著者
井代 彬雄
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 第II部門 社会科学・生活科学 (ISSN:03893456)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2-3, pp.119-128, 1984-01-31 (Released:2009-12-07)

この小論は,ナチズムとヨーロッパ文化に深く根ざしているカトリシズムとの関係を明らかにしようとする作業の一前提として,ナチ党とカトリック政党である中央党(Zentrumspartei)との関係を,主にヴァイマール共和制時代よりナチス体制初頭にかけての期間に限定しつつ,考察しようとしたものである。「中産階級にバイアスをおく結集政党」としてのナチ党は,周知の如く,かなり巾広くドイツ国民全体を自己の勢力下に結集していった。だがしかし,伝統的に中央党などを支持してきたドイツ・カトリック人民は,そう簡単にナチ党に征圧されてしまうことなく,最後まで伝統的政治態度を棄てなかった。カトリック教徒のナチ党に対する免疫性が指摘される所以である。しかしこうした指摘もさらに検討の必要性があるし,カトリック人民から中央党指導層に視点を移せば,ナチズムに対する免疫性以上に,むしろそれとの親近性を指摘する必要も出てくるのである。本論において,ナチズムと中央党との関係が,まさに収斂するナチ党による1933年3月24日の「全権委任法」への歴史過程の考察を通じて,冒頭に掲げた作業の一端を明らかにしたい。 Wie und warum war Hitler möglich? Keine Darstellung über das Ende der Weimarer Republik oder den Beginn der nationalsozialistischen Herrschaft kann sich den Sog dieser zentralen Frage der jüngsten deutschen Geschichte entziehen. Besonders "die Frage, die es sachlich zu klären gilt, ist diese: Wie konnte es dazu kommen, deß die maßgebenden geistlichen und geistlichen Führer des deutschen Katholizismus im Jahre1933in Hitler und dem NS-Staat Wegbereiter einer umfassenden Erneuerung sahen und nachdrücklich zur positiven Mitarbeit und zur Unterstützung des NS-Regimes aufriefen?" (E, W, Böckenförde) Diese Frage ist nicht hinreichend beantwortet, wenn man nicht die allen geschichtlichen und struktullen Zusammenhängen zwischen dem Nationalsozialismus und der deutschen katholischen Zentrumspartei vollendet analysiert. In dieser Abhandlung beschränkt sich der Autor auf die Frage den geschichtsentwicklungsgang der beiden sozialpolitischen Gruppenwechselwirkungen. Wir können zum Schluß eine bestimmten Affinität unter den Führer dieser beiden sozialpolitischen Gruppen in der Haltung über Bolschewismus erkennen.
著者
井代 彬雄
出版者
大阪教育大学歴史学研究室
雑誌
歴史研究 (ISSN:03869245)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-22, 1984-06-25 (Released:2008-04-24)
著者
富山大学附属図書館
出版者
富山大学附属図書館
巻号頁・発行日
pp.1-60, 2013-07-04 (Released:2016-02-19)

2013年6月26日(水)、7月3日(水)に開催した「文献(資料)の探し方」の資料。レポート・卒論を書く際に必要となる資料(文献・統計情報・新聞など)を探す時に使用するツールの紹介。及び外部から資料を取り寄せる方法を説明している。
著者
河内 祐香里 森本 祥一
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
vol.80, pp.25-35, 2013-06-15 (Released:2013-06-28)

商店街活性化に有効な手段の一つにフリーペーパーがある.フリーペーパーとは,特定の読者を狙い,無料で配布する情報誌である.その多くは,特定の地域に絞ってその地域の人々に役立つ情報を掲載している,地域に密着した生活情報誌である.このような特徴を活かし,商店街に密着したフリーペーパーも発行されており,競合する商業施設との差別化や商店街の活性化を図っている.しかし,その効果を得るためには労力がかかることや,費用対効果が不明確,といった問題がある.よって本研究では,実在する商店街の協力のもと,フリーペーパーの作成を通じて作成方法の明確化とアンケートによる効果の検証を行った.更に,これらの実践結果に基づき,商店街活性化施策の考察を行った.本研究の成果により,フリーペーパーが商店街の情報発信の起点となり,商店街活性化の一助となることを目指す. A free newspaper is a means of regional vitalization, which is distributed free of charge. It is a magazine collecting localized information for the inhabitants and a tool for community-based public relations. Thus a shopping street aims at differentiation from the other competitors through the street’s free newspaper focusing on the PR of community-based information about everyday life in the area. However, the publication of effective free newspapers requires expertise and its cost effectiveness is not clear. Therefore, we have arranged the production method and evaluated the effect through the actual publication in industry-academia cooperation.
著者
鷲見 洋一
出版者
慶應義塾大学藝文学会
雑誌
藝文研究 (ISSN:04351630)
巻号頁・発行日
vol.89, pp.269(48)-288(29), 2005-12 (Released:2005-00-00)

立仙順朗教授退任記念論文集 I 原典資料II 先行基礎研究III 新しい展開IV 電子テクストとその短所・長所V 新しい研究動向を踏まえた研究プロジェクト
著者
松田 謙次郎
巻号頁・発行日
2013-06-13 (Released:2013-07-01)

神戸松蔭女子学院大学
著者
佐伯 文昭
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.85-92, 2013-03 (Released:2013-07-02)

現在,多くの保育所・幼稚園において,障害児保育が行われている.障害児保育に携わる保育者の支援の一つとして,巡回相談がある.本稿では障害児保育の歴史を顧みた後,巡回相談の定義,実施概要,コンサルテーションとしての機能,支援モデル(支援の視座)について概観した.特にICF の視座は,子どもの個人的特徴のみならず,環境因子(自然環境,社会環境,物理的環境,人的環境)を視野に入れ,アセスメントや支援を展開していくことを重要視するものであり,医療分野だけではなく,保育や幼児教育の現場においても有効と思われる.ICF は「生物・心理・社会的」アプローチであり,子ども自身やその家族,社会をより広い視野で把握することのできる有効な概念である.今後,保育所・幼稚園における巡回相談の支援モデルのさらなる探究,ICF の視座に基づく保育支援の実践が強く求められる.
著者
川上 潤一郎
出版者
京都大学東南アジア研究センター
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.83-92, 1965-01

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
山根 隆宏
出版者
神戸大学大学院総合人間科学研究科発達基礎論講座 : 神戸大学大学院総合人間科学研究科発達臨床論講座
雑誌
神戸大学発達・臨床心理学研究 (ISSN:10729424)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.25-32,

高機能広汎性発達障害児は,確定診断の困難さ,障害の見えにくさにより特徴づけられ,これによりその 子どもをもつ親は特有の困難さを抱えることが指摘されている。本研究では,診断告知時に焦点を当て,高機能 広汎性発達障害児をもつ親80名に対して自由記述による調査をおこない,診断時の感情体験の構造について探索 的な検討を試みた。数量化III類により診断時の感情体験の構造と診断時の対応および確定診断の時期との関連に ついて検討した。その結果,診断告知に対する否認や衝撃などのネガティブな感情を中心とする体験と,診断に 対して安堵感や希望,前向きな気持ちなどのポジティブな感情を中心とする体験,不安や救われる気持ちをなど の両面的な感情を中心とした体験の3つの特徴的な感情体験が示唆された。また,ポジティブな感情体験は診断 時の専門機関の対応のうち具体的な助言や共感的な態度などと関連し,ネガティブな感情は診断時の対応のうち 診断の説明不足,非共感的な態度,他機関への紹介がないこととの関連が示唆された。さらに,診断を告知され る時期との関連がみられ,乳児期に診断を受けている親は両面的な感情を,児童期以降に診断を受けている親は ポジティブな感情を体験していることが示唆された。