著者
山口 隆之 浅野 光行
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.985-990, 1999-10-25 (Released:2018-03-01)
参考文献数
12

In recent years, concerns about a new bus service so called "Community Bus" are increasing in the aged society. Community Bus provides locals with various service in order to meet the needs of the old and the handicapped. The main subjects of this study are as follows: the first is to build a model to forecast the number of passengers based on the area characteristics and the route characteristics, such as service level and route data of the existing 54 bus routes, the second is to clarify the important factors in increasing the number of passengers, the third is to propose some methods to encourage Community Bus.
著者
堀内 雅生 山口 隆子
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

1.はじめに風穴とは,夏に山の斜面から冷風が吹き出す場所,およびそのような現象を指す(清水ほか,2015)。日本における主な活用事例としては,蚕種の貯蔵が挙げられる。海外においてもスイス・北アルプスなどのヨーロッパでは,冷蔵小屋にミルクを貯蔵するなどの活用がされてきた(佐藤,2008)。近年,自然ネルギーへの関心の高まりから,風穴の天然の冷源としての価値が再認識され,クールスポットとして観光や見学対象となっている風穴も多い。また,実用の冷蔵庫として種苗・野菜・漬物・果実などの貯蔵に利用している地域もあり,需要は増している。このような風穴の活用のためには,その性質を明らかにすることが必要不可欠であり,明治期より気候・地形地質・植生分野にまたがった多くの研究が行われてきた。田中ほか(2004)では,夏季には外気に比べ相対的に崖錐内が低温であることによって生じる対流により冷風が下方の風穴から吹き出し,冬季には崖錐内部が相対的に高温であることによって上部の風穴から温風が吹き出すことを明らかにしている。なお,本稿では夏季に冷風を吹き出す風穴を「冷風穴」,冬季に温風を吹き出す風穴を「温風穴」と呼ぶ。このような風穴の研究事例は,東北~北海道地方や高標高地域などの寒冷な地域において数多く報告されているが,気温が0℃を下回ることが少なく,風穴内部に氷が生じない温暖な地域における研究事例は,萩(森・曽根,2009)や神津島(鈴木,2019)などがあるものの,数は多くない。今後,温暖化による気温の上昇で地表面の熱環境にも影響が出ることが考えられており(Bogdan et al.,2012),風穴の熱環境も同様に変化する可能性がある。そのため,特に現時点で温暖な地域で調査を行うことは,地球温暖化が風穴および風穴周辺に生息している動植物へ与える影響を考える上でも重要であると考えられる。2.方法本研究では,瀬戸内海に面し,気候が温暖な香川県小豆島に位置する風穴(標高107.4m)を対象とした。温度計(TandD:RTR-502, 10分間隔で測定)を風穴及び周辺に設置し,気温の長期変動を記録した。また,8~11月には風穴に熱線風速計(CUSTOM:WS-03SD)を設置し,風速の日変化を観測した。3.結果観測開始(2019年6月8日)から10月初旬までの冷風穴気温は11~14℃前後で,外気温より低い状態を維持しながらも,徐々に上昇した。また,まとまった降水イベントの際には冷風穴気温の一時的な上昇がみられた。これは冷風穴内部に暖かい雨水が流れ込むことで,一時的に内部の温度を上昇させたものと思われる。降水や外気の侵入による影響が少なく,安定して冷風が吹き出していたと思われる6月9日11:00(11.3℃)と10月1日11:00(14.1℃)の冷風穴気温を比較すると,2.8℃上昇しており,この期間中の冷風穴気温上昇率は0.025℃day-1であった。風速観測結果であるが,冷風穴風速と冷風穴内外の気温差には比較的良好な相関関係がみられ,気温差が大きくなるほど風速が上昇することが分かった。これは,風穴の風が外気と風穴内部の空気の密度差によって生じるというメカニズム(高橋ほか,1991)を支持する結果となった。その後,10月中旬頃から冷風穴気温と外気温の差が夜間にほぼ無くなる日が増え,11月上旬にはほぼ毎日夜間の気温差が非常に小さくなった。風穴は冬季になると,夏季に崖錐内に蓄えられた熱によって内部で上昇気流が生じ,夏季に冷風穴で吹き出していた風が吸い込みに転じるが,今回観測された冷風穴気温と外気温の同調は,この吸い込み現象をとらえたものと考えられる。なお,12月に実施した調査では風穴の風向は実際に吸い込みに替わっており,風穴気温が外気温と同調する要因を裏付ける結果となった。また,温風穴について,冬季(2019.12.27)に周囲の地表面温度を放射温度計で測定することにより,発見することができ,観測を開始した。
著者
中田 俊武 松下 保彦 古賀 和幸 上田 康博 上谷 高弘 藤川 好晴 山口 隆夫 新名 達彦
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
真空 (ISSN:05598516)
巻号頁・発行日
vol.32, no.11, pp.797-800, 1989

4H形SiC基板結晶上に液相成長法を用いて, 脚接合を形成し, 青紫色LEDを試作した。発光ピーク波長及び半値輻はそれぞれ420nm, 40nmであり, 発光色は澄んだ青紫色であつた.この青紫色LEDは, 標準光源などの発光デバイスとしての利用とともに, 小型・軽量で使い易い高エネルギー光源としての応用も可能であろう.今後の課題は, 光度を上げること, あるいは結晶多形の制御を確実にして他の多形の混在を防ぐ技術の開発であろう.また, 4H形単結晶では不純物の制御によっては, より短波長 (400nm以下) 発光のLEDの得られる可能性があり, これらの研究を進めていくことも重要であろう。
著者
山口 隆介 ヤマグチ リュウスケ Ryusuke Yamaguchi
雑誌
聖泉論叢
巻号頁・発行日
no.18, pp.117-129, 2011

『神学綱要』Compendium Theologiae の第1部「信仰について」より,神性の業について論じた箇所から数章抄訳し,それに註解をつける形で,トマスの創造論から人間の自然本性と悪への議論へのダイナミズムを示す。
著者
山口 隆幸 浅見 知市郎 小林 寛
出版者
歯科基礎医学会
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.127-141, 2002
被引用文献数
17

草食性動物で偶蹄目のニホンカモシカとオオツノヒツジの舌と舌乳頭について, 光顕と走査電顕により観察し, 比較解剖学的に検討した.<BR>糸状乳頭の外形に関しては, 両種ともに太い1本の主突起と, 細長い数本の副突起からなる. 糸状乳頭の結合織芯は, ニホンカモシカでは円筒形の基部の周辺から細長い2次芯が馬蹄形に並び, オオツノヒツジでは多数の小突起が馬蹄形に並び, 後方の数本の基部が癒合している. 茸状乳頭の結合織芯は, 両種ともに1次芯が先端の丸まった円柱状で, ニホンカモシカでは側面に縦走するヒダがあり, オオツノヒツジでは側壁や上面は小さく尖った2次芯でおおわれる. 上面には両種共味蕾を入れる小陥凹が数個ある. 舌隆起部には大型円錐乳頭が分布し, 芯の基部は大きく, 表面は多数の小突起 (2次芯) でおおわれる.<BR>有郭乳頭の数は, ニホンカモシカでは約20個, オオツノヒツジでは両側に数個ずつある. 中央乳頭部の溝側上皮内に多数の味蕾をもち, 輪状溝の底に漿液腺の導管が多数開口する. 両種ともに葉状乳頭はない. 舌根部表面は平坦で, 上皮下によく発達した粘液腺が分布する.<BR>以上から, ニホンカモシカでは舌隆起部の大型円錐乳頭の結合織芯はウシに酷似するが, 糸状乳頭と茸状乳頭の結合織芯はイエウサギのものに似る. オオツノヒツジの糸状乳頭の結合織芯は, 同じ偶蹄目で草食性動物のなかにあって, ニホンカモシカとプロングホーンとの中間に位置する立体構造をもち, この構造はさらにシロイワヤギからシバヤギへと複雑化し, ウシの癒合型へと進化したことが推測される.
著者
進藤 順治 阿部 隆士 山口 隆幸 小林 寛
出版者
Japanese Society of Zoo and Wildlife Medicine
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.105-109, 2000 (Released:2018-11-03)
参考文献数
19

フンボトルペンギンの精子形態と大きさに関する報告はない。今回, フンボルトペンギンの精子形態を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し, また各部位の長さを測定した。精子は, 紐状で頭部は細長くやや湾曲していた。全長ならびに各部位の長さを測定した結果, 全長は73.8±3.6μmであった。頭部は11.4±0.9μmで, 先体は1.1±0.2μm, 核は10.3±0.8μmであった。尾部は62.6±3.8μmで, 中片部は2.8±0.2μmであった。フンボルトペンギンの精子形態は典型的なnon-passerine birdsのグループに属し, また全長は他種よりもやや小型であった。
著者
吉田 敦也 堀尾 裕幸 山口 隆美
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1994

本研究では、交流共感型先端VR遠隔医療システムとしてのハイパーホスピタル(超病院)の一部として、ISDNを経由した遠隔2点間で、医師と患者が、それぞれの3次元VR映像のエージェントを用いて面接を行なう電子問診システムのプロトタイプを試作した。平成6年度においては、シリコングラフィックス社のワークステーション「インディ」を中心とした(1)双方向映像通信システムを試作し、ISDN回線とEhtemetを用いた実験的な利用を試みた。平成7年度においては、(2) 3Dグラフィックエージェントを人間様の形状と非人間様(野菜など)の形状をベースに試作し、対話場面に必要な表情表出や動作を利用できるようにインターフェースを開発した。平成8年度においては、上記に構築したシステムとグラフィックエージェントなどを用いて、(3)模擬的な電子問診実験を行い、話し易さ、緊張感、行動の反響など対話におけるコミュニケーション特性について測定・評価した。本研究の全体的な成果としては、グラフィックエージェントなどの視覚的、聴覚的なリアリティが高いほど、コミュニケーション効果は低下する可能性が認められたことである。すなわち、高忠実な現実再生型の描画や音声合成は必ずしも、対話を促進する方向へでは機能しない傾向にあり、むしろ精細度を低下させた描画や電子音声の方が人間関係をメディエ-トしやすいのではないかと思われる結果を得た。また、動作レベルでは、電子面接中にグラフィックエージェントが表現する手足や体の動きが被面接者に反響することが明らかとなった。このことは、電子面接を行う際のグラフィックエージェントの非言語的行動が、被面接者に対して心理的影響を与える要因となることを示唆するものである。音声レベルでは、面接者の発話音声の周波数に非面接者に対して好印象を与える値があることを見いだした。特に、第一フォルマント周波数が平均的な成人の値よりも低い場合に、被面接者はその音声による質問に答えやすいと感じる傾向が認められた。このことはグラフィックエージェントの発話音声の特性が面接効果に影響を与えることを示唆するものである。以上の結果をもとに診察場面など医療環境における電子問診システムのヒューマンインターフェース設計について総合的な考察を試みた。