著者
井上 治彦
出版者
伊丹市昆虫館
雑誌
伊丹市昆虫館研究報告 (ISSN:21877076)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.13-18, 2017-03-31 (Released:2019-11-11)
著者
井上 治子
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.119-134, 2003-12-30 (Released:2009-05-29)
参考文献数
7
被引用文献数
1

This paper is an attempt for clarifying what made Hume adapt such an obscure notion as sympathy in establishing the system of passions. In order to answer this question, it is necessary to see that his basic strategy in the Treatise is to hold the analogy between the two systems of the understanding and passions, and that sympathy is intended as the phenomenon in which this analogy is explicitly demonstrated.
著者
井上 治
出版者
近畿大学経済学会
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-19, 2014-07

[概要] ソーントン・ワイルダーの後期のサイクル劇のひとつである「人間の七つの大罪」については, 彼の生誕100年を祝って, 1997年に全7作品がまとめて出版された. しかし, 今回論じる4作品に関しては, 彼の生前には, 「バーニス」は英語で上演されたもののドイツ語でしか出版されず, 「ドアベルが鳴り響く」と「シェイクスピアと聖書」はほぼできあがっていたにもかかわらず未完成のままとなり, 「セメント・ハンズ」は完成していたものの上演されることはなかった. これら4つの一幕劇をワイルダーが出版しなかった・完成させなかった理由は, くり返される主題を常に新しい表現形式で提示してきたワイルダーが, これらの作品ではそれをできていないことを認識していたからであろう. [Abstract] All of the seven one-act plays included in one of his cycle plays, The Seven Deadly Sins, which were written in Thornton Wilder's late years were published in 1997 in celebration of the centennial of his birth. However, four of the seven plays discussed here were not published or finished in Wilder's lifetime: "Bernice "was staged in English but published only in German; "A Ringing of Doorbells" and "In Shakespeare and the Bible "were left unfinished though they were nearly completed; "Cement Hands" was not staged though it was finished. The reason why Wilder did not publish or finish them must have been as follows: Wilder always expressed his frequent themes in different artistic styles for each work, and so he must have realized he had not shown any new style in stating the themes for the four one-act plays.
著者
井上 治
出版者
近畿大学経済学会
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.117-129, 2011-03

[概要]本論では, ソーントン・ワイルダーの後期のサイクル劇「七つの大罪」のひとつである一幕劇「5時25分発列車の大事故」について, ワイルダーのほかの作品との主題の類似, さらには, 小説『めざすは天国』とのモチーフの類似を指摘することを通して論じ, 主人公のホーキンズが「窓を通して見たもの」について考察する。ワイルダーはくり返される主題をそれぞれの作品において常に異なる表現形式で提示しようとしてきた作家なので, この一幕劇が優れた成功した作品であるにもかかわらずワイルダーが出版を認めなかった理由は, 彼がこの作品において芸術の新しい表現形式を提示することができていないことを認識していたからであろう。 [Abstract] The aim of this paper is to consider what Mr. Hawkins saw by looking through the window in "The Wreck on the Five-Twenty-Five," a one-act play that is included in Thornton Wilder's cycle play The Seven Deadly Sins that he wrote during his later years. Something Mr. Hawkins saw is considered by showing that this one-act play has a similarity with the themes of other works of Wilder's and also has similar motifs to one of his novels Heaven's My Destination. Wilder always tried to frequently express his themes in different styles in each work. Hence, the reason why Wilder did not approve the publication of this one-act play, although it is better and well known, is because he must have realized that he had not shown a new artistic style when stating the theme within this work.
著者
井上 治
出版者
近畿大学全学共通教育機構教養・外国語教育センター
雑誌
近畿大学教養・外国語教育センター紀要. 外国語編 (ISSN:21856982)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.1-13, 2014

[抄録]本論では, ソーントン・ワイルダーが作家としての後期に構想した, 一幕劇によるサイクル劇「人間の七つの大罪」に収められている「酔っ払った運命の三女神」について, その演劇的手法の特徴, これまでの研究者による批評の流れ, 作者がサイクル劇を円形劇場で上演する意図を論考したのち, ワイルダーがこの一幕劇を多幕劇『アルケスティス』のサチュロス劇として創作しただけでなく, 「人間の七つの大罪」にも収載した理由を考察する. そして, その理由は, この一幕劇はギリシア演劇の流れをくむ要素を多くもっているので, 円形劇場でサイクル劇を上演することでの演劇の復興のまさに象徴的な作品となるとワイルダーが考えたからだと推察する.著者専攻: 英米文学
著者
井上 治
出版者
近畿大学経済学会
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.181-195, 2013-11

[概要] ソーントン・ワイルダーの後期の2種類のサイクル劇「人間の七つの世代」と「人間の七つの大罪」に含まれる3本の一幕劇「幼年時代」, 「子供時代」, 「アッシジの人」が上演されたとき, 彼は「ブリーカー・ストリートのための劇」という総合タイトルを付けた。「ブリーカー・ストリート」とは円形劇場の所在地であり, ワイルダーは演劇がかつて持っていた力を取り戻すことを意図して, 円形劇場で戯曲を上演したのである。しかし, 「アッシジの人」は彼の生前に刊行されず, 2種類のサイクル劇も未完に終わった。その理由は, くり返される主題を新しい表現形式で提示してきたワイルダーが, これらの一幕劇ではそれをできていないことを認識していたからである。 [Abstract] In his late years, Thornton Wilder wrote three one-act plays: "Infancy," "Childhood," and "Someone from Assisi," which were included in his two cycle plays The Seven Ages of Man and The Seven Deadly Sins. When they were performed, he chose the over-all title, "Plays for Bleecker Street." Bleecker Street was where the arena theatre was located, and Wilder had the three plays performed at the theatre in order to have the power restored that the drama once had in its great ages. However, "Someone from Assisi" was not published and neither of the two cycle plays was completed in Wilder'e lifetime. The reason must have been that Wilder was an artist who always expressed his frequent themes in different artistic styles for each work, and so he realized he had not shown any new style in stating the themes for these one-act plays.
著者
柳瀬 晃子 西沢 幸二 井上 治 洲加本 孝幸 齋藤 雄二
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.108, no.2, pp.77-83, 1996 (Released:2007-02-06)
参考文献数
25
被引用文献数
3 3

加味帰脾湯(KMK)の抗侵害受容作用機序を明らかにする目的で,マウスを用いて,KMKの酢酸ライジング反応抑制に対する各種受容体遮断薬,生体モノアミン合成阻害薬あるいは澗渇薬処置および脊髄切断の影響について調べた.KMKは750mg/kg以上の経ロ投与により有意な酢酸ライジング反応抑制作用を示した.KMKの酢酸ライジング反応抑制作用は,オピオイド受容体拮抗薬ナロキソン前処置の影響を受けず,アドレナリンα2-受容体遮断薬ヨヒンビンやセロトニン受容体遮断薬シプロヘプタジン処置により消失した.したがって,KMKの作用にオピオイド受容体は関与せず,α2受容体やセロトニン受容体が関与していると考えられた.また,KMKの酢酸ライジング反応抑制作用は,生体モノアミン合成阻害薬あるいは洞渇薬であるα-メチル-p-チロシン,ジエチルジチオカルバミン酸,レセルピンおよびp-クロロフェニルアラニンの処置によって消失したことから,生体モノアミンが関与していることが示唆された.さらに,KMKの酢酸ライジング反応抑制作用は脊髄切断により消失したため,その作用部位は脊髄より上位であると考えられた.これらのことから,KMKIの抗侵害受容作用には脊髄より上位のノルアドレナリン系やセロトニン系神経等の下行性痛覚抑制機構が関与していると考えられた.
著者
井上 治樹
出版者
日本生産管理学会
雑誌
生産管理 (ISSN:1341528X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.71-76, 2005

「複雑系」の企業経営論が提言するいくつかのメッセージのうち, 三つを前回取り上げた。本論では残りの提言について, やはり, 企業経営の実務面に照らし合わせて論評する。
著者
井上 治
出版者
近畿大学経済学会
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.13-27, 2013-11

[概要] ソーントン・ワイルダーの後期の2種類のサイクル劇「人間の七つの世代」と「人間の七つの大罪」に含まれる3本の一幕劇「幼年時代」, 「子供時代」, 「アッシジの人」が上演されたとき, 彼は「ブリーカー・ストリートのための劇」という総合タイトルを付けた。「ブリーカー・ストリート」とは円形劇場の所在地であり, ワイルダーは演劇がかつて持っていた力を取り戻すことを意図して, 円形劇場で戯曲を上演したのである。しかし, 「アッシジの人」は彼の生前に刊行されず, 2種類のサイクル劇も未完に終わった。その理由は, くり返される主題を新しい表現形式で提示してきたワイルダーが, これらの一幕劇ではそれをできていないことを認識していたからである。 [Abstract] In his late years, Thornton Wilder wrote three one-act plays: "Infancy," "Childhood," and "Someone from Assisi," which were included in his two cycle plays The Seven Ages of Man and The Seven Deadly Sins. When they were performed, he chose the over-all title, "Plays for Bleecker Street." Bleecker Street was where the arena theatre was located, and Wilder had the three plays performed at the theatre in order to have the power restored that the drama once had in its great ages. However, "Someone from Assisi" was not published and neither of the two cycle plays was completed in Wilder'e lifetime. The reason must have been that Wilder was an artist who always expressed his frequent themes in different artistic styles for each work, and so he realized he had not shown any new style in stating the themes for these one-act plays.
著者
井上 治 小松 久男 栗林 均 宇野 伸浩 藤代 節 柳澤 明
出版者
島根県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究課題は、北方ならびに中央ユーラシア地域の複雑で多様な文化を、歴史学・言語学・文学・人類学などの手法を有機的に組み合わせ、時代・地域・学問分野・方法論などの研究上の境界を超えて考究することを目指した。基本視点は異文化受容と文化変容の過程に設定し、文献資料・口頭伝承などの資料の分析を通じて、在来要素と外来要素の存在、外来要素の波及・流入過程、外来要素の流入による在来要素の変容と定着過程、在来要素の干渉による外来要素の変容と定着過程、それらの中間に存在する諸媒体などに着目して、受容・変容・定着という文化の動態を把握すること、各地域における異文化受容と文化変容のモデル化の可能性を追求すること、上記の動態あるいはモデルの相互比較により地域間の異同とそれを生んだ歴史的・社会的諸要因を究明すること、各地域における「伝統」の再構築とアイデンティティやエスニシティのダイナミズムの実態を明らかにすること、これらのいずかの側面にアプローチし、以下のような研究が行われた。(1)清朝で編纂された5言語対訳辞典『御製五体清文鑑』の研究上の問題点、(2)イランのモンゴル人政権における婚姻関係、(3)南方に移住したバルガ人たちの社会・文化変容プロセス、(4)シベリアのチュルク諸語の言語状況の動態、(5)ポスト社会主義時代のトゥバの文化的産物と文化実践の変容過程、(6)中央ユーラシアのテュルク系叙事詩の主人公側意識の多様性、(7)元における高麗在来王朝体制の保全のあり方、(8)古代ボン教の変容とその継続性、(9)モンゴル英雄叙事詩の年齢表現と「七冲」という易学の概念との関係、(10)19〜20世紀前半のモンゴルの祖先崇拝儀礼における伝統的価値観と仏教的価値観の整合過程のモデル化。また、島根県立大学服部文庫所蔵のモンゴル語、テュルク諸語文献の目録(暫定版)を完成させた。
著者
浅井 将 城谷 圭朗 近藤 孝之 井上 治久 岩田 修永
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.143, no.1, pp.23-26, 2014 (Released:2014-01-10)
参考文献数
18
被引用文献数
1

アルツハイマー病の原因物質アミロイドβペプチド(amyloid-β peptide:Aβ)はその前駆体であるアミロイド前駆体タンパク質(amyloid precursor protein:APP)からβおよびγセクレターゼの段階的な酵素反応によって産生される.アルツハイマー病の発症仮説である「アミロイド仮説」を補完する「オリゴマー仮説」は,オリゴマー化したAβこそが神経毒性の本体であるとする仮説であるが,オリゴマーAβのヒトの神経細胞への毒性機構や毒性を軽減する方法は未だ不明であった.そこで我々は,この問題点を解決すべく若年発症型家族性アルツハイマー病患者2名および高齢発症型孤発性アルツハイマー病患者2名から人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell:iPS細胞)を樹立し,疾患iPS細胞から神経細胞に分化誘導を行って細胞内外のAβ(オリゴマー)の動態と細胞内ストレス,神経細胞死について詳細に検討した.その結果APP-E693Δ変異を有する家族性アルツハイマー病患者由来の神経細胞内にAβオリゴマーが蓄積し,小胞体ストレスおよび酸化ストレスが誘発されていることがわかった.一方,1名の孤発性アルツハイマー病患者においても細胞内にAβオリゴマーの蓄積と上記と同様の細胞内ストレスが観察された.これらの小胞体ストレスおよび酸化ストレスはβセクレターゼ阻害薬によるAβ産生阻害やドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid:DHA)によって軽減された.このように孤発性アルツハイマー病においても Aβオリゴマーが神経細胞内に蓄積するサブタイプが存在すること,およびこのサブタイプに対する個別化治療薬としてDHAが有効である可能性を示した.
著者
玄侑 宗久 井上 治代
出版者
文芸春秋
雑誌
文芸春秋
巻号頁・発行日
vol.91, no.13, pp.384-391, 2013-12
著者
井上 治子
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.43-49, 2013

本稿は,神奈川県逗子市池子米軍住宅建設反対運動,いわゆる「池子の森を守る運動」に関し,1986年から1991年にかけて実施された調査研究結果に基づき,1991年に執筆された未刊報告書に修正を加えたものの第一部分である.調査結果をアーカイブとして公開するとともに,日本社会における「新しい社会運動」の発生を現時点から再考することが本稿の目的である.調査全体は,成員間の連帯と参加動機の関係に焦点を当てることにより,運動の発生を明らかにすることを目指し実施された.収集されたデータは,1986年から1990年にかけて実施された参与観察および対面調査により得られた知見,1990年に実施された質問紙調査により得られたデータ,全調査期間中に得られた運動団体の会報・ビラ,成員と筆者との間の私信等である.考察は,当運動に関する先行研究と,資源動員論,および,「新しい社会運動」論の内から成員間の連帯や価値観をめぐる論点を中心として参照しつつ進められ,最終的に考察は運動におけるアイデンティティ志向のもたらす問題点へと導かれた.それらを検討し直し,当誌に順次投稿していく予定である。一連の調査の冒頭部分に当たる本稿では,紛争の経緯と運動の発生が,参与観察・対面調査と文献から得られた知見とによって再構成され,1980年代の日本における新しいタイプの運動の発生と発展,分裂と衰退の過程が明らかにされる.