著者
犬飼 哲男
出版者
札幌博物學會
雑誌
札幌博物学会会報
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.77-91, 1924-11-10
著者
泉 優紀子
出版者
北海道大学大学院教育学研究院教育福祉論研究グループ
雑誌
教育福祉研究 (ISSN:09196226)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.51-57, 2020-02-27

本稿の目的はエヴァ・フェダー・キティの議論を整理することによって、特別な関係性の中で行われるケアそのものやケアを担うということ、またケアをめぐる関係性は社会の中でどのように位置付けられているのか、まとめていくことである。またキティは、どのようなケアの分配が正義にかなっているといえると考えているのか、まとめることである。 具体的にはエヴァ・フェダー・キティの著作「Loveʼs Labor: Essays on Women, Equality, and Dependency (1991)」を日本語訳した、「愛の労働 あるいは依存とケアの正義(2010)」における議論を整理していく。
著者
櫻井 義秀
出版者
日本脱カルト協会(JSCPR)
雑誌
JSCPR
巻号頁・発行日
vol.9, pp.20-34, 2005
著者
中村 基一 河本 大地 相生 真志 吉田 寛
出版者
奈良教育大学ESD・SDGsセンター
雑誌
ESD・SDGsセンター研究紀要 = Bulletin of Center for ESD and SDGs (ISSN:27585948)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.97-102, 2023-03-31

吉野林業は日本有数の木の産地として知名度が非常に高いが、原料供給の川上部分だけがクローズアップされ、 原木市場などの流通や製材業、木材製品の流通・販売業者などの川中部分に着目されることは少ない。そこで、本実践 においては黒滝村における川中の分野を取り上げる。原木を加工して、付加価値を加えていく過程を生徒に体験させた り、現地の人々の話を聞いたりすることで、地域教材として作り上げることができると考える。また、コロナ禍の影響 やウクライナ情勢、持続可能な社会を創るためにも、国産材に注目が集まっている。経済性を重視するあまり、安い外国産材や大規模工場での加工などに偏り、地域から持続可能な産業が消滅しつつある。そうした課題を克服し、今後も森の資源をさらに活用するためにはどのように行動すればよいか、考えさせたい。
著者
鈴木 中正
出版者
東洋史研究會
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.606-629, 1978-03-31

The Ta-ch'eng sect which spread from Yunnan 雲南 to Szechwan 四川, Kweichow 貴州, the Yangtze 揚子 valley provinces, Chih-li 直隷, and to the capital of Peking北京 in the mid-Ch'ing period, was founded by Chang Pao-t'ai, a kung-sheng 貢生 from Ta-li 大理 prefecture of Yunnan. Like other founders of sects in the late Ming 明 and early Ch'ing periods, he held lower gentry status which one can identify with the "popular literati" 大衆的讀書人 as categorized by Tadao Sakai 酒井忠夫. The contents of his teachings are difficultto know, but the records of his attaining enlightenment and founding a sect at Mount Chi-tsu 鶏足山 give us a clue. Situated to the northeast of Ta-li, this mountain had become famous all over China as a sacred place of the Maitreya Buddha who would descend there and hold the Three Dragon Flower Meeting 龍華三會. Chang's enlightenment may have been based on Zen practices, but when he preached to a congregation of commoners, he seems to have included the Maitreya cult in his soteriological system. When the sect was suppressed in 1746, it had been divided into three sub-sects. One of them had a clearly anti-Ch'ing political color, but the others were presumably non-political. It seems the politically colored sub-sects had begun to cooperate with the kuo-fei bandits 嘓匪 and with mine-workers in Szechwan, a group of discontented, anti-regime fighters. Soon after their foundation, popular sects in China fell in to organizational and doctrinal disunity, a feature which corresponds to the characteristics of Chinese society observed by Mark Elvin as "the most fluid society in the world, " haunted by constant competition rather than harmony.
著者
揚妻 直樹
出版者
北方林業会
巻号頁・発行日
pp.114-117, 2009-03

北の森づくりQ&A : 北方林業創立60周年誌
著者
田中 佑実
出版者
北海道大学大学院文学研究院北方研究教育センター
雑誌
北方人文研究 (ISSN:1882773X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.43-61, 2022-03-25

フィンランドのサヴォ地方では、かつて死者のカルシッコと呼ばれる樹木が知られていた。死者のカルシッコは、家から墓場へと通じる道の途中に立つ木々の中から選ばれ、枝が切り落とされたり、死者のイニシャルや生没年が幹に刻まれることで作られた。それらの樹木は死者の帰還を防ぐものとして、17世紀以降、主にルーテル派教会に属するサヴォ地方の人々の間で機能していた。死者のカルシッコは人々の生活を守り、畏敬の念を集める対象であったが、19世紀後半以降の近代化によって、その認識は塗り替えられていった。 これまでの死者のカルシッコに関する先行研究では、その形式や起源、機能、分布、ヨーロッパやバルト地域との関係等について考察がなされてきた。死者のカルシッコに関する研究は1880年代から1990年代まで連綿と行われており、起源や機能、死者と生者のつながりに関する議論が中心である。しかし2018年以降、筆者が死者のカルシッコの風習を続ける家族のもとで行ってきたフィールドワークにおいて、風習に関して家族の口から頻繁に語られたことは、死者についてのものよりも、樹木と彼ら自身についてであった。 本論文では、まず死者のカルシッコを取り扱う土台として、フィンランドの宗教的文化的歴史背景を紹介し、先行研究をもとに死者のカルシッコの形成や変化について記述する。その後フィールドワークの情報を参照しながら、衰退の一途を辿る風習の現状を示し、死者のカルシッコの木と、ある家族の繋がりについて「エラマelämä」という言葉に着目し考察する。