が低下を示した。又、個人別には、試合間で心拍数に差が認められたが、この差が試合中の集中力の差であるのかは、今後の検討課題である。
著者
高橋 幸裕
出版者
尚美学園大学
雑誌
尚美学園大学総合政策論集 (ISSN:13497049)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.85-102, 2015-12-25

高齢者介護では利用者のQOL(Quality of life:生活の質)が重視されている。しかし、政策的には人生の最後のあり方(死の迎え方)について十分に検討されてこなかった。その背景に、かつて日本では日常生活と死は密接したものであったが、医学の進歩に伴って延命治療が重視された結果、家庭から遠ざかってしまったことにある。1976年には在宅死よりも病院死の割合が上回って以降、日常生活の中で死を経験する機会が失われてしまうことになった。他方、介護職の養成テキストをみると、死が差し迫った利用者と家族への支援方法やその後の対応については僅かな記述しかなく、十分に意識されたものとはなっていない。このような実態を踏まえて、在宅介護現場では看取りに対してどのような課題があるのかを整理した。その結果、在宅介護現場では看取りを希望する利用者・家族に対し、どのような実態と課題があるのかを検討するために聞き取り調査を実施した。ホームヘルパーは利用者が生き続けることを前提とした介護サービスを提供していることから、利用者や家族から看取り支援を依頼された際に看取りに関する経験不足だけでなく医学的知識がないことを理由に戸惑いや不安を感じていることが明らかとなった。
著者
久保 隆志

本研究の目的は,相談援助実習終了後の実習生が作成する実習報告書のテキストマイニングを通して,実習終了後に形成されると考えられる利用者の権利等に関連する記述を探索し出現状況を把握することにある.同時にそれらの探索を行うことにより,利用者の権利等に関する意識の形成方法について若干の整理を行うことで以降の研究方法を検討していくことを目的とした. テキストマイニングの対象となった実習報告書は,A 大学三年次生18 名とB 大学三年次生32 名が相談援助実習終了後に作成したものである.結果として相談援助実習を終えた実習生が,利用者の権利等について認識し,それらを言語化することに一定の限界があることを見出した.また一般社団法人日本社会福祉士養成校協会が受託した,(公財)社会福祉振興・試験センター 平成26 年度社会福祉振興関係調査研究助成金事業「社会福祉士養成新カリキュラムの教育実態の把握と,社会福祉士に必要な教育内容のあり方に関する調査事業」の調査研究からも同様のことを確認することができた. 以上のことを踏まえて実習生が利用者の権利等について認識する方法を模索した.
著者
宮原 征人
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.12, no.22, pp.104-105, 1993-08-20

今回、紹介するユニット スペースラインフィール21は、人間の持つ固有感覚に基づき開発されたもので、開発コンセプトは、(1)Top Level Patient Relation Ship (2)Top Level SKill For Treatment (3)Top Level Infection Controlである。その結果、最もシンプルで容易な診療行為を行える新ユニットを開発したので紹介する。
著者
曽根 敏雄
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.227-233, 2004-03-15 (Released:2009-08-07)
参考文献数
19
被引用文献数
1

北海道置戸町,鹿ノ子ダム左岸の風穴が分布する斜面において地温観測を行なった.ここには永久凍土が存在していたが,1979年の人工改変により斜面の状況が変化し,1990年までには永久凍土は消滅したと考えられている.しかし寒冷であった2001年に地下2m深で越年性凍土が形成された.年平均気温が約4℃以下の寒冷な年が継続すれば,再び永久凍土が形成される可能性が高い.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1931年01月19日, 1931-01-19
著者
窪 徳忠
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大学佛教学部論集 (ISSN:0389990X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.236-255, 1986-10
著者
白樫 正高 古塩 淳 徳長 靖 橋本 斉 脇屋 正一
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.75-82, 1986
被引用文献数
2 1

ポンプ・管路系による雪の水力輸送を,市街地のような広い地域からの排雪手段として適用する場合,小径の管を順次合流させ,大径管により長距離を輸送するのが適当と考えられる.本研究ではこのような樹木状配管における合流部の形状で最も基本的と考えられるT字形合流管における雪水二相流の損失動力を実験的に調べた.内径77mmの本管に同径の支管が直角に交る合流管において,雪の吐出し体積分率の等しいざらめ雪・水二相流が合流する場合の,合流前の本,支管流量Q1,Q2,管に沿った圧力の低下,合流後の雪の吐出し体積分率を測定した.比較のための試料としてプラスチックビーズを用いた.合流後の流量Q3一定の条件下で雪水二相流の合流損失は清水(せいすい)の場合と同様の挙動を示した.すなわち,雪水混合体を均質流体とみなして定義した合流損失係数と流量比Q2/Q3の関係は清水の場合とほぼ一致し,雪の混入による合流損失係数の増加は小さい.これに対し,プラスチックビーズ・水二相流ではビーズの分率とともに合流損失係数が大きくなる傾向が明らかである.以上の結果から,ざらめ雪・水二相流のT字管における合流損失動力は,清水についての合流損失係数を用いて概略推定する事ができると考えられる.
著者
平井成 編
出版者
脇秀文館
巻号頁・発行日
1908
著者
木下 麗子
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.37-51, 2016-02-29

本研究の目的は,地域包括ケアシステムの構築に向けて潜在化が懸念される外国籍住民の福祉的課題を検討し実践課題を明らかにすることである.また,当事者と協働するCBPR (Community Based Participatory Research)を用いてリサーチと実践の循環過程によるコミュニティ・エンパワメントの可能性を考察する.調査は,大阪市生野区A地域において実施し社会福祉サービスの認知状況等に関して,在日コリアン高齢者126人,日本人高齢者104人より回答を得た.分析は文化的背景の相違による変数について把握するために「在日コリアン高齢者」と「日本人高齢者」の集団を目的変数とし,質問項目を説明変数としてロジスティック回帰分析を行った.分析の結果「集い場への関心」「社会福祉サービスの認知度」「介護保険サービス利用不安度」「地域包括支援センター認知度」「生計」「年齢」について関連がみられた.本調査を通じて集い場を活用した福祉アクセシビリティ向上への取り組みが展開されることになった.
著者
朴 永哲
出版者
史学研究会
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.570-597, 1997-07
著者
朴 永哲
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.570-597, 1997-07

個人情報保護のため削除部分あり従来、中国法制史の研究に於いては概ね制度の外郭解明に比重が置かれてきたが、社会と人々の意識の次元から法を捉えることが必要であると筆者は考える。かかる問題意識より本稿は主に太平広記所収の唐代入冥譚を題材として当時の中国人の法意識を探ろうとするものである。そこに見える地獄の裁きは現実の律令裁判の模倣であったが、次第にその裁きは宗教的厳格さを失い世俗化していくとともに、ついには裁きの消滅、地獄の現世への従属を見るに至る。それは中国における伝統的な不死の信仰と、神による正義の実現なる西洋的法観念の欠如がもたらした結果であったが、またそこには現世の人情を裁きの基準とする「原情主義」の現れをも看取することができる。「原情主義」は現実の律と裁判に於ける基本原則の一であり、その地獄説話への反映は当時の中国人の意識における正義の所在を示すものと考えられる。