- 著者
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太田 道男
山海 嘉之
山内 真
鎌田 忠夫
熊谷 頼篤
熊谷 頼明
小路 良
池辺 潤
- 出版者
- The Japanese Society for Dialysis Therapy
- 雑誌
- 人工透析研究会会誌 (ISSN:02887045)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.3, pp.181-185, 1984
HF用に開発されたダイアライザーのようなHi-Flux形のダイアライザーを用いて透析を行えばより高分子の物質の除去が期待できる. しかし, これらのダイアライザーは水の透過性が良く, 所定の除水量を得るためには, 従来の透析に比して膜間圧 (TMP) を低く保つ必要がある.<br>そのために限外濾過圧制御装置 (オートクランプ) を開発し, TMPを一定値に保ち所期の除水速度を自動的に保持することを試みた. この装置ではダイアライザー膜にかかる血液側と透析液側の差圧を測定し, この差圧を外部で設定した値に保つように, 血液回路に設けられたチューブ絞り機構を自動的に調節する. 東レB1シリーズのダイアライザーを使用することを想定して, 400500m<i>l</i>/hr程度の除水速度を設定するために, TMPが40-80mmHgの間を5mmHgごとに設定可能とした. 圧調整の精度は±3%, 測定系の精度を保持するために, 1台の差圧変換器のみを使用している. クランプ部は, チューブをベアリング機構を介して, 滑らかな曲面で締めつけ, チューブに余分な歪が加わらないようにし, またクランプの急激な開閉は避け, 回路中の血流量の急激な変化を避けている. In vitroの限外濾過量調節を東レ, B1-100, 200, Lで行った. Hi-Fluxのため, アセテートイントレランスを回避するため, ラクテート透析液を使用し, 模擬血液としてサビオゾールを用いた. 実験結果からは, 500m<i>l</i>/hrのUFRを得るためのTMPは, 45mmHg (B1-L), 65mmHg (B1-200), 80mmHg (B1-100) 等であり, 本方法が十分実現可能であることが確認された.