著者
山本 あゆみ 佐藤理史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.3, pp.173-180, 2000-01-12
被引用文献数
7

本稿では,ワールドワイドウェブから人物に関する情報を収集する2つの方法を提案する.第1の方法は,表形式の職業別人名リストを情報源として利用する方法である.この方法では,まず,与えられた職名(例えば「政治家」)から,検索エンジンとハイパーリンクを用いて,その職業の人名リストを収集する.次に,収集されたリストに対して表解析を適用し,それぞれの人物に対して主要情報を抽出する.第2の方法は,人物を紹介した短いテキスト(プロフィール)を抽出する方法である.この方法は,職名と人名を入力とし,それらを用いて収集したウェブページに対してレイアウト解析を適用し,求める人物のプロフィールを抽出する.This paper proposes two methods for collecting people's information from the World Wide Web. From the given occupation category such as Seijika (politicians), the first method collects web pages that include tables whose content is people lists of the given occupation, and extract personal properties such as name and birthday for each person by using table analysis. The second method accepts a person name and her occupation as an input, and collects her profile in text form by using layout analysis of HTML texts.
著者
佐藤 拓哉 名越 誠 森 誠一 渡辺 勝敏 鹿野 雄一
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.13-20, 2006-06-25
被引用文献数
2

世界最南限のイワナ個体群キリクチSalvelinus leucomaenis japonicusの主要生息地において、過去13年間にわたって、キリクチおよびそれと同所的に生息するアマゴOncorhynchus masou ishikawaeの個体数変動を調べた。また、調査水城におけるキリクチ個体群の現在の分布構造を把握するために、流域に11カ所の調査区間を設定して、それぞれの場所での生息密度と体長組成を調べた。調査水城に設定した約500m区間におけるキリクチとアマゴの推定生息個体数はともに減少傾向にあり、特に2000年以降、キリクチの個体数は低い水準で推移していた。2004年時点では、アマゴの推定生息個体数は、キリクチの約2倍であった。2004年に生息範囲のほぼ全域で行なった捕獲調査において、キリクチは本流の下流域ではほとんど捕獲されず、上流域と支流を中心に分布していた。一方、アマゴの生息個体数はすべての調査区間で大差はなかった。また、キリクチ当歳魚はほとんどが支流で捕獲されたが、アマゴ当歳魚は支流と本流で大差なく捕獲された。標準体長の季節変化を調べた結果、キリクチ当歳魚はアマゴ当歳魚に比べて浮出時期が1-2ヶ月遅いと推察され、その平均値は、すべての月においてアマゴ当歳魚よりも低かった。また、1歳以上のキリクチの平均体長は、すべての調査区間でアマゴよりも小さい傾向が認められた。これらの結果から、本調査水域におけるキリクチの生息個体数と生息範囲はともに減少傾向にあることが確認された。また、キリクチはアマゴとの種間関係において劣勢にある可能性が示唆された。このような現状のもとでの、キリクチ個体群の保護・管理策について考察した。
著者
松元 隆博 棚田 嘉博 佐藤 公則 長澤 庸二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.374-386, 2001-03-01
被引用文献数
18

シフト直交実数有限長系列は, シフトの両端を除いてサイドローブが0になる鋭い非周期自己相関関数を有する.この系列は, 長さが短い系列から作った要素系列の畳込みにより合成される.この系列に対するマッチトフィルタは, 要素系列に対するマッチトフィルタを縦続接続して構成することにより, 乗算数がO(log_2M)となって高速処理に適する.この原理に基づき, 高速なディジタルマッチトフィルタをフィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)上に試作した.各要素系列値は乗算を簡単にするために整数で近似する.Wallaceトリーのアルゴリズムとパイプライン処理を併用して, 試作器は1万ゲートのFPGAを用い, 長さ33の系列から作った8ビット量子化の符号に対しチップ速度16Mcpsで動作する.
著者
本谷秀堅 中川 宗栄 馬場 一徳 釘宮 豊人 佐藤公春
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.88, pp.71-78, 2003-09-08

本稿では対象をIDタグで同定し,CADデータをネットワークより取得するCAD-based visionシステムを提案する.その例として,円形のIDタグを利用した,visual trackingシステムを示す.円形のIDタグは,内部の白黒パターンがIDを表す.円形タグの画像は楕円形となる.その楕円形状からカメラと対象の相対的な姿勢を推定する.IDの認識と姿勢の推定は,時刻0においてのみおこなう.IDを認識し姿勢を推定するためには,IDタグが画像から頑健に抽出されなければならない.そこで再帰反射板でIDタグを作成し,カメラと同期して明滅する照明を併用する.照明を駆動する信号と画素値の変化の相関を計算することにより,画像から頑健にタグ領域を抽出できる.IDタグにより対象を認識できるため,画像に基づき対象を認識するCAD-based visionシステムと比べて,より多くの対象を処理することが可能となる.We propose a CAD-based vision system that identifies an object using its ID-tag, and downloads the CAD data from the computer network. A visual tracking system that uses a circular ID-tag is shown as an example. A circular ID-tag represents the unique ID number of an object. In an image, the shape of the circular tag is an ellipse. The shape of the ellipse helps to estimate the pose of the object relative to the camera. We designe a tag sensing system that robustly extracts the ID-tag from an image. We make the circular ID-tag with a retroreflector, and mount a lighting system that illuminates objects in sync with the camera. Calculating the correlation between the light and the image, the system extracts the ID-tag from an image, robustly. Because the ID-tag helps to identify objects, our system can process more objects than a system that identifies objects using only their images.
著者
新垣 紀子 野島 久雄 北端 美紀 小野澤 晃 佐藤浩司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.183-188, 2003-11-18
被引用文献数
1

日常場面において人とモノがどのようにインタラクションをしているのかを解明するために、ある韓国の家庭の中にあったすべてのモノを収集してデータベース化した国立民俗学博物館の「2002年 ソウルスタイル展」のデータベースと、その家の中での家族メンバーの日常生活を撮影したビデオを対象として分析をおこなった。ビデオでの場面(朝食の支度など)は、さらに細かなレベルとして分節化し、最後は家の中のモノと具体的な関わりを持つレベルまで細分化して記述をおこなった。このような分析をおこなうことによって、身の回りのモノにタグが付くユビキタス環境におけるサービスのあり方についての考察をおこなった。To examine how people interact with everyday objects around them, we used a database created for Seoul Style 2002 exhibition by National Museum of Ethology. The database consisted of complete set of objects in a certain house in Seoul, Korea. We analyzed video of members of the family who lived in the house. We first identified commonplace daily activities, such as mother's making breakfast, and divided them into much smaller components (Basic levels), and finally, to subordinate level, in which people actually interact with physical objects themselves. This level corresponds to keystroke model in GOMS model by Card, Moran, and Newell (1983). By analyzing human activities with relevant objects, we tried to make a model of human actions, and which kind of services are actually feasible in coming ubiquitous environments which are full of ubiquitous tags on all objects around us.
著者
奥山 嘉昭 村上 卓弥 村津 文武 浅井 伸一 佐藤 直樹 中本 幸一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.21, pp.111-118, 2004-03-04
被引用文献数
5

PDAなどの携帯端末の発展によって,利用者が移動する毎に公衆無線LANアクセスポイント・車内無線LANなど様々な無線LANネットワークに接続する形態が現実のものとなっている.しかし,従来の携帯端末では,無線LANに接続するための設定が煩雑である上,ユーザのニーズにあったネットワークを自動で選択し,接続しているとは言い難い,そこで本稿は,無線LANに接続するための設定簡略化と,ユーザのニーズにあったネットワークに自動的に接続を行うためのデータ管理方式について提案する.ユーザのニーズに応じて複数の無線LANネットワークの設定の中から適切なネットワーク設定をダウンロードし,適切なネットワークに自動的に接続を行うことでユーザの無線LANネットワーク設定/接続時の負担を減らすことができる.Mobile terminal users connect several wireless LAN network, such as public, office and home wireless LAN progress of PDA. However, it is troublesome for the present mobile terminal user to setup mobile terminals to connect with wireless LAN. Also it is impossible for the terminal to select the most suitable network which the user requires. This paper introduces automatic configuration method for wireless LAN and data management method for automatic network selection. By using these methods, user can connect wireless LAN network easily and terminal connects automatically to network which user requires.
著者
佐藤 信夫 角谷 秀典 井坂 茂夫 島崎 淳 松嵜 理
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.83, no.8, pp.1263-1269, 1992-08-20
被引用文献数
5 1

1975年から1988年の間に千葉大学医学部泌尿器科でTURを施行した表在性膀胱移行上皮癌(Ta,T1かつG1,G2)159例を対象として,進展を予測する因子につき検討した. 臨床所見:年齢,性,主訴:症状発現から受診までの期間,検査所見:ESR,CRP,貧血,内視鏡所見:腫瘍の位置,数,大きさ,形態,病理組織学的所見:異型度,深達度,尿細胞診,ABH血液型抗原(ABH),Thomsen-Friedenreich抗原(T-ag)につき検討した.進展と有意に相関したのは高年齢,多発,広基性腫瘍,G2,T1,陽性尿細胞診,ABH陰性,T-ag異常であった. 多変量解析法で分析すると,進展に影響をおよぼす因子の重要度はABH,深達度,T-ag,形態,異型度,年齢,数の順であり,ABH,深達度,T-ag,形態の4因子が有意に高かった.さらにABH,T-agは他の臨床病理学的因子と相関せず,表在性膀胱腫瘍の進展の予知因子として有用であると考えられた.
著者
佐藤 央庸 濱野 強 片見 眞由美 高野 千代 大川 優子 藤澤 由和
出版者
新潟医療福祉大学
雑誌
新潟医療福祉学会誌 (ISSN:13468774)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.51-56, 2007
被引用文献数
1

茨城県大洋村(現,茨城県鉾田市)では,精神障害者(以下,当事者)のエンパワーメントの向上を目的として,当事者と住民の参画による普及啓発イベントの開催を試みた。 13名の当事者が実行委員となり,普及啓発イベントの企画とその運営の中心を担い,3ケ月間の準備を経て開催された。そこで,本研究においてはこうした一連の活動が当事者のエンパワーメントに及ぼす影響に関して検討を行なった。その結果,参画後は参画前に比べて「自尊/自己効力感」,「楽天/将来へのコントロール」の2項目について,スコアの改善が示された。以上の結果から,今回の試みが当事者のエンパワーメント向上に有益な影響を及ぼしたことが推察され,その要因として当事者への適切な役割分担と主体性の尊重,当事者に対する周囲の一貫した支持と肯定的態度などが考えられた。
著者
奥田 紫乃 佐藤 隆二 松本 宜孝
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.529, pp.17-22, 2000
被引用文献数
4 2

This paper aims to establish a design system of the shading windows which achieve a balanced flows of visual information between the inside and the outside of a room. For this purpose, the relationship between the visibility level and the physical condition of the object seen through the shading of a window must be known. In this paper, the calculating method of the apparent luminance of a visual target seen through a lace curtain was established. In the calculating method, three optical properties of various race curtains, the rate of passage luminance, the property of transmission, and the property of reflection, are required. So these optical properties of five kinds of lace cloths which have different formal characteristics were measured.
著者
佐藤 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.413, pp.39-42, 2003-11-05

人間の知覚システムは多くのモジュールから成り立っている.そのうちの一つである奥行き知覚のシステムでは,多くの手かかり系が並列的に機能している.個々の手かかり系が一意な解を与えないことにある.視覚系は,こうした状況を,手かかり系間の相互作用と,制約条件と呼ばれる天下り的な仮定を持ち込むことによって解決している.本論では,こうした知覚システムの能動的な側面と,知覚されるりありてい一の関係について検討する.
著者
西村 耕司 佐藤 亨 中村 卓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.583, pp.83-90, 2001-01-19

京都大学のMUレーダーは光学観測では検出できない非常に微弱な流星を検出することが可能である.本研究では干渉計法を用いてMUレーダーによる流星軌道決定法の開発を行った.ドップラーパルス圧縮法や干渉計法の精度について検討を行い, 実際の観測データを用いて軌道決定を行った.従来スペースデブリ観測に用いられていたSBL法との比較によりSBL法の問題点を明らかにした.さらにICCDビデオカメラを用いた光学観測との同時観測により, MUレーダーが絶対等級にして12等級程度の高い感度を有することが示された.
著者
佐藤 保 齊藤 哲 江藤 幸二 加藤 省三
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.105-112, 2005-12-25

宮崎県高岡町の林木遺伝資源保存林内に設置した1.Ohaの試験地において1998年と2001年に毎木調査を行い,その個体群構造と動態の解析を行った。1998年から2001年の3年間における枯死率は,1.54%year^<-1>であり,同時期の新規加入率である1.32% year^<-1>を上回っていた。DBHサイズおよび階層別に枯死率を比較すると,亜高木層に属する小径木(DBH15cm未満)で最も高い値を示した。優占度指数の最も高いイスノキは,安定した個体群構造を示し,今後も本試験地の優占種として維持されるものと考えられた。イスノキに次ぐ優占種であるウラジロガシは,小径木個体(DBH15cm未満)が林冠ギャップを中心に生育しており,その個体群構造は過去の撹乱履歴を反映しているものと推察された。試験地から約18kmほど離れた成熟林分との比較から,欠落(マテバシイ)もしくは優占度の低下(ホソバタブやバリバリノキ)を示す種があり,種組成の面でも過去の撹乱の影響を受けていることが考えられた。生育する各樹種の最大DBHサイズや種構成などから,調査林分は過去に人為撹乱を受けた老齢二次林であると推察された。
著者
佐藤 彰洋 畑 雅恭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
巻号頁・発行日
vol.94, no.295, pp.7-14, 1994-10-20

素数の平方剰余はLegendre系列と呼ばれ,良好な疑似乱数系列であることが知られている.また,数列Qと呼ばれる系列を利用した幾何学的な構成法も知られている.今回,この幾何学的な構成法に着目しLergendre系列の構造的な特徴を考慮し,与えられたLegendre系列の部分系列から系列発生に関する候補点を探索し,候補点から使用した素数pと部分系列の取り出し位置を求める手法を新しく考察した.この手法は筆者らが先に提案した方法よりさらに高速化できることが示された.この方法によれば計算時間がほぼpの1.1乗に比較し,一般の大さき素数の場合にも適用できる.また本手法が適用できるための素数,系列長,位置の関数について明らかにした.
著者
坂本 端樹 宮崎 俊昌 庄司 多津男 芦川 直子 徳永 和俊 増崎 貴 大宅 薫 相良 明男 佐藤 浩之助
出版者
九州大学応用力学研究所
雑誌
九州大学応用力学研究所所報 (ISSN:13455664)
巻号頁・発行日
no.134, pp.61-64, 2008-03

We have also been developing a plasma-wall interaction (PWI) simulator of which plasma source is a steady-state RF helicon wave plasma supply to demonstrate in situ and real-time measurement and to study PWI phenomena. A helical antenna is surrounding a cylindrical quartz tube of which outer diameter is ~5 cm. The antenna is connected to an RF power supply of which power is up to 5kW through a matching box. A set of two coils produces an axial magnetic field of 0.05T at the plasma center. At present, the electron density at the plasma center is up to ~3 x 10^18 m^(-3) and electron temperature is up to ~10eV. Rather high plasma flux density of ~4 x 10^22 m^(-2) s^(-1) to the substrate has been obtained.