著者
戸谷 義明
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学研究報告. 自然科学編 (ISSN:18845169)
巻号頁・発行日
pp.37-45, 2018-03-01

For delivery lectures of the chemical experiment related to foods, the procedure of making confectioneries were investigated. Since 2006, “Making Sweet Alginate Beads (Artificial Salmon Roe)” was chosen as a theme and the preparation methods were developed chemically. After the first report of the method and practice in 2006, three practices in 2010, 2012, and 2013 by using further developed methods were performed. The procedures and the result of the practices were detailed in this report.
著者
河野 友哉
出版者
北海道大学大学院文学院
雑誌
研究論集 (ISSN:24352799)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.39-51, 2021-03-31

三善清行が延喜七年に著した『藤原保則伝』は、地方官として備中・備前・出羽・大宰府などで活躍した〝良吏〟藤原保則の事績を記す、漢文体の伝記である。従前の研究史においては、作品の叙述は主として〝良吏〟保則の側から分析されることがほとんどであったが、作中にはその対極にある〝悪吏〟も描かれていることに注目し、その〝悪吏〟を俎上に載せようとするのが本稿である。かかる〝悪吏〟の描写を、先行研究にも拠りつつ具体的に検討してゆくと、わずかな罪や不法行為にまで目を光らせて恐怖政治を行う者や、私利私欲を満たすために苛酷な徴税に走る者など、まさに〝悪吏〟と呼んで然るべき悪政の様子が看取される。前者はその恐怖政治を以てしても何らの功も上げ得ず、儒教的な徳治では当然無いが、律令的な法治とも到底言い難いものであり、後者はその強欲さ・貪欲さという一点において、一〇世紀初頭に新たに立ち現れてきた「受領」に近い存在と言うべきであった。そして、いずれの場合においても、〈国司の個人的な素養や道徳性の如何といった属人性が問われなくなっていった〉という社会変動がその背景に潜んでいるように思われる。かように考えてみると、本稿で取り上げた〝悪吏〟たちは、古代的地方支配の要であった国司の属人性が無効化されていった時代を象徴する存在として描かれており、その点にこそ彼ら〝悪吏〟たちの意義が求め得るのではなかろうか。その上で、作者清行は、漢籍の表現に範を取りつつも単なる断章取義に留まらず、当時の我が国が直面していた〝古代的地方支配の不可能性〟という問題の一端を『保則伝』のテキスト上に具現せしめたのだ、と言うことも決して不可能ではないのである。
著者
宮澤 菜那
出版者
富山大学比較文学会
雑誌
富大比較文学
巻号頁・発行日
vol.9, pp.172-199, 2017-03-10

森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』は、『小説 野生時代』(角川書店)に、「夜は短し歩けよ乙女」(二〇〇五年九月)、「深海魚たち」(二〇〇六年三月)、「御都合主義者かく語りき」(二〇〇六年十月)、「魔風邪恋風邪」(二〇〇六年十一月)の全四回の連載を経て、二〇〇六年十一月に刊行された長編小説である。この作品は、二〇〇七年四月に本屋大賞第二位に選ばれ、同年五月に第二十回山本周五郎賞を受賞、そして七月に第一三七回直木賞候補作に選ばれるなど、世間から注目を集めた、森見登美彦の出世作と言っていい作品でもある。『夜は短し歩けよ乙女』は現代風の大学生の恋愛模様を軸に展開され、破天荒な人物たちが数多く登場し、奇怪な出来事が次々と起こる、一見すると荒唐無稽な物語である。しかしながら、森見登美彦独特の文体によって綴られる物語は破綻することなく、一定の調和を保ちながら成立している。読み手をその世界に引きずり込んでいくような不思議な力があり、そこが魅力の作品である。この作品には、第二章「深海魚たち」において重要なアイテムとして登場する『ラ・タ・タ・タム――ちいさな機関車のふしぎな物語』をはじめとして、合わせて三十以上もの文学作品が固有名詞として用いられている。また、固有名詞として登場しているだけでなく、他作品の台詞の引用なども多く見られる。本稿では、こうしたプレテクストに着目し、森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』について考察していく。
著者
Tooming Uku
出版者
Critica
雑誌
Critica: Revista Hispanoamericana de Filosofia (ISSN:00111503)
巻号頁・発行日
vol.53, no.157, pp.127-150, 2021-04-30
被引用文献数
1

Enticing food photography which stimulates its viewers' cravings, often given a dismissive label "food porn," is one of the most popular contents in contemporary digital media. In this paper, I argue that the label disguises different ways in which a viewer can engage with it. In particular, food porn enables us to engage in cross-modal gustatory imaginings of a specific kind and an image's capacity to afford such imaginings can contribute to its artistic merit.
著者
常木 暎生
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.59-85, 2008-12-20

This research proposes ansewrs to the following two questions: ①What do that brand advertisement express from the perspective of content analysis? ②Does a person who looks at brand advertisements have some kind of image, from the perspective of impression evaluation? Brand advertisement is not about the appeal of the goods themselves. Brand advertisement strengthens the brand image: its nobility, unfriendliness, elegance, beauty and privilege. The receiver of brand advertisements receives an impression which is similar to the image which the advertisements has expressed. The sender and the receiver of brand advertisements are sharing the same brand image.
著者
閔 永盛
出版者
北海道大学大学院法学研究科
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.157-182, 2011-03-31
著者
原田 幸一
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学医学部保健学科紀要 (ISSN:18807151)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-6, 2006-01-31

鉛貧血については、鉛により赤血球膜の浸透圧に対する脆弱性が増大し、そのため赤血球が破壊することによる溶血性貧血と、ヘム生合成への鉛の阻害作用による貧血の2つの観点から理解される。ここでは、ヘム生合成に影響する鉛による貧血について考察する。