著者
中山 迅 山口 悦司 里岡 亜紀
出版者
一般社団法人日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.71-81, 2003-03-10
参考文献数
20
被引用文献数
20

We investigated the possibility of lower secondary school students to learn in the field with support from a museum. Six grade nine students started to investigate tidal flats as part of an optional science course in their school. Students and their science teacher were supported by the museum staff. The support from museum staff improved and increased after the observing the students' participation in the tidal flats event held by the museum. Such a case study of cooperation is important to illustrate the need to improve museum education for schools.
著者
竹中 真希子 稲垣 成哲 山口 悦司 大島 純 大島 律子 村山 功 中山 迅
出版者
日本教育工学
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.193-204, 2005
被引用文献数
8

本研究は,CSCLシステムを小学校の理科授業へ導入し,その利用が子どもたちの理科学習をいかに支援できるのかについて実践的に検討したものである.CSCLシステムを利用した授業は,5年生の単元「物の溶け方」で実施された.オンライン上の相互作用に関する分析を通して,CSCLシステムで提供される情報共有環境を利用した情報探索ならびにその探索に基づいた理解深化を概ね実現できるようになったことがわかった.オフライン上の相互作用に関する分析を通して,CSCLシステムを利用した他者のノート閲覧が契機となり学習活動が活性化されていた,つまり,オンライン上の相互作用はオフライン上の相互作用を促進するリソースになり得ていたことがわかった.
著者
中山 迅 牛島 克宏 山口 悦司 都築 章子 武田 一則 竹内 慎一 後藤 大介
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.93-96, 2005
被引用文献数
3

観察と実験の実施が重視される教科としての理科では, 授業へのICT導入が順調とは言えない.本研究では, 電子掲示板を利用した理科の学校間協同学習によって, 児童による観察や実験を中心とした学習を促進できる事例を示そうとした.電子掲示板の対話分析や児童を対象とした質問紙調査の結果から, その可能性が示唆された.
著者
山口 悦司 稲垣 成哲 舟生 日出男 疋田 直子
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.15-28, 2002-11-15
被引用文献数
23

筆者らは,再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェアを開発している。ソフトウェアの特徴的な機能は,次の2点である。(1)再生機能:コンセプトマップの作成過程を自動的に保存し,作成途中でも随時,その作成過程を再生することができる,(2)修正機能:作成過程の任意の時点までアンドゥすることによって遡り,修正できる。本研究の目的は,小学校の理科授業へソフトウェアを導入し,ユーザーインタフェースの有効性や再生機能の内省や対話支援の有効性について実践的に検討することであった。児童39名を対象とした質問紙調査の結果を通して,ソフトウェアの使用感のよさや操作性は高く評価されたことがわかった。また,再生機能の有効性についても,ある程度認められていたことがわかった。教師2名を対象とした面接調査の結果からは,ソフトウェアの再生機能は教師の学習指導や子どもたちの学習を概ね支援できていたと評価されたことがわかった。再生機能利用場面の相互行為分析では,再生機能が子どもたちの学習内容に関わる思考過程の内省や対話を支援していることが授業の文脈に即して例証された。これらの結果を考察することで,本ソフトウェアの実践的な評価や今後の課題が議論された。