著者
上久保 恵美子 比企 静雄 福田 友美子
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.11-18, 1997-01-31
被引用文献数
1

聴覚障害者の社会活動のための言語媒体の有効性について分析する研究の一環として、各種の言語使用の場面に応じた言語媒体の使い分けと手話通訳者の有効性を検討した。この研究で使った調査資料は、東京と近県の重度聴覚障害者に1991年に質問紙を郵送して、20歳〜70歳の男女約1,700人から回答を得たものである。そのうちの、口話・手話・筆談などの使用についての諸項目の応答を、種々な場面での有効性に注目して分析した。その結果、旅行、市役所・警察・病院、子供の入学式・卒業式、子供のPTAの集まり、駅やバス・電車の放送などの日常生活での対照的な言語使用の場面に応じて、言語媒体の使用の割合や有効な程度が著しく異なること、手話通訳者や介助者の助けが場面によっては有効に役立っていることが明らかになった。

4 0 0 0 OA PENTAX K-1の開発

著者
大久保 恵慈
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.229-234, 2017 (Released:2018-08-31)

リコーはペンタックスブランド初の35ミリフルサイズデジタル一眼レフとしてPENTAX K-1を開発した.35ミリフルサイズフォーマットの撮像素子を採用するに至った背景とPENTAX K-1の特徴的な機能について解説する.
著者
大久保 恵子 小竹 佐知子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, pp.105, 2009

目的 江戸後期史家頼山陽の母・頼梅颸没後の喪祭供え物献立にみられる食品の内容を検討した。方法 頼(らい)家に伝わる「梅颸御供」に使用された食品を皿ごとに分析し、また使用食品が贈答の場合の贈り主の状況について調査した。結果 献立冊子(頼山陽史跡資料館所蔵)は表紙に「朝夕奠御献立 上・中・下」と書かれた3分冊になっており、全部で52丁から成る。梅颸死去(1843(天保14)年)の2日後(発引=出棺の日)の12月11日から1月29日までの48日間の膳の献立が順番に綴じられており、資料の散逸・欠損などはみられなかった。発引の日は朝奠と夜祭奠の二膳のみであったが、それ以降は朝奠、午後奠(午奠)、夕奠の三膳が供えられた。朝奠は猪口、御汁、御平、御飯、御香物、御酒あるいは御湯の膳構成が主であった。午後奠には菓子と茶が供えられていた。また、夕奠は朝奠の膳にさらに御向詰、御肴が加わったものが主であった。食材料に畜鳥肉は用いられておらず、野菜類、根菜類、魚類、海草類、茸類が使われていた。この膳供物をおこなう時期は、ちょうど年中行事の年末および正月にあたっており、そのため、供物食品のなかには、雑煮(1/1-3)、七草粥(1/7)、小豆粥(1/15)などがみられた。午後奠の菓子は全部で33種(63個)が供えられており、このうちの17%が知人からの到来品であった。
著者
余 錦 佐藤 純 舟久保 恵美 小畑 光央 水村 和枝
出版者
日本生理学会
雑誌
日本生理学会大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.S245, 2004

To examine the effects of change in meteorological factors on autonomic parameters in conscious animals, male Sprague-Dawley rats (n = 11) were exposed to lowering barometric pressure (LP) in a climate-controlled room. Systemic blood pressure (BP) was telemetrically recorded using a radio-transmitter equipped with a BP transducer. Heart rate (HR) was calculated from BP data and pulse interval variability was analyzed by power spectrograms obtained by the fast-Fourier transform algorithm. The low-frequency (LF: 0.02-0.6 Hz) power, high-frequency (HF: 0.8-3.0 Hz) power and LF/HF ratio, an index of relative sympathetic activity, were calculated. The rats were exposed to LP by decreasing the barometric pressure of the room by 27 hPa lower than the atmospheric pressure. This was done over 8 min. The pressure was maintained at this level for 29 min, and then returned to the baseline pressure over 8 min. The BP markedly increased after reaching the pre-set low pressure and reached the peak value at the middle of LP-exposure period. The HR and LF/HF ratio clearly rose in the early part of the LP-exposure period and then gradually decreased to the level before exposure. The LF/HF ratio also transiently increased at the recompression period. These results show that lowering barometric pressure within the range of natural environmental fluctuation induces autonomic responses in conscious rats. The increase in the LF/HF ratio during LP exposure indicates that low pressure environment induces sympathetic > parasympathetic activation. <b>[Jpn J Physiol 54 Suppl:S245 (2004)]</b>
著者
久保 恵嗣 小林 俊夫 福島 雅夫 芝本 利重 酒井 秋男 上田 五雨
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.825-832, 1988

肺水腫における熱とインドシアニン・グリーン (ICG) 色素を用いた二重指示薬希釈法による血管外肺水分量測定の有用性を検討するために, 肺リンパ瘻を作製した麻酔下緬羊を用い, 本法による血管外肺水分量 extravascular lung thermal volume (EVLTV) と, 左房圧上昇 (IP, n=5), Escherichia coli エンドトキシン注入 (ETX, n=5) および肺微小空気塞栓 (Air, n=4) 時の肺循環および肺リンパ動態とを比較検討した. また, 肺リンパ液中のICG濃度を測定した. IP群では, 左房圧 (Pla) 10mmHg上昇に伴い肺動脈圧 (Ppa) も上昇し, 肺リンパ流量 (Qlym) は有意に増加した. 肺リンパと血漿との蛋白濃度比 (L/P) は有意に減少した. EVLTVは有意に増加した. ETX 1μg/kg, iv, 投与3~5時間後, Qlym およびL/Pは有意に増加したが, EVLTVは変化なかった. PpaとPlaは変化なかった. Air群では, 肺動脈主幹部に挿入した細いチューブ (内径0.3mm) より1.2ml/minの空気を3時間にわたり注入した. Ppaは空気注入中有意に増加したが, 注入終了後すみやかに前値に復した. Plaは変化なかった. Qlymは空気注入後より増加し, 注入終了後もその増加は持続した. L/Pは注入終了後軽度増加した. EVLTVは空気注入中著明に減少し, 注入終了後有意に増加した. 肺リンパ液中のICG濃度はETX群で著明に増加したが, 他の2群では変化なかった. 以上より, EVLTVはエンドトキシンおよび肺塞栓存在時の肺水腫の存在の可能性を過小評価する. また肺微小空気塞栓による肺血管透過性の機序は, エンドトキシン肺傷害のそれとは異なることを示唆するものと思われる.
著者
村中 厚哉 久保 恵子 畑野 光賞 内山 真伸 小林 長夫
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.50-50, 2006

ツユクサの青色色素コンメリニンは、アントシアニン、フラボン、マグネシウムイオンからなる金属錯体超分子構造をとる。本研究ではコンメリニンの青色発現機構を調べるため、1)励起子理論、2)時間依存密度汎関数理論による吸収・円二色性(CD)スペクトルを計算した。計算にはコンメリニンのX線構造の座標を用い、アントシアニンダイマー、トリマー、ヘキサマーの各理論スペクトルを計算した。ヘキサマーの理論吸収・CDスペクトルの特徴は実測の吸収バンドの分裂とCDパターンを再現した。
著者
舟久保 恵美
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

気圧・気温低下など気象変化により、ヒトの慢性痛が増強する現象が知られている。我々はこれまでに、慢性疼痛モデルラットを日常の気象変化で起こりうる程度の強さ・変化速度の人工的気圧低下環境に曝露し、その痛み行動が増強することを明らかにした。また、ヒ素注入により内耳を破壊した慢性痛モデルラットに対して気圧低下の影響を観察したところ、内耳破壊が慢性痛増強を抑制する結果を得た。これは内耳に何らかの気圧検出機構が存在することを示唆している。そこで、内耳の気圧検出機構を明らかにするため、健常ラット前庭神経核の単一神経放電記録を行い、気圧低下に対する応答を調べた。大気圧から40hPa気圧を低下させ、設定気圧到達後8分間低圧を維持し、その後大気圧に戻し、その間の反応を観察した。昨年度までに合計40例のニューロンを記録し、そのうち17個に気圧低下曝露を行うことができた。そのうちの5つで放電頻度の増加が観察でき、気圧低下に対する反応は以下の3パターンに分類できた。気圧低下により、1)放電頻度が増加し、復圧により元に戻る(3例),2)放電頻度が増加し、そのまま持続する(1例),3)変動のあった放電頻度が一定になる(1例)。5例中4例は前庭刺激(回転、カロリックテスト)にも反応したが、1例は気圧以外の刺激には応答しなかった。従って、気圧にのみ反応するニューロンの存在が示唆される。今年度は上記1)のパターンの二ューロンがさらに2つ記録でき、気圧低下に反応するニューロンの存在が明らかとなった。そこで、気圧をいろいろな大きさ、速度で段階的に変化させたときの刺激反応性、放電数への影響の解析を進めている。また、慢性痛モデルラットの痛み行動を惹起するには5hPa/h以上の速度で5hPa以上の気圧変化が必要であることを明らかにした。気圧検出機構が内耳器官に存在する可能性について、行動実験を主体に論文執筆中である。
著者
小林 史幸 小竹 佐知子 大久保 恵子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.64, 2012

<b>目的:</b>南総里見八犬伝、椿説弓張月等の作者として知られる戯作者・曲亭馬琴(1767-1848年)は、身辺の出来事について詳細な日記をつけていた。その『曲亭馬琴日記』の天保2および3年(1831~32年)の2年間を対象とし、当時の食の状況を知ることを目的にして、特に菓子類について、その種類と用途に注目して文献調査をおこなった。<b>資料:</b>『曲亭馬琴日記』(中央公論社、2009)の天保2年と同3年の本文から菓子の記述を抜き出し、各種菓子の記録数および全体に対する記録数の割合を調べた。その際、種類別と用途別の2種類の方法で集計した。種類別の集計では1種類の菓子の記録1つにつき1回と数え、用途別の集計においては、1つの用途に必要とされる菓子の数を菓子の登場回数とした。また、砂糖については入手頻度と入手量からその使用状況を推測した。<b>結果:</b>日記に登場する菓子類を種類別にみると菓子、餅菓子といった大まかな分類の他、落雁、団子など個々の名称もあわせて25種類の菓子類に関する事柄が記録されていた(天保2年に143回、天保3年に162回の記録)。両年とも最も記録回数が多かったものは餅菓子(38回、55回)であり、正月準備に多種多様な餅を注文したものが多く見られた。次いで多かった砂糖(29回、36回)の場合は、白砂糖、黒砂糖の分類、分量等詳細に記録された日もあったが、砂糖を入手したということのみ記録された日もあった。用途では贈答、供え物、注文品記録、購入品記録等全部で20種に分類できた(169回、193回)。その中では貰い物が最も多く(68回、61回)、その送り主は大家にあたる人物、身内、友人、板元からの物が多数記録されていた。
著者
福島 雅夫 吉村 一彦 久保 恵嗣 小林 俊夫 半田 健次郎 草間 昌三
出版者
社団法人 日本呼吸器学会
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.18, no.10, pp.753-757, 1980

22才男. 中岳 (3,084m) 登頂後呼吸困難, 意識障害が出現, 天候不順のため4日間山頂付近に滞留した. 救助時昏睡状態, 全身チアノーゼを認め, 全肺野で湿性ラ音を聴取した. 呼吸不全のため救助後約12時間で死亡. 剖検にて肺水腫の他に肺胞毛細血管, 肺動脈に微小血栓を認め, 脳白質にびまん性点状出血を認め注目された.
著者
福山 千代美 加藤 栄子 普天間 歩 大久保 恵里 後藤 祐子 平岡 真砂代 今井 洋子
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.145-152, 1998-07-10 (Released:2009-10-29)
参考文献数
12

我々は,調節緊張を起こした症例の,診断,背景ならびに治療法について検討したので報告する。対象は,調節緊張と診断され,症状の改善に長期間を要した9症例である。観察期間は,2~29(平均12.0)ヵ月であった。年齢は,9歳から11歳の小学校高学年の6名と,22歳から27歳の20歳代の成人3名の2つの分布を呈し,性別では女性に多かった。主訴は,学童群では視力障害が多かったが,成人群では羞明が多かった。初診時の裸眼視力は0.3以下が多く,矯正不良の症例が過半数を占め,全ての症例でマイナスレンズで矯正された。調節麻痺下では+1D程度の遠視が検出され,多くは+1D以上の戻りが認められた。このため調節緊張の症例では,潜伏遠視を背景とすることが多く,調節麻痺下の視力検査が有用であると考えられた。治療の原則は遠視の眼鏡常用と調節緩和で,予後は良好であるが,きめ細かな対処が必要である。
著者
久保 恵
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.477-484, 2000-02-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

The purpose of this study was to assess individual differences in attachment representation. They were assessed, not through direct verbal reports, but indirectly as indicated in a projective test. The test required subjects to tell their impressions of pictures, which depicted daily, routine parent-child interactions. A series of pictures were developed for story-making task, which was named PARS (Picture Attachment Related Study). Three hundred and two (302) undergraduate and vocational students were asked to see the pictures, and freely imagine the situation, think what they would feel, and create the further story. They were then to recall their own experiences with their parents, and fill out a questionnaire of how they see their relationship with others. It was found that those who made a trustful PARS story recalled their own attachment experiences in an autonomous way, and had lower distrust in their relationship with others. Thus, results of the projective test were shown to reflect individual personal attachment experiences, and the test be useful.
著者
猪股 高志 平山 厚子 大久保 恵 三和 真人
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.195-198, 1998 (Released:2007-03-29)
参考文献数
7

理学療法臨床実習中の学生の身体面にどのような変化があるかを知るために,臨床実習直前及び直後の体重・体脂肪量・体水分量及び体力の指標としてのPWCI50を測定し,その変化及び臨床実習成績との関係について分析した。その結果,体重とPWCI50では臨床実習前後での変化は見られなかったが,体脂肪量は有意に増加し,体水分量は有意に減少した。また,これらの身体面の変化に加え,臨床実習成績と体水分量の変化に相関が認められたことから,現状の臨床実習が,特に成績によっては実習生の身体組成の変化のみならず,臨床実習中の体調にも何らかの影響を及ぼしうることが推察された。