著者
田坂 真一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.105-110, 2007-03-15

ソフトウェア開発プロジェクトにおけるプロジェクト・マネジャーの重要なロールとして,プロジェクトの規模を初期段階で適切に見積もり,発注者側ステークホルダーと予算で合意を得,適切な予算の下でプロジェクトの立ち上げから終結までを管理し,成功裡に導いていく役割がある.本稿ではプロジェクトの初期段階での見積もり方法の一つとしてNESMAが提唱する簡易ファンクションポイント法を用いた見積もりを適用し,その有効性の有無を検証した.プロジェクト初期段階での見積もりに対応するため,立ち上げあるいは計画プロセスのアウトプットを入力情報とし,機能規模のベースラインとしてのファンクションポイント・カウント数を算出できる,FP概算法とFP試算法を採用し,実用という観点から有効性の評価を行った.その結果,プロジェクトの「立ち上げ局面」あるいは「計画局面」の作業で工夫をすればFP概算法が「プロジェクトの初期段階での規模見積もりのベースラインとしての実用性が高い」との結論を得た.
著者
野本 有紀 長崎 勤
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.21-31, 2007-03-30

5・6歳児に対し、視覚的手がかり(中心要素・周辺要素)と手がかりなしの3条件を用いて、ナラティブ(フィクショナルストーリー)を聞かせ、その理解とリテリングによる産出の差異を検討した。その結果、理解においては5・6歳児では物語の中心要素は理解されていること、さらに6歳児の方が5歳児より物語を理解しており、中でも6歳児では周辺要素手がかりが理解を促進することが示された。産出においてはミクロ構造とマクロ構造の両面から分析し、両面において産出数では6歳児において周辺手がかりが最も産出を促進し、より長いリテリングが得られたが、産出される結束性の種類やストーリー構造は限定されていた。本研究の結果と先行研究の結果を合わせて考えると物語の理解と産出の双方において、中心から周辺要素へと獲得されていく過程が示唆されるとともに、5・6歳児がより高次なナラティブ産出のレベルへと移行する過渡期にあることが示唆された。
著者
藤田 徹也
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.65, pp.25-30, 1996-11-21
被引用文献数
1

This paper describes a conception and a rough design of new generation CM-Bank system. Video-Server with Hard-Disk-Drive is a kernel of this system. It makes the system more simple. And we can design the system which has a high performance and high flexibility. Moreover, this system will be completed in 1997.
著者
石川 圭介 北原 理作
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.193-199, 2012-10-15

日本の畜産現場におけるニホンジカ(Cervus nippon)による被害には,牧草の食害や家畜への感染症伝播の問題がある。広い草地をシカから守る手段として,イヌ(Canis familiaris)の利用が注目されつつある。本稿では,この古くて新しい技術,イヌを用いたシカによる被害対策を日本で試みている2つの事例を紹介する。1つはイヌを用いた草地防衛の事例で,警察犬の訓練技術を応用して草地からシカを追い払う試みである。もう1つは北海道の事例で,草地に出没するシカを牧羊犬による追い込みで捕獲し,積極的に資源として利用する試みである。
著者
関本 英彦 戸田 智基 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.221, pp.37-42, 2006-08-23
被引用文献数
4

携帯電話が普及するにつれて,「いつでも」「どこでも」コミュニケーションができるようになった.携帯電話を使うことがとても便利である反面,外部雑音の影響により,正しい内容を受聴できない問題がある.例えば,人ごみの中といった騒音による影響のため,小声でプライベートな会話ができない.本稿では,外部雑音に頑健な非可聴つぶやき(Non-Audible Murmur: NAM)マイクを用いた小声(Small Body Transmitted Ordinary Speech: SBTOS)によるコミュニケーションを考える.NAMマイクで収録された音声(肉伝導音声)は外部雑音に頑健である反面,こもった音声になり,聞き取りが困難である.そのため,混合正規分布モデル(Gaussian Mixture Model: GMM)を用いた声質変換技術により音質改善を行う.その際に,SBTOSから通常音声へと変換(SBTOS-to-SP),また小声へと変換(SBTOS-to-SSP)を検討する.入出力間における有声無声の一致率を調べたところ,SBTOS-to-SSPはSBTOS-to-SPよりも一致していることがわかった.客観,及び主観評価実験の結果,SBTOS-to-SSPはSBTOS-to-SPより優れていることがわかった.