著者
大野 絢也
出版者
「満洲の記憶」研究会
巻号頁・発行日
no.1, pp.9-11, 2015-03-15
著者
山口 真美
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
Japanese orthoptic journal (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1-8, 2010-12-29
参考文献数
31

その昔、生まれたばかりの新生児は眼が見えず、耳も聞こえないと信じられてきた。しかし数々の心理実験から、胎児の時から音を聞き、生まれた直後の新生児でも眼が見えることがわかっている。新生児のもつ、驚くべき能力の一つに、顔を見る能力がある。<BR> 1960年代Fantzにより、新生児が顔を選好することが発見された。言葉を喋ることのできない乳児の認識能力を調べるため、Fantzは行動を用いた実験手法である「選好注視法」を考案した。乳児は特定の図形に選好する傾向があることを示したその中で、顔図形への選好も発見されたのである。<BR> 視力の未発達な乳児は大人と全く同じように世界を見ているというわけではない。にもかかわらず、新生児でも顔を選好するということから、その特異な能力が検討されてきた。本講では、乳児を対象として行われた行動実験や、近年行われた近赤外線分光法(NIRS)を用いた実験の成果を紹介する。倒立顔の効果や顔向きの効果、運動情報による顔学習の促進効果や視線の錯視の認知といった、一連の実験成果について報告する。
著者
JANAPATI Jayalakshmi SEELA Balaji Kumar LIN Pay-Liam WANG Pao. K. TSENG Chie-Huei REDDY K. Krishna HASHIGUCHI Hiroyuki FENG Lei DAS Subrata Kumar UNNIKRISHNAN C. K.
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
pp.2020-015, (Released:2020-02-01)
被引用文献数
37

We made an effort to inspect the raindrop size distribution (RSD) characteristics of Indian Ocean and Pacific Ocean tropical cyclones (TCs) using ground-based disdrometer measurements from observational sites in India and Taiwan. Five TCs (2010-2013) from the Indian Ocean and six TCs (2014-2016) from the Pacific Ocean were measured using particle size and velocity disdrometers installed in south India and south Taiwan, respectively. Significant differences between the RSDs of Indian Ocean and Pacific Ocean TCs are noticed. For example, a higher number of small drops is observed in Indian Ocean TCs, whereas Pacific Ocean TCs have more mid-size and large drops. RSDs of Pacific Ocean TCs have higher mass-weighted mean diameter and lower normalized intercept parameter than Indian Ocean TCs. RSD values quantified based on rainfall rate and precipitation types also showed similar characteristics between Indian Ocean and Pacific Ocean TCs. The radar reflectivity and rainfall rate (Z-R) relations and shape and slope (μ-Λ) relations of both oceanic (Indian and Pacific) TCs are found to be distinctly different. Possible causes for the dissimilarities in RSD features between Indian Ocean and Pacific Ocean TCs are due to relative differences in water vapor availability and convective activity between TCs in these two oceanic basins.
著者
川又 啓子
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.55-62, 1998-05-31 (Released:2009-12-08)
参考文献数
26

本稿は、松竹、東宝に並び称されるほどの演劇興行会社へと商業的に成功した劇団四季の事例研究論文である。劇団のこれまでの歩みを概観した後に、劇団四季という組織の運営形態に検討を加え、最後に顧客とのコミュニケーション行為としての劇団四季のマーケティング戦略を分析し、芸術性と営利性という二律背反的関係を超えた文化・芸術活動とマーケティングの融合について検討を加えるものである。
著者
出口 武典
出版者
The Surface Finishing Society of Japan
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.207-211, 1990-03-01 (Released:2009-10-30)
参考文献数
12
被引用文献数
2 3
著者
山本 けい子 寺門 修 竹内 孝 中村 和之 広瀬 義朗 八重樫 忠郎 瀬川 拓郎
出版者
独立行政法人国立高等専門学校機構 函館工業高等専門学校
雑誌
函館工業高等専門学校紀要 (ISSN:02865491)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.105-110, 2018 (Released:2018-01-31)
参考文献数
9

Based on the hypothesis that Hokkaido gold dust was contained in the enormous amount of gold that supported the wealth of the Oshu-Fujiwara clan, we analyzed gold dusts which were obtained from relics excavated in Yanagi-no-Gosho Site in Hiraizumi.In this research, we conducted the analysis using statistical methods such as data similarity, principal component analysis(PCA) and support vector machine(SVM). The target data are elemental analysis data sets of gold on relics excavated from Hiraizumi and they are compared to data sets of gold dust picked in Hokkaido and Tohoku region.Through these statistical analysis, we concluded that the gold on relics excavated from Hiraizumi was closer to the elemental constituents of gold dust picked in Iwate Prefecture. About this Hiraizumi sample, we were not able to estimate that its gold might have been brought from Hokkaido. However, we are thinking that these statistical approaches are useful methods to clarify facts of the trade between the Oshu-Fujiwara clan and indigenous people in Hokkaido.
著者
竹内 聡志 土屋 篤志 杉本 勝正 大藪 直子 後藤 英之 武長 徹也 鷹羽 慶之 大塚 隆信
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.495-498, 2016 (Released:2016-10-07)
参考文献数
9

原テストにおけるCombined abduction test(CAT)とHorizontal flexion test (HFT)と肩関節可動域の関係について調査を行った.2012年から2014年にメディカルチェックを行った大学生・社会人野球選手96名(平均年齢20.9歳,平均野球歴10.9年)を対象とした.全ての選手に原テスト11項目,肩可動域測定を施行した.その結果から,CAT・HFT共に陽性群(CH群),CAT陽性群(C群),HFT陽性群(H群),CAT・HFT共に陰性群(N群)に分類し,肩関節下垂位(1st),90°外転位(2nd)および90°屈曲位(3rd)における内外旋角度との関連を調査した.CH群49名,C群8名,H群8名,N群31名であった.CH群,C群,H群において非投球側と比較して投球側の2nd 内外旋総可動域(total arc)が有意に減少していたが,N群では有意差がなかった.投球側の2nd total arcは肩後方タイトネスの存在により,非投球側と比較して減少することが報告されている.この結果から,CAT・HFTは肩後方タイトネスの評価に有用である可能性が示された.
著者
季 翔 正木 光裕 梅垣 雄心 中村 雅俊 小林 拓也 山内 大士 建内 宏重 池添 冬芽 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0486, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】近年開発された超音波診断装置のせん断波エラストグラフィー機能で測定される弾性率は,筋の伸張性を反映することが報告されている(Maïsetti 2012, Koo 2013)。そのため,この弾性率を指標として個別の筋の伸張の程度を定量的に評価することが可能となった。臨床において筋・筋膜性腰痛や背部筋の過緊張に対する運動療法として,背部筋のストレッチングがよく用いられている。背部筋のなかで脊柱起立筋は脊柱の伸展,同側側屈,同側回旋,多裂筋は脊柱の伸展,同側側屈,反対側回旋の作用を有する。そのため,脊柱起立筋は脊柱の屈曲,反対側側屈,反対側回旋,多裂筋は脊柱の屈曲,反対側側屈,同側回旋で伸張される可能性が考えられる。しかし,どのような肢位で脊柱起立筋や多裂筋が最も効果的に伸張されるかについては明らかではない。本研究の目的は,せん断波エラストグラフィー機能で測定した弾性率を用いて,脊柱起立筋と多裂筋の効果的なストレッチング方法を明らかにすることである。【方法】対象は整形外科的および神経学的疾患を有さない健常若年男性10名(年齢22.9±2.3歳)とした。なお,腰痛を有する者は対象から除外した。筋の弾性率(kPa)の評価には,せん断波エラストグラフィー機能を有する超音波診断装置(SuperSonic Imagine社製)を用い,各筋の筋腹に設定した関心領域のせん断速度から弾性率を求めた。なお,弾性率の値が高いほど筋は硬く,伸張されていることを意味する。対象筋は左腰部の脊柱起立筋(腰腸肋筋)および右腰部の多裂筋とした。測定部位は脊柱起立筋が第3腰椎棘突起の7cm外側,多裂筋が第4腰椎棘突起の2cm外側とした。測定肢位は①安静腹臥位(以下,rest),②正座の姿勢から体幹を前傾し,胸腰推を40~45°屈曲した肢位(以下,屈曲),③ ②の胸腰推を40~45°屈曲した肢位からさらに胸腰推を30°右側屈した姿勢(以下,屈曲右側屈),④ ②の胸腰推を40~45°屈曲した肢位からさらに胸腰推を30°右回旋した姿勢(以下,屈曲右回旋)とした。なお,本研究においては多くのストレッチング肢位をとることで筋の柔軟性が増加し,弾性率に影響が生じる可能性を考慮し,ストレッチング肢位は上記②~④の3条件のみとし,測定の順序はランダムとした。また,②~④の肢位では,できるだけ安楽な姿勢をとらせるために腹部にストレッチポールを挟んだ。なお,胸腰推の角度は日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会による測定法に準じた。統計学的検定には,Bonferroni法による多重比較検定を用いて,測定肢位による弾性率の違いを分析した。なお,有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】対象者には研究内容について十分な説明を行い,同意を得たうえで実施した。【結果】左脊柱起立筋の弾性率については,屈曲右側屈(20.8kPa),屈曲(13.7kPa)がrest(5.0kPa)よりも有意に高かった。また,屈曲右側屈が屈曲,屈曲右回旋(9.2kPa)よりも有意に高い値を示し,屈曲と屈曲右回旋との間に有意な差はなかった。右多裂筋の弾性率については,屈曲(30.7kPa),屈曲右回旋(30.2kPa)屈曲右側屈(17.6kPa)がrest(5.7kPa)よりも有意に高かった。また,屈曲右側屈が屈曲,屈曲右回旋よりも有意に低い値を示し,屈曲と屈曲右回旋との間に有意な差はなかった。【考察】せん断波エラストグラフィー機能による弾性率を用いて背部筋の伸張の程度を調べた結果,脊柱起立筋においては,脊柱屈曲位で反対側側屈することが最も効果的なストレッチング方法であることが明らかとなった。脊柱起立筋は,脊柱屈曲位,脊柱屈曲位で反対側側屈することで筋を伸張することができ,また,脊柱屈曲位で反対側側屈することは,脊柱屈曲位や脊柱屈曲位で反対側回旋することよりもより効果的に伸張することができることが示唆された。脊柱屈曲位で反対側回旋させるよりも反対側側屈させるほうが,脊柱起立筋を伸張させるのに効果的である理由としては,脊柱起立筋の側屈モーメントアームは回旋モーメントアームよりも大きいことが影響していると考えられる。また,多裂筋は特に脊柱屈曲位および脊柱屈曲位で同側回旋において伸張されることが示唆された。この脊柱屈曲位と脊柱屈曲位で同側回旋との間には有意差がみられなかったことから,同側回旋を加えなくても脊柱を屈曲するだけで多裂筋は効果的に伸張することができると考えられた。脊柱屈曲位で同側回旋を加えても多裂筋に影響を与えなかった理由として,多裂筋は回旋作用を有するが,回旋モーメントアームは小さいことによるものと考えられる。【理学療法学研究としての意義】本研究によって,脊柱起立筋は脊柱屈曲位でさらに反対側側屈を加えることで,多裂筋は脊柱を屈曲することで,より効果的に伸張できることが示唆された。

2 0 0 0 IR Quineの集合論

著者
大出 晁
出版者
三田哲學會
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
no.46, pp.83-108, 1965-02

I. パラドックス Cantorの定理 順序数の定理II. Quineの体系III. NFにおける自然数と数学的帰納法IV. NFにおけるCantorの定理V. NFと選択公理VI. MLの利点 1. 数学的帰納法 2. 自然数の集合N 3. Cantor, Burali-Fortiのパラドックス 4. MLと選択公理VII. NFとMLとの関係 : 相対的無矛盾性VIII. MLとNFにおける個体の問題橋本孝先生古希記念論文集
著者
山本 啓介
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.25-37, 2013-09-10 (Released:2018-09-11)

後柏原天皇時代の文亀二年(一五〇二)より、参会・披講を伴う晴儀の御会始が行われている。ただし、後年の御会始には、不参の者も少なくなかった。それは貴族達の困窮が一因であったとみられる。そうしたなか、内裏では参会・披講は行わずに、懐紙・短冊のみを詠進する形式の月次和歌も行われた。これは、比較的流動的な方法で懐紙・短冊に和歌を書いて提出するものであり、動乱期の状況下でも少ない負担で和歌活動を継続することが可能な形式であったと見なすことができる。
著者
永井 宏達 生友 尚志 大畑 光司 中川 法一 前田 香 綾田 裕子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0605, 2007 (Released:2007-05-09)

【目的】我々は第41回日本理学療法学術大会にて広背筋を5つの部位に分けて筋活動を調査し、運動学的に上部線維と下部線維に分けられることを報告した。さらに広背筋下部線維においては体幹側屈作用があることを示唆した。体幹側屈運動については、通常、腹斜筋、脊柱起立筋が主動作筋に挙げられるが、これらと広背筋下部線維との関係については明確ではない。本研究の目的は、さまざまな体幹側屈動作における腹斜筋、脊柱起立筋と広背筋下部線維の筋活動比を調べ、体幹側屈動作時における側屈筋群の動員の特徴を明らかにすることである。【対象と方法】対象は上肢、下肢及び体幹に整形外科的疾患のない健常成人男性10名(平均年齢25.9±4.0歳)とした。被験者には本研究の趣旨を説明し研究参加への同意を得た。筋電図の測定にはNORAXON社製MyoSystem 1400を使用し、表面電極による双極誘導を行った。測定筋は、右広背筋下部線維(以下LLD)、右外腹斜筋(以下EO)、および右腰部脊柱起立筋(以下LES)とした。LLDは第7頸椎棘突起と上前腸骨棘を結んだ線上で第12胸椎レベルの位置、EOは臍より右へ15cm外側、LESは第3腰椎棘突起の3cm外側に電極を貼付した。測定動作は各肢位における側屈運動(側臥位体幹右側屈、端座位体幹右側屈、仰臥位右骨盤引き上げ)、および体幹側屈モーメントを生じる上下肢の動作(側臥位同側股関節外転、端座位対側肩関節外転)の計5項目とした。測定は3秒間最大等尺性収縮した時の積分筋電図値(以下IEMG)を求め、各筋の徒手筋力検査の肢位での最大等尺性収縮時のIEMGを100%として、各筋ごとに%IEMGを求めた。その上でLLDとEO、LESの関係を明らかにするため、LLDの%IEMGをEO、LESそれぞれの%IEMGで除した値(LLD/EO、LLD/LES)を筋活動比として求めた。統計処理には、動作ごとの筋活動比を比較するためにFriedman検定を用いた。なお、有意水準は5%未満とした。【結果と考察】統計より、LLD/EO、LLD/LESのそれぞれにおいて、運動項目間で有意な差が見られた(p<0.01)。LLDとEOの筋活動比は、対側肩外転1.52±0.99、側臥位側屈1.33±0.48、座位側屈0.99±0.62、同側股関節外転0.50±0.29、骨盤引き上げ0.48±0.43であった。LLDとLESの筋活動比は、側臥位側屈1.48±0.54、対側肩外転1.16±0.42、座位側屈0.74±0.38、同側股関節外転0.40±0.21、骨盤引き上げ0.37±0.27となった。本研究では、側臥位側屈と端座位対側肩関節外転においてEO、LESに対してLLDの筋活動が他の動作よりも相対的に大きくなることが示唆された。一方、同側股関節外転や骨盤引き上げといった、骨盤の固定や動きが生じる動作ではLLDの関与が小さくなることが示唆された。