著者
橋本 良二 山口 礼子 佐藤 典生
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.169-177, 1999-08-16

岩手県鴬宿地方のミズナラ-ヒバ林におけるヒバ稚樹の伏条繁殖クランプの出現状態とその更新パターンについて, アイソザイム変異をもとに検討した。変異分析は5酵素種6遺伝子座によりなされ, 全サンプルを通じて66種類のMLG(multilocうs genotype)を得た。尾根部の稚樹のMLGグループでは, 同一MLGの稚樹がランダム分布するグループと集中分布するグループがあった。斜面部では, 同一MLGの稚樹が集中分布するグループがほとんどすべてであり, 伏条繁殖クランプが分布の単位になっていると考えた。斜面部の立木についても, 同一MLGの立木が数本ずつまとまって分布するグループが多かった。しかし, 同一MLGの立木と稚樹との間には, 明らかな分布重なり合いは認められなかった。これらの結果から, 斜面部林分でのヒバの更新には伏条繁殖クランプが大きく関与したことは明らかで, 更新過程ではクランプ内のごく小数の稚樹が立木へと成長し残りはすべて枯死するパターンが多かったと考えた。
著者
佐藤 真一 中村 裕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.207, pp.77-80, 2003-07-10
被引用文献数
2

映像処理は,近年特にその発展や応用が期待されている情報処理分野であり,パターン認識・メディア理解にたずさわる多くの研究者が挑戦してきている研究テーマである.その10年あまりの歴史を振り返ってみると,多くの成果が得られたものの,社会的に求められている要請に対しこたえられるのか,映像処理の提示する将来展望は何なのか,などに対する回答を明確にしなければならない時期に来ていると考えられる.本パネルでは,映像処理に関係する気鋭のパネリストを迎え,映像処理の意義を明確にするべく討論を行う.
著者
大山 幸綱 吉本 好延 浜岡 克伺 吉村 晋 松田 司直 橋本 豊年 佐藤 厚
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.45-50, 2009-03-31
被引用文献数
1

本研究の目的は,自力で外出可能な在宅脳卒中患者の閉じこもりに関連する身体的・心理的・社会的要因を検討することである.対象は,退院後6ヶ月以上経過した自力で外出可能な高齢脳卒中患者27名とした.質問紙を用いたアンケート調査にて,閉じこもりの有無,転倒自己効力感,主観的健康感,老研式活動能力指標,家庭内および地域での役割の有無,親しい友人および親戚の有無など心理的・社会的要因を調査した.また,理学療法診療録より,Brunnstrom Recovery Stage,10m 歩行時間,Barthel Indexなど身体的要因を調査した.統計解析は,閉じこもりの有無と身体的・心理的・社会的要因との関連性について,群間比較およびロジスティック回帰分析を用いて検討した.自力で外出可能な患者27名中,閉じこもりは12名(44.4%)であった.閉じこもり群は,非閉じこもり群より,屋外の転倒自己効力感が有意に低値を認め,親しい友人および親戚がいない患者の割合が有意に高値を認めた.性別,年齢で調整したロジスティック回帰分析の結果,閉じこもりに対する独立した要因として,屋外の転倒自己効力感,親しい友人および親戚の有無が抽出された.自力で外出可能な在宅脳卒中患者の閉じこもりを考慮した場合,身体機能に加えて,転倒自己効力感に着目した評価およびアプローチが重要であると考えられた.
著者
佐藤 優
出版者
創出版
雑誌
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.96-99, 2009-06
著者
佐藤 一子
出版者
金子書房
雑誌
児童心理 (ISSN:0385826X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.p1288-1294, 1980-07
著者
陰原 聞天 荘司 輝昭 高木 徹也 岡田 健夫 拍手 宏允 渡邉 貞一 須藤 孝子 梶原 正弘 佐藤 喜宣
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.245-249, 1994

1987年7月から1991年12月までの間に当法医学教室で取り扱った248件の解剖例のうち,自動車を運転中に交通事故を起こして死亡したとみられたが,解剖の結果,内因性の急死であると判明した4例について報告する。4例の平均年齢は49.5歳で,男性3例,女性1例であった。死因は心臓疾患2例,脳血管障害1例,慢性アルコール性疾患1例であった。これまでの報告では,運転中の内因性急死例は,基礎疾患を持つ高齢の男性に多い傾向があると指摘されていたが,自験例においても,3例が中高年男性であった。基礎疾患が明かであった者は1例のみで,4例中3例は生前に医療をほとんど受けていなかった。運転中の急死の予防は困難であるが,中高年者が自動車を運転する場合には定期検診の義務づけを徹底するなど,疾患の早期発見を行い,疾患があれば,適切な医療を受け死亡事故を予防をする事が重要と考えられた。
著者
佐藤 寛 新井 邦二郎
出版者
筑波大学発達臨床心理相談室
雑誌
筑波大学発達臨床心理学研究
巻号頁・発行日
vol.14, pp.85-91, 2002
被引用文献数
2

近年,児童期の子どもにおいて抑うつは重大な精神的健康に関する問題であることが指摘されており,数多くの研究が行われている(e.g.,Kendall,Cantwell,& Kazdin,1989;黒田・桜井,2001;Stark,Sander,Yancy,Bronik,& Hoke,2000)。児童期において,抑うつ傾向の高さは学業成績の低下 ...
著者
佐藤 寛 新井 邦二郎
出版者
筑波大学心理学系
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
no.25, pp.123-128, 2003-02-28

The purpose of this study is to compare and investigate models for a Japanese version of Depression Self-Raing Scale for Children (DSRS) through confirmatory factor analysis. The partocopants were 1375 elementary school ...
著者
佐藤 寛 新井 邦二郎
出版者
筑波大学発達臨床心理相談室
雑誌
筑波大学発達臨床心理学研究
巻号頁・発行日
vol.15, pp.37-43, 2003

不安障害とうつ病性障害は,児童期の子どもに見られる精神的問題の中でも有病率が比較的高く,長期にわたって維持される深刻な疾患であることが指摘されている(Ollendick & King,1994)。例えば,Anderoson,Williams,McGee, & Silva(1987)は,8~12%の児童が何らかの不安障害を抱えていることを報告している。また,うつ病性障害の診断基準 ...
著者
佐藤 亨 竹村 和久 若山 俊夫 木村 磐根
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.95, no.190, pp.73-79, 1995-07-27
被引用文献数
4

われわれは地下探査レーダーデータを解析し、標的の形状を推定する手法として離散モデルフィッティング法を用いたパラメトリックなアルゴリズムを開発し、これまで主に計算機シミュレーションを用いてその特性を評価してきた。このアルゴリズムを実験土槽において鉄筋探査用レーダを用いて取得したデータに適用し、実データ処理における問題点について検討を加えた。標的に用いたのはレーダー波長と同程度の大きさを持つアルミニウム円柱と平板である。実験の結果と数値シミュレーションとを比較し、実データに適用する場合の問題点の検討を行ない、アルゴリズムを安定化するために改良を加えた。これらの結果について報告する。