著者
中村 雄祐 美馬 秀樹 増田 勝也 鈴木 親彦
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014-CH-102, no.5, pp.1-5, 2014-05-24

人文学・社会学における学際研究とはどのようなものなのか,これからどのように発展させていくのか.我々は,東京大学大学院人文社会系研究科に 2000 年に設立された人文社会系の学際的研究・教育プログラム,「文化資源学研究専攻」 を対象に研究領域の形成過程を分析している.具体的には,文化資源学研究専攻の授業シラバス (2013 年時点で約 600 件),および修士論文 (2013 年時点で約 80 本) の 「論文要旨」 「参考文献一覧」 を対象として,報告者の一人である美馬 (東京大学知の構造化センター准教授) が中心となり開発したテキスト分析システム MIMA SEARCH を用いて解析し,中村 (東京大学大学院人文社会系研究科准教授)・鈴木 (同博士課程) がその解釈を行っている.今回は,シラバスと修士論文要旨についての分析・解釈を報告する.
著者
北原基貴 穴田啓晃 川本淳平 櫻井幸一
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2014-CSEC-65, no.3, pp.1-6, 2014-05-15

公開鍵暗号では,ユーザの公開した公開鍵に対するなりすましを防ぐため,公開鍵の正当性を保証する証明書が信頼できる認証局によって添付される.この仕組みは公開鍵基盤と呼ばれる.公開鍵と証明書は誰もが参照できる公開鍵ディレクトリに保存される.送信者はこれらの情報を用いて認証・暗号化を行う.この証明書を必要としない暗号として,ID ベース暗号がある.ID ベース暗号ではユーザの ID が公開鍵として扱われる.秘密鍵は,秘密情報を持つ鍵配付センターから,自身の証明を行うことで受け取る.これまでの ID ベース暗号には鍵配付センターがユーザの使う秘密鍵を知ってしまうという鍵供託問題が存在する.本論文では,所有者情報と証明書を RSA 暗号の公開鍵に埋め込むことで,鍵供託問題のない ID ベース暗号に相当するシステムを提案する.提案システムでは,正当な ID を持つユーザ以外は ID を埋め込み不可にするため,公開鍵への所有者情報の改ざんが行われた場合にそれを検知できる.また,証明書添付の必要がない.更に,提案システムの著作権管理システムへの適用を提案する.コンテンツ提供者の公開鍵に証明書を埋め込むことにより,著作権管理システムを,コンテンツの盗作販売を検出可能なものにすることができる.
著者
岩本 一樹 神薗 雅紀 津田 侑 遠峰 隆史 井上 大介 中尾 康二
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2014-CSEC-65, no.13, pp.1-6, 2014-05-15

アプリケーションの脆弱性を攻撃する電子文書型マルウェアを動的に解析するためには,該当する脆弱性をもつアプリケーションを準備する必要がある.しかし脆弱性の種類を特定することは困難な場合があり,またアプリケーションが入手できない可能性もある.一方,脆弱性を攻撃した後に動作する不正なプログラム (シェルコード) は脆弱性やアプリケーションに関係なく独立して動作することが多い.そこで本研究では脆弱性の種類を特定することなく,またアプリケーションが無くても電子文書型マルウェアの動的解析が行えるようにするために,電子文書型マルウェアに含まれるシェルコードを特定して実行する方法を提案する.
著者
新井 俊一
出版者
相愛女子短期大学
雑誌
相愛女子短期大学研究論集 (ISSN:09103546)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.56-51, 1990-03
著者
岡本拓司
出版者
国立女性教育会館

女性アーカイブセンター2011年度企画展示ファクトシート(資料解説)
著者
岡田 裕 金田 重郎
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2009-IS-108, no.2, pp.1-8, 2009-05-29

オブジェクト指向は,情報システム設計のための強力なツールである.しかし,現実には,業務全体のデータ整合性と組織間の連携関係を見出し,かつ業務専門家からの処理要求をうまく設計に活かすことは,とりわけ初学者にとっては難しい.本稿では,MASP アソシエーションが提案している 「概念データモデリング (CDM)」 を 「責務駆動設計 (RDD)」 と組み合わせることで分析・設計工程をより一貫したものとし,分析結果を設計工程にそのまま生かす手法を提案する.実システム (A 自治体向けの CMS) に適用した結果,ビジネスモデルの本質を見直すことができ,それを生かした責務を持つオブジェクト設定が可能となった.結果的に,将来のビジネス機能の追加に伴う改造が容易なモデル実現が可能となったと考える.
著者
大久保 健治
雑誌
大妻比較文化 : 大妻女子大学比較文化学部紀要 = Otsuma journal of comparative culture
巻号頁・発行日
vol.5, pp.5-39, 2004

Evidence that Homers two epics "Odyssey" and "Iliad" each consisting from 24 songs have 12 themes, each song another theme and those 12 are all taken up for the second time in the same order, can be seen in my monographs in the "Otsuma Journal of Comparative" No. 1 and No. 2. Homeric themes with the way of description come to life again in Shakespeares plays and Goethes novel. For example five Homeric themes man can find out in "Hamlet" and eight of them in Goethes Hamlets novel "Wilhelm Meisters Lehrjahre" too. Themes in these authors are the same, but their way of description are different from each other, in the case of Homer principally through occasions but in Shakespeares plays through inner life, and in Goethes novel through both. While the themes in Goethes novel are 1) enemy 2) characters 3)hope 4)goddess 5)parent 6)children 7) health and 8) marriages, those in "Hamlet" are 1) parent 2)children 3)health 4)marriages and 5) death. Four of those are the same as those in Goethe except the last one. This is one of 12 themes from Homer too. Therefore it is reasonable to suppose that themes in Shakespeare and Goethe come from Homer. Shakespeares plays consist of five acts without exception. Based on my examination each act of Shakespeares play has one of Homeric themes and the order of each 5 themes in five acts is the same as in Homer. In concluding, I should emphasize, that Shakespeares 39 plays all can be divided into groups according to the themes. To take an example "Hamlet" comes under the same groups "Lear", "The Merchant of Venice", etc.
著者
川北 健雄 花田 佳明 金子 晋也 Takeo KAWAKITA Yoshiaki HANADA Shinya KANEKO
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2012
巻号頁・発行日
2012-11-30

まちの将来像を考え、それを実現するための整備方針を考えようとする際、まず必要となるのは、その地域の特性を把握することである。一般には、地形や歴史、社会統計、空間形態、現地観察といった様々な観点にもとづく調査分析を組み合わせて、地域の特性を読み解く作業が行われるが、実際に有効な解読手法は、目的や対象とする地域によって異なってくると考えられる。そこで本研究では、地域特性の把握手法についてより具体的に考察するため、ひとつのケーススタディとして、神戸市内のある住宅地を対象とした地域特性の解読作業を行う。対象地は、1960年代を中心として開発が行われ、現在多くの建物が更新時期を迎え、改修や建替えが必要となっているところである。ひと通りの解読作業の後、得られた成果と調査分析の過程を振り返ることで、のぞましい把握手法のあり方について考察する。結果としては、一般的な方法だけでなく、調査中に見いだされる地域特有の事象に関する調査や分析を柔軟に組み入れることが、有意義な成果を得る上で重要であることが明らかになった。
著者
松﨑 衆
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2014-EC-31, no.64, pp.1-7, 2014-03-06

近年になり、より目にする機会が増えたプロジェクションマッピングは、制作に必要なツールやハードウェアの進歩に伴い、より大型で複雑な表現が可能になってきた.裏を返せば、それは同じ規模のものや更に小規模なものの制作がより容易になったとも捉えられる。より手軽にプロジェクションマッピングを行うことが可能になることにより、一般的な街頭広告などへの活用もできるようになる.その一例としてウィンドウディスプレイをテーマに、本稿では小規模向け、更には広告としてのプロジェクションマッピングが従来のものと大きく違う点を取り上げ、要求される視聴体験を与えられるシステムを提案する.実験結果により、視聴位置の分布と視聴者の取る動きによって異なる処理が適していることが分かった.分散し、各々が自由な動きを取るほど、分布の重心に最も近く、かつ動きの緩急が少ない視聴者の視点を追従することが最適であることが分かった.
著者
地藏 真作
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.452-457, 2014-04-15

リブライズとは,「すべての本棚を図書館に」を標榜し,2012年9月3日にオープンしたWebサービスである.Webブラウザ,バーコードリーダー,Facebookアカウントがあれば,誰でも気軽に「図書館」を作ることができる.今回は,リブライズが持つ「すべての本棚を図書館に変える仕組み」について,利用者とのインターフェースを中心に,内部でどのような実装がされているかを述べる.また,リブライズ以外のサービスとも連携する方法についても述べる.
著者
山田 彩加 長谷部 礼 西本 一志
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2014-HCI-157, no.20, pp.1-7, 2014-03-06

イラストを依頼するクライアントの多くはコンセプトを言葉によって表現する.その言葉からイラストレータが想像した画風のイメージをその場ですぐにクライアントと共有・調整することができれば,清書して提案する工程を省くことができる.しかし,イラストレータが言葉やスケッチで簡易的に表現しでも,クライアントに同じ画風の完成形を想像させることは困難である.そこで,本研究ではイラストレータの潜在的なセンスとクライアントの言葉との噛み合わせを可能とするために,イラストが依頼された場において,画風の創造・共有までを協同で行うことを支援する手法を提案する.
著者
松原 裕之 花原 雪州
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2014-CE-124, no.1, pp.1-8, 2014-03-07

なぜなぜ分析は,問題の現象を発生させた様々な要因を,「なぜ」 を繰り返しながら論理的に漏れなく洗い出すことで判明した真因に対して,その対策を講じる問題解決手法の一つである.適切な対策を講じるためには,網羅的に要因を挙げながら,真因を特定するために深掘りすることが肝要である.しかし,なぜなぜ分析には,要因の網羅性を確認する手段が無いため,真因が見つからない,特定が困難となる場合がある.本報告では,教育現場で実施したなぜなぜ分析の網羅性について,計量テキスト分析を用いた 「見える化」 を提案する.