著者
河村 悠美子 栗原 裕基
出版者
JAPANESE SOCIETY OF OVA RESEARCH
雑誌
Journal of Mammalian Ova Research (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.161-169, 2012 (Released:2012-11-03)
参考文献数
50

初期胚発生は正常な代謝調節のもとに成立している.着床前胚では受精から胚盤胞に至る短期間にダイナミックに代謝経路が変化するが,その攪乱は胚発生の異常のみならず,生後の生理状態や病態形成にも影響を及ぼすことが指摘されている.ミトコンドリアは酸化的リン酸化反応による主要なエネルギー産生源として機能しているが,一方で活性酸素種を副産物として産出するため,酸化ストレスの産生源ともなりうることから,その機能調節は初期胚発生にとって非常に重要である.近年,ミトコンドリアに局在するタンパク質の多くがアセチル化修飾による制御を受けていることが明らかになってきた.本稿では,ミトコンドリアタンパク質の脱アセチル化酵素であるSirt3の機能に注目し,初期胚発生期における脱アセチル化酵素を介したミトコンドリア機能調節に関して紹介する.
著者
北原 裕全
出版者
密教研究会
雑誌
密教文化 (ISSN:02869837)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.199-200, pp.93-105, 1998-03-31 (Released:2010-03-12)
著者
関矢 信康 林 克美 檜山 幸孝 並木 隆雄 笠原 裕司 地野 充時 大野 賢二 喜多 敏明 平崎 能郎 寺澤 捷年
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.723-728, 2007-07-20 (Released:2008-09-12)
参考文献数
11
被引用文献数
1

漢方治療が奏効した蕁麻疹の4症例を経験した。内容はコリン性蕁麻疹2例, 慢性特発性蕁麻疹1例, 寒冷蕁麻疹1例であった。悪化要因として, 第1例は義父の介護と子宮摘出術のストレス, 第2例は家庭内の問題での精神的ストレス, 第3例はパニック障害樣のエピソード, 第4例は家族に対する心配・不安を指摘できた。皮膚症状を改善する上での有効方剤は, それぞれ桂枝茯苓丸, 半夏厚朴湯, 抑肝散加陳皮半夏, 加味逍遙散であった。これらの処方の選択を行う際に, 皮膚症状に関与する心理的背景を聞きだし得たことが大いに役立った。心理的背景について繰り返し丁寧に問診を行うことは, 蕁麻疹難治例の治療において有用であると考えられた。
著者
千原 裕香 西村 真実子 成田 みぎわ 金谷 雅代 寺井 孝弘 伊達岡 五月 本部 由梨
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.211-220, 2019 (Released:2019-12-14)
参考文献数
15

目的:青年期前期における親世代になることに対する意識尺度を作成し,信頼性と妥当性を検討する.方法:予備調査により48項目の尺度原案を作成した.A県内の高校生786名を対象に質問紙調査を実施し,内的整合性と構成概念妥当性を検討した.結果:回収数762名,有効回答数703名であった.因子分析及び信頼性の検討の結果,【子どもとの関わりに対する意識】【親子関係に対する意識】【親になることに対する意識】【夫婦や社会で子育てすることに対する意識】【子どもや子育てに対する関心・感情】【子育てに対する不安】の6下位尺度33項目で構成された.既知集団妥当性と確証的因子分析により,一定の構成概念妥当性が確保された.各下位尺度のCronbach’s α係数は0.76から0.94で概ね良好な値が得られた.結論:作成した親世代になることに対する意識尺度の信頼性と妥当性は概ね確保できた.
著者
岡本 善敬 山本 哲 梅原 裕樹 石橋 清成 沼田 憲治
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0882, 2015 (Released:2015-04-30)

【目的】脳卒中後の後遺症の一つに運動麻痺があり,その多くが錐体路損傷による痙性麻痺を呈する。錐体路の損傷では四肢遠位部の手指や足部の分離した運動がより重度に障害されることが多いが,今回遠位部と比較し近位部の機能障害が重度であった症例を経験し,その病態メカニズムについてMRI画像を元に考察したため報告する。【症例提示】70歳代,女性。めまいを自覚し近医受診され左橋梗塞の診断を受け同日入院。保存的加療にて第25病日にリハビリテーション目的に転院となった。第31病日のMRI画像では,T2強調画像にて左橋背側部からやや腹側方向へ広がる高信号変化を認めた。身体機能面では,意識状態はJCS1桁であったが会話および従命可能。明らかな疼痛や感覚低下はなし。企図振戦,眼振など小脳失調症状は認められなかった。右上下肢で軽度腱反射亢進。Brunnstrom stageは右上肢V,右手指V,右下肢V。筋力はMedical Research Council scaleにて右上下肢は肩関節外転3,肘関節屈曲4-,手指伸展4,手指屈曲4,股関節屈曲3,右膝関節伸展4-,右足関節背屈4+と近位筋優位に筋力低下を認めた。左上下肢は4~5。Berg Balance Scaleは30/56点であり立位での検査項目で減点がみられた。起居動作は自立,立位保持はふらつきあり上肢の支持を要した。歩行では膝折れがみられ歩行器の使用が必要かつ介助を要した。箸の使用,ボタン閉めはともに可能であった。【経過と考察】退院時においても近位筋優位の筋力低下は残存し移動には歩行器の使用が必要であった。姿勢の保持に関与する近位筋の運動制御には橋背内側部を通る皮質網様帯路および網様帯脊髄路や外側前庭脊髄路など内側運動制御系が関与する。本症例の臨床所見は近位筋優位に筋力低下を認め立位姿勢維持に障害をきたしていた。画像所見では,巧緻性動作に関与する錐体路が通る腹側部より背側に病巣が認められることから内側運動制御系の損傷による影響が示唆された。
著者
篠原 裕之 石黒 達治 中村 遵介 山崎 俊彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3N4J1002, 2019 (Released:2019-06-01)

企業において商品を上市する際には、パッケージデザインに関する好意度調査を行い、良好な結果が得られたデザインを採用する事が多い。しかし、十分な消費者パネルを集めた調査には多額の費用が必要である、一度の調査にかけられるパッケージデザインの数に上限があるという課題がある。そこで、未調査のパッケージデザインを好意度調査に供した結果を畳み込みニューラルネットワークを用いて予測する事、その際にパッケージデザインの中で好意度に対して好影響を及ぼすと予測される要素と悪影響を及ぼすと予測される要素をClass Activation Mappingを用いて可視化する事、を目的に研究を行った。その結果、パッケージデザインのプレスクリーニングテストや調査においてデザイン上重要であると予測される要素をデザイナーにフィードバックすることが可能になった。
著者
関矢 信康 笠原 裕司 地野 充時 並木 隆雄 平崎 能郎 来村 昌紀 小川 恵子 橋本 すみれ 奥見 裕邦 木俣 有美子 島田 博文 寺澤 捷年
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.465-469, 2009 (Released:2010-01-13)
参考文献数
18
被引用文献数
1

桂枝加苓朮附湯は『方機』を出典とし,神経痛や関節痛を目標に使用されてきた。今回,我々はクローン病,子宮内膜症,直腸癌術後,急性胃腸炎,メニエル病に対して本方を投与し,奏効した諸例を経験した。本方を処方する際には『皇漢医学』に記載されているように桂枝加芍薬湯と真武湯あるいは苓桂朮甘湯の方意を持つことを念頭に置くことが重要であり,様々な疾患に対して応用が可能であると考えられた。
著者
大野 賢二 関矢 信康 並木 隆雄 笠原 裕司 地野 充時 平崎 能郎 寺澤 捷年
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.29-33, 2011 (Released:2011-07-08)
参考文献数
25
被引用文献数
1

千葉大学医学部附属病院和漢診療科の入院患者が入退院時に内服していた薬剤およびその薬剤費を調査した。対象は2006年9月から2008年10月の間に入院した患者のうち,治療目的以外の入院や急性疾患を除外した35名とした。疾患内訳は多岐に渡っていたが,転帰が死亡,悪化した症例は認められなかった。西洋薬の薬剤数は入院前後で平均3.7剤から2.7剤へと減少し,その薬剤費は1日当たり302.1円より227.6円へ平均74.5円推計学的に有意に減少した。一方,漢方薬の薬剤費も入院前後で減少した。また,総薬剤費は入院前後で1日当たり平均437.8円から348.0円へと有意に減少し,約20%節減できた。以上の結果より,種々の疾患に漢方薬を適正使用することで,患者の病状が改善すると同時に薬剤費および医療費節減という医療経済的有用性がもたらされる可能性が示された。
著者
篠原 裕之 石黒 達治 中村 遵介 山崎 俊彦
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

企業において商品を上市する際には、パッケージデザインに関する好意度調査を行い、良好な結果が得られたデザインを採用する事が多い。しかし、十分な消費者パネルを集めた調査には多額の費用が必要である、一度の調査にかけられるパッケージデザインの数に上限があるという課題がある。そこで、未調査のパッケージデザインを好意度調査に供した結果を畳み込みニューラルネットワークを用いて予測する事、その際にパッケージデザインの中で好意度に対して好影響を及ぼすと予測される要素と悪影響を及ぼすと予測される要素をClass Activation Mappingを用いて可視化する事、を目的に研究を行った。その結果、パッケージデザインのプレスクリーニングテストや調査においてデザイン上重要であると予測される要素をデザイナーにフィードバックすることが可能になった。
著者
藤井 瞬 井ノ原 裕紀子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1619, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】交通事故による右小指切断再接合後の指尖壊死となった本症例が壊死部再切断を通知された後,理学療法士かつ保存療法を望む患者として提案した内容が医師の治療方針に影響を与えた経験を報告する。【症例提示】29歳男性。診断名:右小指切断中型バイク直進運転中,反対車線から右折してきた自動車と衝突し,前方へ体を投げ出した。衝突の際,バイク右ブレーキレバーの変形に伴い,小指を巻き込み引き抜き損傷のように遠位指節間関節(以下DIP関節とする)より離断した。2014年8月X日,同日マイクロサージェリー実施。尺側固有掌側指動脈のみ切断指と縫合し,橈側固有掌側指動脈,周辺静脈,内外側側副靭帯,深指屈筋,指伸筋は縫合出来ず未実施。K-wireにて末節骨と中節骨を固定。同日からX+3日まで上腕までシーネ固定。その後,近位指節間関節(以下PIP関節とする)伸展位のまま中節指節関節(以下MP関節とする)までのアルフェンスシーネ固定へ変更。X+49日より就寝時以外は皮膚保護剤のみに変更。【経過・方法】経過:手術日より5日間はプロスタンディンと生理食塩水を6時間毎交互に静注し,同時にワーファリンを1日3回内服。X+8日で退院。その後,週一回の外来通院を実施。現状では再接合部は壊死しているが感染症状はない。方法:湿潤療法および週3回40分以上の経皮的電気刺激療法を患部に直接実施。外来での週1回の消毒と管理(退院後から継続)。健康状態管理として週3回以上の15,000歩,ビタミンC摂取を注意して実施する。関節可動域練習:X+30日後よりPIP関節最終可動域で30秒持続を可能な限り実施。統計処理はMicrosoft Excel 2014を使用し,優位水準を5%未満とした。【結果】(初期)→(X+60日)※初期評価は疼痛評価と切断指状況のみ。疼痛検査:Numerical Rating Scale(以下NRSとする)断端先端部:安静時(4)→(1)。運動時(PIP屈曲時)(4)→(4)。PIP関節:安静時(0)→(0)。運動時(屈曲endfeel時)(8)→(7)。遠位切断指:(暗紫色,指型は残存)→(黒色,軟部組織が萎縮し指型から尖端に変化)近位切断指:(暗紫色,炎症所見著明)→(鮮赤色~赤色,炎症所見軽度)Arc Of Motion(AOM)(右小指):MP屈曲120°伸展-5°,IP屈曲100°(pain+)伸展0°。握力(kg)5回平均:右21.28±2.672,左:32.08±2.487。ピンチ力(*10.0kgf)10回平均:(右手)母-示:3.52±0.51,母-中:2.78±0.57,母-環:1.82±0.139。(左手)母-示:3.79±0.42,母-中:3.44±0.63,母-環:2.72±0.13。ピンチ力検定(t検定)左右:母-示:p<0.05,母-中:p<0.01,母-環:p<0.01。ADL制限:自動券売機のおつりが取りにくい,おつりを落とす。血液データ(事故後4時間値→X+7値)CRP:0.1→0.1,WBC:11270→6800。【考察】本症例の切断指は重度挫滅であり,再接合する確率は5割程度手術直後に医師から通知されている。マイクロサージェリーでは尺側固有掌側動脈のみの接合であり,深指屈筋,指伸筋,内側外側側副靭帯,周辺静脈の縫合は実施していない。切断指の状態は悪く退院時には既に壊死状態であり,断端形成のための再手術を考えておくようにと医師より打診があった。本症例は可能な限りの指延長を望んだことから,自ら情報を集め医師の指示に追加して断端面に対する電気刺激療法を提案し,その治療効果に関して医師に説明後,了承を得た事から治療を開始することになった。しかし,感染症等が発覚した場合は早急に手術をするとの条件もあり,身体面のリスク管理が必要と考えた。そこで,免疫力を高めるため,また末消循環を促すために軽度の身体活動として15,000歩を全身運動として取り入れた。その結果,X+61日のX-Pより骨髄炎の問題はなく,肉芽が末節骨中間まで発生している状況であるため,現在は再手術の緊急性はなく,指尖が自然脱落する治療方針に変化し,治療を継続することとなっている。しかし,感染症などの身体症状が生じた場合は緊急で手術をする状況は変化していない。今回の経験に関して,発症時期から早期であったこと,症例の年齢,職業から考えた事から可能な限りの指の延長を望んだ患者としての意見と,理学療法士としての意見を元に医師と治療方針を相談出来た事で希望に合った治療が可能になり,心身共に良好な状態が維持出来ていると考えられる。本人のQOLとって,望まない状況からの脱却はなされ,良好な結果で生じているのは事実である。【理学療法学研究としての意義】保存治療を望む本症例が医師の治療方針に対して,理学療法士かつ患者として治療方針の意思決定に関与出来た事例である。
著者
庄山 茂子 川口 順子 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.200, 2008

<B>目的</B> 色彩嗜好は、年齢、性、民族、地域、時代などにより差がみられ、色彩の感情には、個人の生活体験に由来する色彩感情、文化的色彩感情、普遍的色彩感情の3タイプがあるといわれている。今日、国際化、情報化が進む中、日本に住むアメリカ人女性と日本人女性の色彩嗜好にどのような違いがみられるか明らかにすることを目的とした。<BR><B>方法</B> (1)調査概要 1)試料:75色カラーチャート(10色相+7ト-ン、有彩色70、無彩色5、日本色研) 2)場所:長崎県、高知県 3)対象者:日本人女子学生25名(平均年齢22.0歳 SD±0.58歳)、日本在住のアメリカ人女性25名(平均年齢23.2歳 SD±1.63歳) 4)調査方法:面接法による質問紙調査 5)調査時期:2005年、2007年8月~9月、(2)調査内容:嗜好色、嫌悪色上位3位、1位の色についてSD法による5段階尺度でイメージ評価 (3)分析方法:単純集計、χ<sup>2</sup>検定、t検定、因子分析、一元配置分散分析。<BR><B>結果</B> 嗜好色では色相、トーンに、嫌悪色では色相に2グループの人数の偏りに有意傾向がみられた。嗜好色の色相では、Red Purpleに差がみられ、日本人は Red Purpleを最も好んだ。この背景には、流行色の影響が推察された。Blueは、2グループに好まれた。嗜好色のトーンでは、日本人はlightをアメリカ人はvividトーンを最も好んだ。嫌悪色の色相では、日本人は、Red Purple、Orange、Redをアメリカ人は Yellow, Yellow Greenを嫌った。嫌悪色のトーンでは、両グループともlight grayishトーンを嫌った。日本人はやわらかく、理知的、あっさりしたイメージの色を好んだのに対し、アメリカ人は強く、動的なイメージの色を好んだ。嗜好色では色相よりトーンにグループ間の違いがみられた。
著者
栗原 裕
雑誌
Otsuma review
巻号頁・発行日
vol.39, pp.15-28, 2006-07
著者
庄山 茂子 大谷 紗友理 窪田 惠子 青木 久恵 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.339-348, 2017-04-25 (Released:2017-04-27)
参考文献数
28

大学病院に勤務する看護師20 名を対象に,通常のユニフォーム,各自好きなユニフォーム,病棟内の話し合いで決定したユニフォームを着用した場合の3 条件で職務を遂行してもらい,ユニフォームの採用条件の違いが看護師の心理やチーム医療にもたらす効果を比較した. (1)病棟内の話し合いにより決定したユニフォームを着用した場合の看護師の仕事に対するやりがい感は,通常のユニフォームを着用した場合より有意に高かった.患者や同僚への声かけ,ストレス,緊張感については,ユニフォームの採用条件の違いによる差はみられなかった. (2)チーム医療に関する評価では,ユニフォームの採用条件の違いによる差はみられなかった.しかし,病棟内の話し合いにより決定したユニフォームを着用した場合においてのみ,「目標達成と向上心」が高い看護師は,患者や同僚への声かけが多く,やりがい感が高かった.「職務協働性」が高い看護師は,同僚への声かけが多かった.
著者
庄山 茂子 青木 久恵 窪田 惠子 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.172-179, 2013-02-20 (Released:2017-05-30)
参考文献数
15

異なる6スタイルの看護服を看護師,歯科衛生士に着用してもらい,患者と看護師ならびに歯科衛生士(病院群)を対象に各スタイルの印象を調査し,スタイル間の印象の違いを明らかにした.(1)6スタイルの中で,「花柄のチュニックと白のパンツスタイル」は,患者群と病院群ともに看護 服として好ましい割合が高く,「ダークレッドパープルのスクラブと白のパンツスタイル」は,両群ともに好ましくない割合が高かった.特に,病気や治療に不安のある患者ほど「好ましくない」と回答した. (2)6サンプルの印象について因子分析の結果,患者群では,「思いやり,信頼・責任,積極性,活動性」の4因子,病院群では,「思いやり,信頼・責任,活動性,洗練」の4因子が得られた. 「思いやり」は花柄のチュニックや花柄のスクラブの因子得点が高く,「信頼・責任」は白のワンピースや白のチュニックに白のパンツスタイルの得点が高かった. 看護服のスタイルや色により,印象評価が異なることから,今後看護服の採用にあたっては十分な配慮が求められる.
著者
松本 美涼 藤原 裕弥 尾形 明子
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.18, pp.149-158, 2019-03-31

The current study sought to investigate the relationship between the focus of attention and state anxiety during a public speaking situation involving social anxiety . In a preliminary investigation, undergraduate students responded to a questionnaire based on the Two-dimensional Social Phobic Tendency and Narcissistic Personality Scale-Short version (TENS-S). A previous study using the TENS-S suggested that social anxiety could be divided into two subtypes (high anthropophobic tendency and high narcissistic personality, or high anthropophobic tendency and low narcissistic personality). The high anthropophobic tendency and high narcissistic personality group (HH group) was predicted to exhibit increased anxiety with self-focused attention and other-focused attention. The high anthropophobic tendency and low narcissistic personality group (HL group) was predicted to exhibit increased anxiety with other-focused attention. After screening, 30 undergraduate students were divided into one of three groups based on their questionnaire scores; HH group (n = 8), HL group (n = 9), and low social anxiety group (n = 12). Participants were asked to undertake a speech task to increase state anxiety. Following the speech task, participants rated the direction of changes in attention and the level of state anxiety. The results indicated that self-focused attention and other-focused attention were facilitated in public speaking situations.