著者
アン デービス
雑誌
長野県看護大学紀要 = Bulltein Nagano College of Nursing (ISSN:13451782)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.1-10, 2017-03-31

アン・デービス名誉教授の看護師および看護学者としての半生記である.英文学と哲学で身を立てるよう勧める親に背いて看護を選んだこと,その動機はアフリカでシュバイツアーと働くためだったこと,大きく人生を決定づけたのは,自身の選択とともに,さまざまな偶然や人との出会いであったこと,シュバイツアーの自伝を読んで以来,常に旅に憧れ,実行に移した大小の旅が人との出会いや人生の転機をもたらしたことが述べられている.具体的なエピソードを通して,臨床で体験した精神看護の面白さや,カリフォルニア大学や長野県看護大学での教員生活につながった自身の選択,重要な人々との出会い,自身を有名にした生命倫理の著書執筆の学術的・時代的背景,長野県看護大学に来た経緯とそこで見藤学長と一緒にした仕事,アイデアの提案と実現に関する日米間の社会文化的差異の観察などが語られている.
著者
町田 三郎
出版者
九州大学文学部
雑誌
哲学年報 (ISSN:04928199)
巻号頁・発行日
no.51, pp.p59-78, 1992-03
著者
宇野 重規 谷澤 正嗣 森川 輝一 片山 文雄 石川 敬史 乙部 延剛 小田川 大典 仁井田 崇 前川 真行 山岡 龍一 井上 弘貴 小野田 喜美雄
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

研究の二年目にあたる平成30年度は定例の研究会を続け、通史的な視点の確立と全体的枠組みの決定を目指した。その目的は、共和主義、立憲主義、リベラリズムを貫く座標軸を見定めることにあった。この目的に向けて、まずは18世紀における共和主義と立憲主義の関係について集中的に検討を行った。その成果は、社会思想史学会において分科会「アメリカ政治思想史研究の最前線」を企画し、石川敬史が「初期アメリカ共和国における主権問題」報告することにつながった。この報告は主権論に即して、初期アメリカにおける思想対立をヨーロッパの思想との連続性において捉えるものであった。第二にプラグマティズムとリベラリズムの関係についても考察を進めた。具体的には研究会を開催し、研究代表者である宇野重規が「プラグマティズムは反知性主義か」と題して報告を行なった。これはプラグマティズムをアメリカ思想史を貫く反知性主義との関係において考察するものであり、プラグマティズムの20世紀的展開を検討することにもつながった。さらに小田川大典が「アメリカ政治思想史における反知性主義」と題して報告を行い、アメリカ思想史の文脈における反知性主義について包括的に検討した。さらに上記の社会思想史学会においては、谷澤正嗣が「A・J・シモンズの哲学的アナーキズム」と題して報告を行っている。これは現代アメリカのリベラリズム研究におけるポイントの一つである政治的責務論において重要な役割を果たしたシモンズの研究を再検討するものである。人はなぜ自らの政治的共同体に対して責務を負うのか。この問題を哲学的に検討するシモンズの議論は、アメリカ思想におけるリベラリズムと共和主義の関係を考える上でも重要な意味を持つ。シモンズを再検討することも、本年度の課題である通史的な視点の確立に向けて大きな貢献となった。
著者
東 敏徳
出版者
三田哲學會
雑誌
哲学 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.124, pp.139-156, 2010-03

投稿論文
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
vol.第1篇, 1935
著者
浅見 洋
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.317-340, 2008-09-30

思想史的意義をもつとみなされてきた宗教批判は、宗教そのもの、特定の宗教、ないしはある教派の真理性を否定することによって、真理性をもつと考えられる何ものかを肯定しようとする思想的な試みである。だとすれば、宗教批判は宗教に関する真理問題と関わっていくつかの立場に類型化することが可能だと思われる。本稿では無神論的立場、絶対主義的立場、包括主義的立場からなされた宗教批判として、L・フォイエルバッハの無神論的宗教批判、K・バルトの神学的宗教批判、西田幾多郎の哲学的宗教批判を取り上げ、各々の宗教批判の構造とそれらの関連性に論及する。それによって、フォイエルバッハの宗教批判は人間学の構築、バルトの宗教批判は神学の再興、西田の宗教批判は宗教の説明をめざした肯定的、創造的な作業であったことを明らかにする。