著者
丸谷 浩明
出版者
日本テレワーク学会
雑誌
日本テレワーク学会誌 (ISSN:13473115)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.4-10, 2010-10-01 (Released:2018-06-11)
被引用文献数
1

テレワークは,大規模感染症,地震,風水害等の危機事象の発生時における企業・組織の重要業務の継続を図るために,有効な対策になることが期待されている.ただし,通信回線や電力などのライフライン被害が懸念される災害では,本社拠点と個々のテレワーク拠点との間の通信の確保に十分留意する必要がある.また,危機事象の発生時にテレワークの利用を急拡大するには,設備面,情報セキュリティ面,労働条件面などで,十分な事前準備が不可欠である.このため,訓練の実施により問題点の解消をはかり,また,できるだけ平常時にも活用していくことが望まれるであろう.
著者
由比 政年 大谷 直也 間瀬 肇 金 洙列 楳田 真也 Corrado ALTOMARE
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_739-I_744, 2019 (Released:2019-10-17)
参考文献数
14
被引用文献数
2

不規則波を対象とした打上げ・越波統合算定モデルIFORMは,複雑断面形状に対応可能で適用条件の制約が小さく,多様な設計条件を網羅できる特長を有している.本研究では,IFORMの越波量算定式を拡張することにより,従来過小評価傾向が見られた条件における推定精度を向上させることを試みた.拡張にあたっては,従来,適用域全域に渡って単一式で表現されていた最大打上げ高と越波量の関係について詳細な再検討を行い,相対天端高に応じて分割された3つの適用域それぞれに対して最適な表現式を誘導・接続することで越波量算定式を再構築した.拡張モデルによる推定越波量を国内外で行われた水理実験結果と比較して適用性検証を行い,拡張型IFORMによる推定値は,広い条件に渡って実験結果を良好に再現可能であることを確認した.

3 0 0 0 OA 支那習俗

著者
太田陸郎 著
出版者
三国書房
巻号頁・発行日
1943
著者
木村 邦博
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.107-126, 1998-09-30 (Released:2016-09-30)
参考文献数
23
被引用文献数
2

階層意識としての不公平感の形成過程に関して、自己利益正当化仮説と客観的公正判断仮説という2つの仮説を構築する。階層的地位のうち学歴に注目することにより、客観的公正判断仮説の下位類型の中でも教育による啓蒙効果に関する仮説に焦点を合わせる。自己利益正当化仮説・啓蒙効果仮説のそれぞれから、学歴、学歴社会イメージ、社会に対する全般的不公平感の三者間の関連に関する予想を導き出す。予想に適合的な傾向が観察されるかどうか、高校生とその両親を対象とした社会調査で得られたデータを用い、クロス集計結果のグラフ表示により検討する(交互作用効果に関するパラメタを条件付き効果の形で表現したロジット・モデルも適用する)。自己利益正当化仮説から導出した予想を支持する傾向が見られたのは、高校生の父親においてのみである。啓蒙効果仮説から導出した予想を支持する傾向は、高校生の母親において観察される。
著者
高井 康宏 上原 誠一郎 宮原 正明
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2007年度年会
巻号頁・発行日
pp.215, 2007 (Released:2008-09-02)

1864年にニューカレドニアで発見された緑色の鉱物は発見者のGarnierにちなんでgarnierite(珪ニッケル鉱)と名づけられた。その後garnieriteは数種類の含ニッケル含水珪酸塩鉱物の混合物であることが分かり,現在では野外名として用いられている。現在,各地のgarnieriteについて再検討しており,今回は特に大分県豊後大野市若山鉱山(旧ニッケル鉱山跡)のものについて報告する。光学顕微鏡下で針状結晶と腎臓状組織が特徴的に見られ,それぞれをSEM-EDSで分析した。どちらの組織も非常に微細な組織を持っており,特に腎臓状組織部ではNiに富む部分とMgに富む部分が互層している複雑な組織などが見られた。化学組成はquartz (opal), Ni-serpentineとtalcの混合物的な組成を示した。TEM-EDSでした結果,Niに富む部分とMgに富む部分がnmオーダーで複雑な組織を形成していた。

3 0 0 0 OA PENTAX K-7の開発

著者
川内 拓
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.90-93, 2010 (Released:2011-05-10)

デジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-7」は,一眼レフカメラの最も基本的で重要な要素といえるファインダーやシャッター機構,連写機能,露出制御,AF性能などを全て見直すとともに,動画撮影や自動水平補正などの新機能も存分に盛り込みながらペンタックスらしい機動性に富んだコンパクトなボディサイズを実現した.ここでは主に企画背景と特徴的な機能について解説する.
著者
後藤 隆基
雑誌
大衆文化 = Popular culture
巻号頁・発行日
vol.8, pp.21-33, 2013-01-25
著者
柴 裕子 茂木 泰子
出版者
中京学院大学看護学部
雑誌
中京学院大学看護学部紀要 = Bulletin of Faculty of Nursing of Chukyo Gakuin University (ISSN:21854742)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.39-48, 2017

本稿の目的は,2012年の障害福祉サービス開始前後の長期入院の精神障がい者の退院支援の研究を概観し,今後の退院支援の課題を明らかにすることである.方法は,2002~2016年のキーワード検索を行い,「精神科and長期入院or長期療養」で186編,「精神障がい者and退院支援」で54編,「精神障がい者and地域連携or 地域ネットワーク」で74編を抽出した.そのうち,退院支援を受けた者と行なった者を対象とし,退院支援の状況をよく表している20編を分析した.結果,2012年以前は,阻害要因や回復過程に応じて支援することが退院促進につながっていた.2013年以降は,患者も看護師も退院が可能という認識に変化した.退院にふみ込めない理由は,社会的スキルの低さ,言葉の分かりにくさ,外泊の少なさであった.今後,退院支援に関する制度を各職種が理解し利用でき,長期入院の状態を現実的な患者の苦しみとして捉えること,患者の今後の生き方を支えることが課題である.
著者
静間 徹 石渡 一夫 田中 千陽 福山 直人
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-7, 2013 (Released:2013-04-01)
参考文献数
17

動物モデルを用い,黒酢のデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発性大腸炎に対する効果を検討した. C57black6マウスを,通常飼料を与えた対照群と黒酢含有飼料を与えた黒酢群(各群 8匹)に分け, 3.5% DSSを 12日間投与して大腸炎動物モデルを作成した. DSS投与後,体重減少,血便の頻度について観察した.さらに 12日後に大腸を摘出し,組織学的所見,大腸組織中ニトロチロシン値,尿中 nitrate and nitrite(NOx)値について検討した.結果は,黒酢群において,体重減少や血便が有意に抑制され,組織学的にも大腸炎の軽減効果を認めた. NOx値は両群間で有意差を認めなかったが,黒酢群でニトロチロシン値が有意に低下した.これらのことから,黒酢による抗大腸炎効果の機序のひとつとして,抗酸化作用が推測された.
著者
若宮 由美
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
no.11, pp.157-169, 2011-12

In 1894 the ballet "Rund um Wien" was composed by Josef Bayer in order to celebrate the 50th anniversary of the musician life of Johann Strauss junior, and performed in the Viennese Court Opera. The 3rd scene of this ballet consists of the motifs of Strauss. On October 13 of the premiere the applause to Johann Strauss did not die down after the end of the 3rd scene. The music of the 3rd scene is contained in melodies of Johann Strauss's "Sinngedichte" op.1 and the other early works. These quotations praised the starting point of Johann Strauss. Also after that, this work continued being performed at the Viennese Court Opera over ten years. The ballet may have been revised after the premiere.