著者
LOPEZ Maria Claudia MUNRO Alistair TARAZONA-GOMEZ Marcela
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.15-10, 2015-07

A recurring and puzzling pattern with experiments on intra-household behaviour is the common failure of couples to attain the cooperative solution. Using married couples from a low income area of Bogota, Colombia we conduct an experiment that raises the salience of the family vis-à-vis outsiders. In this experiment husbands and wives play a repeated voluntary contribution game. At the same time each participant plays an identical game with one stranger in the same session. When investments to the common pools are made from separate and non-fungible budgets, most subjects contribute more to the household pool than the stranger pool, but rarely contribute everything to the household even after repetition and opportunities for learning. Efficiency is not obtained. However, when subjects make contributions to the two games from a single budget many individuals converge rapidly on a strategy of investing everything in the household pool and contributing little to the pool with a stranger. Overall the amount invested in some pool rises. Our results are in line with games played with individuals in which in-group cooperation is higher when membership of the group is more salient. They suggest that strengthening family identity may raise intrahousehold cooperation, but at the expense of cooperation of interhousehold cooperation.
著者
田中 哲朗
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2012-GI-27, no.12, pp.1-6, 2012-02-24

完全に解析を終わったゲームで完全プレイをおこなうためのデータベースは,完全ハッシュ関数とウェーブレット木を用いて,小さな記憶容量で実現できる.本研究では局面のノードを一段展開することで,更に記憶容量を減らす方法を提案する.これにより,「どうぶつしょうぎ」 の完全プレイのデータベースを 54.8MB の記憶容量で実現できた.これは,単純な実装と比較して 1/15 の容量となっている.
著者
林鎭代/中西一彦/濱田格子 ShizuyoHAYASHI /KazuhikoNAKANISHI /SadakoHAMADA
雑誌
教育総合研究叢書
巻号頁・発行日
vol.4, pp.97-118, 2011-03-31

本研究は、国際化社会に生きる子どもの育成における絵本活用の可能性を明らかにすることを目的に、基礎研究として日本、韓国、台湾の絵本の内容の比較を行った。取り上げた絵本は、日本語訳されている韓国と台湾の絵本、および日本の絵本のうち韓国または台湾で翻訳されているもの、各20冊前後である。日本の絵本は国際的に評価が高く、韓国、台湾、中国で多く翻訳されている。物語絵本のほか、生活絵本、科学絵本も多い。韓国の絵本は、儒教的な意識や教育的な意図が感じられるものが多い。台湾の絵本の日本語訳は多くはないが、様々なタイプの絵本が作られる自由さが感じられる。各国の差異から、絵本には、その国の子どもに託した希望が凝縮されていることが明らかとなった。今後の課題として、韓国の絵本に見られる規範性、台湾の絵本に見られる心の自由さが、どのように実際の場面で活用されているのか調査し、日本における絵本活用で、取り入れたい点や改良すべき点について研究していくことが望まれる。
著者
崎村夏彦
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.21-28, 2015-01-15

新時代の経済を担う石油とも言われるパーソナルデータの流通であるが,あたかも石油が公害問題を克服せざるを得なかったように,プライバシー上の課題を克服しなければ大規模な実現は難しい.そのためには,プライバシー保護をプロトコルデザインの段階から埋め込むことが必要である一方,盛り込むべき項目は一般事業者が採用できるようなプラクティカルな配慮も不可欠である.本稿では,2014年2月に標準として承認されたOpenID Connectについて,どのようなプライバシー保護手段が盛り込まれたか,それがどのようにプライバシー・トラストフレームワークの実現に寄与するかについて概観する.
著者
吉田 光男
出版者
情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.501-507, 2014-12

インパクトファクターやh 指数など被引用数をもとにした指標により,学術情報の評価が行われてきた。2010 年前後より,被引用数にかわる評価指標として,ソーシャルメディアなどにおける言及の利用が試みられている。この指標はオルトメトリクスと総称される。本稿では,オルトメトリクスの概要,および,筆者が開発している国産オルトメトリクス計測サービスCeek.jp Altmetrics の開発について述べる。さらに,ソーシャルメディアなどにおける日本語文献の言及動向を報告し,今後の展望について述べる。Academic information has been evaluated by citation-based indicators such as the Impact Factor and h-index. Since around 2010, mentions in social media have been used instead of citation-based indicators.These indicators are called “Altmetrics”. This paper discusses the overview of altmetrics and the national altmetrics measurement service “Ceek.jp Altmetrics” that the author has been developing. In addition, the paper reports the trend of mentions for Japanese academic information in social media and discuss the future outlook.
著者
川島直美 堀口裕正 伏見清秀
雑誌
デジタルプラクティス
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.268-275, 2013-07-15

国立病院機構本部診療情報分析部は2010 年度, 診療情報データバンクを整備し, 機構144 の病院から診療データを集め分析を行っている. ここでは収集データの特性と問題点, 分析のためのデータセットの構築に至るまでの各種問題の解決,およびそれらを元に行っている分析を紹介する.
著者
山田 太造
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2015-CH-105, no.4, pp.1-6, 2015-01-24

本研究は,地域研究史資料を対象として,記述内容における時空間変化を追跡可能なデータ構造の確立を目指す.本報告では特に,本研究における地域研究史資料からのテキスト作成,テキストからの時空間情報の抽出・トピックの検出の各手法について述べる.
著者
阿部 香澄 日永田 智絵 アッタミミ ムハンマド 長井 隆行 岩崎 安希子 下斗米 貴之 大森 隆司 岡 夏樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.2524-2536, 2014-12-15

核家族における育児負担軽減などを目的として,我々は家庭内で子どもと遊ぶロボットの実現を目指している.具体的には,子どもの遊び友達となり,親が家事などをする30分ほどの間,子どもの興味を引きつけ遊んでいてくれるロボットである.保育者が誰とでも遊べるように,このロボットがどんな子どもとも柔軟に遊べることが望ましいと我々は考えている.しかし実際は,子どもの内向的性格などが原因で一緒に遊べない場合がある.そこで本研究では,ロボットとの良好な関係構築が容易でない子どもへの対応方法を検討し,その方策として,子どもの性格に応じた行動選択の仕組みを考える.この仕組みを実現する第1歩として,本論文では“人見知りの子どもが親近感を持つために有効な遊び行動が存在する”という仮説を検証する.まず我々はロボットが子どもに対して親密な態度を示しやすい“親和的遊び行動”と,不安が強くても遊べる“不安緩和遊び行動”を定義し,遊び行動を分類した.そして保育者が遠隔操作するロボットと5~6歳児との遊び実験を行い,これらの遊び行動と親近感の関係を調べた.その結果,“親和的遊び行動”と“不安緩和遊び行動”の両方の要素を持つ遊び行動が,人見知りの子どもに有効であることが示唆される結果を得た.
著者
磯山直也 ウォーリー木下 出田怜 寺田努 塚本昌彦
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.168-179, 2014-09-12

本稿は,参加型演劇YOUPLAYの概要,システム構成,公演を通じての考察について報告する.YOUPLAYとは,一般の参加者が演者となり,決められた物語の中で役を演じる舞台となっている.舞台は床一面壁一面に映像が投影されており,舞台の天井にカメラを仕込んだり,参加者がセンサを身に着けることによって,映像や音声がインタラクティブに変化し,参加者は物語の中に没入して演じることができる.YOUPLAYはこれまでにYOUPLAY Vol.0(03/20–24,2013)とYOUPLAY Vol.1(11/16–24,2013)の2度,大阪梅田のHEP HALLにてそれぞれ全40公演ずつ行なっており,参加者の様々な反応を見ることができた.参加者からは自由記述のアンケートも得ており,「楽しかった」「またやりたい」などといった感想が多く見られた.
著者
奥野峻弥 浅井洋樹 山名早人
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IFAT-115, no.12, pp.1-6, 2014-07-25

従来,著者推定研究は小説に対する著者推定を中心に研究が行われており,推定対象を限定した,少人数に対する著者候補者群が取り扱われてきた.これに対し,我々はマイクロブログを対象にした,不特定多数の候補者群に対する著者推定の提案を行った.その際,精度向上のためマイクロブログ特有の叫喚フレーズに対する正規化手法,および計算量削減のため推定に必要となるメッセージ数を削減する手法を提案してきた.本稿では,より多くのマイクロブログ利用者を対象にした著者推定を行う上での問題点,特に学習用データとテストデータの取得期間の差異が精度に与える影響について検証し,学習用データの取得期間が精度に与える影響を小さくする手法を提案する.実験では Twitter ユーザ 10,000 人に対して著者推定を行い,Precision@1 で 0.535,MRR で 0.602 を達成した.