著者
岩崎 勝彦 イワサキ カツヒコ Katsuhiko Iwasaki
雑誌
嘉悦大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.89-107, 2012-03-20

サービス業は、我が国の生産するGDPの7割、また産業別就業者数の7割を占める(2010年)。製造業と比較して生産性の伸びが低いのはやむを得ないが、しかし今後サービス業の生産性をあげ、ものつくりと同様の「成長エンジン」として生産性や収益性を高める必要性があることも事実である。本稿では、ポーターの「ポジショニング論」とは異なる、日本が長年にわたり培ってきた「ものづくり現場」の発想(=『アーキテクチャ(設計思想)と組織能力の組合せ』)からみた「ポジショ二ング」の視点をベースに展開する。これは、所謂「擦り合せ型」ものづくりをサービス業の分野において適用した場合、どのような共通点や相違点があるのか、またその生産過程を調べることによって、収益力にどのように繋がっていくのかを、サービスの特徴を踏まえながら分析することを狙いとしている。身近な事例として、旅館・ホテル業を取り上げ、日本的サービス「おもてなし」が、どのような仕組みで品質を維持・安定させ、同時に収益力とどのように両立するのか、も併せて考察する。
著者
荻原 剛志 飯田 元 新田 稔 井上 克郎 鳥居 宏次 Ogihara Takeshi Iida Hajimu Nitta Minoru Inoue Katsuro Torii Koji オギハラ タケシ イイダ ハジム ニッタ ミノル イノウエ カツロウ トリイ コウジ
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告プログラミング(PRO) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.94, pp.89-98, 1988-12-09

我々はソフトウェアの開発過程を形式的に記述し,実行するための関数型言語PDL(Process Description Language)およびそのインタプリタを作成した.PDLでは開発過程をツールの起動やウィンドウ操作の系列として記述する.PDLはこれらの操作のための関数や複数の操作を並列実行するための関数を持つ.また,さまざまなマクロ機能があり,定義の記述を容易に行うことができる.PDLインタプリタは,実行中に検出した未定義関数をそのつどユーザに定義させる機能などを持ち,十分詳細化されていない記述も実行可能である.また,デバッグ機能やヒストリ機能,関数定義の画面編集機能などの機能も備えている.我々はすてにJSD(ジャクソンシステム開発法)など,いくつかの開発技法をPDLて記述し,実行している.PDLインタプリタは現在,いくつかのUNIXワークステーション上で稼働中である.
著者
ヤハロム ヨセフ 勝又 悦子 ヤハロム ヨセフ カツマタ エツコ Yahalom Joseph Katsumata Etsuko
出版者
基督教研究会
雑誌
基督教研究 (ISSN:03873080)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.1-15, 2016-06

講演(Lecture)シャブオートのピユート(典礼詩)には、初期の父祖たちがリストアップされ、彼らにトーラーを与えることをトーラー自身がまた天使たちが拒むというモチーフがある。これは一つには、トーラーを受けたモーセや割礼を初めて行ったアブラハム以前の父祖たちも義であることを理由に割礼などの戒律は不要だと主張するキリスト教側への論駁であろう。他方、こうしたピユートは、ラビ・ユダヤ教が対立していたはずの神秘主義文学シウール・コマとの並行関係がみられる。これより、ピユートには、キリスト教と対峙する標準的なユダヤ教の側面と、標準的なユダヤ教が対峙していたシウール・コマなどの神秘主義的な側面という、相反する側面を有していたことを意味する。訳: 勝又悦子
著者
鈴木 克夫 スズキ カツオ Katsuo Suzuki
雑誌
メディア教育研究
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-12, 1999

「遠隔教育(distance education)」とよばれるものには二つの種類がある。一つは、従来の通信教育(correspondence education)から漸進的に発展した遠隔教育であり、もう一つは、通信教育を出自とせず、メディアを利用してフェイス・トゥー・フェイスの環境をできるだけ忠実に再現しようとする遠隔教育である。この二つの遠隔教育の根本的な違いは、前者が、教育には対面教育と遠隔教育の二つの種類があって遠隔教育は対面教育とは異なる独自の教育形態であると考えるのに対して、後者は、教育は一つであって、遠隔教育はそれがたまたま離れて行われるだけで、独自の教育形態ではないと主張している点にある。前者を「自立学習型遠隔教育」、後者を「仮想教室型遠隔教育」と名づけることができる。マルチメディア技術の発達によって、対面教育(通学制の教育)と遠隔教育(通信制の教育)とのボーダレス化か論じられる中で、二つの遠隔教育の存在を認識し、その違いを十分に吟味することが、遠隔教育のみならず、今後の教育全体の在り方を考える上で重要である。
著者
藤本 勝義 フジモト カツヨシ Katsuyoshi FUJIMOTO
雑誌
清泉女子大学人文科学研究所紀要
巻号頁・発行日
vol.36, pp.31-48, 2015-03-31

源氏物語では重要な人物で死ぬ者が多い。それは、長編物語のためだけでなく、死そのものの意味があり、死で終わるのではなく、そのプロセスと、死後に残された者の思いが重視されているからと言える。本稿では、死のもたらすものと、死者の救済について考察し、仏教的な救済はもとより、源氏物語独自の救済の論理を把握しようとするものである。先ず、物の怪に憑依された人物を取り上げる。夕顔は、その死が娘などには知られないため、菩提を弔われることが少なく、成仏することがかなり遅れた。葵の上は、嘆き悲しむ光源氏の心からの哀悼により成仏したと考えてよい。しかし、光源氏がそこまで葵の上を愛していたとも思われない。別の理由も考えられる。死者の往生のためには、生前の本人の仏道への帰依と、残された者の供養が要請された。勤行の経験がほとんどなかった主に若い死者には、残された者の心からの追善供養が必要である。六条御息所を光源氏が、心をこめて菩提を弔うことはなかったと言ってよい。それは、死霊となる六条御息所の物語とも深く結びついていた。源氏物語では、死者の冥福に関して、追善供養と精神的救済が要請されているかのようである。紫の上は厚い信仰心と光源氏の心底からの供養によって極楽往生した。次に、亡霊として夢枕に立つ人物の救済だが、桐壺院は、光源氏による大々的な追善供養によって救われ、極楽往生したと考えられる。藤壺救済の道筋は、身代わりになってでも救いたいという光源氏の強い思いなどで、はっきりとつけられた。八の宮は、中の君が「幸い人」路線を進むことで、心の平安を得て成仏したと考えられる。源氏物語以外の作品では、光源氏など個人が、心の底から菩提を弔うといった、あくまで物語の精緻な展開に密着した描写は限られており、盛大な葬儀を行うことが、当事者の権勢を示すことに直接関わったり、源氏物語には決して描かれなかった挿話を記すなど、その質の違いが際立つのである。
著者
久礼 克季 クレ カツトシ Katsutoshi Kure
雑誌
史苑
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.13-34, 2019-03
著者
北村 勝朗 キタムラ カツロウ Kitamura Katsuro
出版者
東北大学大学院教育情報学研究部
雑誌
教育情報学研究 (ISSN:13481983)
巻号頁・発行日
no.1, pp.77-87, 2003-03

ひとの学びに関わる教育情報は、明示的なシグナルとして扱われる情報とは異なり、情報のもつ意味性、作用力を含めた解釈が必要となる。本稿では、教育情報を「教え学ぶ過程で作用する、意味を帯びた知」と定義づけ、スポーツ・音楽・芸術領域における熟達化過程で教育情報がどのように作用しているのかについて定性的分析によるモデル化を試みた。調査はエキスパート指導者9名を対象とし、半構造的・自由回答的調査面接により実施した。その分析枠組みとして、生田(1987)による「わざ」の概念を用いた。考察の結果、スポーツ・音楽・芸術領域における熟達化に及ぼす教育情報の作用は、「スキル」、「意味形成」、「志向性」、及び「身体性」の4つのproperty(特性)によって構成されることが明らかにされ、それぞれのpropertyに注目した教育情報の位置づけが検討された。
著者
牧野 カツコ
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.50-70, 1989-04-30 (Released:2011-03-18)
被引用文献数
4 1
著者
稲田 勝幸 イナダ カツユキ Katsuyuki Inada
雑誌
修道商学
巻号頁・発行日
vol.55-2, pp.41-143, 2015-02-28
著者
大津 雅之 三井 久規 阿諏訪 勝夫 三枝 弓 常盤 麻美 大津 雅之 三井 久規 阿諏訪 勝夫 三枝 弓 常盤 麻美 OTSU Masayuki MITSUI Hisanori ASUWA Katsuo SAEGUSA Yumi TOKIWA Asami オオツ マサユキ Otu Masayuki ミツイ ヒサノリ Mitsui Hisanori アスワ カツオ Asuwa Katsuo サエグサ ユミ Saegusa Yumi トキワ アスミ Tokiwai
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学人間福祉学部紀要 (ISSN:21874344)
巻号頁・発行日
no.14, pp.60-72, 2019-03-20

本稿は、山梨県内の中央市・昭和町が合同で設置している基幹相談支援センター職員と大学教員1名との共同研究の一部をまとめたものである。本稿は、大きく分けると、①基幹相談支援センターの概要、②基幹相談支援センターに求められる役割とその取組みの現状、③基幹相談支援センターに求められる役割とその取組みに向けた創意工夫のための考察という3点から構成されている。本研究では、基幹相談支援センターに求められる役割とその取組みへの創意工夫を人材育成といった側面から考察した。その結果、「相談支援専門員のピア・スーパービジョン及び連携を通した展開的ソーシャルワークの構築」といった試行的な研修が2018年度より実施されることとなった。