著者
中村 友香 藤澤 憲 中西 裕子 西林 佳人 守谷 安津蓉 小河 理恵子 髙橋 真一郎 亀井 有美 高橋 眞琴 Yuka NAKAMURA Ken FUJISAWA Yuko NAKANISHI Yoshito NISHIBAYASHI Atsuyo MORIYA Rieko OGAWA Shinichiro TAKAHASHI Yumi KAMEI Makoto TAKAHASHI
出版者
鳴門教育大学地域連携センター
雑誌
鳴門教育大学学校教育研究紀要 = Bulletin of Center for Collaboration in Community Naruto University of Education (ISSN:18806864)
巻号頁・発行日
no.35, pp.29-38, 2021-02

新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)の対応に際して,緊急事態宣言発出後,筆者らが関与する教育関係,福祉関係,医療関係の最前線での実践現場においては,これまでの実践内容にない対応を求められた。本論文では,筆者らが関与している教育関係,福祉関係,医療関係の最前線での実践現場についての現状と課題を把握していくことを目的とした。現状として,実践現場での感染症予防対策以外にも教材作成や労務上の対応が求められており,課題として,児童・生徒,利用者の心のケアや実践者自身のバーンアウトへの対応必要性も示唆された。
著者
菅 浩伸 木村 颯 堀 信行 浦田 健作 市原 季彦 鈴木 淳 藤田 喜久 中島 洋典 片桐 千亜紀 中西 裕見子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.114, 2020 (Released:2020-03-30)

1. はじめに 「海底では陸上のように風化侵食が進まないため,地形はその形成過程をそのまま反映していることが多い」(『海洋底科学の基礎』 共立出版 p.10)。しかし遠洋深海域と異なり、沿岸浅海域では波浪や流れにともなう海底砂州の変化や海底の侵食が発生する。日本の海底地形研究は1950年代以降に格段に進歩した。地理学者であった茂木昭夫は広く日本沿岸や北西太平洋の海底地形研究を行い、浅海域における現在の侵食・堆積作用についても多くの記述を残している1)。また、豊島吉則は波食棚や海食洞・波食台について、素潜りの潜水調査によって詳しい記載を残した2)。しかし1980年代以降、日本および世界の海洋研究は遠洋深海を舞台にした調査と資源探査に力が注がれていき、浅海底の地形研究は中断期を迎える。40年の時を経た今、浅海底の地形・地理学研究を再び前へ進める一歩を踏み出したい。2.研究方法 琉球列島・与那国島において、2017年12月に南岸域、2018年7月に北岸域を対象として、ワイドバンドマルチビーム測深機(R2 Sonic 2022)を用いた測深調査を行い、島の全周にわたる海底地形測量を行った。また、2013年および2016年以降にSCUBAを用いた潜水調査を行い、海底地形や堆積物などの観察を行った。2. 与那国島の海底地形 与那国島では主に北西−南東、北東−南西、東−西の3方向で正断層が発達しており、北側の地塊がそれぞれ南へ傾動しながら沈む傾向にある3)。海底地形にも北西−南東、北東−南西、東−西の3方向で大小多くの崖や溝地形が認められる。 与那国島西端の西崎および東海岸(東崎〜新川鼻)は中新統八重山層群の砂岩泥岩互層が海岸を構成する。これらの海岸の沖では頂部が平坦で側面が崖や溝で区切られた台状の地形が多く認められる。また、海底では現成の侵食作用が顕著に認められる。水中にて、岩盤の剥離、削磨作用、円礫の生成などの侵食過程や、様々な形状・大きさのポットホールなどの侵食地形がみられた。観察した中で最大のポットホールは水深16mを底とし、径20m 深さ12mのもので、径2〜3mの円礫が十数個入る。南東岸では水深31mで径50cm〜1mの円礫が堆積し、新しい人工物上に径50cmの円礫が載る場面も観察された。海底の堆積物移動と削磨・侵食作用が深くまで及んでいることが推定できる。 南岸の石灰岩地域の沖でも海岸に接した水深10〜15mに現成の海食洞がみられる。また、水深26mにも海食洞様の地形が認められ、底部の円礫は時折移動し壁面を研磨しているようであることが付着物の状況から推定できる。 南岸ではこのような大規模な侵食地形(海底・海岸)とともに,サンゴ礁地形においても他島ではあまりみられない地形(リーフトンネル群や縁溝陸側端部のポットホールなど)があるなど,強波浪環境下でつくられる地形が顕著にみられる沿岸域といえよう。 北岸沖(中干瀬沖,ウマバナ沖)にも、水深20m以深の海底に崖地形が発達するなど、侵食地形がみられる。一方、北岸の沿岸域には比較的穏やかな海域でみられるタイプのサンゴ礁地形が発達する。島の北岸・南岸ともサンゴ礁域における造礁サンゴやソフトコーラル・有孔虫などの生育状況はきわめてよい。謝辞:本研究は科研費 基盤研究(S) 16H06309(H28〜R2年度, 代表者:菅 浩伸)および与那国町—九州大学浅海底フロンティア研究センター間の受託研究(H29〜31年度)の成果の一部です。引用文献: 1) 茂木昭夫 (1958) 地理学評論, 31(1), 15-23.など 2) 豊島吉則 (1965) 鳥取大学学芸学部研究報告, 16, 1-14.など 3) Kuramoto, S., Konishi, K. (1989) Techtonophysics, 163, 75-91.
著者
中原 啓貴 知識 陽平 岩井 一正 中西 裕之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.325, pp.1-6, 2013-11-20

電波望遠鏡は天体から放射される電波を受信し,解析を行う装置である.分光器は受信した電波に対してFFTを行い,周波数スペクトルを出力する,太陽電波バーストは極めて短時間に変化する現象であるため,時間分解能に優れた高速なFFTが必要である.本論文では,Six-Step FFTアルゴリズムに基づく並列FFT回路の実現法について述べる.提案FFTはN点FFTを6ステージのパイプライン処理で実行する.第1,3,6ステージは転置回路で実現する.第2,5ステージはP並列√<N>点FFTで実現する.第4ステージはP点ひねり係数回路で実現する.提案回路は転置回路を必要とするが,N点FFTを√<N>点FFTに分解するため,FFT回路の面積を押さえることができ,並列化実現に向く.提案並列FFTをXilinx社Virtex 7 VC707評価ボードに実装して既存手法と比較を行い,提案並列FFTは4.52〜22.64倍高速であった.
著者
中西 裕
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.853, pp.41-52, 2011-11-01
著者
中西 裕二
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.221-242, 2006-09-30

本論は、桑山敬巳による「人類学の世界システム」論を、日本人による日本国内の文化人類学的調査研究、及びその日本語での記述に応用する可能性を探るものである。その一つの例として、歴史学者黒田俊雄の顕密体制論、その背景にある神仏習合思想、及びフィールドにおけるそれらの記述から導かれる諸問題を取り上げる。桑山は、「人類学の世界システム」という概念を設定することにより、文化の記述をめぐるヘゲモニーを明らかにしたと同時に、ネイティヴ、そしてネイティヴの人類学者の位置づけを明確化した。この、世界システムの中心と周縁の関係性は、日本の文化言説を創造するローカルシステムと日本人文化人類学者の関係性と類似している。日本の文化人類学は、日本を研究対象地域から除いたことにより、このローカルシステムの外部者となったからである。従って、世界システムの周縁から中心を相対化しようとする桑山の試みは、日本国内のローカルシステムに対しても有効であると考えられる。本論では上記の具体例として、中世史家黒田俊雄の文化史モデル、具体的には黒田が「顕密仏教」と呼んだ中世的宗教体系、及びその背景となる神仏習合に基づく民俗文化論を取り上げる。神仏習合はフィールドで観察可能であるのに対し、それを軸とする民族誌的記述は数が少ない。その原因がローカルシステムの文化言説におけるイデオロギー性と近代性に帰せられる点を指摘し、フィールドからの新たな日本研究のあり方を提示する。
著者
中西 裕陽 富田 悦次 若月 光夫 西野 哲朗
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.14, pp.1-8, 2014-06-06

NP 完全である最大クリーク問題に対し,"節点数 n≧1 のグラフにおいて,グラフ中の任意の隣接 2 節点 vi,vj∈V, (vi,vj)∈E が min{deg(vi), deg(vj)}≦3.486d lg n (d ≧0: 定数) を満たすならば,最大クリーク問題は O(n2+max{d,1}) 時間で解決可能である." ことを示す.これは,先に発表した結果 (信学論 (D),vol.J97-D,no.6,June 2014) の定量的改良である.This paper presents a further improved extended result for polynomial-time solvability of the maximum clique problem, that is: for any adjacent pair of vertices p and q where the degree of p is less than or equal to that of q in a graph with n vertices, if the degree of p is less than or equal to 3.486d lg n (d≧0: a constant), then the maximum clique problem is solvable in the polynomial time of O(n2+max{d,1}). This result is obtained by more detailed analysis and the corresponding detailed algorithm.
著者
中西 裕二 白川 琢磨 末成 道男 島村 泰則 仲川 裕里 謝 茘 吉田 光宏 李 鎮栄 聶 莉莉
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、日本の文化人類学会において検討される機会が少なかった、自社会研究としての文化人類学(Home Anthropology)の可能性を探るものである。研究は1)理論研究、2)東アジアにおけるHome Anthropologyの位置づけに関する比較研究、3)日本における現地調査研究を軸に進められた。これらの研究成果は以下の通りである。1)文化人類学を異文化理解の学と規定しても、それを他者性の理解という枠組みで把握する限り、Home Anthropologyは一般人類学に大きく貢献可能な学と言える。とくに自社会をフィールドとした文化人類学的研究は、従来の、海外をフィールドとした文化人類学的研究と比べ、他者との関係性がつねに問われる研究領域である。従って、他者性と他者理解を試みる文化人類学において、自社会研究の文化人類学は有益な理論的示唆を与えるものである。2)東アジア地域のHome Anthropologyは、それぞれの国家の近代史との関係の中で生成されている。従って東アジアにおけるHome Anthropologyは、各国により相対的な学問領域とも言え、それを一概に「東アジアのHome Anthropology」と範疇化することには無理がある。3)日本におけるHome Anthrologyは、日本文化研究という近代の枠組み、そして学のイデオロギー性を明らかにするために、非常に有効な手段と言える。