著者
都築 建三 深澤 啓二郎 竹林 宏記 岡 秀樹 三輪 高喜 黒野 祐一 丹生 健一 松根 彰志 内田 淳 小林 正佳 太田 康 志賀 英明 小早川 達 阪上 雅史
出版者
Japan Rhinologic Society
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.1-7, 2009 (Released:2009-12-18)
参考文献数
9
被引用文献数
12 14

We evaluated a 20-item self-administered odor questionnaire for assessing olfactory function, proposed in 2003 by the Japan Rhinologic Society committee on olfaction tests. The 20-items selected based on results of olfactory studies in Japan were steamed rice, miso, seaweed, soy sauce, baked bread, butter, curry, garlic, orange, strawberry, green tea, coffee, chocolate, household gas, garbage, timber, stercus (shit), sweat, flower, and perfume. Subjects were 302 people —179 men and 123 women (average age: 35.7 years)— having no history of nasal or paranasal disease and tested between December 2004 and December 2007. Subjects were asked to score items as follows: “always smelled” (2 points); “sometimes smelled” (1 point); “never smelled” (0 points); or “unknown or no recent experience” (no score). Scores were calculated and represented using a percentage. Response was 99.3% (300/302), with two subjects excluded for reporting more than 10 “unexplainable” items. The mean score was 95.2% (n=300). Of the 302, 281 (93.0%) agreed on the number and 252 (83.4%) on the content of items. Scores correlated statistically significantly with those of a visual analogue scale (rs=0.501, p<0.0001, n=300). We concluded that the self-administered odor questionnaire is useful in assessing olfactory function in normal subjects. The next step will be to administer the questionnaire to diseased or otherwise compromised subjects to determine whether it is useful for clinically diagnosing such olfactory dysfunction.
著者
宗岡 克政 井川 真理子 栗原 典子 木田 次朗 三上 智子 石原 勇 内田 淳子 塩屋 桐子 内田 直 平澤 秀人
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.511-519, 2008 (Released:2008-12-05)
参考文献数
33
被引用文献数
2 6

目的:紫色蓄尿バッグ症候群(PUBS)は膀胱留置カテーテル使用中に蓄尿バッグが紫色に着色する病態である.便秘と関連したトリプトファン代謝異常と尿路内細菌増殖によるアルカリ環境下でのインジゴ生成が,発現機序として提唱されている(トリプトファン―インジゴ仮説)が,PUBSの発生状況や発生機序に関して,さらなる検討が必要であると思われた.方法:認知症病棟において発生した6例(男性3例,女性3例)のPUBSに対して生化学的,細菌学的検査を行い発現機序について検討した.結果:経過中3例で抗生剤使用後に,1例で自然経過中にPUBSの消失がみられた.全例で慢性の便秘がみられた.1例は経口食物摂取不能例での発生であった.PUBS発生中の6例のうち,アルカリ尿が4例で,尿中インジカン陽性が4例(うち擬陽性1例)でみられた.PUBS消失後,4例の尿pHはすべて中性化し,尿インジカンは陰性化した.一方,尿細菌培養結果では,PUBS発生中にEnterococcus faecalisがMorganella morganni(3例),Pseudomonas aeruginosa(1例)とともに検出されたほか,Klebsiella pneumoniaeとCitrobacter属の単独感染がみられた.PUBS消失後では検出菌種は変化したが,無菌化した例はなかった.アミノ酸値では,トリプトファン値に一定の傾向がみられなかった一方,血中および尿中α-アミノ-n-酪酸値がPUBS消失後の4例全例で減少していた.PUBS自然消失例では,血中タンパクの増加がみられた.また,尿中インジカン定性結果,尿pHおよびアミノ酸値は,新鮮尿とバッグ内尿で差異がみられた.結論:今回みられた所見は「トリプトファン―インジゴ仮説」を支持するものであったが,矛盾する結果も少なからずみられ,当該仮説では説明のつかない病態のあることが示唆された.また,あらたに注目すべき点として,一定の菌の常在化,α-アミノ-n-酪酸の代謝およびタンパク合成能低下がPUBS発生要因として示唆された.
著者
泉 妃咲 冨永 晴郎 中島 チ鹿子 内田 淳一 渡辺 雄一 塚本 洋子 井上 岳 山田 洋子 山田 善史 山田 悟
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.380-385, 2012 (Released:2012-07-20)
参考文献数
14

糖尿病治療の根幹である食事療法は,一般的にカロリー制限で指導されることが多いが,患者にはストレスが強く,そのコンプライアンスが問題となる.そこで,血糖値の上昇を最小限に抑えながら食事のQOLを向上させるための甘味品として,低糖質ケーキに着目した.今回は糖尿病患者で検討する前段階として,健常者を対象として低糖質ケーキが糖脂質指標に与える影響を同等カロリーの通常ケーキと比較した.低糖質ケーキでは通常ケーキと比較して食後の血糖値上昇が抑制され,インスリンの分泌刺激は弱かった.また,低糖質ケーキは中性脂肪や遊離脂肪酸に悪影響を与えず,一方で食後の満足度は通常ケーキと同等であった.今後糖尿病患者を対象にした検討においても低糖質ケーキの有望な結果が期待される.
著者
内田 淳 森井 康宏 山脇 信博
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大學水産學部研究報告 (ISSN:05471427)
巻号頁・発行日
vol.89, pp.45-50, 2008-03

近年、海上を漂うゴミ及び海岸に打ち寄せるゴミについて陸上のゴミ問題の昂揚と相まって、その環境に与える影響の大きさが指摘され、注目されるようになってきた。それとともに、海底に堆積したゴミについても瀬戸内海や都市沿岸の海底のゴミがようやく問題視されるようになった。しかし、外洋である海底のゴミについては調査そのものが困難であるため、公表されたものは少ない。洋上における廃棄物の処理についての規定として、国際的にはマルポール条約が、また、国内では海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律によって規制されおり、規制内容は年ごとに厳しくなってきている。例えば、廃プラスチック類についてみると、2003年までは排出海域が領海の基線から3海里以遠で、灰の状態であれば排出可能であったが、2004年からは海洋での排出はいかなる海域においても、また、灰であっても一切禁止、すべて陸上廃棄となった。しかし、規制は厳しくなっても既存の船にとっては、処理設備を設置するための経済的な問題、スペースの問題がある。新造船では建造費は嵩み、スペースをとるには船体を大きくする必要があり、対応が難しい。特に漁船にとっては、到底ゴミの処理にまで手が回らないと考えられ、ゴミの処理に関しては従来通り海洋投棄に頼っているのではないかと推察される。加えて、海のゴミは陸上から流れ込むものもあり、ゴミ対策が進まない一因にもなっている。そこで著者らは、練習船によるトロール操業の際に引き上げられるゴミの実態調査を行い、海底ゴミの現状を把握し、今後の処理方法等について考察した。
著者
内田 淳史 梅野 健
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.79-79, 2006

多くの非線形システムは、カオスまたはノイズ等の繰り返し入力された信号に対して一貫性(consistency)のある振る舞いを示す。一貫性とは、初期状態の異なる非線形システムが、ある信号により繰り返し駆動される場合に得られる非線形システムの出力の再現性のことである。非線形システムにおける一貫性は生体システムにおける情報伝達や流体中のパターン形成などに本質的な役割を示す。本講演ではコーシー分布を有するカオスマップに外部駆動信号を加えた場合の一貫性を定量的に評価し、一貫性の生じる本質的要因について議論する。一貫性とは一般化カオス同期の拡張概念であり、カオス同期よりもさらに普遍性の高い概念だと考えられる。
著者
内田 淳史
出版者
拓殖大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、情報理論的セキュリティに基づく暗号鍵発生方式を提案し、超高速レーザカオスを用いてこれを工学的に実装することを目的とする。特に相関乱数暗号の要素技術として、共通カオス信号により駆動された半導体レーザカオス同期および相関の制御を実験的に実現した。本実験では、3つのDFB半導体レーザ(それぞれDrive、Response1、Response2と呼ぶ)を用いた。外部鏡を用いてDriveに戻り光を付加することでカオスを発生させた。Driveの緩和発振周波数とRepsonse1, Response2の緩和発振周波数を異なる値に設定した。Driveからのカオス的レーザ光を、ビームスプリッタ(BS)を調整することでRespoense1とResponse2に注入させた。このときDrive-Response間では低い相関、Response1-Response2間では高い相関を確認した。次にResponsel、Response2にそれぞれ外部鏡を用いて戻り光を付加させた。Response1の外部鏡の距離をピエゾステージによりナノメータ(nm)単位で変化させ、Response1の戻り光の位相を変化させることにより、2つのResponseレーザカオス同期波形の相関の制御を行った。その結果、戻り光の位相が一致したときの2つのResponse間の時間波形は一致しており、相関値を計算したところ0.907と高いことが分かった。一方で、戻り光の位相が一致していないときの2つのResponse間の時間波形は一致しておらず、相関値も0.076と低いことが分かった。以上より、戻り光の位相を変化させることで、Response1-Response2間の相関を制御可能であることが実験的に確認された。本特性は相関乱数暗号方式への応用における要素技術として非常に重要である。