著者
加藤 三四郎 小山 恵美 川北 眞史
出版者
日本時間学会
雑誌
時間学研究 (ISSN:18820093)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.19-37, 2019 (Released:2020-05-27)

自己発信可能なメディアの普及に伴い、炎上現象も増加している。前報では、インターネット掲示板(以下、掲示板)における炎上現象の時系列定量評価手法を提案し、投稿数の時系列変動を評価する単位として、物理的時間よりもスレッドを用いる方が効果的であることも明らかにした。ただ、この手法だけでは、投稿数の急増が、炎上であるか、議論の活発化であるか判別できないなどの課題が残った。この課題を解決するには、投稿内容を質的に評価する必要がある。この質的な評価には、極性辞書に基づく、PN(ポジティブ/ネガティブ)判定が有効とされる。しかし、既存辞書の多くは口語的表現に対応せず、それらが多用される掲示板上の分析には不向きである。そこで本研究では、炎上現象の時系列解析の精度向上をめざし、投稿内容の評価に適した極性辞書を作成する。 本研究では、口語表現などへの対応を念頭に、評価者20名の8775語に対する極性評価を基に辞書を作成した。この辞書を評価するため、炎上事例を対象に前報で炎上の量的評価指標として導入した炎上値を算出し、既存辞書と本辞書それぞれを基にPN判定により求めたPN値との相関係数を比較した。炎上のピークを平準化するため、20スレッド移動平均による炎上値とでは、本辞書で強い有意な負の相関がみられた一方、既存辞書では弱い有意な負の相関にとどまった。本辞書を用いることで炎上現象をより精確に分析できる可能性が示された。
著者
岡本 節子 古明地 夕佳 髙田 健人 長瀬 香織 苅部 康子 堤 亮介 谷中 景子 長谷川 未帆子 榎 裕美 大原 里子 加藤 すみ子 田中 和美 遠又 靖丈 小山 秀夫 三浦 公嗣
出版者
一般社団法人 日本健康・栄養システム学会
雑誌
日本健康・栄養システム学会誌 (ISSN:24323438)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.10, 2022 (Released:2022-09-26)
参考文献数
13

目的:令和3 年度介護報酬改定の6 か月後の介護老人福祉施設(特養)及び介護老人保健施設(老健)における栄養ケア・マネジメント(NCM)を担う常勤管理栄養士の業務時間調査から、NCM の課題を整理し、検討することを目的とした。 方法:介護保険施設220 施設の常勤管理栄養士を対象に、3 日間の10 分間ワークサンプリング方式の自記式業務時間調査票を令和3 年9 月に依頼をした。 結果:有効回答は特養34 施設の管理栄養士44 人、老健17 施設の管理栄養士27 人であった。1 施設あたりの平均常勤管理栄養士数は特養1.4 人、老健2.0 人となっていた。特養及び老健常勤管理栄養士の一日一人当たりの業務時間において『NCM に関する業務』が最上位の業務として位置づけられ、『給食に関する業務』は上位の2 割程度であった。 結論:管理栄養士の業務は従来の給食からNCM へと大きく転換していた キーワード:特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、栄養ケア・マネジメント、業務時間調査、給食
著者
加藤 俊介 野城 智也 村井 一
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.293-298, 2022-08-01 (Released:2022-09-22)
参考文献数
6

災害時などの迅速な建築設備の故障箇所推定のために,全体構成と構成要素の状況の2 種類の情報を集約して全体状況を把握する仕組みが必要である.また,その情報を用いた点検計画作成をコンピュータで支援することは,限られた人的リソースで対処するために有効である.そのような考えに則り,自律分散型の機能ネットワークモデルを構想し,データ構造アーキテクチャと,モデルを用いた故障時の点検箇所の絞り込み支援のアルゴリズムを検討した.そして,大学施設の給水設備を例に,モデルの作成とアルゴリズムの適用の検証を行った.
著者
中村 有希 四倉 寛子 加藤 雅彦 中田 淳 田中 啓治 林 宏光
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学医学会雑誌 (ISSN:13498975)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.25-29, 2007 (Released:2007-03-23)
参考文献数
16
被引用文献数
1

Adult autosomal dominant polycystic kidney disease (ADPKD) is a common hereditary disorder responsible for 8% to 10% of cases of end-stage chronic renal failure. The extrarenal complications of ADPKD kidney include cardiovascular disorders (such as mitral valve prolapse syndrome, bicuspid aortic valve, aortic coarctation, aortic aneurysm, and aortic dissection), intracranial aneurysms, diverticulum of colon, hepatic cysts, inguinal hernia, and urinary calculus. Acute aortic dissection (AAD) associated with ADPKD is life-threatening. There are few reports of ADPKD with AAD. To the best of our knowledge, only 9 cases have been found, including at autopsy, in Japan. We have treated 121 patients with AAD in the last 5 years, and 3 of these 121 patients also had ADPKD in the intensive care unit of Nippon Medical School. We report clinical features of cases of ADPKD with AAD on the basis of 12 cases, including 9 previously reported cases and our 3 cases. AAD requires urgent antihypertensive therapy, which often aggravates renal function. Priority should be given to antihypertensive therapy in emergent cases. In fact, 2 of our patients required hemodialysis owing to antihypertensive therapy for AAD. Close cooperation between cardiologists and nephrologists is essential.
著者
加藤 進
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集 第43回石油・石油化学討論会 (北九州)
巻号頁・発行日
pp.169, 2013 (Released:2014-01-14)

沖縄本島南部には、島尻層群豊見城層の砂岩層に水溶性天然ガスが存在することが昭和30年代から知られており、一時その開発が試みられたが、不成功に終わった。那覇市およびその周辺で掘削された温泉井の一部は基盤岩まで掘り込んでおり、かなりの量のメタンを伴うことがある。このメタンは炭素同位体組成から熱分解起源ガスと推定され、宮崎県の日南・宮崎ガス田に類似した、基盤岩を貯留層とする新しいタイプの水溶性ガス鉱床が期待される。