著者
和田 成一
出版者
北里大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

低線量放射線の細胞応答は高線量域のデータから推察されてきた。しかし、この高線量域から低線量域への外挿データでは説明のつかない現象、放射線超感受性現象が広く知られてきた。この現象のメカニズムはバイスタンダー効果と生物学的機能不全によると考えられているが詳細は明らかにされていない。本研究では、この現象を誘導する引き金は放射線による細胞膜応答であり、細胞膜応答から細胞外に細胞膜応答分子のスフィンゴミエリナーゼが分泌され、この分子によって細胞はDNA修復不全に陥るため、放射線超感受性が誘導されることを明らかにした。つまり、放射線超感受性現象は細胞膜応答によりバイスタンダー効果と生物学的機能不全が連動していることを明らかにした。
著者
山田 茂樹 大島 まり 尹 彰永 伊藤 広貴 渡邉 嘉之 前田 修作 武石 直樹 大谷 智仁 和田 成生 野崎 和彦
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Annual59, no.Proc, pp.764-766, 2021 (Released:2021-10-17)

【背景・目的】閉鎖空間の頭蓋骨内を脳血液がスムーズに灌流するために脳脊髄液が拍動し、脳代謝による老廃物の排泄と放熱のために脳間質液と脳脊髄液が灌流する(グリンファティックシステム)と考えられている。この複雑な脳内の流体の動きを具現化した数理モデルは未だ存在しない。我々は、主要な脳動脈を3Dモデル、その末梢動脈を1Dモデル、さらに細動脈を0Dモデルで結合し、これを全身循環モデルに組み込んだマルチスケール脳循環数理モデルをこれまでに構築しており、このモデルに脳脊髄液の動きを統合したいと考え、現状と課題を報告する。【方法・結果】健常者の3D MRIから形体情報を収集し、4D Flow MRIから3D流速を収集して、3D画像解析ワークステーションで計算する。脳、脳脊髄液腔(脳室・くも膜下腔)と脳血管は、各々の撮影条件でデータ収集が必要であり、現状は統合できないため、それぞれ個別にサーフェイスモデルを作成し、流速情報を3Dモデルの流入・流出境界条件を設定して、CFD解析に用いる必要がある。【結論】心拍に同期した脳脊髄液の3D動態は、脳血液の灌流による脳の拍動が駆動力となっており、脳循環に連動している。新知見を考慮した脳循環と脳脊髄液の動きを統合した動態解析の数理モデルは非常に複雑であり、未だ課題は多い。また、加齢に伴う脳萎縮、脳代謝の低下、動脈硬化は、脳循環と脳脊髄液の動態に大きく影響すると考えられるが、未解明の領域である。
著者
和田 成一 倉林 秀光 小林 泰彦 舟山 知夫 夏堀 雅宏 山本 和夫 伊藤 伸彦
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.471-477, 2003-04-25
被引用文献数
2 18

三種類の細胞, CHO-K1, HMV-IIおよびL5178Yを用いてγ線照射によるDNA損傷と細胞死との関係を調べた.細胞の生存率はクローン形成法によって求められた.放射線照射によるDNA鎖切断とその再結合はアルカリ及び中性コメット法で測定された.三種類の細胞の中ではL5178Yが最も放射線感受性で,CHO-K1とHMV-IIは放射線抵抗性であった.これらの細胞の放射線感受性(2Gy照射時の生存率)と,アルカリ条件下での単位線量あたりの初期DNA損傷生成率の間には負の関係が認められた.一般に細胞の放射線感受性に関連すると考えられているDNA二本鎖切断の単位線量あたりの残存量(照射4時間後)と放射線感受性との間にも負の関係が認められた.今回用いた分析条件では,DNA初期損傷の評価にはアルカリ条件が,残存損傷の評価には中性条件が適することが分かった.今回用いたコメット法は,放射線によるDNA損傷を検出する他の方法よりも簡便で迅速であるので,放射線感受性を予測する方法として有用であると思われる.
著者
相川 慎也 芦原 貴司 天野 晃 有末 伊織 安藤 譲二 伊井 仁志 出江 紳一 伊東 保志 稲田 慎 井上 雅仁 今井 健 岩下 篤司 上村 和紀 内野 詠一郎 宇野 友貴 江村 拓人 大内田 研宙 大城 理 太田 淳 太田 岳 大谷 智仁 大家 渓 岡 崇史 岡崎 哲三 岡本 和也 岡山 慶太 小倉 正恒 小山 大介 海住 太郎 片山 統裕 勝田 稔三 加藤 雄樹 加納 慎一郎 鎌倉 令 亀田 成司 河添 悦昌 河野 喬仁 紀ノ定 保臣 木村 映善 木村 真之 粂 直人 藏富 壮留 黒田 知宏 小島 諒介 小西 有人 此内 緑 小林 哲生 坂田 泰史 朔 啓太 篠原 一彦 白記 達也 代田 悠一郎 杉山 治 鈴木 隆文 鈴木 英夫 外海 洋平 高橋 宏和 田代 洋行 田村 寛 寺澤 靖雄 飛松 省三 戸伏 倫之 中沢 一雄 中村 大輔 西川 拓也 西本 伸志 野村 泰伸 羽山 陽介 原口 亮 日比野 浩 平木 秀輔 平野 諒司 深山 理 稲岡 秀検 堀江 亮太 松村 泰志 松本 繁巳 溝手 勇 向井 正和 牟田口 淳 門司 恵介 百瀬 桂子 八木 哲也 柳原 一照 山口 陽平 山田 直生 山本 希美子 湯本 真人 横田 慎一郎 吉原 博幸 江藤 正俊 大城 理 岡山 慶太 川田 徹 紀ノ岡 正博 黒田 知宏 坂田 泰史 杉町 勝 中沢 一雄 中島 一樹 成瀬 恵治 橋爪 誠 原口 亮 平田 雅之 福岡 豊 不二門 尚 村田 正治 守本 祐司 横澤 宏一 吉田 正樹 和田 成生
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Dictionary.1, pp.1-603, 2022 (Released:2022-03-31)