著者
田丸 徳善 石井 研士 後藤 光一郎 孝本 貢 井上 順孝 柳川 啓一 島薗 進 浜田 哲也 金井 新二 ヤン スインゲドー 西山 茂 藤井 健志 林 淳
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1986

昭和61年度と昭和62年度の二年間にわたり, 現代日本における教団の総合調査を行った. 対象教団は, 神社神道, 仏教教団(浄土真宗本願寺派, 日蓮宗, 臨済宗妙心寺派, 曹洞宗, 真言宗智山派), キリスト教(日本キリスト教団, カトリック)および新宗教教団(金光教, 天理教等)である. これらに関してはできる限り統計処理の可能な資料を収拾し統計分析を行った. これに関しては報告書に掲載されている. また, 地域における教団組織と教勢を把握するために, 銀座と大阪梅田を選び, 都市化の問題をも含めた総合調査を行った. 神社神道は, 既成教団として, 変動がないように考えられてきたが, 内容は大きく変化しているように思われる. とくに都市化が神社神道に及ぼした影響はとくに顕著である. 仏教教団に関しても, 都市と農村の寺院の格差は著しく, 根底から寺院の質を変えようとしている. 都市化が都市と農村の寺院の経済的基盤に変化を与えており, そのことが寺院の世襲化を生む土壌となっている. キリスト教団は, これらに対して比較的変動のない歴史を送っている. そのことは同時に大規模な発展のなかったことをも意味している. 新宗教教団は, 通常の認識では最も変化の激しく, 現代社会に適応した形態をとっていると考えられるが, 実質的にはかなりの程度既成化が進み, 社会的認識との間にはずれがある. この点に関しては, 新宗教教団の詳細な歴史年表を作成することによって, 新宗教教団の歴史的経緯も考察した. 地域研究では, 都市化の顕著な銀座と大阪梅田の比較調査を行うことによって, 各宗教教団の組織的問題を考察した. また, 各教団の製作しているビデオテープを収拾し, 映像に関する考察をも取り入れた.
著者
藤沢 〓 浜田 哲郎
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
教育・社会心理学研究 (ISSN:0387852X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.35-46, 1960 (Released:2010-03-15)
参考文献数
21

Fスケールによって測定される人格構造を明らかにするために認知的, 情動要因あるいは社会的-文化的要因および個人的経験的要因等の背景的要因を追究し, 併せてFスケールのresearch vari-ableとしての価値をも検討した。結果を要約すると次の通りである。A. 日本語版Fスケールの作成1. 項目得点平均は原著のスケールと殆んど差異がなかった。しかし, SD, DP平均は原著の方が大きかった。即ち, 原著のスケール構造は異質性が大で. 筆者のは等質性が大であると考えられた。2. 原著と比較して得点差の大きい項目が見出された。これによって, 彼我の文化-社会構造の差異が人格構造に影響を与えていることが示唆された。3. 原著と比較して一段階信頼度が低く, 筆者のスケールにはまだ改訂の余地が残されている。B. ロールシャツハ・テストとTAT4. ロールシャツハ図版IとVに多く出現した “威嚇” 反応はFスケール高得点者の人格特徴を示すコンテントであった。5. TAT図版13の “殺” と “性” 反応は高得点者にドミナントに見られるパターンであると考えられた。6. 従って, 高得点者の人格には“威嚇” , “殺” , “性” に対する態度指向性あるいは潜在的不安があることか示唆された。7. 高得点者の反応は多義的な刺激図形に対して不寛容であった。C. 連想時のGSR8. 高得点者は性的, 情緒的刺激語に対する連想反応が中性語に対するそれよりも優勢な者がいずれの測度においても多かった。9. 低得点者の中には中性語に対す反応の小さい者もおり, 反応の仕方が多義的であることを示した。10. 連想に伴うGSRの潜時は高低両得点者を弁別するに最も有効な測度であった。11. 刺激語の種類にかかわらず, 反応時間, 潜時, 反射量, 反射持続時間のいずれの測度でも高得点者の数値の方が大であった。12. これらの高得点者の友応特徴は潜在的な情緒不安あるいは性に対する過度の態度指向性を投影しているものと考えられた。D. 知覚のかたさ13. 反転図形の観察において「構え」が反転回数に及ぼす効果は低得点者の方が大きかっに。しかし, 両群間に有意差はなかったが, 分散差は有意であった。14. 両群の反転比の差異は傾向としては認められるが, 2つのクラスターをのぞぐと有意差はなかった。しかし, 全得点および5つのクラスター得点では有意な分散差が認められた。15. 反転比とF得点との間には多/自とは正の相関, 自/少とは負の相関が見られたが, 相関性が有意であったのはクラスターfの自/少とgの多/自の2つであった。16. 全体得点と自/少, クラスターeと多/自との間には有意な曲線相関が見出された。即ち, 反転比がF得点へ回帰することが示された。17. この事実は低得点者にsubgroupとしてのrigid lowsの存在が明らかになった。18. 従って, Fスケールによる人格の硬さと知覚の硬さとの関係が, 図形反転における多義性不寛容の形で現われることが検証された。19. この関係は全得点とだけでなく, クラスターd以外の全てのクラスターとの間に認められ, 特にクラスターe, f, gは図形反転と密接な関係にあると思われた。
著者
浜田 哲也 渡辺 聡一 田中 利幸 多氣 昌生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.97, no.37, pp.15-21, 1997-05-14
被引用文献数
17

携帯電話使用時を想定したマイクロ波の近傍界曝露における頭部SARに対する人体頭部形状の影響について検討した.単純な形状の頭部モデルとして,球と立方体を想定し,それぞれの頭部モデルの局所ピークSARに対する組織の電気定数および携帯電話モデルの形状への依存性を示した.さらに,単純な頭部モデルとこれまでに報告されたリアルな頭部モデルの局所ピークSARを比較した.その結果,球と立方体の形状の違いが局所ピークSARのアンテナ〜頭部間距離特性に影響を与えることが示されたが,携帯電話モデルが頭部に非常に接近する場合には,球モデルと立方体モデルでの局所ピークSARはほぼ同程度であった.これらの単純なモデルで得られた局所ピークSARは耳がないリアルな頭部モデルで得られた局所ピークSARともほぼ同程度であった.
著者
平井 康夫 郭 宗正 清水 敬生 中山 一武 手島 英雄 陳 瑞東 浜田 哲郎 藤本 郁野 山内 一弘 荷見 勝彦 増淵 一正 佐野 裕作 平田 守男
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.1707-1710, 1988-11-01

1971年より1985年の間に, 癌研婦人科で初回治療として開腹手術を施行した子宮体癌連続235症例について, 術中腹水細胞診を施行し, 進行期別に再発や生存率との関連を検討し以下の成績を得た. 1. 腹水細胞診の陽性率は, 全体で18.7% (235例中44例), I期 14.5% (173例中25例), II期 21.2% (33例中7例), III期 32.0% (25例中8例)であつた. 2. I期体癌の腹水細胞診陽性例のうち, 術中に腹膜転移を認めないのに腹水細胞診が陽性であつた20例の5年および10年累積生存率は, それぞれ94.7%, 94.7%であり, 陰性例の92.7%, 90.9%とくらべ, 有意差を認めなかつた. また, この期の再発率は, 細胞診陽性例で12.0%, 陰性例で9.5%であり, 両者に有意差を認めなかつた. 3. II期およびIII期体癌のうち, 術中に腹膜転移を認めないのに腹水細胞診が陽性であつた9例の生存率と, 同期の腹水細胞陰性例47例の生存率との間にも有意差を認めなかつた. 4. 子宮体癌においては, 術中に肉眼的腹膜転移を認めない場合は, 術中腹水への悪性細胞の出現の有無は, 予後と関連しなかつた.
著者
浜田 哲夫
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.5, no.11, pp.1366-1368, 1953-09