雑誌
立教大学フランス文学
巻号頁・発行日
vol.35, pp.65-67, 2006-03-25
著者
関口 安義
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 = Bulletin of The Faculty of Language and Literature (ISSN:09145969)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.196-165, 2005-09-01

成瀬正一は一高・東大時代の芥川龍之介の友人である。二人に久米正雄・松岡譲・菊池寛を加えての同人誌が、文学史上名高い第四次『新思潮』である。成瀬正一は第一次世界大戦中に、戦火のパリを経て、ジュネーヴからレマン湖畔のヴェルヌーヴに滞在中のロマン・ロランを訪ね、戦争や平和の問題、さらにはアジアやアメリカの問題を真剣に議論している。わたしはかつて『評伝成瀬正一』を刊行し、ロマン・ロランとの会見の様子も簡単に記した。 が、研究は日進月歩である。冷戦後のボスニア紛争をはじめとする民族間の争いを考える時、洋の東西、民族、人種、年齢を超えた二人の語らいは、二十一世紀のこんにち、新しい角度から評価される面をもって、わたしたちの前にあるのに気づく。新世紀を迎えた時点で成瀬正一の道程、今回は特にロマン・ロランとのかかわりに、いま一度光を当てようというのが本稿での試みである。これまた、わたしの芥川研究の一環である。
著者
鳥山 平三 Heizo TORIYAMA
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.87-98, 2010-01-31

老年期の心の在り方について,限られたものではあるが,民話や童話等に登場する主人公の行 動に糸口を見出そうとした。老人たちの肯定的な行為や否定的な振る舞いに様々な教訓を得ることが できた。賢明で正直で優しい老人は福を授かり,その逆に愚かで邪悪で冷酷な老人は罰を受けるので ある。当然のことではあるが,老いても悲しい性(さが〉の老人たちも多い,老醜よりも人生の終罵 は美しくありたいものである。脳は生涯発達するのである。神経回路を豊かに増殖させ,活用させる 方策を老年心理学は探究すべきである。
著者
凌 飛
出版者
専修大学大学院
巻号頁・発行日
2020-03-22

2019
著者
河津 巖 田中 英嵩
出版者
九州ルーテル学院大学
雑誌
応用障害心理学研究
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-15, 2015-03-31

特別支援学校(肢体不自由)で小学部, 中学部, 高等部合わせて12年間在籍した重度の障害を有する高等部生が大学を受験した。本研究では, 重度の障害がある高等部生の大学進学への夢がどのようにして生じ, 育まれ, 実現したか, その意志形成において, 本人と教師の間で行われた教育現象の構造, 法則を明らかにすることを目的とした。 そこで, 高等部生に特別支援学校で関わった教師たちの協力を得て, フォーカス・グループインタビューを行い, M-GTA を使って構造化し, 高等部生の自己実現を支える法則について考察した。その結果, 今回の研究で見出された新たな知見として【バックアップ】のサブカテゴリーである〈葛藤の呼び起こし〉そして【合わせ鏡】の〈共有された教育観〉, 【A の成長】の〈自己肯定感〉, 【教師の成長】の〈自己の生き甲斐〉が注目された。さらにカテゴリーとサブカテゴリー間の因果関係を捉えることにより, 【教育の本質】である〈信念と希望〉が導き出され, そのモデルが構築された。
著者
任 章
出版者
北九州市立大学国際教育交流センター
雑誌
北九州市立大学国際論集 = CIEE journal, the University of Kitakyushu (ISSN:13481851)
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-20, 2015-03

米国会計学会『基礎的監査概念』(ASOBAC, 1973)は、現代の監査概念形成に関りマウツ=シャラフ『監査哲学』(1961)の貢献が多大であると認めている。マウツらが監査証拠の属性に見出していた要素と、彼らが用いた接近法は、畢竟、米国20世紀初頭に興隆した実用主義基盤の分析哲学観の応用であった。本稿の目的は、監査概念基盤に対して現代哲学が強く影響した可能性について論究することにある。本稿にては殊に、嘗てマテシッチ(2008, 序言)が言及していた視座、なかんずく「会計史は哲学史に相似性を有する。それはドクトリンかつ方法論の歴史であり、財務上のリアリティーを実用主義的に表現する方法の一つである」、に依拠し、監査概念基盤への分析哲学の浸透過程を探る。以って筆者は、会計とは事実的記録に過ぎず、監査とは報告数字の単なる検証に留まるという、根深い、軽薄な社会的妄信の打破に努める。
著者
吉田 匠吾 謝 浩然 宮田 一乘
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2020-HCI-186, no.13, pp.1-6, 2020-01-08

近年,拡張現実や複合現実などの技術が発達しているものの,仮想モデルと現実世界の自然な合成は依然として挑戦的な課題である.この課題に対し,本研究ではプロジェクタによる歪像画のリアルタイム投影技術を提案する.提案技術により,AR システムで多用されるディスプレイを介することなく,リアルタイムに立体感を知覚させる映像を表示することができる.提案手法は,VR システムを用いたルームスケーリング,投影映像のブレ補正によるスムーズな映像の提示,トラッカーによるメッシュ生成を用いた仮想空間と実空間のオブジェクトの位置合わせの 3 段階の処理で構成する.また,プロジェクタやトラッカーをウェアラブルデバイス化することで,様々な方向や角度からの投影や移動が可能である.提案システムにより,スマートフォンや AR グラスのようなディスプレイを介さず,仮想オブジェクトの実在感をユーザに与えることを可能にする.仮想オブジェクトの実在感が向上することにより,癒しや介護の分野に活用することや,新しいエンターテインメントの提供などが期待できる.
著者
尾藤 由起子
出版者
拓殖大学
巻号頁・発行日
2022-03-15

2021