著者
北神 慎司 村山 航 坂口 結香 武野 全恵 井関 紗代
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第17回大会
巻号頁・発行日
pp.26, 2019 (Released:2019-10-28)

メタ動機づけに関する先行研究において,金銭的報酬などの外発的動機づけを伴わない課題を行った後の内発的動機づけの自己評価に比べて,課題を行う前の予測的な自己評価が一貫して低いことがさまざまな実験によって示されている。すなわち,内発的動機づけは過小評価される傾向があることが明らかとなっており,これはメタ認知が概して不正確である知見と一致するものである。本研究では,課題前の内発的動機づけの予測的な自己評価を行う前に,「内発的動機づけが過小評価されやすい」ことを事前警告として教示することによって,過小評価が修正されうるかどうかを検討することを目的として実験を行った。その結果,事前警告の効果は現れず,課題に対する自己評価だけでなく課題成績においても内発的動機づけは過小評価されることが示された。つまり,先行研究の知見とあわせると,このような現象は極めて頑健であると考えられる。

2 0 0 0 OA 国史大辞典

著者
八代国治 等編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
vol.第2 かーこ, 1926
著者
北川 誠子 藤井 哲英 二宮 洋子 河口 豊 平田 早苗 東田 志乃 寺田 喜平
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.418-421, 2015 (Released:2016-01-26)
参考文献数
10

調理従事者からのノロウイルス感染集団発生は,特に病院などでは注意が必要である.病院調理従事者のべ370便検体について,イムノクロマト法による迅速抗原検査を実施した.またその1ヶ月以内に本人で嘔吐下痢症状のあった職員および陽性者はリアルタイムPCRで測定した.その結果,迅速抗原検査の陽性者はいなかったが,リアルタイムPCR法で2/44名が陽性であり,陰性化するまで1ヶ月以上かかった.迅速抗原検査法は簡便であるが,無症状の健康成人に対するスクリーニング検査では漏れのある可能性を示した.スクリーニングよりも現場で手指衛生の教育や徹底が重要である.
著者
馬場 正次 岩佐 賢二 大江 昭三
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.591-593, 1955-09-01

まえがき ビタミンB6は家鼠の抗皮膚炎性因子として発見されて以来,皮膚科領域に於て,湿疹及びその類似性疾患に単独に,或はビタミンB1,B2等と共に内服,注射の形で広く用いられて来たが,その相当量の使用にも,あまり効果の見られない場合も屡々経験される処である。殊に有効とされている脂漏性皮膚炎に於いてこの感が深い。 1952年Schreiner & Slingerは23例の脂漏性皮満炎患者を2グループに別ち,第1グループの11例に対しては毎日Pyridoxine 300mgを4週間経口投与,第2グループ12例中6例は最初1日600〜1000mgのPyridoxineを3週間注射し,次いで1%Pyridoxine軟膏を局所に塗布せしめ,他の6例は終始1%Pyridoxine軟膏の塗布のみを継続した。その結果第1グループに於ては脂漏性の局面が2例に於いて僅かに好転,5例は変化なく,4例は悪化し,第2グループに於いては,注射のみの継続中には2例に僅かな好転を見たのみであつたのが,Pyridoxine軟膏塗布後は全例に於いて5〜12日で著効を得たことを記載している。
著者
有田 秀穂
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.1279-1280, 2012 (Released:2012-11-29)
参考文献数
2
被引用文献数
4 5

To gain insight into the neurophysiological mechanisms involved in Zen meditation, we evaluated the effects of abdominal (Tanden) breathing in novices. We investigated hemodynamic changes in the prefrontal cortex (PFC), an ttention-related brain region, using 24-channel near-infrared spectroscopy during a 20-munite session of Tanden breathing in 15 healthy volunteers. We found that the level of oxygenated hemoglobin in the anterior PFC was significantly increased during Tanden breathing, accompanied by a reduction in feeling of negative mood compared to before the meditation session. Electroencephalography (EEG) revealed increased alpha band activity and decreased theta band activity during Tanden breathing. EEG changes were correlated with a significant increase in whole blood serotonin (5-HT) levels. These results suggest that activation of the anterior PFC and 5-HT system may be responsible for the improvement of negative mood and EEG signal changes observed during Tanden breathing.
著者
イ ヨンスク
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

天皇の詔勅は古代律令制以来存在してきたが、近代になってはじめて「国民」全体に向けて発せられるようになった。天皇は「国民」に呼びかけることで近代的な「天皇」へと転換した。他方で、「国民」は天皇の発する詔勅の受信者となることで成立した。このように、近代日本において天皇と国民は、詔勅を通して「呼びかけ-呼びかけられる」関係におかれていた。本研究では、こうした相互の呼応関係が、どのように成立したかを分析することによって、近代日本における「国民」意識の特質を明らかにすることができた。
著者
Atsushi Hinenoya Sharda Prasad Awasthi Noritomo Yasuda Ayaka Shima Hirofumi Morino Tomoko Koizumi Toshiaki Fukuda Takanori Miura Takashi Shibata Shinji Yamasaki
出版者
National Institute of Infectious Diseases, Japanese Journal of Infectious Diseases Editorial Committee
雑誌
Japanese Journal of Infectious Diseases (ISSN:13446304)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.276-279, 2015 (Released:2015-07-22)
参考文献数
16
被引用文献数
8 21

In this study, we evaluated and compared the antibacterial activity of chlorine dioxide (ClO2) and sodium hypochlorite (NaClO) on various multidrug-resistant strains in the presence of bovine serum albumin and sheep erythrocytes to mimic the blood contamination that frequently occurs in the clinical setting. The 3 most important species that cause nosocomial infections, i.e., methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA), multidrug-resistant Pseudomonas aeruginosa (MDRP), and multidrug-resistant Acinetobacter baumannii (MDRA), were evaluated, with three representative strains of each. At a 10-ppm concentration, ClO2 drastically reduced the number of bacteria of all MDRP and MDRA strains, and 2 out of 3 MRSA strains. However, 10 ppm of NaClO did not significantly kill any of the 9 strains tested in 60 seconds (s). In addition, 100 ppm of ClO2 completely killed all MRSA strains, whereas 100 ppm of NaClO failed to significantly lower the number of 2 MRSA strains and 1 MDRA strain. A time-course experiment demonstrated that, within 15 s, 100 ppm of ClO2, but not 100 ppm of NaClO, completely killed all tested strains. Taken together, these data suggest that ClO2 is more effective than NaClO against MRSA, MDRP, and MDRA, and 100 ppm is an effective concentration against these multidrug-resistant strains, which cause fatal nosocomial infections.
著者
飯島 裕子 伊藤 直之 木村 祐哉
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.83-87, 2018 (Released:2018-06-28)
参考文献数
11

犬ニキビダニ症の6例(汎発性5例,局所性1例)に,アフォキソラネル2.7–5.6 mg/kgを初診時に経口投与し,その後は3–6週間隔で投与して効果を評価した。ニキビダニの陰転に必要な投与回数は,2例が1回,3例が2回,1例が3回だった。皮膚病変は,初診から4–12週間で全症例が回復した。飼育者への聞き取りと再診時の身体検査で,有害事象はなかった。全症例が最終診察から6ヶ月以上経過し,臨床症状の再発は認めていない。アフォキソラネルの投与は,犬ニキビダニ症の治療に有効であることが確認された。
著者
加藤 拓也 稲本 万里子 小長谷 明彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2D105, 2018 (Released:2018-07-30)

源氏絵とは,『源氏物語』を題材とした絵画の総称である.源氏絵の絵師には土佐派をはじめ狩野派,岩佐派,など多数の流派があり,各流派独自の個性がある.これまでに見つかった作品にはどの流派の絵師が描いたかわからないものがあり,美術史の専門家たち中でも意見が分かれている.そのため新たな知見から流派を判断する手法が望まれる.近年,深層学習の一種である畳み込みニューラルネットワークの画像分類能力の向上は著しく,一部の分野では人間よりも高いという報告もある.深層学習では特徴量がデータから学習されるため,これまで人間が発見していない特徴量に基づく分類をすることが期待できる.本稿では,深層学習による物体検出手法を用いて顔を自動認識し,畳み込みニューラルネットワークにより流派を推定する.5分割交叉検証を行った結果,96.5%の精度で分類することに成功した.
著者
井上 大輔 宮本 定治 惠飛須 俊彦 藤尾 圭司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.H2-193_2, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに、目的】腰椎椎間板ヘルニア(LDH)患者では多裂筋の組織学的変化が報告され、罹患側にて萎縮が生じる可能性が示されている。一方、MRI画像を用いて多裂筋の萎縮を示した報告も散見されるが、罹患高位と萎縮が生じる明確な部位については一定の見解が得られていない。また、多裂筋を除く傍脊柱筋を検討した研究は少なく、ヘルニアが傍脊柱筋に及ぼす影響は不明である。本研究の目的はLDH患者において傍脊柱筋の筋断面積(CSA)を測定し、罹患高位と萎縮との関連性を明らかにすることである。【方法】対象は 2013年4月から2018年4月に当院整形外科を受診した腰痛を有するLDH患者63名(L4-5:32名、L5-S1:31名、年齢36.8±8.3歳、罹病期間3.4±4.0ヶ月)であった。両側性の下肢症状、多椎間のヘルニア、腰部の手術既往を有する者などは除外した。CSAはMRI画像にてCraigらの報告に準じ、L1からL5の下部椎骨終板およびL5からS1の上部椎骨終板の計7スライスを用い、大腰筋、腰方形筋、脊柱起立筋、多裂筋を罹患側と非罹患側で計測した。得られた各CSAはL4上縁椎体面積で除し正規化した。統計処理は、各スライスの罹患側と非罹患側におけるCSAの比較をMann-WhitneyのU検定およびχ2適合度検定を用い、有意水準は5%とした。【結果】L4-5ヘルニア患者ではL4、L5上縁、L5下縁、S1で、L5-S1ヘルニア患者ではL5上縁、L5下縁、S1で罹患側の多裂筋CSAは非罹患側と比較して有意に低値を示した(p<0.05)。また、L4-5ヘルニア患者ではL4、L5上縁、L5下縁、S1で、L5-S1ヘルニア患者ではL5上縁、L5下縁、S1で罹患側の多裂筋が萎縮している割合が有意に高かった(p<0.01)。一方、大腰筋、腰方形筋、脊柱起立筋は全てのスライスにて罹患側と非罹患側で有意差を認めなかった。【結論(考察も含む)】L4-5およびL5-S1ヘルニア患者において罹患側の多裂筋に萎縮を認めた。多裂筋は棘突起と同高位の脊髄神経後枝内側枝から分節性に神経支配を受けるため、罹患高位に一致した萎縮が生じた可能性がある。LDH患者では多裂筋の筋線維サイズが罹患側で有意に減少すると報告されており、MRI画像上のCSAにおいても組織学的変化が反映されたと考えられた。また、本研究では罹患高位に隣接する多裂筋にも萎縮を認めた。対象者は全例で腰痛を有しており、不活動やreflex inhibitionにより萎縮が生じた可能性がある。一方、大腰筋、腰方形筋、脊柱起立筋は筋の形状や神経分布形態などの観点からヘルニアの影響は受けにくいと推察された。今回の検討により、腰痛を有する単椎間のLDH患者は、罹患側の罹患高位および隣接椎体の多裂筋に萎縮が生じる可能性が示唆された。【倫理的配慮,説明と同意】本発表はヘルシンキ宣言を遵守し、当院倫理審査委員会の承認(承認番号:第30-60号)を得ている。