著者
稲田 尚子
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.117-125, 2015-05-31

患者報告式アウトカム尺度が翻訳されることにより、研究成果の国際比較および国際共同研究が可能となる。翻訳された尺度から得られるデータの質は、その翻訳の正確さに依存する。ISPOR(International Society for Pharmacoeconomics and Outcomes Research)タスクフォースによるガイドラインは、患者報告式アウトカム尺度の翻訳に関する質を担保し、ひいては研究報告の質を高めるうえで有用となる。本稿では、当該ガイドラインに従って、推奨される10の手続き((1)事前準備、(2)順翻訳、(3)調整、(4)逆翻訳、(5)逆翻訳のレビュー、(6)調和、(7)認知デブリーフィング、(8)認知デブリーフィング結果のレビューと翻訳終了、(9)校正、(10)最終報告)について解説した。また、当該ガイドラインに基づく具体的な記載事例の紹介を行い、尺度翻訳の際の留意事項について考察した。
著者
宇次原 清尚 加藤 克彦 小枝 剛
出版者
岐阜県農業技術研究所
雑誌
岐阜県農業技術研究所研究報告 (ISSN:13468456)
巻号頁・発行日
no.3, pp.1-8, 2003-03

1992年から1998年にかけて、農業技術研究所で育成した8系統から、雑種第1代の7品種と固定1品種を「トゥインクル」シリーズとして育成した。「トゥインクルスノー」は純白で、花底が緑の品種で唯一固定種である。「トゥインクルホワイト」「トゥインクルパープル」「トゥインクルピンク」は単色で花底は赤黒、花径はやや大きい最も開花の早い品種である。「トゥインクルスカイ」「トゥインクルチェリー」はかすりの紫とかすりのピンクの品種で、花色や切り花形質が特に優れていたので、この2品種を品種登録出願した。「トゥインクルマリン」「トゥインクルピーチ」はバイカラーの紫とバイカラーのピンクの品種で草丈が良く伸びる品種である。「トゥインクルマリン」は固定種のバイカラーパープルとバイカラーピンクの交雑によるF1品種で、他の6品種は「トゥインクルスノー」を母親にして、固定系統を交雑したF1品種である。育成した品種は、いずれも枝数が多く、極小輪の花が多数着く、ボリュームの出やすい極早生品種である。
著者
榎園 裕崇 伊藤 毅志 古郡 廷治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.85-86, 1996-09-04
被引用文献数
1

我々は日常生活において、複数の人間で話し合いの場を持つことがしばしばある (例:「冠婚葬祭の準備」「忘年会の計画」「大掃除の打ち合わせ」など)。これは、一種の意志決定型の会議と見ることができるが、このような会議で扱う議題には、議題がさらにいくつかの副議題に分割される複雑な問題構造を持つものがある(図1:以下、多層構造議題と呼ぶ)。このような多層構造議題を議論する場では、現在話し合っている問題の構造を正確に把握した上で、さらにその議題に固有の世界知識も有している人間が司会進行を行うことにより、より円滑で有意義な会議が期待できるだろう。本研究では、多層構造議題の会議を円滑に進行するために、人間同士の議論に加わり、司会進行を行うシステムの開発を目標にしている。実現するシステムは、地理的に分散した環境下でリアルタイムの会話や議論を行うためのツール上に組み込むことを考えている。実際、phoneやchatといった、複数の人間で文字ベースの会話を行うためのツールなどは、日常のちょっとした話し合いにも一般的に利用されているので、本システムの実現の意義は大きいと考える。本報告では、実際の会議実験で得られたデータから、まず会議空間を3領域に分類し、その中の議論空間を記述するためのモデルについて詳述する。
著者
馬場 靖憲 渋谷 真人
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.33-47, 2000-10-25
参考文献数
14
被引用文献数
5

われわれは日本のTVゲームソフト産業のダイナミズムは産業クラスターの視点からの分析によって可能になると考え, 先行論文で東京ゲームソフト・クラスターを提案した。本論文ではなぜクラスターが併存することになったのかについて実証分析を行なった。産業クラスターの形成要因としては関連教育機関による開発支援環境の有無, マーケティング情報を入手するためのゲームソフト量販店に対する近接度, 加えて, 放送局, 出版社など知的社会インフラによって構成される開発環境の重要性に着目している。興味深いのは, ゲームソフト企業の母体企業がデジタルコンテンツに適した開発環境に立地する場合であり, 多角化企業とベンチャー企業は同一地域に密集して立地する。ここでは, 開発に関係する情報がリアルタイムで密度高く交換され, 高度化した情報環境は開発者のコミュニティの質を向上させる。良好な開発環境においてクラスターの中核が形成されると, 活性化された情報環境はさまざまな企業のクラスターへの集中化を測深しその形成を加速する。本論文では, このような現象が現在, 山手線クラスターにおいて進行中であることを示した。さらに述べれば, 近年, 同南部クラスターの勢いが強くなりつつあるのが現状である。
著者
倉田 タカシ
出版者
早川書房
雑誌
SFマガジン
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.98-129, 2016-04
著者
松井 淳 本間 真一 小早川 健 尾上 和穂 佐藤 庄衛 今井 亨 安藤 彰男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.427-435, 2004-02-01
参考文献数
11
被引用文献数
22

スポーツ中継番組の字幕放送を,音声認識によって拡充するため,放送音声を積極的に言い換えるリスピーク方式を提案する.ソルトレークシティオリンピック中継のスキージャンプ団体の放送音声と,本方式により言い換えを行った字幕用音声をそれぞれ音声認識した結果,単語正解精度が45.6%から96.8%に改善した.また,リスピークにおいて積極的に言い換える効果を調べるため,実際の字幕放送と同様の条件下で採取した発話内容について言い換えのパターンを五つに分類し,それぞれのパープレキシティ削減率を比較した結果,語の補完による言い換えが7.3%と最も効果が高かった.字幕放送の実質的な性能を左右する文正解率については,言い換えがおうむ返しによるリスピークに比べて,スピードスケートで8.8%,スキージャンプで6.6%向上した.NHKでは,本方式を利用することにより,口語的な発話スタイルを多く含んだソルトレークシティオリンピック中継(2002年3月),及び,第52目NHK紅白歌合戦(2001年12月)の字幕放送を実現させた.
著者
中村 亨 小山 謙二 西尾 修一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.73, pp.25-32, 1996-07-26
被引用文献数
2

円滑なコミュニケーションにとって重要な役割を果たすと考えられる「笑い」に注目し,様々な面からの分析を行っている.今回,大衆的,情緒的なメディアの代表例である歌謡曲を取り上げ,歌詞に含まれる笑いの記述(笑い表現)の調査,分析を行った.対象とした人気歌謡曲1423曲を,演歌系とPOPS系(演歌系以外)の歌謡曲に分類し,笑い表現の出現傾向の比較を行った.対象曲の歌詞から抜き出した各笑い表現を,快,不快,社交の3つの基本的な笑いの要素から構成されるものと考え,その割合をみた.さらに笑い手や語り手など人間関係,笑い手の気持ち,時制などを調べた.また,笑いと対照的な感情表現として泣きの記述についても出現傾向を調べた.This paper reports an analysis of laughs expressed in lyrics of Japanese popular songs. Expressions describing laugh were extracted from lyrics of 1423 songs. Each song was classified as either "Enka" (a popular song with a traditional Japanese melody) or not. Differences in these two categories were investigated in various aspects. Each laugh expression was evaluated by the ratio of three fundamental components: laugh of pleasantness, unpleasantness and sociability. Furthermore, other attributes of laugh expressions, such as the human relations, the feeling of the person laughing, and the tense were also examined.
著者
堀江 新二
出版者
大阪外国語大学
雑誌
ロシア・東欧研究 (ISSN:13431382)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.131-164, 2001-03

"Гамлет", поставленный К. С. Станиславским и английским режиссером Г. Крэгом в 1911 году был эпохальным событием в истории мирового драматического театра. Однако коментатор первого собрания сочинений К. С. Станиславского, иэданного в 1954, написал, что приглашение Крэга в Россию окаэалось случайным эпизодом в истории МХТ и совместный спектакль "Гамлет" имел удачу вопреки режиссуре Крэга, трактовавшего трагедию Шекспира как мистическую пьесу. Автор данной статьи отвечает на вопрос, почему Станиславский при-гласил Крэга в МХТ и попросил совместно поставить "Гамлета", хотя у этих двух режиссеров на первый вэгляд совсем противоположные театральные стремления: один к "натурализму" и другой к "идеальному мистицизму." Автор, исследуя переписку Станиславского с Крэгом и их диалоги во время репетиции в Москве, утверждает, что Крэг стоял на стороне режиссера, а Станиславский на стороне актера. Тем не менее когда Крэг смотрел спектакли МХТ, он восхищался мастерством актеров, особенно самого Станислваского. Крэг пишет, "наибольшее удовольствие доставало мне представление ≪Дядя Ваня≫-эта труппа в состоянии превосходно справиться с какой угодно пьесой". А Станиславский пишет, "Если нам удастся показать талант Крэга, мы окажем большую услугу искусству. Не скоро и не многие поймут Крэга сразу, так как он опередил век на полстолетия". Эти высказивания явно свидетельствуют, что Крэг, вопреки своей теории актерского искусства, согласно которой актер является супер-марионеткой, высоко оценивал игру актеров МХТа, которая к тому времени уже складывалась в знаменитую "систему Станиславского", а Станиславский же в свою очередь восхищался режиссерскими замыслами Крэга. Автор в заключении еще раз упомянув о примечаниях комментатора собрания сочинений Станиславского, ссылается на слова известного театрального критика Т. Бачелиса; "Сегодня читать эти примечания и смешно и горько. Но что делать, читать надо, это своего рода документ эпохи".
著者
長野 栄俊
出版者
福井県郷土誌懇談会
雑誌
若越郷土研究 (ISSN:2185453X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.50-64, 2015-02