著者
梅田 恭子 内藤 祐美子 野崎 浩成 江島 徹郎
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.69-72, 2008
参考文献数
4
被引用文献数
3

先行研究によりWeb日記を書き続ける理由が自己表現よりもコミュニケーションにあることが明らかになっている.我々は読者を限定しない一般的なWeb日記とSNSのように読者が限定されるWeb日記によるコミュニケーションの形態には違いがあると仮説を立てた.まず本稿では,大学生を対象にSNSと先行研究のWeb日記の結果を比較し,大学生のSNS利用にはどのようなコミュニケーション形態があるのかを検討した.その結果,SNSでは実際の友人との交流を目的としたWeb日記によるコミュニケーションがあることが示唆された.
著者
羽岡 健史 森下 由香 内藤 祐貴 大西 新介 奈良 理 高橋 功
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.10, pp.785-791, 2014-10-15 (Released:2015-03-12)
参考文献数
13
被引用文献数
1

肥満細胞の活性化により惹起される種々のアレルギー症状と急性冠症候群(acute coronary syndrome: ACS)の同時発症はKounis症候群と呼ばれている。我々はガベキサートメシル酸塩gabexate mesilate: GM)の投与後にアナフィラキシーと冠攣縮性狭心症を呈した症例を経験したので報告する。症例はアルコール性慢性膵炎と糖尿病の既往のある72歳の女性。心窩部痛を主訴に当院に救急搬送され,慢性膵炎急性増悪と診断された。単純CT撮影後にウリナスタチン50,000単位を投与。次にGM 100mgの投与を開始してから8分後,気分不快,呼吸苦,顔面紅潮,喘鳴が出現した。まもなく意識レベルがJapan coma scale(JCS)100に低下し,ショックを呈したため,アナフィラキシーショックと考え,アドレナリン0.1mgを2回静脈注射した。またアドレナリン投与前から心電図モニター上,ST上昇が見られ,12誘導心電図ではII,III,aVFでST上昇,I,aVL,V1~V4でST低下,心臓超音波検査で左心室下壁の壁運動不良の所見が認められたため,ニトログリセリン(スプレー)を舌下投与した。気管挿管,ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム100mg,クロルフェニラミンマレイン酸塩5mg,ファモチジン10mg投与後に冠動脈造影を実施したところ,冠動脈に有意な狭窄を認めず,冠攣縮性狭心症と診断された。同日,心電図変化は改善し,アナフィラキシー症状も消失し,翌日には抜管した。狭心症の再発はなく,慢性膵炎急性増悪に対する治療のみを行ってから第17病日に自宅退院となった。Kounis症候群はアレルギー反応等の過敏性反応に伴って肥満細胞から放出される炎症メディエータの作用でACSが引き起こされることで生じる病態で,アレルギー反応に対する治療とACSに対する治療を並行して行うことが推奨されている。重篤なアレルギー症状を呈する症例では,ACSの併発も念頭において治療・観察をする必要がある。
著者
小池 敏靖 渕崎 晶弘 一杉 芽美 小野寺 秀一 金子 祐次 岩間 輝 平山 順一 柴 雅之 宮島 晴子 林 宜亨 有澤 史倫 布施 久恵 内藤 祐 若本 志乃舞 藤原 満博 茶谷 真 栗原 勝彦 森 純平 寺田 あかね 大橋 祥朗 永井 正 佐竹 正博
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.490-495, 2018-06-30 (Released:2018-07-13)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

今般,安定的な血小板製剤(PC)の確保を目的とし,成分採血装置Trima Accelに,一人の献血者から2本分の10単位PCを一度に採血できるプログラムが搭載された.この採血方法では従来の方法と異なり,一つのポリ塩化ビニル製採血バッグ(PVCバッグ)に通常の2倍量の血小板原料が入る.さらに,その状態で採血当日または翌日まで保管後,2分割する必要がある.本検討では,採血翌日に分割した分割対象血小板原料血液由来10単位PC(分割PC)の品質を解析した.採血後4日目までのTrima Accel由来の分割PCとCCS採血由来の非分割PCの品質を比較した結果,補体であるC5a濃度とpHは分割PCにおいて有意に高値であったが,正常範囲内であった.また,その他の血小板機能等に差はなかった.そのため,分割PCの品質は,従来の非分割のPCと同等であることが明らかになった.
著者
水谷 光 穴田 夏樹 内藤 祐介 堀 耕太郎 堀江 里奈 山崎 広之 山田 有季
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
雑誌
LiSA (ISSN:13408836)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.75-85, 2020-01-01

関西地方の麻酔科医たちが「症例カンファレンス」を実際に集まってやってみた。 通常の「症例カンファレンス」は,提示症例に対して各施設が周術期管理計画を原稿で示し,相互のやりとりはない。別の施設で働く麻酔科医が顔を合わせて,提示症例に対して思うことを述べることによって,互いのプランに取り入れられること,足りないことなどがその場で発見できるのではないか。それは読者にとっても新しい発見につながるのではないか。そんな思いで今回の「リアル症例カンファレンスin Osaka」は開催された。
著者
内藤 祐介 穴田 夏樹 桐山 有紀 豊田 浩作 堀江 里奈 水谷 光
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.1233-1242, 2020-12-01

関西地方の麻酔科医たちが「症例カンファレンス」を実際に集まってやってみた。第3弾となる今回は,新たなメンバーも加わり,「抜管」をテーマに語っていただいた。
著者
高橋 直矢 岡田 雅次 内藤 祐子
出版者
国士舘大学体育・スポーツ科学学会
雑誌
体育・スポーツ科学研究 = Kokushikan society of sport science (ISSN:18809316)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.31-37, 2015-03-01

The present study used the Diagnostic Inventory of Psychological Competitive Ability for Athletes(DIPCA.3)to compare and investigate the psychological competitiveness of college track and field athletes. The investigation focused on differences in national competition experience and total number of years of experience, and whether athletes had a warm-up routine.The following points were discovered as a result:1) High-level athletes who had participated in national competitions exhibited a significantly higher score than other players on two items(confidence and decisiveness).Athletes with long experience(10 years or more)exhibited significantly higher scores in terms of patience, self control, predictive ability, judgment, mental stability, and strategic ability than other athletes who had less experience.2) No difference was found in psychological competitiveness between athletes based on whether they had a routine.These results suggest that routine does not have the effect of improving competitive ability.
著者
下瀬 良太 只野 ちがや 重田 枝里子 菅原 仁 与那 正栄 内藤 祐子 関 博之 坂本 美喜 松永 篤彦 室 増男
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A2Se2038, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】随意筋収縮における筋力発揮の力-時間曲線は神経筋機能を評価する上で有効な情報を与えてくれる.特に高齢者は若年者に比べ筋力の発生からピークまでの力発達曲線(Rate of Force Development;RFD)が低い傾向にあり,不意の重心移動などに素早く対応できずに,転倒に繋がる事が多いといわれている.高齢者の転倒予防を考える際に,高いRFDの改善に繋がるトレーニングは重要である.RFDを変化させる因子には運動初期の速い運動単位(fast-MUs)の動員,発射頻度とその同期性や,運動単位の二重子的同期性(doublet discharge)が関与している.RFDの増加は高強度トレーニングによる報告が多く,fast-MUsの動員の寄与で起こると考えられている.しかし,高齢者に対して高強度のトレーニングは臨床的に適しておらず,日常動作で負荷が及ぶ筋力レベルの低強度の運動トレーニングが求められる.最近,低強度でfast-MUsの動員を可能にする皮膚冷刺激筋力トレーニング法が提案されているが,皮膚冷刺激がRFDにどのような影響を与えるかについての報告は未だ皆無である.そこで今回我々は,皮膚冷刺激がRFDに与える影響について検討し,高齢者への皮膚冷刺激筋力トレーニングの有効性についての一資料を得る目的である.【方法】本研究の説明を受け,同意の得られた健常成人男女8名(男性5名,女性3名,年齢34±10歳)を対象とした.被験者は椅子に座り,股関節屈曲90度,膝関節屈曲60度の姿勢で,「なるべく早く最大の力で」という指示のもと等尺性膝関節伸展運動を皮膚冷刺激(Skin Cold Stimulation; SCS)と非皮膚冷刺激(CON)の状態で行なった.SCSは冷却したゲルパック(Alcare製)を専用の装着バンドで数分間大腿四頭筋上の皮膚に密着させ,適切な皮膚温であることを確認して試行を行なった.CONも同重量の非冷却ゲルパッドを装着して行なった.試行順はランダムとし,各試行間では十分な休息をとり,皮膚温を確認して各試行を行なった.プロトコール試行中は,筋力出力と筋電図(EMG)を測定した.EMG(電極直径10mm,電極間距離30mm)は外側広筋(VL),内側広筋(VM),大腿直筋(RF)から双極誘導した.測定データはコンピュータに取り込み,後日解析を行なった.データ解析は力曲線の最高値(Fpeak)と微分最大値(dF/dtmax)を解析し,RFDは,0-30,0-50,0-100,0-200msecの区間での平均勾配を算出した.また各試行のFpeakで標準化したRFD(normalized RFD; nRFD)を,0-1/6MVC,0-1/2MVC,0-2/3MVCの区間の平均勾配として算出した.EMG解析は上述の各区間のroot mean square EMG(rmsEMG)を算出した.統計学的処理は各区間でのSCSとCONの値についてWilcoxonの符号付順位和検定を行い,統計学的有意水準は5%未満とした.【説明と同意】本研究を行うにあたり,ヘルシンキ宣言に基づいた東邦大学医学部倫理委員会実験計画承認書を得た上で,本研究の意義と実験に伴う危険性を協力依頼被験者に十分説明し,納得して頂いた上で測定を行なった.【結果】SCSでFpeakとdF/dtmaxは有意に増加した.dF/dtmaxまでの到達時間はSCSで平均9msec短縮したが,有意差は見られなかった.RFDは,0-30msec,0-50msec区間でSCSにより有意な増加が見られた.またnRFDは,0-1/6MVC区間でSCSにより有意な増加が見られ,到達時間もSCSで有意に短縮した.筋活動は,0-30msec区間でRFのrmsEMGが増加し,0-100msecと0-200msecでVLのrmsEMGが増加した.nRFDの区間では,0-1/6MVCにおいてVMとRFのrmsEMGが増加し,0-1/2MVCと0-2/3MVCにおいてVLのrmsEMGが増加した.【考察】皮膚冷刺激によりRFDの増加が見られた.各筋のrmsEMGの増加傾向が見られたことや皮膚冷刺激によってfast-MUsの動員が引き起こされる結果,初動負荷の素早いオーバーカムが可能となり,RFDの増加に繋がったと考えられる.特に筋力出力の初期でRFDの増加が見られ,不意の重心移動に対して素早く対応できる可能性を示唆した.本研究において,皮膚冷刺激により筋活動・RFDは増加し,皮膚冷刺激は高齢者の転倒予防トレーニングに対して有用であることが示唆された.【理学療法学研究としての意義】本研究において,高齢者の日常動作に類似した低強度でもfast-MUsの動員による筋機能改善の筋力トレーニングが提案でき,高齢者の転倒予防にも繋がる新しい筋力トレーニングとしての可能性を探るデータが得られる.そして,本研究は臨床運動療法の一戦略になり得る可能性を秘めている意味で理学療法研究として意義がある.
著者
内藤 祐子 市川 公一 竹中 敏文 松本 高明
出版者
国士舘大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

唾液は日常において被検者に苦痛や侵襲を与えずに試料を採取できる利点がある。したがって、各種疾患のスクリーニングや診断の指標として唾液のモニタリングの有用性について基礎的検討を加えた。1.心理的ストレスと肉体的ストレスの及ぼす影響を唾液物質でスクリーニングする:(1)1日に30kmを走行するハードトレーニングを実施した合宿前後の唾液中のsIgAの変化量と合宿後のPOMS検査による活気度得点との間には有意な正の相関関係(p<0.05)が観察されたが,試合前後による変化量には違いはなかった。(2)試合前後の唾液クロモグラニンAの変化量と試合後の活気度得点との間に有意な負の相関関係(p<0.05)が認められたが,肉体的ストレスである合宿前後での変化量に関しての相関は認められなかった。(3)これより唾液中のsIgAの変化量の増加にともなって合宿後の活気度得点が増加していることからハードトレーニングで身体的に疲労している場合でも精神的に充実しているものはsIgA濃度も高値を示すが,心身ともに疲れきったものはsIgA濃度も減少し,易感染しやすいと考えられる。また,試合後の活気度得点とクロモグラニンAの変化量の関係から,試合による肉体的疲労よりも試合結果のダメージによる心理的ストレスの度合いが試合翌日後の活気に影響を与えていると考えられる。2.唾液ストレスホルモン物質の違い:90%VO2maxの激運動後では唾液抗菌物質であるリゾチームと唾液コルチゾールの分泌量に変化が見られたが,その動向は唾液クロモグラニンAの変化とはかならずしも同一ではなかった。この点についてはさらに検討を加えている。3.唾液カルシウム濃度:運動選手の骨密度と血液や尿中のカルシウム濃度に関しては有意な相関関係がなかったが,唾液カルシウム濃度と骨密度の間には有意な相関関係がえられた。したがって,唾液カルシウム濃度を骨粗鬆症のスクリーニング値とする可能性が示唆された。