著者
大向 一輝
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.1282-1286, 2012-11-15
著者
大向 一輝 武田 英明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.J87-D1, no.11, pp.1020-1029, 2004-11-01

本研究では複数の個人による協調的なタスク管理手法モデルを提案し,これを実現するためのアプリケーションとして携帯電話用スケジューラの実装を行った.一般に,複数人がかかわる共同作業のようなタスクの管理コストを下げるためには,参加者がスケジュール情報を公開することが望ましい.しかしながら多くの個人は複数の組織に所属しており,すべての情報を公開することは難しい.しかも,それらの組織の一部はアドホックに形成されるためにグループウェアに代表されるトップダウンの管理モデルを適用することは難しい.そこで,本研究では個人同士がタスクの依頼及び受理を行った履歴より人間関係ネットワークを生成し,完全グラフとなる部分グラフをグループとみなす手法及び発見されたグループ単位での情報のアクセスコントロールを提供する手法によって,プライバシー侵害の問題を低減した上で情報公開を行うことを可能にする.また,本手法では明示的に記述されたプロファイルを必要としないために,ユーザの情報入力の付加を軽減することができる.これらの手法を日常的なスケジューリングに適用するために携帯電話アプリケーションを開発し,実証実験を行った結果,半自動的なグループ発見及びアクセスコントロールは有効であるとの結論を得た.
著者
大向 一輝
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, pp.1161-1165, 2011-08-01

近年,ユーザ同士の関係を第三者にも見える形で公開し,情報発信やコミュニケーションを行うソーシャルメディアが急速に普及している.明示化された関係情報は「ソーシャルグラフ」と呼ばれており,学際的研究の対象として注目されている.本稿ではソーシャルグラフの概要について述べ,基礎的な分析手法や応用事例,最近の技術動向を紹介する.
著者
濱崎 雅弘 武田 英明 大向 一輝 市瀬 龍太郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.389-398, 2004 (Released:2004-07-06)
参考文献数
21
被引用文献数
2 4

In this paper, we discuss importance and utilization of personal network in a community system through the result of management and analysis of the scheduling support system for academic conferences. The important feature of the system is generation and utilization of personal network to support information exchanging and information discovery among participants. We applied this system to the academic conference called JSAI2003. We obtained 276 users and their personal networks. We found that (1) most participants were willing to contribute to form personal networks, (2) personal networks can promote information exchanging among participants since personal network showed existence of participants to the others and (3) the formed networks can was useful for them in information recommendation.
著者
大向 一輝
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1204-1210, 2013-11-15

Webを通じたデータの積極的な公開・共有を目指すオープンデータを進めるにあたっては,ライセンスの選択やデータが作られる現場のワークフロー設計といった制度面における課題とともに,公開されるデータのフォーマットやアクセス方法などの技術面での検討が必要である.実際にオープンデータを利用するユーザの観点からは,入手が容易であり,処理のしやすいデータほど活用されやすい傾向にあると思われる.Web上に散在する多様なデータに対して統一的な手段でアクセスすることができ,そのデータが共通のルールに基づいて記述されているような環境の構築は,オープンデータの普及にとって重要な課題である.これに対して,文書の公開・共有手段として成功を収めたWebの技術的方法論をデータに適用するLinked Open Data(LOD)が注目されている.本稿ではオープンデータを支える技術としてのLinked Open Dataについて述べ,今後の展望について議論する.
著者
小山 聡 馬場 雪乃 大向 一輝 堂腰 裕明 鹿島 久嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SC, サービスコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.182, pp.1-6, 2014-08-13

多くの国々においてオープンデータめ取組みが進んでおり,様々な統計データが行政等によって公開されている.しかしこれらのデータは画像やPDFの形式で与えられるものが少なくなく,分析やサービスの開発などでの再利用を妨げている.そこで,クラウドソーシングを用いて,画像として与えられたレガシーな統計データを機械可読な表形式に変換する枠組みを提案する.その際,作業者に表だけを作成させるのではなく,画像をスプレッドシート上でグラフとして視覚的に再現させるタスク設計を行った.このタスク設計により,データの誤りに気付き易くなる効果に加えて,再現されたグラフオブジェクトのプロパティとして項目名や系列といったデータの構造を容易に取り出し,作業結果の統合や品質管理に利用することが可能となる.国土交通省が公開している観光白書を対象に評価実験を行い,提案手法の有効性を検証した.
著者
高久雅生 江草由佳 岡本真 大向一輝
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2012-IFAT-108, no.4, pp.1-6, 2012-09-18

東日本大震災を契機として,博物館,図書館,文書館,公民館の被災・救援情報を集約するウィキサイトを構築した saveMLAK ウィキにおける編集がどのように行われたかを定量的に分析する.サイト設立から 1 年以上にわたる有志のボランティアによるウィキ編集行為の内容を明らかにすることを試みる.
著者
森近 憲行 濱崎 雅弘 亀田 尭宙 大向 一輝 武田 英明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.335-340, 2011 (Released:2011-01-06)
参考文献数
11

In this paper, we describe our approach for information extraction from documents, which is based on supervised machine learning and collective intelligence approach. This approach is aimed at redeeming each method, because each method has merits and demerits. It provides various ways for users to input data to improve information extraction. Users can add not only supervised data but also a rule to extract values for a set of attributes. Various ways to input data allows many users to add a lot of data for quality improvement and machine learning can reduce noise of data input by users. We implemented it in event-information extraction system, and the experimental result shows effectiveness in correctness and convenience.
著者
阿達 藍留 山田 俊幸 大向 一輝
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.406-409, 2022-12-18 (Released:2023-01-27)
参考文献数
4

近年,人文学分野において資料の共有に対する学術的・社会的な要請が高まっている.一方,既存のデジタルアーカイブの構築手法には情報技術の知識,維持のためのコストを前提としたものが多く,データ公開を妨げる要因となってきた.そこで,本研究では資料に関わる当事者が手軽にデジタルアーカイブを提供するための静的サイト生成ツールを提案する.構築されるデジタルアーカイブは閲覧者側のWeb ブラウザでの検索やIIIF を用いた画像ビューア,外部連携用のメタデータの出力機能などを備え,利便性を確保しながらも専用のアプリケーションを必要としない.なお,本ツールはJupyter Notebook 形式で実装しており,クラウド上のPython 実行環境でも動作するため,資料情報を記載した表形式のメタデータと画像を用意するだけで使用することができる.本手法により低コストでのデータ共有が実現され,資料活用の促進が期待される.
著者
江上 周作 山本 泰智 大向 一輝 奥村 貴史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-056, pp.16, 2022-03-11 (Released:2022-03-24)

COVID-19の感染拡大防止に向けて,日本国政府では「3つの密」(以下,三密)や,「5つの場面」を提言してきた.これらの提言に基づき,各人の感染リスクを自動で評価できれば,追跡調査対象者の順序付けやスクリーニングといった保健所で行われている業務を大幅に効率化できる.本論文では,場所や行動に紐づくCOVID-19感染リスクを整理し,個別の行動事例における感染リスクを推論可能なオントロジー(CIRO)を開発した.また,CIROに基づいたナレッジグラフから,追跡調査に有用な三密リスクの推論とグラフ検索が可能であることを示した.さらに,追跡調査業務の現場における実用化に向けて,データサイズと条件を変更しながら推論実験を行い,CIROの十分性や拡張性,実現可能性を考察した.
著者
永崎 研宣 大向 一輝 下田 正弘
雑誌
じんもんこん2020論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.75-80, 2020-12-05

IIIF(International Image Interoperability Framework)の登場と普及は,仏教文献研究において様々な課題をもたらした.とりわけこれまで閲覧が容易ではなかった典拠資料の確認を容易にしたことは,研究環境の在り方に大きな変革を引き起こした.これをより適切な形で解決するためには,IIIF APIの特徴を活かした協働的な仕組みが有用であり,本稿では,その事例としてSAT2018における画像とテキストデータのリンク機能とSAT2020におけるテキスト公開のモデル,及びそれを実現する協働的なAPIについて報告する.そして,このようなコラボレーションに基づく「人文学のためのAPIチェーン」の構築の有用性を示す.
著者
小川 潤 永崎 研宣 中村 覚 大向 一輝
雑誌
じんもんこん2020論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.215-222, 2020-12-05

本研究の目的は,時間的文脈情報を含む社会ネットワーク分析に利用可能なデータを構築することである.既存モデルにおいても,人物間の関係性に時間情報を付加することは可能であったが,それは年月日など絶対的な時間情報に基づくものであった.だが歴史史料,とくに古代史史料では,物事の前後関係といった非常に曖昧な時間情報しか入手しえないことが往々にしてある.そのような問題に対処すべく,本研究は史料中に言及される出来事の継起関係をもとに時間的文脈情報を表現し,それを用いて人物および人物間の関係性に「相対的な」時間情報を与えるためのモデルを設計するとともに,一次史料を用いてその有効性を検証した.
著者
小川 潤 大向 一輝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.SWO-053, pp.06, 2021-03-15 (Released:2021-09-17)

ナレッジグラフの歴史学研究への応用は近年、プロソポグラフィ研究やバイオグラフィ研究を中心に進展している。しかしこれらの研究の多くは、すでに伝統的な手法によって為された二次的な研究成果を対象としたものであり、一次史料の内容そのものを記述するものでは必ずしもない。今後、歴史学研究におけるナレッジグラフ活用をさらに深いレベルで促進するためには、一次史料そのものの知識構造化を進める必要がある。こうした構造化に適用可能なオントロジーとしてはすでにFactoidモデルが提案されているが、このモデルは時間的コンテキストや曖昧性の表現に十分に対応しているとは言えず、曖昧性の大きい史料記述については課題が残る。そこで本研究はFactoidモデルを拡張し、出来事の前後関係に基づいて時間的コンテキストや曖昧性を表現可能なモデルを提案したうえで、曖昧性の大きい古代史史料を事例として実際に提案モデルを適用し、データ構築および検索性の検証を行った。