著者
雨宮 耕平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0494, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】腹臥位股関節伸展運動テスト(Prone hip extension:以下PHE)は腰椎骨盤帯の安定性の評価として用いられ,ハムストリングス・大殿筋・脊柱起立筋・多裂筋などの活動開始タイミングと,腰椎骨盤帯の過剰な運動の有無を評価する。Bruno(2008),Tateuchi(2012)は,PHE時の筋活動パターンに応じて,その際の運動パターンも異なると報告しているが,臨床応用する上では歩行など荷重下の動作との関連性を明らかにする事が重要と考える。そこで,本研究では健常者におけるPHE時の筋活動パターンと,歩行立脚期の股関節・骨盤の運動との関連性について検討する事を目的とした。【方法】対象は健常若年男性29名(19-29歳)とした。PHE課題では,表面筋電計WEB1000(NIHON-KOHDEN)を用い,股関節伸展運動を行わせた際の両側脊柱起立筋,両側多裂筋,測定側大殿筋,測定側半腱様筋の筋活動を測定した。データは整流平滑化し,安静時の平均振幅+3SDを50msec以上持続して越えた点を筋活動開始と定義した。各筋の活動開始時間は大殿筋を基準(0)として標準化した。歩行課題では,三次元動作解析装置(VICON Nexus)とフォースプレート(Kisler)を用いた。VICON Plug-in-Gait下肢モデルを用い,8mの歩行路を自由速度にて歩行させた際の立脚後期(対側踵接地時)における股関節伸展角度・骨盤前傾角度・骨盤回旋角度を抽出し,静止立位時の値を基準として標準化した。いずれの課題も解析側は軸足側とし,3試行の平均データを用いた。統計解析はPHE時の各筋活動開始時間と,歩行立脚後期における股関節伸展角度・骨盤前傾角度・骨盤回旋角度について相関分析を行った(有意水準5%)。【結果】PHE時の同側多裂筋・対側多裂筋・対側脊柱起立筋の活動開始時間と,歩行立脚後期の股関節伸展角度に有意な負の相関を認めた(相関係数:同側多裂筋=-0.599,対側多裂筋=-0.362,対側脊柱起立筋=-0.360)。【結論】PHE時に多裂筋が早期に活動する者ほど,歩行立脚後期の股関節伸展角度が大きかった。これはPHE時に多裂筋の活動遅延により股関節伸展が減少し骨盤前傾が増大したとする先行研究(Tateuchi 2012)に類似した見解と考える。健常者において多裂筋は四肢の運動に先行して収縮し腰椎骨盤帯の安定性を高める(Hodges 1997)。この事から,PHE時に多裂筋が大殿筋に対し早期に収縮する者では,歩行時も腰椎骨盤帯の安定化が反映され,効率的に股関節伸展が生じたと考えられる。また,対側脊柱起立筋の活動開始時間と歩行立脚後期の股関節伸展角度についても相関関係を認めた。脊柱起立筋は胸腰筋膜を介して大殿筋と連結を持つ為,先行収縮によって腰椎骨盤帯の安定性を高める方略を取る者が存在した事がその要因と考えられる。
著者
松原 恵 小宮山 史 山本 和明
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.285-290, 2018-06-01 (Released:2018-06-01)

国文学研究資料館(国文研)が進める歴史的典籍NW事業では,画像公開している古典籍をもっと自由に活用してもらう活動にも取り組んでいる。そのなかでも特に反響の大きかったのが「江戸料理」に関する事業で,人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)などの研究機関や企業等とのコラボレーションに進展し,多くのメディアにも取り上げられた。そのあらましを述べたうえで,企業と連携していくなかで見えてきた可能性と,課題について考える。
著者
木鎌 耕一郎
雑誌
八戸大学紀要
巻号頁・発行日
no.44, pp.59-74, 2012-12

2 0 0 0 OA 軍人おもかけ

著者
今伏波 著
出版者
百華書院
巻号頁・発行日
1903
出版者
東京大学出版会
巻号頁・発行日
1969
著者
[帝国図書館]
巻号頁・発行日
vol.昭和21年-22年, 1946
著者
宮川 歩夢 名和 一成 山谷 祐介 大滝 壽樹 杉原 光彦 奥田 隆 住田 達哉
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
雑誌
地質調査研究報告 (ISSN:13464272)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.63-76, 2020-04-27 (Released:2020-05-07)
参考文献数
17
被引用文献数
1

国立天文台VERA石垣島観測局を中心とした名蔵川流域において,地下の地質構造を反映すると考えられる重力異常を明らかにするために重力測定を実施した.この重力測定では絶対重力測定及び周辺での相対重力測定を組み合わせている.絶対重力測定は国立天文台VERA石垣島観測局の重力計基台において,また相対重力測定は周辺域の62地点において実施した.得られた重力測定結果に既存の重力データを加え,重力異常図を作成した.おもとこれにより,名蔵湾から於茂登岳だけに向かって,負の重力 異常が大きくなる傾向がみられた.これは,於茂登岳を構成する漸新世の珪長質深成岩が周囲のジュラ紀付加体に比べて密度が低いことによると考えられる.さらに於茂登岳麓から名蔵湾にかけて負の重力異常の帯が確認された.このことは,名蔵湾から於茂登岳に向かう局所的な基盤形状を反映し,密度の低い堆積層が埋める埋没谷の存在を示唆する.
著者
前田 康成 後藤 文太朗 升井 洋志 桝井 文人 鈴木 正清 松嶋 敏泰
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.69-81, 2013-06-28 (Released:2017-09-04)
参考文献数
14

従来からマルコフ決定過程(MDP)を用いたロールプレイングゲーム(RPG)のモデル化が行われている.しかし,RPGの攻略法を能動的に学習する研究は行われていない.そこで,本研究では,真のパラメータが未知のMDPで表現されたRPGにおける期待総利得をベイズ基準のもとで最大にする攻略法を求める能動的な学習方法を提案する.シミュレーションをとおして,提案方法の有効性を確認する.
著者
前田 康成 後藤文太朗 升井 洋志 桝井 文人 鈴木 正清
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.1608-1616, 2012-06-15

従来からマルコフ決定過程(MDP)を用いたロールプレイングゲーム(RPG)のモデル化が行われている.従来研究ではRPGが部分的にモデル化されている.本研究では,MDPを用いてより一般的なRPGのモデル化を行う.最初にMDPの真のパラメータ既知の場合に相当するRPGについて,報酬の期待値を最大にするアルゴリズムを提案する.次にMDPの真のパラメータ未知の場合に相当するRPGについて,ベイズ基準のもとで報酬を最大にするアルゴリズムを提案する.次にMDPの真のパラメータ未知の場合に相当するRPGについて,学習データを用いて報酬を近似的に最大にするアルゴリズムを提案する.