著者
田中 幸子
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.301-313, 2016

本稿は拙論『映画と芸術教育の接近(1)』に続く実践報告である。高校の芸術教育での映画作品の鑑賞の教育的意義を明らかにし,検討・作成した授業案をもとに,実践した内容を考察する。授業は,映像・映画史入門パートと鑑賞・分析パートで構成される。考察では,二つの仮説を検証するために,分析パートで実施した生徒たちのスケッチと文章記述を比較データとした。仮説は,(A)鑑賞及び分析を通して語彙は拡大する,(B)鑑賞及び分析を通して着眼点の多様化・拡大が見られるとした。映像用語の活用が見られるか,自らの美意識によって作品の全体から一部を選び出しその表現について制作者の意図・映像表現技法・鑑賞者側へ与える印象や影響について記述をしているか,という点を前・中・後期で比較する。
著者
大淵 康成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.5, pp.821-832, 2005-05-01

複数のマイクを使った音声認識において, 個々のマイクへの入力の品質が大きくばらついていることがある.そのような場合, それらの入力を重ね合わせることより, 最適なマイクを正しく選ぶことが重要である.本研究では, 同一発声に対する複数チャネルの音声データをもとに, 音声認識に最も適したチャネルを選択する手法として, デコーダに基づくチャネル選択(Decoder-based Channel Selection: DBCS)を提案する.各チャネルの評価には, 従来用いられていた信号対雑音比や音声認識ゆう度などに代わり, デルタケプストラム正規化方式による特徴補償前後の認識仮説の比較に基づく手法を導入する.また, この手法を様々なマイクの組合せからなる部分遅延和アレーと組み合わせることにより, 更に性能向上が得られることを示す.評価実験の結果, デルタケプストラム正規化, チャネル選択, 部分遅延和アレー利用の三つの方式が相補的に働き, 全体として従来の遅延和アレー方式に比べると, 二つの評価データセットに対してそれぞれ35.8%/26.8%の誤り削減率が得られた.
著者
中村 宏樹
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.841-843, 2008-03-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。講義
著者
西森 博紀 岡本 竜 柏原 昭博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.453, pp.253-258, 2011-02-25
被引用文献数
1

プレゼンテーション・リハーサルは,発表終了後,レビュアからの指摘をもとに質の高い議論を行い,発表内容の改善に役立つ有効な知見を得ることが重要である.しかし,議論フェーズでは,議論を行う上での準備や進行,結果の記録に関する問題などにより,議論内容の理解や議論結果の記録に不備が生じている.その結果,リハーサル終了後の改善作業が不十分に終わる場合が多い.そこで,本研究では発表全体の構成を示すプレゼンテーション構造を軸とし,議論フェーズにおける問題を解決するための支援方法を検討する.本報告では,支援環境の機能,構成の提案とプロトタイプシステムの開発について述べる.
著者
武田 由比子 河村 葉子 山田 隆
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.266-271_1, 1998
被引用文献数
7

アルミホイル片を酸性21種類, アルカリ性6種類の食品から調製した溶液へのアルミニウム移行は, 酢類, 梅干し類, アルカリ性食品で多かった. 酸性食品では, 95℃30分でぽん酢, レモン酢及び梅干し漬汁10.02~13.83μg/cm<sup>2</sup>, りんご酢, かぼす酢, ワインビネガー6.85~3.11μg/cm<sup>2</sup>, 果汁及び乳製品0.66~0.92μg/cm<sup>2</sup>であった. 穀物酢は0.20μg/cm<sup>2</sup>と低く, 4%酢酸の約200分の1であった. アルカリ性食品では, 95℃30分でこんにゃく煮汁13.72~16.24, しらたき煮汁88.03~107.4, 中華麺煮汁10.55~10.97μg/cm<sup>2</sup>と高かった. 食塩は溶出を高めるが, 糖, タンパク質, アミノ酸及び脂肪は溶出抑制の傾向があり, 特にタンパク質, アミノ酸類は4%酢酸95℃30分の溶出を10%以下に抑えた.
著者
大西 正樹 肖 水芳 大久保 公裕 池田 雅一 横島 一彦 奥田 稔
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.228-235, 1993
被引用文献数
5

スギ花粉飛散開始の2週間前よりfluticasone propionate (FP) の局所投与を行いスギ花粉症患者の鼻粘膜粘液上皮層に浸潤した好塩基性細胞, 好酸球の動態を観察し, FPの鼻アレルギー症状抑制機序を検討した。スギ花粉症患者を2群に分け実薬投与群は季節前, 初期にFP局所投与, プラセボー群はプラセボーの局所投与を行った。また季節中期, 後期は両群ともFP局所投与を行った。実験は二重盲検法で行った。投与前, 初期終了時, 後期終了時に鼻粘膜擦過を行い擦過片中の好塩基性細胞, 好酸球数のカウントを行った。同時に擦過片を蒸留水中で凍結融解した後, 両細胞数を定量的に評価するため擦過片中の総ヒスタミン, eosinophil cationic protein (ECP) の含有量を測定した。季節前からFP局所投与を行った実薬投与群は, プラセボー群に比べスギ花粉症状をよく抑制し鼻粘膜粘液上皮層中の好塩基性細胞, 好酸球の増加を抑制した。粘膜擦過片中のヒスタミン量, ECP量はFP局所投与で減少傾向を示した。
著者
中村 稔 大崎 明子 大坂 直樹
出版者
東洋経済新報社
雑誌
週刊東洋経済 (ISSN:09185755)
巻号頁・発行日
no.6265, pp.34-65,68〜75,78〜89, 2010-06-05
出版者
阪急コミュニケーションズ
雑誌
ニューズウィーク (ISSN:09122001)
巻号頁・発行日
vol.25, no.28, pp.18-21, 2010-07-21
出版者
毎日新聞社
雑誌
エコノミスト (ISSN:00130621)
巻号頁・発行日
vol.88, no.48, pp.18-43, 2010-08-17
出版者
毎日新聞社
雑誌
エコノミスト (ISSN:00130621)
巻号頁・発行日
vol.89, no.8, pp.18-35,76〜85, 2011-02-08
著者
木村 勝彦
出版者
筑波大学
雑誌
哲学・思想論集 (ISSN:02867648)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.31-52, 1998

一 カントは宗教について、あるいは宗教的な事柄について実に多くのことを語っている。そして、宗教をめぐるカントの言説は、批判哲学の確立と決して無関係なものではなく、批判哲学そのものの目指すところと深く関わり、むしろそれを一貫して導き続けているのである。 ...
著者
上水流 久彦
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.248-248, 2008

現在、台湾東部と沖縄県の先島諸島の間は距離的には近いが、国境が存在するため、その往来はかなり不便である。だが近年、両地域間では交流が盛んに行われるようになってきており、チャーター便を利用した直行便もすでに飛んでいる。その基盤には国境を越えた同一生活圏像という発想が存在する。国境をまたぐ形での同一生活圏像の生成には、植民地時代の国境がなかった時の交易などの移動経験が深く関係している。