著者
齊藤 大輔
出版者
福岡大学
巻号頁・発行日
2020-03-16

2019
著者
細谷 舞 鈴木 崇史
雑誌
じんもんこん2010論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.15, pp.195-202, 2010-12-04

本研究では,現代日本の女性シンガーソングライターの楽曲の歌詞を探索的に分析する.歌詞は,従来から,その時代の社会や文化をあらわす表象として重要なものと考えられてきた.とりわけ,女性シンガーソングライターは,現代日本のヒットチャートの1ジャンルを構成するものであり,新たな日本語やポピュラーカルチャーを理解するために重要な役割をもっている.本研究では,計算文体論の最新の手法を用いて,10人の女性シンガーソングライターの楽曲の歌詞を探索的に分析した.結果,それぞれの歌手の歌詞の特徴が明確に示された.本研究は,現代日本の社会や文化を理解するための重要な知見を提出するものである.
著者
谷本 由紀子 谷本 義高 Yukiko Tanimoto Yoshitaka Tanimoto
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.113, pp.285-303, 2021-03

本稿は、2019年 3 月に行ったイタリア・ヴェネツィアにおける現地調査と取材をもとに、オーバーツーリズムの現状と対応、政策について考察を加え、訪日外国人旅行者の急増により同問題が顕在化しつつある日本と京都における示唆を得ることを目的とする。本稿(2)は、本研究論集112号に掲載した本稿(1)の後編である。まず、ヴェネツィア市のオーバーツーリズム問題への具体的対応を考察するとともに、近年新たに導入が決定された入島税等について検討を行う。また、SAVEグループ社によるヴェネツィア 2 空港の一体運営と、近接する 2 空港をさらに加えた 4 空港の機能別一体運営に言及した上で、更なる乗降客数増を目指す同社の新構想について検討する。次に、本調査の結果得られたオーバーツーリズム問題への示唆を明らかにした上で、訪日外国人旅行者のさらなる増加を目指す日本と、外国人観光客が急増し続けている京都において既に顕在化している同問題について考察を行う。
著者
谷本 由紀子 谷本 義高 Yukiko Tanimoto Yoshitaka Tanimoto
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.112, pp.233-252, 2020-09

本稿は、2019年 3 月に行ったヴェネツィアにおける現地調査と取材をもとに、オーバーツーリズムの現状と対応、政策について考察を加え、訪日外国人旅行者の急増により同問題が顕在化しつつある日本と京都における示唆を得ることを目的とする。112号における本稿の主要なテーマは次の 2 点である。まず、オーバーツーリズムとは、近年になって用いられはじめた呼称であり論者により理解が錯綜していることから、先行研究の検討にもとづき当該呼称の由来と概念について私見の展開を試みることである。次に、京都市とヴェネツィア本島・歴史的地区それぞれの観光に関する現状を俯瞰した上で、ヴェネツィア本島における年間観光客数と日帰り観光客数について統計資料を用いて分析を行い、オーバーツーリズム問題の実態とヴェネツィア市の具体的対応を考察する。特に、日帰り観光客とクルーズ船乗降客に関わるヴェネツィア特有の問題を詳述する。
著者
中野 由章 米田 貴
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-122, no.10, pp.1-9, 2013-12-07

「LINE 外し」 のロールプレイングをオフラインで行ない,それによっていじめや人権等に対する意識を向上させることで,情報社会に参画する態度の育成を試みた。以前ならば小さな衝突で済んでいたと思われる生徒間のトラブル事案でも,SNS や LINE 等のコミュニケーションツールを介してやり取りをすることにより,問題が急速に拡大・悪化することがある。そこで,「LINE 外し」 をロールプレイすることで,生徒の倫理観を向上させ,情報社会に参画する態度の育成をめざした筆者らのその指導内容について報告する。
著者
石川 千里 豊島 良美 髙田 雅美 長尾 年恭 城 和貴
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.22-31, 2010-03-17

地電位差データに稀に含まれる異常電流を地震前駆的シグナル (SES: Seismic Electric Signals) として検出することで地震の予知を図る手法がある.強い電車ノイズを含む地電位差データから SES を検出するために,独立成分分析 (ICA: Independent Component Analysis) を地電位差データに適用し,電車ノイズを分離することが試みられており,結果として ICA が有効であることは確認されている.また,地震予測を迅速に行うためには,ノイズを分離したデータから自動的に SES を検出する手法が必要である.本稿では,ICA を用いて電車ノイズを分離した結果から,自動的に SES を検出する手法について提案する.新潟県中越地震の SES を含むと考えられる地電位差データに対して提案手法を適用する実験を行い,適用結果と地震発生データの相関調査を行う.
著者
伊藤 隼
雑誌
奥羽大学歯学誌 (ISSN:09162313)
巻号頁・発行日
vol.42巻, no.4号, pp.125-132, 2016-03
著者
盛田 紗緒莉 小島 聡子
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
Artes liberales (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.29-42, 2016-01-29

一般に,大学は高校よりは広い地域から学生が集まっている。そのため,大学入学後異なる言語圏の出身者と話す機会が増え,言葉の地域差のヴァリエーションに興味を持つ学生は少なくない。岩手大学の学生は,東北地方出身者が8割以上を占め,中でも半数近くは岩手県の出身1)なので,首都圏の大学に比べれば,言語のヴァリエーションは少ないかもしれない。しかし,東北地方の面積は広大で内部の言葉の地域差は小さくなく,岩手大学の学生たちも,大学進学後に言葉の違いに気がつくことがあるのは他の大学の学生と同じである。 とはいえ,岩手大学の学生たちが大学で必ずしも「地元の言葉」で話しているというわけではない。近年は「方言ブーム」などもあって,方言に対する劣等感は減っているという指摘もあるが,東北地方では未だに方言に対するコンプレックスは根強く,学生たちも例外ではない。そのため,「地元の言葉」は出さないようにしている学生も少なくない。また,特に盛岡市など都市部出身の学生たちは,自身の言葉を「標準語である」と意識しているか,あるいは少なくとも「あまりなまっていない」と思っていることが多い。つまり,お互いに「標準語」で話していると思っている学生が多いのである。それにもかかわらず,通じない言葉があり,それが地域差によるものであると発見すると,一段と興味をそそられることも多いようである。 本研究では,そのような「標準語」的な表現の中で一部の学生たちが用いている「あるくない?」「するくない?」などと使う「クナイ」という形に注目し,東北地方における地域的な広がりと使用状況を明らかにしようとするものである。 「あるくない?」は動詞「ある」に「クナイ」という形式が付いた形で,「あるよね?」あるいは「あるんじゃない?」と同じような意味を持つ表現として用いられる。岩手大学では,主として秋田出身の学生が多く発話していることが観察される。しかし,岩手大学でも使用しない学生の方が多く,初めて聞いて驚く人も少なくない。一方,「あるクナイ」を使用する人は,相手に驚かれて初めて通じない場合があると気が付くようである。この形は,秋田県のいわゆる伝統的な方言の範疇に入るような表現ではなく,使っている人にも方言であるという意識はない。 そこで,本稿では,「あるくない」のような〈動詞+クナイ〉という形式が,どのような地域的な広がりを持ち,また,どのように用いられているのかについて,岩手大学の学生を対象に東北地方における実態を調査した。 その結果,秋田県では地域的にも広く用いられ,また,待遇的にも敬体で用いられることもあるなど,用法も広いことが明らかになった。さらに,周辺への広がりという点では,秋田県の南側に接する山形県では同様に用いられている可能性があるが,岩手県・青森県・宮城県・福島県ではほぼ用いられることがないことがわかった。
著者
市川 智史 佐々木 良一
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2014-CSEC-67, no.1, pp.1-8, 2014-11-28

情報技術がインフラと化している現在,情報セキュリティの教育には多様性や柔軟性が求められている.拡張性と柔軟性が高い e-ラーニング作成システムである ELSEC の開発,適用を行ってきた.ELSEC を利用する学習サイクルでは e-ラーニングを用いたインプット学習だけではなく,実際に e-ラーニングを作成しながら行うアウトプット学習を取り入れることで効果的な学習を目指している.ELSEC システムでの e-ラーニング作成は,ある程度のプログラミング能力があれば容易であるが,プログラミング能力が全くない人でもアウトプット学習を行えるように著者らはプログラムレスでの e-ラーニング作成を支援する PlotM を開発した.PlotM は,GUI 操作のみでの e-ラーニング作成を可能にするほか,フローチャートを用いて全体構造の把握を容易にするなど作成の簡易化に重点を置いている.必要機能等は ELSEC システムの適用から得られた結果を分析し,実装を行った.プログラムコードを意識させない作成方法にくわえて,記述文字数の削減によって従来よりも簡易的に作成でき,作成時間の短縮にも繋がった.本稿では,当システムの開発要件や機能について記述するとともに,教育支援システム群の概要について報告する.

1 0 0 0 OA 茶道と定家

著者
安田 章生 ヤスダ アヤオ
雑誌
樟蔭国文学
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-15, 1964-11-20
著者
中村 一基
出版者
岩手大学語文学会
雑誌
岩大語文 (ISSN:09191127)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-9, 2006-12-08

日本において、《遺骨》はどのような思想史的な意味の中に置かれたのか。そのことを考える視点として、釈迦の遺骨(=仏舎利)に焦点を当てる。このことを考えることは、仏教をめぐる《聖遺物信仰》を考えることでもある。仏像が《偶像崇拝》を象徴するように、仏舎利は仏像以前からの《聖遺物信仰》の象徴であった。その意味で仏舎利信仰は仏教のもっとも根源的な信仰の姿を伝えている」(内藤榮「「仏舎利と宝珠」展概説」、奈良国立博物館編『特別展「仏舎利と宝珠-釈迦を慕う心」』、二〇〇一年一七二頁。本稿の基本的な構成・趣旨は、この概説に沿っている。)仏舎利を納める仏塔とともにアジアへ広がった。遺骨の聖性は釈迦に限定された特殊なものだったのか。《遺骨》は舎利信仰と接触することで、聖性への契機を掴んだのでないか。山折哲雄氏は仏教と結びついた舎利崇拝は、上層階級に受け入れられ、漸次一般に浸透していったが、「あくまでも「仏」という特定のカリスマの「舎利」にたいする崇拝」であり「例外的な遺骨崇拝」である(「死と民俗-遺骨崇拝の源流-」『死の民俗学』岩波書店、一九九〇年、四八頁)という前提に立ちながらも、五来重氏の元興寺極楽坊の納骨器研究に着日'、「わが国における仏舎利崇拝と納骨信仰とが共通の文化的土壌から生み出された同血の信仰形態であるということに、とくに注意喚起しておきたい」(同、六〇頁)と述べておられる。筆者も仏舎利崇拝と我が国における遺骨崇拝に基づく納骨の習俗とが、接点をもっているのではないかと考える。本稿は、そのことを明らかにするために、印度・中央アジア・中国・朝鮮・日本と釈迦の遺骨が《仏舎利》という崇拝の対象として辿った道筋を、日本の仏舎利信仰を中心に歴史的に俯瞰しながら、日本の《遺骨崇拝》形成にどのような思想的接触を持っていったかを探りたいと思う。ただ、「日本の舎利信仰は舎利は釈迦の遺骨である」という常識を一度払拭しないと理解できないほど、複雑に入り組んでいる」(内藤榮、前掲概説、同頁)のも事実である。