著者
浅尾 俊樹 北澤 裕明 伴 琢也
出版者
園藝學會
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.247-249, 2004 (Released:2011-03-05)

8種の葉菜類の自家中毒物質を探索するために水耕葉菜類に用いた活性炭に吸着された物質をGC-MS法で分析した。その物質は乳酸、安息香酸、m-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、アジピン酸およびコハク酸であった。同定された物質の中で、顕著に生育抑制を引き起こす物質を探るため各葉菜類の苗を使ったバイオアッセイを行った。その結果、パセリではアジピン酸、セロリでは乳酸、ミツバでは安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸およびコハク酸、レタスではバニリン酸、葉ゴボウではコハク酸、シュンギクでは安息香酸、m-ヒドロキシ安息香酸およびコハク酸、チンゲンサイでは安息香酸およびp-ヒドロキシ安息香酸、ケールでは安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸およびアジピン酸が生育抑制を顕著に引き起こす物質として認められた。
著者
田中 真悟
出版者
日本土壌動物研究会
巻号頁・発行日
no.22, pp.27-33, 1980 (Released:2011-03-05)
著者
農事試験場
出版者
農商務省農事試驗場
巻号頁・発行日
no.23, pp.1-18, 1908 (Released:2011-09-30)
著者
喜友名 朝次
出版者
沖縄県森林資源研究センター
巻号頁・発行日
no.52, pp.12-15, 2011 (Released:2012-12-06)
著者
牧本 卓史
出版者
岡山県農林水産総合センター森林研究所
巻号頁・発行日
no.27, pp.73-82, 2011 (Released:2013-10-08)

マツノマダラカミキリの捕食寄生者であるサビマダラオオホソカタムシを松くい虫の天敵防除資材として活用する方法を検討することを目的とした研究を行った。和気町のアカマツ林に約1haの試験地を設け,3年間継続的にサビマダラオオホソカタムシを放飼した時の放飼効果と被害の推移を調べた。その結果,周囲にマツノマダラカミキリの発生源となる被害マツ林が存在するこの試験地においては,試験期間を通じて被害率は10%前後で推移し,被害を低減させることはできなかった。しかし,サビマダラオオホソカタムシの放飼により当該林分からのマツノマダラカミキリの脱出数を抑制し,サビマダラオオホソカタムシを徐々に定着させることで,試験地内のマツノマダラカミキリの穿入数や脱出数が減少する傾向が認められた。一方で,マツ材線虫病による枯死率はほぼ横ばい状態が継続していることから,サビマダラオオホソカタムシを活用した松くい虫の防除には,本種による駆除効果をさらに向上させる技術を確立することと併せて,周辺マツ林からのマツノマダラカミキリの飛来数を抑制するための緩衝帯を設けること等,既存技術との複合的な利用技術を確立し,マツノマダラカミキリの生息数をさらに低減させる方策を検討する必要があると考えられた。
著者
西山 嘉寛
出版者
岡山県農林水産総合センター森林研究所
巻号頁・発行日
no.32, pp.1-18, 2016 (Released:2017-05-17)

列状間伐後5~7年経過したヒノキ人工林32林分について,林床の下層植生量(木本類植生量,全植生量),植被率(木本類植被率,全植被率),植生高をそれぞれ目的変数,斜面勾配,伐開幅,残存幅,残存木の平均樹高,ササ類の有無を説明変数とし,数量化I類分析を行った結果,いずれも1%水準で有意な予測モデルを求めることができた。このモデルを用いて,列状間伐について,異なる伐採方法での全植被率,木本類植被率の推移をそれぞれ予測すると,ともに4残3伐が最も高い数値が得られたが,現状の伐採率を考慮すると,4残2伐(伐開幅約5.2m)が現実的であると想定された。一方で,2残1伐の場合は,全植被率及び木本類植被率は伐採幅が2伐以上の場合に比べ,明らかに低下していた。また斜面勾配が35度以上に達すると,全植被率及び木本類植被率とともに,急落傾向が認められたことから,このような斜面では,土留め工等の対策を講じる必要があると考えられる。岡山県北部一帯では,ササ類の定着が顕著なエリアとそうでないエリアに区分され,前者では,ササ類,後者では木本類の侵入・定着を基本とした下層植生の管理が第一と考えられる。下層に定着した木本類のうち,樹高が1.2m以上で,かつ高木層を形成する樹種は5種しか認められなかった。木本類の植被率を70%以上期待するためには,30本/m2,樹高1.2m以上の個体に限っては5本/m2程度それぞれ定着する必要があることことが示唆された。
著者
唐澤 豊
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.61-66, 2002 (Released:2011-03-05)

1988年にイスラエルから沖縄にダチョウが導入されて以来、日本における産業的なダチョウ飼育が始まり、その飼養羽数は1996年の566羽から急激に増加して2001年の夏には9300羽を越えた。このようにダチョウ飼育が日本で注目された社会的背景には、バブル経済の崩壊に伴う新規事業対象として、あるいは農山村の農業の停滞に伴う過疎化と荒廃農地の増加などが主な要因としてあると思われる。もちろんその前提として、ダチョウの動物資源としての有用性があったからに他ならない。ダチョウは、雑食性ではあるが牧草を好みよく利用することができること、皮、肉など余すところなく利用できることに加えてそれらの生産物の付加価値が高いこと、繁殖技術や管理技術の向上によってさらに生産性の飛躍的な向上が期待できること等々,きわめて優れた動物資源といえる。私たちには、この優れた動物資源をどのように社会の中で活用し利用できるか、関連分野の力量を問われている課題であるともいえる。
著者
神 勝紀 大島 裕治 富田 くるみ 唐澤 豊
出版者
信州大学農学部
巻号頁・発行日
vol.42, no.1-2, pp.9-16, 2006 (Released:2011-03-05)

開放型の間接熱量測定装置を作製した。この装置は体重2kg以下のニワトリにおけるエネルギー代謝研究に使用するものであり,給餌後の急速な熱生産反応にも対応できる応答速度を持たせるように設計した。作製後に装置の応答速度およびO2とCO2の回収率を測定し,さらに実際にニワトリを用いてHPを測定した。O2とCO2の濃度変化に対する応答の遅れはいずれも2分程度であり,O2とCO2の回収量はそれぞれ99.2%と96.2%であったが,この程度の応答の遅れやCO2回収率の低さは,HPを求める上では影響はほとんどないと考えられていた。ニワトリを用いた試験では,絶食時と自由摂取時のHPおよび給餌後のHPパターンとも過去の報告と類似した結果が得られた。以上から,本研究で作成した装置はニワトリのHPを測定するに十分な性能を持つと考えられた。
著者
花里 孝幸 朴 虎東
出版者
日本プランクトン学会
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.48-51, 2008 (Released:2011-01-13)
著者
三枝 順三
出版者
日本獣医学会
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.75-80, 1978 (Released:2011-03-05)
著者
下園 寿秋
出版者
鹿児島県森林技術総合センター
巻号頁・発行日
no.14, pp.12-17, 2011 (Released:2012-12-06)
著者
伊藤 太一
出版者
日本森林学会
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.125-135, 2009 (Released:2011-04-05)

近年自然地域におけるレクリエーションのための入域や施設利用、インタープリテーションなどのサービスに対する費用負担が国際的課題になっているが、日本では山岳トイレなど特定施設に限定される。ところが、江戸時代の富士山においては多様な有料化が展開し、登山道などの管理だけでなく地域経済にも貢献し、環境教育的活動の有無は不明であるが、環境負荷は今日より遙かに少なくエコツーリズムとしての条件に合致する。そこで本論ではレクリエーション管理の視点から、登山道と登山者の管理およびその費用負担を軸に史料を分析し、以下の点を明らかにした。1)六つの登山集落が4本の登山道を管理しただけでなく、16世紀末から江戸などで勧誘活動から始まる登山者管理を展開することによって、19世紀初頭には庶民の登山ブームをもたらした。2)当初登山者は山内各所でまちまちの山役銭を請求されたが、しだいに登山集落で定額一括払いし、山中で渡す切手を受け取る方式になった。さらに、全登山口での役銭統一の動きや割引制度もみられた。3)同様に、登山者に対する接客ルールがしだいに形成され、サービス向上が図られた。4)一方で、大宮が聖域として管理する山頂部では個別に山役銭が徴収されるという逆行現象もみられた。