著者
本間 友巳
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.390-400, 2003-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
27
被引用文献数
2 4

本研究の目的は, いじめ加害者の特徴やいじめ加害の停止と関連する要因を明らかにすることを通して, いじめ加害者への対応について検討することである。調査対象は1,245名の中学生である。主要な結果は,(1) いじめ加害者によるいじめの停止に正の関連を持つ要因は, いじめやいじめ被害者に対する道徳・共感的な認知や感情であった。いじめ加害者のいじめ停止理由の自由記述でも, この結果は支持された。(2) いじめ加害者によるいじめ停止理由の記述を通して, いじめ停止に教師の指導が大きな影響を与えていることも明らかとなった。(3)「加害・継続群」は, 他の群に比べて,いじめ加害に関して大きな問題性を有していた。(4) いじめ加害者への対応として, 感情面まで踏み込んで道徳・共感性を高める取り組みを行うことが重要と考えられた。特に「加害・継続群」の生徒への対応は, 加害者個人のみならず, 加害グループや学級集団にも向けられる必要性が議論された。
著者
坂井榮八郎著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2003
著者
三阪 朋彦 大岩 優佳里 鄭 丹 吉田 琢美 兼田 敏之
出版者
JAPAN SECTION OF THE REGIONAL SCIENCE ASSOCIATION INTERNATIONAL
雑誌
地域学研究 (ISSN:02876256)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.511-525, 2010
被引用文献数
3

The area surveyed was Nagoya City Kanayama Terminal Station, a major transport centre established in 1989, currently with about 350,000 daily passengers of which approximately 70% are commuters. The city built a dynamic commercial center near the north entrance of the station. After the initial proposal and competition in 2003, the municipal corporation established a 15 year fixed-term leasehold and Asunal Kanayama was opened in March 2005 with 60 commercial facilities, a bus depot and taxi stands, and a three-story car and bicycle parking facility.<br> Questionnaire surveys were conducted targeting visitors and this paper describes the differences between weekday and weekend visitors and their shop-visit patterns. The survey results showed from an attribute analysis that (1), visitors were mainly groups of families and friends shopping, eating and drinking on holidays, whereas on weekdays visitors consisted of office workers, many housewives and unemployed people, confirming the facilities attract a wide variety of customers. (2) The higher levels of the complex had a lower passage ratio but events and popular restaurants increased the number of visitors with a marked increase in shops visited, unscheduled visits, hours stayed and distance walked on holidays when, compared to weekdays. (3) The analysis results also showed new visitors were active in 3-Dimensional Shop-around behavior.<br><br></i>JFL Classification: L82, O22
著者
松原 康介
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 第38回学術研究論文発表会 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
pp.155, 2003 (Released:2003-12-11)

本稿では、モスクの建設と利用を通した、新市街の現代モロッコ都市への再編過程の一端を明らかにし、モスクを核とした複合文化空間の意義の検討を目的とする。新市街は西欧型生活様式に即した空間であったが、今日の課題は既存ストックとしての新市街の、現代モロッコ本来都市への再編である。宗教生活の根幹としてのモスクは、小モスクの胎動期を経て少数で大規模な近代建築として普及したが、その存続のためにハブース店舗を埋設した点で、計画された複合施設としての発展形態をとっている。空間的特質としては、ブロック上で中庭をもたないが、複数の入口を通して外部へと開放されている。また、ハブース店舗が周辺の一般商店街と連坦し、かつ道路が露店スークとして利用され、商業を通した広場・道路との連携が見られる。バロック型の既存ストックを積極的に活用して、フランス文化とモロッコ文化の複合文化都市を目指すことが考えられる。
著者
小早川 久美子
出版者
広島文教女子大学心理教育相談センター
雑誌
広島文教女子大学心理臨床研究 (ISSN:21853185)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-11, 2011-04-15

心理療法統合に関する研究は、海外では1980年以降盛んになった。日本の心理臨床実践では折衷派が半数以上であるが(日本臨床心理士会、2003)、その研究においてはかなり遅れている。そこで本論では、心理療法統合に関する海外、日本における研究動向を探り、今後の心理療法統合研究の方向性について、Norcross(2005)による心理療法統合分類のひとつである同化的統合の観点から展望した。同化的統合で、力動的心理療法を基盤とするStricker & Gold(2005)や彼らに影響を与えたWachtel(1997)、家族療法を基盤とした同化的統合から関係系志向アプローチを創案した中釜(2010)などを検討した。日本の現状では、心理療法統合の有用性や有効性を明らかにするために事例研究の蓄積が必要であり、その着眼点としては、心理療法統合の契機や理由、クライエントとセラピストの関係性、心理療法統合がなされる時期や場面の特定、セラピストが心理療法統合に至る経緯を明確にし、記述することが必要ではないかと示唆した。

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1935年11月11日, 1935-11-11

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1928年06月16日, 1928-06-16
著者
川喜田 敦子
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.1112, pp.133-140, 2016-12
出版者
名著出版
巻号頁・発行日
1975
著者
佐藤 恭道 戸出 一郎 雨宮 義弘
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.143-145, 2008-04-10

口臭についての記述は古来『医心方』『病草紙』『今昔物語集』などの文献にも記載が見られる.特に江戸時代には様々な歯磨剤が売られ,歯口清掃が庶民の嗜みになっていた.今回我々は,大田南畝の随筆『半日閑話』に見られる,口中から芳香を出し続けた男の記述について検索した.大田南畝は,寛政から文化,文政年間にかけて戯作や随筆などを著し当時の文壇に大きな勢力を持っていた文人である.『半日閑話』は,明和五年から文政五年の市井の雑事を記録した大田南畝の見聞録である.口中から芳香を出し続けた男の話は『天女降て男に戯るゝ事』として「松平陸奥守忠宗の家来の番味孫右衛門が,天女に口を吸われた後,一生涯口中から芳香を発し続けた.」と記されている.この記述は,口中から芳香を発することへの憧れによって創作されたものではないかと考えられた.またこの記述は,当時の口臭に対する世相を反映した興味ある資料と考えられた.