- 著者
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永崎 研宣
- 雑誌
- 研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
- 巻号頁・発行日
- vol.2017-CH-113, no.6, pp.1-6, 2017-01-28
本稿は,人文系研究データの共有にあたって近年広まりつつあるオープンデータと IIIF という二つの潮流について,それぞれの意義 ・ 可能性 ・ 課題について,論点を整理しつつ今後を見通すことを目指すものである.オープンデータに関しては,デジタル画像資料の利用のしやすさや永続性という点ではメリットをもたらし得るが,異版の登場 ・ 乱立や一次配付元の活動の意義の説明に問題を生じる可能性があり,これを踏まえた評価方法を確立する必要がある.IIIF に関しては,一次配付元の存在感が高まる可能性がある一方で,責任も大きくなる.また,技術的課題もいくつか存在しており,解決に向けての国際的な協調も必要である.