著者
兼宗 進
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.104-110, 2018-04-01 (Released:2018-05-25)
参考文献数
9

This paper describes Japanese informatics education in new curriculum. In elementary schools pupils experience programming in each subject. In junior high schools students make robot control and communication programs. In high schools students learn algorithm, database, data science and information systems.
著者
長瀧 寛之 白井 詩沙香 兼宗 進
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2018-CE-144, no.19, pp.1-6, 2018-03-10

本稿では,データベース作成実習での利用を想定した,データベースと連携する Web インタフェースを構築可能な実習用ツールについて紹介する.本ツールは,高等学校の共通教科 「情報」 や大学の一般情報教育におけるデータベース学習において,データベースと連動する Web サービスの作成を行う実習での利用を想定したものである.Web アプリケーション開発経験がない学習者でも,データベースと連動した簡易な Web ツールを作成できる環境を提供することで,実社会でのデータベースや情報システムの仕組みと意義について体験的に理解できる学習活動の実現を目指す.また本ツールは,データベースとして著者らが以前より開発している sAccess と連携する仕組みになっており,本ツールと sAccess を合わせることで,限られた時間の中でもデータベース操作から設計,簡単な Web サービスの構築までを体験する実習活動の実現が期待できる.報告では,本ツールの概要について技術面や工夫点について述べるとともに,実際の授業に適用した結果をもとに本ツールの有用性と課題について議論する.
著者
長島 和平 長 慎也 間辺 広樹 兼宗 進 並木 美太郎
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.57-69, 2018-02-20

高等学校の次期学習指導要領では,必履修科目の中でプログラミングが扱われることになった.プログラミングの学習には,インストールの手間や予算などの理由から,Webブラウザや表計算ソフトなどの既存の汎用ツールが使われてきた.今後は教育用に適したプログラミング環境が求められている.そこで著者らはWebブラウザ上でプログラミングを学習できる環境「Bit Arrow」を開発した.本環境を用いることで,インストールが不要になるだけでなく,教員が学習状況を確認する機能や,生徒が簡潔なプログラムを記述するためのライブラリと分かりやすいエラー支援の機能を提供する.本報告では,高校で利用した授業内容を紹介し,ログの解析から判明した「文法エラーの減少」と「エラーへの対応時間の短縮」などの効果について報告する.
著者
兼宗 進 小林 祐紀 白井 詩沙香 清水 匠 片岡 仁
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.29, pp.188-189, 2017-08-10

2020 年度から小学校でのプログラミングが必修化される.目的はプログラミングの考え方 (プログラミング的思考) を通して論理的な思考力を養うことにあり,「プログラムの体験」 が目的ではない.また,プログラミングのための教科は作られず,総合的な学習の時間や教科の中で扱うことになる.そこで筆者らは理科や算数などの教科の中で,教科の学習目標を達成するためにプログラミングの考え方を用いる試みを 3 つの小学校で実践した.その概要を報告する.
著者
間辺 広樹 兼宗 進 並木 美太郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.14-23, 2013-01-15

コンピュータサイエンスアンプラグド(以下CSアンプラグド)は情報科学の教育に有効であることが知られているが,高校の授業用に作られたものではないことから,授業で利用する際は工夫が必要になる.本研究では,今まで十分な検証が行われていなかったソートのアルゴリズムの学習を題材に,オリジナルのCSアンプラグドで扱われている「天秤を用いたグループ学習」という形態に着目し,天秤より短時間で実習を行える「画面上の模擬天秤」の利用と,より集中して実習に取り組める「個人学習」を取り入れたときの学習効果を,CSアンプラグドを用いない座学の授業を含めて評価した.アルゴリズムを自分で発見する学習は生徒同士で議論できるグループ学習が適していると考えられるが,アルゴリズムを理解する学習は個人でじっくりと考えられる個人学習が適している可能性がある.また,グループでは具体物である天秤を操作した方が議論が活発に行え,個人学習には操作の負担の小さい模擬天秤が適しているのではないかと考えた.そこで,実施条件の異なる6パターンの授業を行った.その結果,自分でアルゴリズムを発見する実習ではグループ学習と個人学習に差異は見られなかった.また,学習したアルゴリズムを自分で試しながら定着させる実習では,グループ学習と比較して個人学習の理解度が高く,特に画面上の模擬天秤を利用したときの理解度が高かった.その差異の理由を検証したところ,アルゴリズムを実習で確認する回数が多いほど理解度が高いことを確認できた.Computer Science Unplugged (CSU) is effective in teaching of information science. However, CSU is not originaly developed for high school lessons. Therefore, in order to adopt it in a classroom, a few improvements are required. In this research, we focus on "group learning with balance scale" for understanding sort algorithms, which had not been verified enough. We evaluate the learning effects of the use of "virtual balance scale in computer" which can shorten training time, and the adoption of "individual seatwork" which can motivate students to study with concentration. Our hypothesis is following: In the group learning, students can discuss each other. So, it is suitable for discovering algorithms. In the individual seatwork, each student can think deeply. So it is suitable for understanding algorithms. For the group learning, the 'real' balance scale is suitable for activating debates. For the individual seatwork, the 'virtual' balance scale is suitable for reducing the load of operations. We practiced six pattern lessons under different execution conditions. As a result, we found no difference between group learning and individual seatwork in the exercise to discover algorithms. And, we found that student's individual understanding was higher than that in group learning, especially in using virtual balance scales. By investigating the reason of the difference, we recognized that a student's understanding depends on how often he or she practices the algorithms.
著者
辰己 丈夫 兼宗進 久野 靖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.123, pp.77-84, 2005-12-10
被引用文献数
4

筆者の一人である辰己は2001年のCE研究会で「情報教育の音楽化」という題名で発表を行ない、情報教育の中で楽譜処理を利用できることを指摘した。一方、兼宗・久野は、タートルグラフィクスを土台にオブジェクト指向を取り入れた教育用プログラミング言語「ドリトル」を開発していた。ドリトルには以前より音楽演奏機能が追加されていたが、本格的な教育への応用は行っていなかった。これを利用したプログラミング教育を実践してみたいという辰己とドリトルを開発している兼宗・久野の3名が、ドリトルの演奏機能に大幅な演奏機能の拡充を行なった。本発表では、「情報教育の音楽化」の概要、ドリトルにどのような拡充が行なわれたのかなどについて説明をするとともに、教材例・授業例の提示などを行なう。In 2001, Tatsumi pointed out that the musical methodology is useful in computer literacy education. Kanemune and Kuno developed ``Dolittle'' which is object oriented turtle graphics programming language for beginner. In 2005 September, Tatsumi wrote new specification in playing musical scores with Dolittle. Kanemune add new command and messages to Dolittle. In this paper, we describe our works and report about elementary class exercises in this November.
著者
兼宗 進 久野 靖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.15, pp.155-162, 2009-02-20
被引用文献数
1

コンピュータ科学を体験を通してわかりやすく学習するための教育手法である 「コンピュータサイエンスアンプラグド」 は、 2007 年に翻訳書が刊行されて以来、国内での利用が進んでいる。本発表では、現在の状況を報告し、今後の見通しを考察する。Computer Science Unplugged (CS unplugged) is an educational method of computer science for beginners. Since 2007, many schools are using it in informatics education in Japan. In this presentation, we will introduce now and future of CS unplugged.
著者
紅林 秀治 樋口 大輔 菱田 亘 大村 基将 兼宗 進
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2010-CE-105, no.6, pp.1-8, 2010-07-03

中学校技術・家庭科 (技術分野) における計測・制御学習用教材として 2 足歩行ロボット用いた学習指導を提案する.2 足歩行ロボットは教材用として独自に開発したものを用いる.開発した 2 足歩行ロボットは,16 個のサーボモータを使用した.また,中学生でも製作できるように,工作用アルミ金属や自在金具を利用してロボットのフレームが製作できるようにした.さらに,2 足歩行ロボットを制御する基板も開発した.開発した制御基板を用いることで,16 個のサーボモータの制御と 3 軸加速度センサーによる計測を可能にした.開発した 2 足歩行ロボットおよびそれを用いた学習計画と期待する教育効果について述べる.
著者
下倉 雅行 大国 航 島袋 舞子 兼宗 進 村上 晴美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.16, pp.1-8, 2015-03-14

電子書籍の普及が進んでおり,端末では国語辞典などで用語の意味を表示する機能が提供されている.電子教科書において,用語の意味にとどまらず,学習内容に関連する Web 上の情報源にアクセスしてより深い学習を行うことが有効と考えられる.しかし,Web 検索の結果をすべて表示すると,どの検索結果が正しいのかを判定することが,学習を始めようとする学習者には困難であると予想される.そこで電子教科書に適した Web 検索手法を検討し試作を行った.検索したい語が含まれる電子教科書の段落と,検索結果のスニペットを分野判定する.それぞれの分野が合致するページのみを提供することで,学習中の文脈に対応した Web 検索が可能になる.さらに分野判定の精度を向上させるための手法を検討した.The worldwide popularity of digital books continues to increase. One useful function is that they display word meanings with an embedded dictionary function. Such web-searching functions are becoming very effective and more popular for learners. However, students often have difficulty selecting correct meaning from multiple meanings on the screen. This may result in misunderstandings and confusions. Therefore, our presentation enables context-based web-searching in digital textbooks by proposing a new classification function that determines a word's fields from the textbook in which it appears and displays search results limited to specific fields.
著者
兼宗 進
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.78-83, 2004-02-01
被引用文献数
2

WWW(World Wide Web)上の文書を検索する検索エンジンは,インターネットを利用する上で不可欠な存在である。検索エンジンは従来の情報検索技術を基礎としながら,独自の発展を遂げてきた。しかし,内部の検索アルゴリズムが十分に公開されていないことから,検索エンジンは,中の見えないブラックボックスとして手探りの使い方をされることが多い。そこで本稿では,検索エンジンの検索アルゴリズムを構成する「適切なページの収集手法」「ノイズや漏れのない検索を高速に行う手法」「適切にランキングして表示する手法」について解説する。
著者
中野 由章 當山 達也 兼宗 進
雑誌
情報教育シンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.2, pp.173-175, 2013-08-11

教育用プログラミング言語ドリトルの処理系を、マイクロソフト社の入力デバイスである Kinect の計測値を読み取れるように拡張している。ユーザーのプログラムから、関節の座標値の入力を行うことが可能である。今回は、身体を使ったゼスチャーから、どの程度文字の入力が可能になるかを検証する。発表では、試作した複数の方式を比較しながら検討する予定である。
著者
中 雅生 津田 康晴 岡村 阿里沙 兼宗 進
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2014-CE-123, no.3, pp.1-6, 2014-02-01

コンピュータサイエンスアンプラグドは、カードや天びんなどのコンピュータ以外の教具を使うことで、情報科学の諸概念を小学生から理解できるように工夫された教育手法である。今回我々は絵カードを用いたゲームを通して平均情報量の概念を学習できる教育教材を作成した。その内容を紹介し、小学生向けの科学イベントで利用した結果を報告する。
著者
兼宗 進 中谷 多哉子 御手洗 理英 福井 眞吾 久野 靖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.81-81, 2004-05-15

近年,教育課程の改定により,小学校から高等学校までの初中等教育において,プログラミングを含む情報教育の導入が進められている.筆者らは,初中等教育で活用可能な教育用オブジェクト指向言語「ドリトル」を開発し,提案を行ってきた.本稿では,プログラムの中からオブジェクトをネットワーク間で複製・共有して扱うドリトルの拡張について報告する.この機能により,ある生徒がドリトルの任意のオブジェクトに名前を付けて公開したときに,他の生徒はそのオブジェクトを自分のプログラムに取り込んで再利用したり,共有して使ったりすることが可能になった.授業の中では,生徒が個人ごとに独立したプログラミングを行うだけでなく,複数の生徒が共同で作業する形のプログラミングを行うことが可能である.共有機能の実装は,Java2 で記述されたドリトルの処理系に,RMI(Remote Method Invocation)を用いた通信機能を組み込むことで拡張を行った.The Japanese government has been promoting IT education at elementary and secondary schools since 2002. In this presentation, we describe design and implementation of object sharing for "Dolittle" programming language. Students can release their objects into network in the classroom. Then other students can copy or share objects in their programs. By using object sharing, students not only can make program by oneself, but also can make program with collaboration. We implemented object sharing using Java RMI (Remote Method Invocation).
著者
井戸坂 幸男 兼宗 進 久野 靖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.13, pp.49-56, 2008-02-16
参考文献数
2
被引用文献数
7

コンピュータを使わずに、情報科学を体験的に学ぶことができる「コンピュータを使わない情報教育アンプラグドコンピュータサイエンス」という情報教育の手法を用いた授業とその評価を報告する。授業は筆者の-人が中学校「技術・家庭」において実践し、授業で得られた学習カードや前後に実施したアンケートをもとに、授業の評価を行った。また、アンプラグド教材の有効性や 情報科学教育の必要性についても言及する。Computer Science Unplugged is a new educational approach, in which students learn principal concepts of computer science without computer.One of us have used it in the subject technologies and home economics in junior high-school classes. We have evaluated the effectiveness of the classes using study-cards and free description written by the students. In this presentation, we report our experiences and evaluations for the classes, with some discussions on the usefulness of the approach.