著者
加藤 昂希 杉森 絵里子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第15回大会
巻号頁・発行日
pp.32, 2017 (Released:2017-10-16)

Karremans,Claus,&Storoebe(2006)が行った実験によると,パソコン課題をしている被験者の画面に「LiptonIce」という文字を意識下では知覚できない程の短い時間繰り返し提示したところ,喉が渇いている被験者においてのみリプトンアイスティーを飲む人の割合が増えたという。この実験を受け,私は視覚的なサブリミナル効果だけでなく,聴覚的なサブリミナル効果でも同じ様に結果が出せるか否かを検証する事とした。具体的には,喉が渇いている被験者に,サブリミナル音声を忍ばせた音源を聞いてもらい,その後の選択行動に影響があるかどうかを検証した。結果として,サブリミナル効果は出なかったものの,音源をリラックスして聞いてもらった後に直感を頼りに選択してもらう場合において,サブリミナル効果が出やすくなる事が明らかになった。
著者
加藤 大地 馬嶋 健一郎 金山 美紀 抱井 昌夫 篠田 誠 村木 洋介
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.421-425, 2021 (Released:2021-12-01)
参考文献数
3

目的:海外からの人間ドック受診者が増加している一方,その後の精検受診結果が把握しにくく,全体の精検受診率にもマイナスの影響を及ぼす懸念がある.精検受診率向上は,人間ドックの精度管理において重要な要素である.本研究は,外国人の精検受診が未把握となっている現状を分析し,受診率向上の対策を考える際の基礎資料とするため,海外からの受診者が精検受診率にどのくらいの影響があるかについて調査した.方法:2018年度1年間に人間ドックを受診した8,504名(うち外国人受診者2.5%,210名)を対象とし,検査数や要精検者における外国人割合や精検受診率において外国人の受診未把握がどのように影響しているかを調査した.本検討における外国人の定義は,日本国籍を有しない者かつ海外に居住している者とした.結果:要精検者のうち外国人の割合が高かった上位3つの検査について,全受診者の外国人割合,要精検者の外国人割合を示すと,大腸内視鏡検査で6.3%(106/1,686),7.1%(12/170,要治療者含む),乳がん検査で2.8%(68/2,414),6.5%(3/46),PSA検査では6.1%(114/1,881),4.7%(5/107)であった.精検受診率を日本人,外国人,両方合わせた全体で示すと大腸内視鏡検査で91.8%(145/158),16.7%(2/12),86.5%(147/170),乳がん検査で93.0%(40/43),0.0%(0/3),全体87.0%(40/46),PSA検査では78.4%(80/102),0.0%(0/5),74.8%(80/107)であり,3つの検査すべてにおいて日本人と外国人で有意差を認めた(p<0.001,p=0.01,p<0.001).精検受診にカウントできない者における外国人割合は大腸内視鏡検査で43.5%(10/23),乳がん検査で50.0%(3/6),PSA検査で18.5%(5/27)に及んだ.結論:外国人の精検受診状況が追跡できていないことによる未把握分が,全体の精検受診率低下に影響することが明らかとなった.外国人の精検受診を把握するためのフォローアップ方法について対策を立てる必要がある.
著者
今井 具子 加藤 友紀 下方 浩史 大塚 礼
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.161-173, 2022 (Released:2022-08-24)
参考文献数
40

一般住民の食事データを用いて日本食品標準成分表2015年版 (七訂), 及び2020年版 (八訂) で算出した栄養素等摂取量についてデータベース切り替えによる影響を検討した。対象は老化に関する長期縦断疫学調査の第1次から第7次調査参加者のうち秤量法による3日間食事調査を完了した累計男性7,596名, 女性7,566名とした。男女別に検討したところ, 有意な相関はあるものの, 七訂と八訂の差は測定法が変更されたエネルギー (5.1%), 炭水化物 (5.8%), アミノ酸組成によるたんぱく質 (6.0%) や, 成分値の収載数が大きく変わった有機酸などの栄養成分項目の算出値に差が生じ, 系統誤差が生じる可能性が明らかとなった。またこれらの差には性差が見られ, 対象者の食事内容により影響を受ける程度が異なる可能性も考えられた。栄養アセスメントの側面では, データベースの切り替えを慎重に行う必要があることが示唆されたが, 対象者をランク付けする等の疫学研究ではデータベース改訂の影響が比較的小さい可能性も示唆された。
著者
加藤 佐千子 長田 久雄
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.5-18, 2022 (Released:2022-08-14)
参考文献数
17

Objective: To clarify how elderly women living alone, who were 80 years of age or older, define food activities in their life courses and how they perceive current food activities.Method: The participants were 12 women living alone who were over 80 years old. A semi-structured interview was conducted from August to December 2016 with the consent of the participants. Their conversations were recorded and the verbatim records were analyzed using M-GTA (Modified Grounded Theory Approach).Results: 63 concepts, 15 categories, 2 sub core categories and 1 core category were extracted. Food activity was recognized as a role of the wife and mother. Participants also affirmed their role in the main stages of life. However, as they moved to living alone, they re-evaluated the role they had accepted, and realized that they had moved to activities that were valuable, meaningful, and feasible to them. They were also aware that they had accepted social connections through food activities.Conclusion: Elderly women have accepted the connection with society through food and have changed the meaning and content of food activities according to their individual lives.
著者
加藤 義忠
出版者
關西大學商學會
雑誌
關西大學商學論集 (ISSN:04513401)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.375-387, 1976-12-25
著者
佐藤 徹 加藤 絵万 川端 雄一郎 岡﨑 慎一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_552-I_557, 2014 (Released:2014-10-01)
参考文献数
3
被引用文献数
2 9

港湾施設の点検診断については,施設の設置環境等から目視に頼らざるを得ない部分が多く,港湾利用の制約を伴う機器を使用した点検調査については,あまり実施されてこなかった.しかしながら,高齢化した社会資本の安全性確保や,的確な点検実施など維持管理の重要性の高まりなどを背景として,昨年,老朽化した港湾施設を主対象に,全国的な点検調査が実施された.この調査においては,はじめて全国規模で地中レーダを用いた係留施設の空洞化調査が実施された.本報告では,係留施設を対象に実施された空洞化調査の結果について整理し,空洞化と目視により判定されたエプロン舗装等の劣化度の関係等についてとりまとめた.また,これらの分析を踏まえて,係留施設に発生する空洞化に対して今後対応すべき事項等について考察した.
著者
松坂 貫太郎 緒方 浩顕 山本 真寛 伊藤 英利 竹島 亜希子 加藤 雅典 坂下 暁子
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.389-396, 2019 (Released:2019-11-08)
参考文献数
16

血液透析患者では,摂取不足,腎での生合成の減少や透析療法による除去などのためにカルニチンが極めて高頻度で欠乏すると報告されており,カルニチン欠乏がさまざまな腎不全合併症(エリスロポエチン抵抗性貧血,低左心機能や筋痙攣等)に関与することが想定されている.本研究ではカルニチン代謝障害の実態を検討するため,カルニチン静脈投与の有効性を検証する前向き観察研究(「透析患者の合併症に対するL-カルニチン静注製剤の有効性の検討」)に登録された昭和大学横浜市北部病院およびその関連施設の外来血液透析患者501名に対して,血中カルニチン分画を測定し,その関連因子を横断的に検討した.主要評価項目として遊離カルニチン(Free)濃度とアシルカルニチン濃度/Free濃度(A/F比)を解析した.Free濃度を3群間(充足群(36≦Free≦74µmol/l),不足群(20≦Free<36µmol/l),欠乏群(Free<20µmol/l))に分類したところ,充足群は全体のわずか8.4%であり,A/F比も>0.4が98.8%と,ほとんどの患者がカルニチン代謝障害を合併していた.Free濃度とA/F比それぞれに関連する因子を多変量解析で検討したところ,カルニチン代謝障害と血清尿素窒素濃度(SUN),透析歴,性別,アルブミン,リンや標準化タンパク異化率(nPCR)との間に有意な関連がみられた.一方,血液透析療法の差異(血液透析と血液ろ過透析)は,カルニチン代謝障害に関連していなかった.興味深いことに,ともに栄養状態,タンパク摂取状況の指標とされるSUNとnPCRがFree濃度との関連では全く反対の関連性を示したことである.透析患者におけるカルニチン代謝障害の病態生理について更なる検討が望まれる.
著者
梅森 直之 坪井 善明 田中 ひかる 土屋 礼子 小林 聡明 鈴木 恵美 鶴見 太郎 加藤 哲郎 李 成市 野口 真広 毛里 和子 山田 満 若林 正丈 篠田 徹 齋藤 純一 浅野 豊美 安井 清峰 最上 敏樹 土佐 弘之 山崎 眞次 八尾 祥平
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

東アジア諸国間の対話と交流は、歴史に由来する論争により妨げられており、そのため東アジアの歴史和解の試みは「失敗」であると総括されることが多い。しかしながら、東アジアにおける歴史認識には、単に戦争責任だけでなく植民地責任をめぐる問題が主題化されており、世界的に重要な先駆的実践として評価されるべきものがある。東アジアの各地域は、民主化と経済発展を、異なる時期に異なるプロセスとして経験し、そのため現在の歴史に関する国民感情にも、大きなズレが生じている。東アジア諸国がこのズレを認識し、既存の国際法体系の批判的に検討しつつ歴史共同研究を推進することで、東アジアの歴史和解を推進することが可能となる。
著者
谷口 航基 來村 徳信 加藤 真一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-057, pp.03, 2022-08-05 (Released:2022-08-10)

本研究の目的は,無機材料の特性値に焦点を当て,技術者にとって必要な特許文書を検索するために,材料の組成や製造工程に関してのオントロジーを構築することである.物質やその性質は文脈によって呼ばれ方が変わってしまうという問題に着目し,対象の概念が,どのような文脈でどう表現されるかを結び付けて記述することで,文中に現れる用語を適切に認識させ,検索の効率の向上に貢献することを目指す.
著者
加藤 大輔
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.72, no.7, pp.374-382, 2016-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
29

グラスウールなどの多孔質材料内伝搬音において,粘性と熱伝導による減衰の存在は,古くから知られている。しかし,これら各々の減衰が,具体的にどのような機能を果たすのか,明確にされていない。これらが解明されれば,多孔質材料内伝搬音の,数ある予測モデルの取捨選択,あるいは,より優れた予測モデルの構築につながると考えられる。そこで,本稿では,粘性と熱伝導による減衰の理論的背景を整理し,幾つかの予測モデルを取り上げ,各々の減衰について調査する。
著者
井出 政芳 山本 玲子 宇野 智江 鈴木 祥子 伊藤 優子 早川 富博 加藤 憲 天野 寛 宮治 眞
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.726-744, 2014 (Released:2014-03-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

過疎の進行する中山間地に住まう高齢者の<この場所>に係わる愛着を評価するために, 質問票による調査を行なった。質問票は, 高齢者の主観的幸福感測定のために汎用される古谷野による生活満足度尺度K (9項目)と, 今回独自に作成したトポフィリア (場所愛) に係わる質問項目 (6項目) の計15項目から成る。僻地巡回検診において, 調査主旨を説明し了解を得た有効回答者120名 (平均年齢: 74.5±9.5歳) の回答について因子分析を行ない以下の結果を得た。 ①居住地別愛着度得点には有意差を認めなかったが, 居住地別生活満足度得点には有意差を認めた (p<0.001; ANOVA)。一方, 年齢と生活満足度との間には有意な相関を認めなかったが, 年齢と愛着度得点との間には有意な正の相関を認めた (r=0.234, p<0.01)。生活満足度, すなわち主観的幸福感は年齢によらず居住地の影響を受けるが,逆に場所への愛着度は居住地によらず年齢の影響を受けることが示唆された。 ②トポフィリアに係わる質問6項目の因子分析により, 2因子が抽出された。一つの因子は<この場所>から離れたくないパブリックな感情を, もう一つの因子は<この場所>が好きとは言えないプライベートな感情を意味している, と解釈できた。 ③ (a) 生活満足度尺度, (b) トポフィリア, および (c) 「<この場所>を離れて仕事をしたいと思ったことがあるかどうか」の質問の三つ組を指標として, 居住地別に対象者の心情を評価すると, 主観的幸福感 (a) も, <この場所>に対する愛着度 (b, c) も, ともに低い地域が同定された。これらの地域は, 通院困難性の甚大な地域内に存在し, 通院介助・在宅介護・施設入所など高齢者の医療福祉に係わる対応において, 心情面についての配慮が特に必要であると考えられた。
著者
西野 貴裕 加藤 みか 宮沢 佳隆 東條 俊樹 市原 真紀子 浅川 大地 松村 千里 羽賀 雄紀 吉識 亮介 長谷川 瞳 宮脇 崇 高橋 浩司 片宗 千春 下間 志正
出版者
一般社団法人 日本環境化学会
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.37-56, 2020 (Released:2020-02-19)
参考文献数
56
被引用文献数
1 2

Quantitative analysis of pharmaceuticals and personal care products (PPCPs) in three environmental medias (air, water, and sediment) were carried out via a network of regional environmental research institutes in five large cities (Tokyo, Nagoya, Hyogo, Osaka, and Fukuoka) in Japan. The study took place from FY2016 to FY2018 as a part of a risk assessment for aquatic organisms. Analysis data of water samples from the five cities were carried out at the Tokyo Metropolitan Research Institute for Environmental Protection. The risk assessment for aquatic organisms was carried out by comparing the sample data with the predicted no-effect concentrations (PNECs) gathered from various sources. Concentration levels of five chemicals (clarithromycin, erythromycin, diclofenac, carbamazepine, and triclosan) exceeded the PNECs in several water samples. Concentrations of antibiotics, such as clarithromycin, and antihistamines, such as fexofenadine, tended to be higher during January to February than during June to August. In contrast, concentrations of insect repellents such as N, N-diethyl-m-toluamide (DEET) tended to be higher during June to August than during January to February. The discharge sources of these chemicals would be effluents from plants, such as sewage treatment plants, that were not completely treated. Estimated PPCPs loads accumulated by inflow data of Tamagawa river were compared with measured load value in this study. For some of these chemicals, such as fexofenadine and diclofenac, estimated loads did not coincide with measured loads at sampling points along the Tamagawa River. These differences were thought to occur as the consumption of fexofenadine increased rapidly during the research period, and diclofenac photodegraded while flowing down the river.

1 0 0 0 日本花街志

著者
加藤藤吉 著
出版者
四季社
巻号頁・発行日
vol.第1巻 (情怨百年史 紋章の研究), 1956
著者
加藤 皓健 野村 健太 竹村 裕 曽我 公平 横田 秀夫 伊藤 雅昭 後藤 直人 西澤 祐吏
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2016 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp.1A1-02a3, 2016 (Released:2017-06-19)

This paper presents a needle shooting device at high-speed for the puncture treatment. Problems of the puncture treatment are a curving of needles and a moving of organs because doctors puncture a needle at low speed. We assumed that puncturing a needle at high-speed can solve these problems. The needle with thread is used for inserting treatment instruments into the body. Coil-gun and Railgun were used for the small needle acceleration. We measured relations between the voltage and the velocity on Coil-gun and Railgun. In the case of Coil-gun, the velocity do not monotonous increases as the value of voltage increases. In the case of Railgun, the velocity monotonous increase as the value of voltage increases. The experimental results show that a needle with thread can be accelerated by Coil-gun and Railgun.

1 0 0 0 将棋新戦法

著者
加藤治郎 著
出版者
日本経済新聞社
巻号頁・発行日
vol.第2集, 1956
著者
加藤 昭七郎
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3-4, pp.123-140, 1957-12-25 (Released:2010-03-11)
参考文献数
10

Assuming the fluid motion of vT1°-type (expression (3.1) in §3), we have studied here the time characteristics of self-exciting fluid dynamos. As a result of theoretical calculations, it has been found that three magnetic fields expressed by three surface spherical harmonics Ymn-1, Ymn and Ymn+1((n, m)-harmonics in §3) can coexist independently of other magnetic fields. These three magnetic fields oscillate concurrently in intensity quasi-periodically with time, the frequency being proportional to order m, fluid velocity and depth of the fluid layer. The westward drift of the earth's magnetic field and also the reversal of the magnetic field of the sun may be well explained by the above results. The periodical dynamo presented here may also be appropriate as a model for magnetic variable stars.