著者
林 祐介 吉原 聡 吉田 久雄 見川 彩子 林 明人 藤原 俊之
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.417-422, 2019 (Released:2019-12-20)
参考文献数
28

【目的】人工膝関節置換術(以下,TKA)術後患者における術後早期膝関節可動域が自立歩行獲得期間および在院日数に及ぼす影響を検討した。【方法】TKA 術後患者78 例を対象とした。年齢とBody Mass Index,術後4 日時点の膝関節可動域(自動・他動屈曲,自動・他動伸展),運動時痛と歩行時痛(Visual analogue scale),炎症所見(血清C 反応性蛋白)と術後7 日時点の膝関節伸展筋力(ハンドヘルドダイナモメーター)を評価し,在院日数および自立歩行獲得期間に与える影響を重回帰分析(ステップワイズ法)にて検討した。【結果】重回帰分析の結果,在院日数および自立歩行獲得期間に有意に影響する因子は,それぞれ自動膝屈曲可動域と年齢,および自動膝屈曲可動域と自動膝伸展可動域が抽出された。【結論】TKA 術後患者において,術後早期の自動膝関節可動域の拡大は,自立歩行獲得期間および在院日数の短縮に影響を与える可能性がある。
著者
橘 由里香 栗原 俊之 伊坂 忠夫
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.218_1, 2017

<p> フィギュアスケートシングル競技はSP(ショート)・FS(フリー)計2回の演技をし、各々の演技で技術点、演技構成点、減点を加算して評価される。技術点は、選手が実行した各規程要素に対する基礎点とGOE(出来栄えに対する評価)から算出される。一方、演技構成点は、①スケーティングスキル②トランジション③パフォーマンス④コンポジション⑤音楽の解釈の5要素に一定係数を掛けて評価される。近年、シングル競技、特に男子シングルでは、本来、技術点で評価されるべきジャンプの成否が演技構成点にも強く影響を及ぼし、「二重の加点/減点要素」になっているという指摘がある。本研究では、2016–17年シーズンで国際大会にて競技を行った男子シングル選手について、各々が出場した国際A級試合とチャンピオンシップ試合にて公開されたジャッジスコアを元に、ジャンプ(SP:3本、FS:8本)の成否・GOEと演技構成点の5要素のそれぞれの相関を検証した。成績上位の選手と下位の選手では相関が異なり、上位の選手でも演技構成点がジャンプの成否に影響されやすい選手と影響されにくい選手が存在した。</p>
著者
栗原 俊之 伊坂 忠夫 岡本 直輝
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.221_1, 2017

<p> 全米プロバスケットボール協会(NBA)や日本プロバスケットボールリーグ(Bリーグ)は、各試合の内容を記録した統計値(STATS)を公開している。本研究は試合結果に関係するSTATS項目が日米のプロリーグで異なるかを検討することを目的とし、2016–17年シーズン全試合(NBA 1230試合、B1 540試合)のSTATSを使って統計解析を行った。一般的なSTATS項目(前後半得点、シュート、フリースローの試投数・成功数・成功率、リバウンド、アシスト、ターンオーバー、ファウル、スティール、ブロック)に加え、攻撃回数、攻撃効率、防御効率および両チーム間の各項目の差を独立変数とし、得失点差を従属変数とした重回帰分析、勝敗を基準変数とした判別分析を行った。結果、重回帰分析では日米ともに攻撃効率、防御効率、シュート成功率、フリースロー成功数の差が選択され、NBAでは3点シュート成功数の差、Bリーグではファウル数の差が選択された。判別分析ではほとんどすべての項目が関与したがNBAでは3点シュートに関する項目が、Bリーグではリバウンドに関する項目が勝敗に大きく関係していた。</p>
著者
村岡 康博 木原 俊之 安河内 春彦 陶山 三千也 高野 裕光 今村 裕行 志波 直人 田川 善彦
出版者
Japanese Society for Mastication Science and Health Promotion
雑誌
日本咀嚼学会雑誌 (ISSN:09178090)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.37-45, 2001-11-30 (Released:2010-07-21)
参考文献数
44

本研究は, 柔道の競技力に繋がる平衡機能に, 咬合状態がどの様に関与しているかを知るための基礎的資料を得ることを目的とし, 日本代表柔道選手を対象に, 重心動揺と咬合状態との関連性について検討した.1. 咬合状態咬合面積, 咬合力及び咬合バランスの値には, 個人差が大きかった.2. 咬合状態と重心動揺との相関1) 咬合面積と重心動揺主観的に強い噛み合わせでは, 総軌跡長, 単位軌跡長に相関が見られ, 安静状態での噛み合わせでは, 外周面積, 矩形面積及び実効値面積に相関が見られた.2) 咬合力・咬合バランスと重心動揺噛み合わせに関係なく外周面積, 矩形面積及び実効値面積に相関が見られた.3. 噛み合わせ条件の違いによる重心動揺の差の検定総軌跡長と外周面積では, 統計的に有意な差を示した.以上の結果により, 咬合状態と重心動揺には密接な関係が有ることが示唆された. また, 主観的に強いクレンチングは, 重心動揺の成績を向上させることが示された.
著者
祐伯 敦史 浜岡 隆文 栗原 俊之 藤田 聡 黒澤 裕子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

3カ年にわたる本研究プロジェクト実施により、以下の点が明らかとなった。(1)若年者と比較し、高齢者では、短期記憶および長期記憶は低値を示した(p<0.05, p<0.01)。(2)80歳代高齢者(被験者3名)の左脳・帯状回前部のクレアチン濃度は、若年者と比較し、9.6%低値を示した。(3)年齢と脳萎縮指数の間には、有意な相関関係が認められた(r=-0.89)
著者
川上 泰雄 宮本 直和 栗原 俊之 若原 卓 岩沼 聡一朗 佐久間 淳 平山 邦明 鈴木 克彦 神田 和江
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、2つの動作速度でカーフレイズ運動を行い、筋疲労の程度と遅発性筋肉痛(DOMS)および筋損傷マーカーの量の変化、筋の機能変化の関係ついて、運動前後および運動後7日間にわたって調査した。その結果、(1)筋疲労の程度は動作速度によって異なり、速い動作ほど疲労が少ないこと、(2)筋疲労の程度と遅発性筋肉痛・筋損傷マーカーの量が関係し、これには筋特異性が存在するが、筋疲労の程度によらず筋の機能は速やかに回復すること、(3)運動中の筋線維動態はこれらの変化と連動して変化する可能性があることが示された。