著者
渡辺 和子
出版者
リトン
雑誌
死生学年報 = Annual of the Institute of Thanatology, Toyo Eiwa University
巻号頁・発行日
vol.2, pp.23-44, 2006-03-31

The Epic of Gilgamesh, the oldest mythological composition, was written about four thousands years ago. Of its various themes, this paper focuses on the acceptance of death and grief in the cases of Enkidu and Gilgamesh.Gilgamesh, king of Uruk, and his friend Enkidu make an adventure to a cedar forest and slay Humbaba, the guardian of the forest. They also kill the “Bull of Heaven” which Anu, the god of heaven, had sent against them. For these acts of hubris, the gods sentence Enkidu to death. After he is placated by the sun god Shamash and consoled by Gilgamesh, he can accept his painful destiny. Gilgamesh, mourning bitterly for Enkidu and in fear of death, sets out on a long journey to Ut-napishtim who had obtained eternal life. He refuses all advice to break his mourning. Ut-napishtim tells him not to sleep for seven days. However, he falls asleep immediately afterwards. When he wakes up, he realizes that it is impossible to obtain eternal life. At last he finishes his mourning and bathes, dresses in clean garments, and returns to Uruk.Gilgamesh does not fail an initiation, as is often argued. I believe the epic presents examples of accepting death and completing grief.
著者
小川 功
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学観光コミュニティ学部紀要 = Atomi Tourism and Community Studies (ISSN:21899673)
巻号頁・発行日
no.4, pp.31-42, 2019-03

企業等が自己の貨物運搬等のために敷設する自家用の専用軌道は正規の鉄道たる“真正鉄道”とはほど遠く、低規格の粗末なトロッコ同然の“虚偽鉄道”にすぎない。しかし山梨県・早川軌道では早川電力のダム建設のための電力資本のビジネスデザインが、従前の河川舟運の代替交通手段を要求する沿岸各村のコミュニティデザインと激突、幾度にも及ぶ交渉の結果、両者の構想の融和点を見出して止揚・融合して自家用発電所軌道が住民の生活物資や住民移動手段としての“擬制鉄道”に変身した。当沿線に天下の秘湯・西山温泉があり、背後に秀麗な赤石山脈の高山を控える景勝地の故に、松永安左エ門をはじめ、数多くの登山家・湯治客に利用された観光鉄道ですらあった。
著者
望月 善次
出版者
岩手大学教育学部附属教育工学センター
雑誌
教育工学研究 (ISSN:02852128)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.53-66, 1989-03

野口芳宏氏(木更津市立波岡小学校教頭)は、授業の名手として名高い。野口氏の(「国語」)授業力の考察は、生成途上にある国語科授業研究の上に示唆するところ大きいのではないかと考えられる。氏の授業力の「構造」を明らかにし、それに基づいた「国語科教師教育教程」を作成しようとするのが、野口氏の授業を考察しようとする筆者の全体構想である。今回は、それに至る一つの道程として、氏の授業の中でも著名なものの一つである「うとてとこ」(谷川俊太郎」についての第1回の考察を行う。許された誌面の関係から、「授業記録」の提出がその中心的作業となる。
著者
宮崎 英一 坂井 聡
出版者
香川大学教育学部
雑誌
香川大学教育学部研究報告 = Memoirs of the Faculty of Education, Kagawa University (ISSN:24352020)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.49-54, 2022-03-31

現在、小学校でのプログラミング教育が必須化され、多くの教育現場では、プログラミ的思考を育み、教科の学びをより確実にするためのプログラミング教育が行われている。一方、コンピュータを活用してより良い社会を育むといった点には、思考を形にするために、それを構成出来るプログラミング環境が必要であり、初学者のプログラミング教材として取り上げにくい。そこで本研究では、プログラミングのコードを書かずに、マウスのドラッグアンドドロップだけで実現出来るAIを用いた画像認識によるIoTシステムを提案する。この教材はAIで画像認識を行い、その結果を実空間のデバイスやインターネット上のプログラムと連携させる事が可能であり、自らが社会の問題点を考え、それを解決する事をプログラミングを通して学ぶものである。
著者
守 一雄 宮澤 悟 村山 喬宏 森岡 優太
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.141-147, 2020-11-30

早口言葉“バスガス爆発”は練習をしてもなかなか上手く言えるようにならないことが知られている。 本研究では、“バスガス爆発”と音韻的にほとんど同じである“バスが砂漠発”という言葉を「足場」と して利用することで、この早口言葉が簡単に言えるようになるかどうかを実験的に検証した。大学生 36名をランダムに約半数ずつに割り振り、「足場かけ」条件(実験条件)と統制条件とで同じように1分 間の練習を行い、プリテスト・ポストテスト法による検証を行った。実験の結果、「足場かけ」条件 で効果が認められたが、「足場かけ」がない統制条件でも練習すればできるようになり、統計的な差 は認められなかった。
著者
阿久津 智
出版者
立教大学日本語研究会
雑誌
立教大学日本語研究 (ISSN:21853134)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.2-22, 2022-03-25
著者
市村 瓚次郎
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-25, 1918-01
著者
降簱 光太郎 Kotaro FURIHATA
雑誌
淑徳大学短期大学部研究紀要 = Shukutoku University Junior College bulletin (ISSN:21887438)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.63-81, 2022-02-25

日本診療情報管理学会は、診療情報の管理・点検と、それに関連した業務を専門的に行う診療情報管理士が、円滑かつ合理的に業務を実施し、医療提供における本来の役割を担い得るよう、2011年に「診療情報管理士業務指針」を公開している。近年の動向を受けて、今後の診療情報管理業務で留意すべき点を改訂した「診療情報管理士業務指針2021」について、テキストマイニング手法を用いて統計的分析を行う。現下の診療情報管理士の業務内容および今後の方向性について、さらに、「診療情報管理士業務指針2021」の成り立ちについて、客観的なデータとして可視化し、構造的に詳らかにすることができるかを試みた。結果、業務指針として、専門職としての定義や業務内容に関連する語が網羅され、さらに、診療情報管理士の地歩として、病院内の部門連携などの医療領域だけではなく、情報管理の専門職の立場から介護領域においての役割が求められている状況であることが説示されていることを明視化、確認することができた。探索的分析の結果、「診療情報管理士業務指針2021」を改訂した大きな理由として、日本医療情報学会と日本診療情報管理学会が合同で取りまとめた「退院サマリー作成に関するガイダンス」の活用と普及が析出された。「診療情報管理士業務指針2021」の章立てとして、章の棲み分けができていること、そのコンテキストにおいて「介護」「電子カルテ」「システム」「退院サマリー」「標準化」について、待ち望まれる業務として位置付けていることを客観的なデータとして可視化し、構造的に詳らかにすることができた。