著者
海原 裕昭
出版者
大阪府立大学人間科学研究会
雑誌
人間科学論集 (ISSN:02880016)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-46, 1984-12-20
著者
小川 恵子 並木 隆雄 関矢 信康 笠原 裕司 地野 充時 来村 昌紀 橋本 すみれ 大野 賢二 寺澤 捷年
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.167-170, 2009 (Released:2009-08-05)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

我々は,腰部脊柱管狭窄症による術後残存症状が漢方治療で軽快した1例を経験した。症例は,69歳,女性。主訴は,下肢のしびれ・冷感・疼痛。67歳時に脊柱管狭窄症と診断され,69歳時に腰椎椎弓除去術および腰椎後側方固定術を受けたが,術後も症状は持続した。また,手術縫合創も完治しなかった。このため,術後26日目に,漢方治療を目的として当科に転科となった。帰耆建中湯加烏頭を投与したところ,下肢冷感は著明に改善した。さらに,縫合創も処方後7日目でほぼ治癒した。帰耆建中湯加烏頭により,脊柱管狭窄症術後の残存症状が改善したばかりでなく,創傷治癒を促進したと推察された。
著者
鬼塚 克忠 原 裕
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.621-632, 2012
被引用文献数
2

吉野ヶ里遺跡の墳丘墓(B. C. 150年頃)は主に層築で構築された我が国最古の巨大盛土構築物である.盛土の構築技術は,レベルの低いものから,堆築,層築,版築の3段階に分類できることを示し,吉野ヶ里墳丘墓の構築技術のルーツであると考えられる中国江南地方の土□墓(西周~戦国時代),と山東半島の墳墓(前漢~後漢時代)と吉野ヶ里墳丘墓の埋葬物の墳墓内の位置など様々な実態の比較,ならびに上記3段階の構築技術のこれら墳墓への適用についての検討を行った.墳丘墓以外の文化・技術のルーツや伝播も考えた結果,江南の土□墓もしくは山東半島の墳墓の構築技術が,朝鮮半島経由ではなく海を経て直接,北部九州の吉野ヶ里に伝播したことを結論とした.
著者
横山 操 矢野 健一郎 藤原 裕子 藤井 義久 川井 秀一
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.772-776, 2006 (Released:2006-08-20)
参考文献数
7

The purpose of this study was to propose a method of determining the aging of wood by measurement of cutting resistance. To clarify the effect of the aging of wood on the cutting resistances, it is necessary to focus on the way the restorators judges the age of wood material by taking into consideration the cutting process and the way of using the chisels (nomi).In this paper, aging is defined as “slow oxidation caused by oxygen in the air”. Base on the temperature-time conversion law, an accelerated aging test was performed by heat treatment at 180°C for 0, 120, 300, 600, 720, 2160, 3600, 5040, 7200minutes respectively to obtain different levels of accelerated aging wood samples.When restorators of Buddhist sculptures restorate ancient statues, they face various qualities of timber, according to the tree species and the age of the material used for the statue. They make decisions by visual inspection. Thus the experience and judgement of the Japanese restorators is one of the key conditions to measure the cutting resistance and types of chip formation.The orthogonal cutting test of cross, radial and tangential section were made to examine the relationships cutting resistances and treatment time of the accelerated aging of wood materials. The results were summarized as follows :1) The cutting resistances fell with increasing the accelerated aging treatment time. The cutting resistances dropped sharply in the early stages up to 1000 minutes treatment, and then reduced by 80% at 7200minutes treatment.2) The types of chip formation changed from flow type to powder with increasing the accelerated aging treatment time.3) The forces in cross sectional cutting with clearance angle 5° were three times in value with clearance angle 1°. The forces in orthogonal cutting test in radial and tangential section were almost same in value at clearance angle 1° and 5°.
著者
藤原 裕
出版者
立正大学
雑誌
立正大学人文科学研究所年報 (ISSN:03899535)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.19-40, 1997-03-20

この世を表現することが現実よりさらに重要であると,バルザックに教えられ,そうした認識に至る時間をうまく獲得できたプルーストは,稀にみる記憶力と感性の持ち主であった。自ら記憶を正確に呼び起こしたり,自分の思い出が立ち現れる奇跡をひたすら待ってついに実現したのである。その上かれは一度に多くのことを考える能力を持っており,かれの美意識のあらゆる傾向は,文学の創造に関わる芸術のさまざまな形を設定することにあった。「失われた時を求めて」の中で創造された,ベルゴット,エルスチール,ヴァントゥイュという三つの人物像のコレスポンダンスは,ワグナーの総合芸術によって説明されるにふさわしいものである。永年プルーストと音楽につき研究の旅をつづけた果実として,1967年から五十余度にわたり渡欧して,主にプルーストが愛した絵画の数々につねに接し,作品と画家の人生を踏査し,プルーストが想像したヴィジョンに近づく努力をつづけた。この論文はその一端であるが,各章のなかでは作家の絵画についての審美観がいかに劇的に生まれたかを述べる。プルーストが試みる芸術の定義は,リアリズムの概念を反駁することである。プルーストはつねに芸術家たちの作品と人生を考えていたが,これらの作品を味わいながら,その生みの苦しみを知らないことを自覚していた。かれはその師セアイユの影響で,人生の究極の真実は芸術の中にあると考え,人生を崇高なものにするのは詩人の役割であると言った。科学のたゆみない進歩に比べて,芸術の進歩についてはホメロスの時代から考えるべくもないが,芸術の諸分野のあいだには兄弟関係が存在するとみたのである。造形芸術よりもむしろ音楽について感受性が高かったプルーストは,ラスキンに導かれて絵画や建築に接近した。そしてかれの時代にあまり知られていなかったフェルメールの発見へとつながる。ラスキンの近世の画家に対する偏見や矛盾を乗り越えながら,キリスト教,建築,古都などへのラスキン的巡礼を経て獲得した,ヴェネチア及びカルパッチオの知識は,プルーストの作品におびただしい風景と表現を与えているが,残されたその草稿をみると,抹消と書き直しによって次第にまったく別の性格を帯びるに至っている。プルーストは,カルパッチオから有名なデザイナーのフォルチュニーが着想を得ているのに深い関心を寄せ,このヴェネチア派の画家の作品を細心に見つめる。また戦時中に「失われた時」の出版社を変更して,作品に対する不道徳の批判をかわしつつ,シャルリュス男爵が,カルパッチオの絵に現れる町のようにパリが軍人で彩られているのに満足していることを付言する。まことにアルベルチーヌの衣装は,カルパッチオの「聖女ウルスラ」のなかの婚約者の出発の場面や「グラードの大司教」のリアルト橋のほとりの邸の場面に見いだされるのである。オランダへの旅で始めて見たフェルメールの色彩から,プルーストはあの有名な黄色の壁面の幾重にも塗られた色の深さにあこがれる。こうしたフェルメールのアクセントは作家のいわゆる文章の手本となる。ベルゴットは死に臨んで「デルフトの風景」を見て,文学創造の神秘的な本質を把握したのであった。シャルダンについての研究を書いたプルーストは,その静物(NATURES MORTES)を生きている物体(NATURES VIVANTES)と命名し直し,それをシャルダンの最大の教訓とした。プルーストは作中人物の画家エルスチールのモデルを,ワトーの絵に現れるイタリア喜劇の俳優から得ているとはいえ,シャルダンをバルザック以前の最大の日常生活の観察者として見なしている。かれはシャルダンの教訓をエルスチールに与え,現実の物を描くのにシャルダンと同じ努力を払わせようとしたのである。しかし世間はエルスチールの上に,シャルダンの絵に好んで見られるあの時間的な遠近法を想像しようとしなかった。シャルダンは,すべての事物はこれを見つめる精神の前ではみな平等であって,誤った慣習と趣味によってとらわれた理念をわれわれに捨てさせ,光りのなかでは至るところに美があることをプルーストに確認させる。芸術家のなかには芸術が気晴らしの種と思っている者がいる。しかしルノワールの場合は必ずしもそんな底の浅いものではなく,細かい議論を拒否するものがあるが,生命の感覚的な部分に直接的にすっかり溶け込んでいる。しかしプルーストはこうした概念から逆の立場にある。かれにとって芸術は人間につきまとう人生の意義の形而上的な問いに答えるべき由々しき業なのだ。第一画家は外の写実に頼る代わりにせめて対象から着想を得て,自らの芸術的素養の限りを尽くそうとする。即ちルノワールはむしろ絵画を学ぶのに風景を見つめないで,カンヴアスを眺めていた。プルーストはクロード・モネを印象主義の精髄と見なして,モネは目前に家や野原があっても,それを青や赤の四
著者
庄山 茂子 西之園 美咲 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 68回大会(2016)
巻号頁・発行日
pp.242, 2016 (Released:2016-08-04)

目的 急速な高齢化に伴い、介護サービスを利用する高齢者が増加している。自宅での介護を望む高齢者も多いことから、介護施設では自宅にいるような雰囲気が求められる。そこで、対人関係の内容やあり方についての情報を伝達する機能をもつ介護服に着目し、要介護者にとって望ましい介護服の色彩を検討した。方法 (1)試料:ポロシャツ7種(White、lt-Red、 lt-Blue、 lt-Yellow、lt-Blue Green、d-Blue、dk-Blue)、 (2)時期:2015年6月~7月、(3)対象者:施設利用者216名(平均年齢84.1歳、SD7.6歳)、(4)方法:面接による質問紙調査、(5)内容:施設利用頻度、介護服の好ましさ、介護服のイメージ、 (6)分析方法:単純集計、一元配置分散分析、因子分析結果 「好ましい」の回答が最も多いのはlt-Blue Greenで、lt-Blueは男性に好まれ、lt-Redは女性に好まれた。同色相で明度の異なる3種(lt-Blue、d-Blue、dk-Blue )を比較すると、高明度の評価が高かった。7種に対するイメージについての因子分析の結果、「思いやり・癒し、責任感・信頼、活動性、個性、派手さ」の5因子が抽出され、平均因子得点は全ての因子において7種間に有意差がみられた。「思いやり・癒し」の得点が最も高いのはlt-Red、低いのは、d-Blue、dk-Blueの低明度のサンプルであった。「責任感・信頼」が最も高いのは、高明度の寒色系であった。
著者
伊藤 崇博 橋本 公夫 川北 かおり 小菊 愛 秦 さおり 奥杉 ひとみ 近田 恵里 佐原 裕美子 竹内 康人 片山 和明
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.75-82, 2013

子宮内に胎児と奇胎が併存する場合,多くは部分胞状奇胎であるが,正常胎児と胞状奇胎が併存する胎児共存奇胎の可能性もある.胎児共存奇胎であれば児の生存も期待できるが,生児を得ることができるのは半数以下とされる.今回われわれは,生児を得られた胎児共存奇胎の1例を経験したので報告する.症例は30歳,排卵誘発周期に妊娠成立した.経腟超音波検査にて正常絨毛と奇胎を別々に認め,初診時(妊娠9週)の血中hCG値は349,619 mIU/mlと高値であった.羊水染色体検査は46XXの正常核型であり,血中hCG値も妊娠13週以降は低下傾向にあった.早期より切迫流早産徴候を認め,陣痛抑制困難のため妊娠33週での帝王切開分娩となったが,児の予後は良好であった.奇胎娩出後,免疫組織化学的検査により正常胎児と全胞状奇胎との共存であることが確認された.血中hCG値は順調に低下しており,術後34週を経過したが続発性疾患の発症は認めていない.〔産婦の進歩65(1):75-82,2013(平成25年2月)〕
著者
髙山 耕二 原 裕 石井 大介 柳田 大輝 冨永 輝 飯盛 葵 松元 里志 片平 清美 大島 一郎 赤井 克己 中西 良孝
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学農学部農場研究報告 = Bulletin of the Experimental Farm Faculty of Agriculture, Kagoshima University (ISSN:03860132)
巻号頁・発行日
no.39, pp.7-10, 2018-03

肥育牛舎におけるイノシシ害防除法の確立に向けた基礎的知見を得ることを目的とし, 嗅覚刺激として市販のオオカミ尿(以下, 尿) を野生イノシシに提示し, その効果を調べた. 2012年12月に野生イノシシの誘引餌として市販の濃厚飼料を置いた誘引場所(6.0m2) の入口に, 1) 容器および尿のいずれも設置しない(設置前), 2) 容器のみを吊るす(空容器) および3) 容器に尿を入れて吊るす(容器+尿) の3つの処理を行った. オオカミの1日平均侵入頭数は, 設置前で70頭/日, 空容器で50頭/日および容器+尿で67頭/日となり, 処理間差はみられなかった. 空容器では, それに野生イノシシが強い警戒心を示し, 鼻先を使って探索する状況がみられた.しかしながら, 通過時間には3処理間で有意差が認められなかった. また, 容器+尿に対して, 野生イノシシが忌避する状況はみられなかった.以上より, 市販のオオカミ尿に対して, イノシシは忌避しないことが示された.
著者
林 伊吹 林 与志子 宇野 功 藤原 裕樹 高橋 宏明
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.666-672, 1997-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
10
被引用文献数
3

嚥下を観察する際, 嚥下開始の指標を決定するために, 舌骨上筋群表面筋電図を用いることが多い. これは, 被験者に非侵襲的であるため, 有用な方法とされている. しかし, 舌骨上筋群表面筋電図と実際の筋の活動とが, どのように関わつているかを確認する必要がある. 著者らは甲状舌骨筋とオトガイ舌骨筋に電極を刺入して得た筋電図と, 舌骨上筋群表面筋電図を同時記録し比較検討した.嚥下の際に, 舌骨上筋群表面筋電図波形上, 2つの波形変化を認めた. 最初におこる小さい振れと, それに続く大きい振れである. 前者をEMG1, 後者をEMG2とした. 筋電図の比較により, EMG1はオトガイ舌骨筋の活動開始点と, EMG2は甲状舌骨筋の活動開始点と強い相関を認めた.この結果より, 舌骨上筋群表面筋電図は嚥下開始の指標を決定でき, EMG1は嚥下第一期の開始を, EMG2は嚥下第二期の開始の指標を表すものと考えられた.
著者
大田原 菜々 稲子 明里 塚原 裕史 小林 一郎
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.722-736, 2020-06-15 (Released:2020-06-15)
参考文献数
26
被引用文献数
1

近年,車の自動運転の実用化に向けた活動が急速に進展している.今後,自動運転車の操作を容易に行うために,自然言語による対話的な操作を可能にすることが必要であると考えられる.そこで,本研究では,自然言語で表現される駐車指示から空間的意味内容を抽出し,その空間的意味内容と,車に備え付けられたセンサーによって認識される実世界を対応付け(グラウンディング)ることで,駐車指示内容に含まれる行動や物体などを表す言葉と,実世界上での行動や物体を結びつける手法を提案する.本研究では,駐車指示から空間意味内容を抽出する手法と,得られた空間意味内容と環境表現の対応付けを行う手法の2つを考えている.空間意味内容の抽出には,制約を組み込んだ特別な組み合わせ範疇文法(CCG)により与えられる構文木を中間情報として用いている.この際,未知語が現れた場合はCRFにより推定を行う.また,得られた構文木をリランキングすることで,精度を改善している.この構文木を,特定の変換規則によりSpatial Description Clause(SDC)と呼ばれる木構造による階層的空間意味記述に変換する.我々はKollarらにより提案されたSDCを拡張し,新たなタイプを追加している.グラウンディングを行う手法では,グラウンディンググラフと言う確率的グラフィカルモデルを生成し,グラフ全体の確率を計算することにより,それぞれの言語に対応したグラウンディングを出力している.構文解析が成功した文に対するグラウンディングの精度は全体で79.2%となった.
著者
藤原 靖幸 太子 敏則 干川 圭吾 小浜 恵一 胡 肖兵 小林 俊介 幾原 裕美 Craig Fisher 幾原 雄一 射場 英紀
出版者
日本結晶成長学会
雑誌
日本結晶成長学会誌 (ISSN:03856275)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.46-1-04, 2019 (Released:2019-04-27)
参考文献数
22

Bulk single crystals of the perovskite LixLa(1-x)/3NbO3, which is one of the materials used as the solid electrolyte in all-solid lithium-ion batteries, have been grown for the first time by the directional solidification method. The ionic conductivity measured in the growth direction of the single crystal wafer of LixLa(1-x)/3NbO3 and the anisotropy of ionic conduction in solid electrolyte were experimentally confirmed for the first time by using LixLa(1-x)/3NbO3 single crystals. Here, the results of four experiments on LixLa(1-x)/3NbO3 bulk single crystals are presented:  (1) growth of solid electrolyte LixLa(1-x)/3NbO3 bulk single crystals, (2) ionic conduction in LixLa(1-x)/3NbO3 single crystal, (3) anisotropy of ionic conduction in LixLa(1-x)/3NbO3 single crystal and (4) microstructure analysis of LixLa(1-x)/3NbO3 single crystal.
著者
松良 俊明 坂東 忠司 梶原 裕二
出版者
京都教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

「ダンゴムシ-枯葉-微生物」の3者関係に着目し、ダンゴムシが陸上生態系の中で果たしている役割を中学生が十分理解・認識できる3種類の実験を開発した。すなわち、ダンゴムシは新しい枯葉より腐食のすすんだ枯葉を好むことを確かめる実験、ダンゴムシが枯葉を摂食することで微生物による枯葉の分解が促進されることを確かめる実験、またダンゴムシが枯葉を摂食した後に残る糞や食べ残しが植物生産に正に作用することを確かめる実験である。
著者
萩原 裕子
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.184-193, 2000 (Released:2006-04-25)
参考文献数
25

人間言語には,個々の言語にみられる表面的な違いの背後に,文の骨組みを形成する階層構造が普遍的に存在する (Chomsky 1993,1995) 。本稿では「生成文法」で仮定されている階層構造に基づいて,失文法失語のデータを分析した。Hagiwara (1995) で示した「低位にある要素ほど保持され高位の要素は失われやすい」という一般化は,その後,構造の異なるさまざまな言語 (たとえば,ヘブライ語,アラビア語,オランダ語,フランス語など) で検証され,そのいずれもが仮説を支持する証拠を報告している。さらに,Hagiwara (1995) がこの現象の根拠として提案した「失文法における経済性の原理」は,その後に提案された類種の仮説よりもその適用範囲と妥当性という点で説明力が高いことを示した。最後に,言語理論に基づいたアプローチによる文法障害の評価とその治療法への応用について検討した。