著者
小武家 優子 吉田 健 吉武 毅人
出版者
第一薬科大学
雑誌
第一薬科大学研究年報 = Annual report of Daiichi University of Pharmacy (ISSN:02868016)
巻号頁・発行日
no.28, pp.9-15, 2012-03-31

The Great East Japan Earthquake occurred on March 11, 2011. At the time of the earthquake, pharmacist and pharmacy students engaged in volunteer activities such as providing disaster medicine and relief supplies to disaster areas. Questionnaire survey for pharmacy students were carried out in order to clarify awareness to volunteer activities for disaster areas and to use data as a basis of Service-Learning in the 6 years pharmacy education. We divided subjects into pharmacy students those would like to participate in volunteer activities and pharmacy students those would not like to participate in volunteer activities and compared survey item. The percentage of those who had, the necessity of volunteer activities, motivation for learning of volunteer activities, evaluation of pharmacy students’ volunteer activities, motivation for participation of volunteer activities after taking pharmacist license in the future, knowing pharmacy students’ volunteer activities in male students, among pharmacy students those would like to participate in volunteer activities was significantly higher than among pharmacy students those would not like to participate in volunteer activities. Results of this study showed that information service of pharmacy students’ volunteer activities and real experience of volunteer activities was useful for heightening motivation of participating in volunteer activities.

1 0 0 0 OA 湖畔聖話

著者
吉田悦蔵 著
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
1926
著者
吉田 国光 形田 夏実
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

<b>1.研究課題</b><br> 本研究では,石川県金沢市において「伝統野菜」として生産される15品目の「加賀野菜」を事例に,それらの作物の生産および出荷の動態を分析することで,小規模な都市近郊産地の存続に向けて農産物のブランド化が果たす経済的・非経済役割を明らかにすることを目的とする. <b><br>2.研究手順と対象地域</b><br> 研究手順としては,まず統計資料などをもとに対象地域の農業的特徴とその変遷を検討し,「加賀野菜」としてブランド化される品目の概況を示す.次に,金沢市農産物ブランド協会への聞き取り調査で得たデータをもとに,農産物のブランド化をめぐる組織体制や制度について整理する.さらに,対象地域における各品目の生産部会への聞き取り調査をもとに,15品目の生産と流通の動態を,慣行栽培と「加賀野菜」栽培との差異に着目して分析することから,各品目のブランド化が産地の存続に果たしてきた役割を明らかにする. 研究対象地域に選定した石川県金沢市は近世より城下町として発展してきた.市街地周辺部では自然条件の微細な差異に応じて様々な農業生産が展開している.気候条件として,夏期は高温で降雨が少なく,冬期には降雨・雪が多く日照時間は少ない.地形条件としては金沢市中心部の東西部を犀川と浅野川が流れ,南東部は山地となっている.中心部から周辺部へと広がる金沢平野では金沢市の水田が卓越している.海沿いには砂丘地が広がり,サツマイモやダイコン,スイカ,ブドウなどの畑作・果樹作が盛んである,2010年国勢調査によると,産業別就業者の割合は第1次産業で1.5%,第2次産業で22.0%,第3次産業で76.5%となっている.このうち農業就業者は減少傾向にある.<br><b>3.「加賀野菜」をめぐるブランド化の諸相</b><br> F1種の登場以降,「加賀野菜」を含む在来品種の生産農家は減少傾向にあった.こうしたなかで種の保存・継承の気運が高まり,1990年に金沢市地場農産物生産安定懇話会が組織され,在来品種の保存に向けた取り組みが開始された.1992年には加賀野菜保存懇話会が新たに組織され,保存対象となる在来品種を「加賀野菜」と命名した.1997年には,金沢市特産農産物の生産振興と消費拡大の推進を目的とする金沢市農産物ブランド協会が設立され,「加賀野菜」を通じた農業振興が取り組まれるようになった.「加賀野菜」は「昭和20年以前から栽培され,現在も主として金沢で栽培されている野菜」と定義され,「金時草」,「ヘタ紫なす」,「加賀太きゅうり」,「せり」,「加賀れんこん」,「さつまいも」,「たけのこ」,「源助だいこん」,「打木赤皮甘栗かぼちゃ」,「金沢一本太ねぎ」,「加賀つるまめ」,「二塚からしな」,「くわい」,「赤ずいき」,「金沢春菊」の15品目が認定されている. これら15品目の生産・流通の動態を分析した結果,15品目は3つに類型化できた.まず1つ目として,「さつまいも」,「れんこん」,「加賀太きゅうり」,「源助だいこん」では生産量が多く,県外流通の割合も高かったことから,ブランド化が生産者へ経済的メリットを与えているといえる.これらの生産者の多くは専業農家であり,これらの品目から得られる農業収入の割合も高かった.これらの品目の生産者は金沢市という小規模産地の中核的存在といえ,ブランド化が産地の存続に一定の経済的役割を果たしていると考えられる.2つ目の「ヘタ紫なす」,「加賀つるまめ」,「金沢一本太ねぎ」,「くわい」,「赤ずいき」,「金沢春菊」,「せり」,「二塚からしな」では生産量が少なく,流通も県内を中心としていた.ブランド化が生産者へ与える経済的メリットは小さいといえる.しかし,これらの品目の生産農家数は僅かとなっており,ブランド化が在来品種の保存に一定の役割を果たしていると考えられる.在来品種の保存自体に経済的メリットは見出しにくいものの,「加賀野菜」に必須の要素となる「歴史性」を担保する非経済的役割を果たしていると考えられる.3つ目の「たけのこ」,「金時草」,「打木赤皮甘栗かぼちゃ」については,先の2類型の中間的な性格を有していた.以上のことから,「加賀野菜」として統一されたブランドが構築される一方で,作物の特徴によってブランド化の意義は異なる様相を呈し,金沢市という都市近郊の小規模な農業産地の存続に様々な役割を果たしていた.
著者
吉田 道雄
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.2-8, 2005

<p>リーダーシップが組織の安全に及ぼす影響について,理論的・実証的研究の成果を中心に検討した.特に,<i>1</i>)リーダーシップを特性よりも行動として把握すること,<i>2</i>)リーダーシップがフォロワーたちの仕事に対する意欲や満足度,さらには安全意識にも影響を及ぼすこと,<i>3</i>)リーダーシップを改善・向上させるトレーニングによって,安全性が向上することに焦点を当て,分析と考察を行った.</p>
著者
石井 正則 金田 健作 関 博之 小林 直樹 八代 利伸 小林 毅 吉田 茂 栄 春海 森山 寛
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.604-613, 1994-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
4

めまいや耳鳴を主訴とした患者の中には, 症状の増悪に患者の心理的因子や環境因子が関係することがあり, その治療には心身症としての側面を考慮する必要がある。とくにメニエール病では, ストレスが発症に関与していることが多く, ときとしてその治療に難渋することもある。そこで, 心身症や神経症に対して優れた臨床効果の報告がある抗不安薬 (Ethyl Loflazepate, メイラックス ®) を使用し, メニエール病を中心にめまいや耳鳴を主訴とした疾患に対してその臨床効果を検証した。その結果, この薬剤の内服により動揺感, 悪心・嘔吐, 耳鳴の大きさなどにその改善度や有用率が高いことがわかった。しかも心理検査のCMI検査や健康調査表でも服用後にCMIの値や健康調査の値が有意に低下することを認めた。以上により抗不安薬であるメイラックス ® が自律神経症状や動揺感を主体としためまい感や耳鳴の大きさに対する自覚症状を和らげる効果を示すことがわかった。

1 0 0 0 OA 虫譜 2巻

著者
吉田, 高憲
出版者
巻号頁・発行日
vol.[2],
著者
位藤 邦生 吉田 典可 小林 芳規
出版者
広島大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1993

本研究は角筆文献の発見者でありその後の角筆文献研究を領導してきた小林芳規を研究分担者に迎えて、角筆文献をさらに発掘し、従来の語学的見地からのみでなく、広く文化史資料として角筆文献を活用せんとする試みであった。さらに角筆文献によって得られる情報(文字情報および絵画情報)を画像処理によってコンピュータに入力し、それらの情報を国内外の研究者に提供する方法の研究を同時に行ってきた。位藤邦生は山口県宇部市厚東にある恒石八幡宮蔵『角筆下絵八幡大菩薩御縁起』に注目し、これを三原市御調八幡宮蔵『角筆下絵八幡大菩薩御縁起』と比較することによって両本の関係や中世において寺社縁起の類がどのようにド伝播したかの研究を進めた。小林芳規は二年間にわたって全国各地の図書館や文庫に赴き、多くの角筆文献を発見調査した。これまでの全発見点数は平成7年3月現在で1,485点にのぼっている。そうした発見の文献の中には、大英博物館蔵の敦煌文献中にあった角筆文献があり、日本における角筆文献の淵源としての中国大陸での角筆使用の実態を探ることが今後の重要な研究課題となった。また高野長英が獄中で書いた角筆による手紙が解読され、脱獄の半年前から長英が脱獄の意思を持っていたことが判明した。広島大学が新たに購入した角筆文献の中には千利休の聚落屋敷の絵図等があり、これには角筆で方眼が描かれている。角筆文献の大半は漢籍であるが、山林の境界線を角筆で描いたものなど、さまざまな分野の文献が発見され、文化史的見地からの研究は今後ますます重要になることが予想される。文字だけでなくこうした絵画・地図資料等をコンピュータに入れて提供する方法の検討も今後併せて行われなければならない。
著者
吉田 巖
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.221-226, 1911-07-10 (Released:2010-06-28)
著者
吉田 充 市川 水音 富田 樹 知久 和寛 八戸 真弓 濱松 潮香 岡留 博司
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.47-51, 2019-02-15 (Released:2019-02-23)
参考文献数
11
被引用文献数
1

放射性セシウムを含む玄米をとう精加工し,さらにそれを炊飯した際の放射性セシウムの濃度と残存割合Frを調べた.精米歩合99.5%および98.8%の場合の放射性セシウムの除去率は3%および8%で,とう精により除かれた糠の質量の割合よりも米の放射性セシウムの濃度の低下割合が大きかった.また,とう精・洗米・炊飯後では,玄米に比べた放射性セシウムの除去率は,それぞれ21%および27%で,とう精以上に洗米による放射性セシウムの除去効果が大きいことが示された.放射性セシウムの濃度としてみると,精米歩合99.5%および98.8%の低とう精加工では,加工係数Pfは0.97および0.92であったが,炊飯までを含めると玄米を炊飯した場合の加工係数Pfの0.46に対して,0.38~0.34にまで低下した.既報の結果を合わせると,とう精による加工係数Pfは精米歩合99.5%の低とう精米から91%の精白米まで,炊飯まで含めた加工係数Pfは精米歩合99.5%の低とう精米から97%の3分づき米まで,精米歩合に比例して低下した.この実験結果は,放射性セシウムを含む玄米やとう精米の摂取による内部被ばく量の推定に役立ち,食品からの放射性セシウムの摂取に関するリスク評価やリスク管理に利用できるものである.
著者
大塚 敏広 河崎 秀樹 鷹村 和人 吉田 金広 篠原 永光 久山 寿子
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.1517-1522, 2009

症例は72歳の女性で,2007年11月CTで骨盤内腫瘤を指摘され,当院紹介された.腹部CTで骨盤内に5.0×8.0 cm大の造影される腫瘤を認めた.腫瘍の灌流静脈は上腸間膜静脈であった.回腸gastrointestinal stromal tumorの診断で開腹手術を施行した.回腸末端から約20 cm口側の回腸に腫瘍を認めた.腫瘍を含む回腸を切除した.切除標本では,腫瘍は大きさ9.0×7.0×6.0 cm大で,割面は白色から淡黄白色で一部に壊死や出血を認めた.病理組織学的検査では,腫瘍は主に回腸漿膜から壁外に増殖していた.硝子化した膠原線維バンドを伴い,粘液性間質の中に紡錘形細胞が不規則に増生していた.樹枝状に分岐する血管が認められ,血管周皮腫様構造も認められた.免疫組織化学染色検査ではvimentin,CD34,CD99,bcl-2が陽性で,<i>c-kit</i>は陰性でsolitary fibrous tumor(以下,SFT)と診断された.術後経過良好であった.まれな回腸原発のSFTの1例を経験したので報告する.