著者
山田 宏之 丸田 頼一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.127-132, 1988
被引用文献数
9 14

都市内に存在する緑地が, 夏期における気温の緩和に関して, どの程度の作用を有するかを測定し, 今後の緑地配置計画に対する基礎的な資料を得ることを目的として, 以下のような研究を行った。1. 対象地の東京都杉並区内に最高最低温度計を設置し, 区レベルでの気温分布を把握し, それを緑被率等と関連づけ, 解析を行った。2. 杉並区の緑地を対象に, 個々の緑地レベルでの気象緩和作用と, その影響範囲等の解析を行った
著者
吉川 敏子 吉川 真司 小山田 宏一 鷺森 浩幸 田中 俊明 坂井 秀弥 藤本 悠
出版者
奈良大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

2019年度は3年間の補助事業の2年目として、昨年度の成果を踏まえ、概ね4つの方面での成果を得た。まず1つめは、当初より予定していた朝鮮半島の牧の故地を巡見し、韓国の研究者と交流したことである。韓国における古代牧の研究自体がまだ始まったばかりであり、今後、国際的な視野を広げつつ本研究課題を継続的に行っていく上での課題を得た。2つめは、平安時代の勅旨牧設置4カ国のうち、信濃国と上野国の古代牧推定地を巡見し、昨年度巡見した甲斐国との比較検討ができたことである。上野の場合は、榛名山噴火の火山灰降下により、通常は遺らない古墳時代の地表面の人為的痕跡が調査されてきたが、現地に立ち、地形を実見しながら牧の景観復元について学べたことは、これを畿内の古代牧に置き換えて検討する際に、両地域の相違点も含めて大いに参考となるとの手応えを得た。また、信濃国望月牧では実際に土塁の痕跡を地表にとどめており、具体的に畿内牧の故地を検討する際には、地中に埋もれたものも含め、留意すべき遺構であることを注意喚起された。3つめは、昨年度に続き、個別具体的な畿内の古代牧についての検討を進められたことである。年度中に、研究代表者による河内国辛嶋牧、研究協力者である山中章による大和国広瀬牧・伊賀国薦生牧についての研究論文を発表し、本年度の研究会において報告と検討を行った摂津国鳥養牧、同垂水牧、河内国楠葉についても、近年中に成果を公表できると考えている。4つめは、本年度より、古代の馬を研究する考古学のグループとの情報交換を積極的に行える関係を築いたことである。本科研補助事業の研究は、現在のところ文献史学と地理学に比重がかかっているが、考古学を基軸とする研究会との研究協力により、古代の牧と馬の双方向から、古代社会における馬の生産と利用の具体相の解明を加速させられると考える。
著者
清水 理佳 岩崎 寛 山田 宏樹 山本 聡 新村 義昭
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.348-351, 2004 (Released:2005-11-22)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

庭園における適切な維持管理計画を策定する際の資料となることを目的とし、維持管理作業が植栽植物の生育に与える影響を調べた。その結果、土壌改良などの維持管理作業により光合成能が上昇するなどの傾向が見られた。また、植物生長ソフトAMAPを用いて管理の有無による景観シミュレーションを行った結果、庭園内の樹木は,維持管理作業によって、その樹形が保たれていること等が推測された。
著者
熊丸 めぐみ 大島 茂 谷口 興一 高橋 哲也 山田 宏美 廣瀬 真純 河野 裕治 畦地 萌 横澤 尊代 櫻井 繁樹 安達 仁
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.D0593, 2005

【背景】呼吸器疾患患者や心疾患患者は,荷物を運ぶなど上肢が関与する日常生活活動(ADL)中にしばしば息切れを訴える.上肢動作中は,呼吸補助筋である僧帽筋などの肩甲帯周囲筋が上肢活動に参加し,相対的に呼吸を補助する割合が減ることなどにより息切れが生じると考えられている.ADLの中でも特に荷物を持ち上げて運ぶ時に呼吸困難感が増強すると訴える患者も少なくない.本研究では,荷物を持ち上げて運ぶ際に増強する呼吸困難感のメカニズムについて,大胸筋や腹直筋,僧帽筋,広背筋など胸郭を取り巻く筋群が運搬物を固定するために持続的に活動し,胸郭の動きを制限することが原因ではないかとの仮説を立て,その検証を,各種呼気ガス指標や呼吸補助筋,体幹筋の筋電図を測定することで行った.<BR>【対象と方法】対象は健常成人5名(男性3名,女性2名).男性は5kg,女性は3kgのダンベルを両手に把持した状態で6分間のトレッドミル歩行(時速4.8km,傾斜角0度)を各2回施行した.テスト1は上肢下垂位でトレッドミル歩行を行い,テスト2は肘関節90度屈曲位で上腕を体幹前腋下線上で固定した肢位でトレッドミル歩行を行った.各テスト中の酸素摂取量(VO<SUB>2</SUB>)や分時換気量(V<SUB>E</SUB>)など各種呼気ガス指標はコールテックス社製MetaMax3Bを用いて測定し,心拍数(HR)はPOLAR製心拍モニタを用いて連続測定した.表面筋電図は,腹直筋,腹斜筋,大胸筋,胸鎖乳突筋,僧帽筋,脊柱起立筋を被検筋とし,電極間距離は2cm,電極間抵抗は5キロオーム以下となるように皮膚処理を行った後にMega Electronics社製ME6000T8を用いて測定した.サンプリング周波数1kHzでA/D変換を行ってパソコンに取り込み,Mega win2.21により各試行の生波形をRMS変換し終了前1分間の積分値を算出した.<BR>【結果】VO<SUB>2</SUB>,V<SUB>E</SUB>,呼吸数,HRはいずれもテスト2において有意に高値を示した.換気効率を示す二酸化炭素に対する換気当量(V<SUB>E</SUB>/VCO<SUB>2</SUB>)も,テスト2において有意に高値を示した.また,各筋の活動量もテスト2において増加し,特に胸鎖乳突筋,大胸筋,僧帽筋,脊柱起立筋で有意な増加が認められた.<BR>【考察】同量のダンベルを負荷し,同速度で歩行しているにもかかわらず,VO<SUB>2</SUB>やHRなどの呼吸循環反応がテスト2で高値を示したのは,上腕二頭筋をはじめ大胸筋や脊柱起立筋などがより多く活動したことよるものと考えられた.また,V<SUB>E</SUB>/VCO<SUB>2</SUB>がテスト2において有意に高値を示したことは,ダンベルを持ち上げている最中は,胸郭に固定された上肢の重さや,大胸筋などの等尺性筋活動により胸郭の動きが制限されたことが換気効率を低下させた要因と考えられた.さらには,胸腔内圧の上昇が静脈還流量を減少させたり,肺動脈圧を上昇させたことが呼吸困難感の増強に影響していたと考えられた.
著者
本田 瑞穂 清水 剛 清水 理恵子 永山 敦 屋ヶ田 和彦 山田 裕明 山田 宏文 山根 深一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.117-122, 2015-03-01 (Released:2017-04-13)

新規事業の立ち上げのアプローチとして,自社の技術を組み合わせようとすることはよくあるが,実際にやろうとすると,自社に多様な技術があるにもかかわらず,その全容はつかみきれていないことが多い。本報告では,シーズからのアプローチの試みとして,自社の技術の棚卸しを行うことにより,自社技術の強み・弱みを分析し,新たな事業の提案を行うための手法を,事例を用いて検討した。(1)自社技術のコア技術の抽出の手法,(2)コア技術と他の技術の組み合わせの手法,を中心に報告する。
著者
根本 淳 中島 敦司 中尾 史郎 山田 宏之 養父 志乃夫
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.559-562, 2004-03-31
被引用文献数
1 2

In order to evaluate the effect of site protection for restoration of uncovered stand floor vegetation due to trampling, we carried out the restoration experiment at three secondary stands of Quercus serrata from June 1998 to October 2002. The restoration experiment was carried out with the cultivating surface soil both in the protection site and in the opened site, at each stand. As results, only in the largest stand with nine hectors width, the coverage and the numbers of species of herb layer were increased more in the protected site than in the opened site. Also, the percentage of the species, which are characteristic in the secondary stands of Quercus serrata, was increased at the protected site only in the largest stand. Thus, the site protection is concluded as effective for applying larger stands than nine hectors width to restore stand floor vegetation due to trampling.
著者
本田 瑞穂 清水 剛 清水 理恵子 永山 敦 屋ヶ田 和彦 山田 裕明 山田 宏文 山根 深一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第11回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.7-11, 2014 (Released:2014-11-17)

新規事業の立ち上げのアプローチとして、自社の技術を組み合わせようとすることはよくあるが、実際にやろうとすると、自社に多様な技術があるにもかかわらず、その全容はつかみきれていないことが多い。本検討では、シーズからのアプローチの試みとして、自社の技術の棚卸しを行うことにより、自社技術の強み・弱みを分析し、新たな事業の提案を行うための手法を、事例を用いて検討した。(1)自社技術のコア技術の抽出の手法、(2)コア技術と他の技術の組み合わせの手法、を中心に報告する。
著者
吉田 正典 養父 志乃夫 山田 宏之
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 = / the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.183-186, 2006-08-31
被引用文献数
1 3 1

新潟県上越市,和歌山県かつらぎ町,香川県満濃町において,産卵と幼生生息地の地形と水深,水質,植生条件,ならびに,幼生の成長経過を調査した。その結果,産卵前の1月から変態時期である6月までの期間,少なくとも5~10cmの水位を維持する必要があること,また,水域のpH は,5~7,溶存酸素(mg/l)は, 5.00~5.99,電気伝導度(μs/m)は,7.00~10.00の水準に維持する必要があること,さらに,水域内の植生については,定期的に除草や刈払によって,植被率と群落高を低い状態に抑制する必要のあることが判明した。
著者
山田 宏之 丸田 頼一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.84-94, 1987-11-15
被引用文献数
5 10

樹木による日射軽減効果を明らかにするために、ケヤキとキンモクセイの単木の緑陰を対象に、樹影内外の日射量分布の測定を行い、次のような結果を得た。1)快晴の場合、樹影内の日射量分布の日変化は比較的少い。2)樹影内の日射量は、天気の相違により大きく変化し、快晴時に最小、晴、曇の順に、より大きい値を示した。3)樹形の相違によっても日射の軽減率は異なり、樹冠が広く低い樹木ほど、その率が大きい。
著者
趙 丁選 山田 宏尚 加藤 英寿 武藤 高義
出版者
一般社団法人 日本フルードパワーシステム学会
雑誌
日本フルードパワーシステム学会論文集 (ISSN:18803121)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.141-148, 2002-11-15 (Released:2011-03-03)
参考文献数
16
被引用文献数
1

This study deals with a calculation method for the forward kinematics of a 3 DOF parallel link manipulator. As a method for such a calculation, up to the present, the Newton method, or Newton-Raphson method alternatively, has been generally used. Nevertheless, this method is difficult to apply to on-line control systems, since it requires significant computation time and a large capacity of computer memory for calculations. In this study, therefore, a new algorithm for calculating forward kinematics is proposed. Fundamentally, the algorithm consists of two processes. The first is to calculate in a very short time an approximate solution of the kinematics. The second is to compensate the approximate solution in order to obtain the accurate one. It was confirmed that the computation time for the new algorithm was decreased to as little as 1/69-1/81 that for the Newton method. It was also confirmed experimentally that the algorithm was successfully applicable to an on-line control system.
著者
山田 宏之
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.157-162, 1994-03-31
被引用文献数
6 12

埼玉県幸手市を対象に,1989年,1990年の2年間,盛夏の14時,4時における気温分布の移動観測を行った。測定結果から気温分布図を作成し,緑地分布との関連についての考察を加え,緑地分布と良く対応した形の都市高温化が発現していることを把握した。次に,測定範囲内から抽出した30地点を中心にした直径500m,250mの範囲内の緑被率,緑地率を航空写真から計測した。それらの値と測定された気温との関連を各種回帰分析により解析した結果,緑被率10%あたりの気温低減率として,14時において0.21℃という値を得た。これらの値を過去の調査事例と比較,考察するとともに,1989年,1990年の結果について,回帰係数の比較を行った。
著者
山田 宏 松村 仁 森田 大作
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.173-184, 2004 (Released:2005-04-15)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

This theoretical investigation of the mechanics of the vascular endothelial cells that line the luminal side of blood vessels focused on two points. First, we formulated a hypothesis on the orientation of stress fibers, i.e., bundles of actin filaments, under cyclic deformation, and used numerical simulation to predict their orientation under various types of substrate deformation. Second, we created a finite element model of cultured endothelial cells adhering to a substrate, i.e., a silicone membrane, and a vascular endothelial cell on the luminal side of a vascular wall, and used finite element analyses to determine the stress and strain under various types of deformation.To predict the orientation of stress fibers, we hypothesized that they are oriented only in the direction in which the strain component in the fiber direction does not exceed the strain limit, either with maximum deformation of the substrate or during deformation of the substrate. We found that stress fibers have a minimum length during the process of substrate stretching, and investigated the importance of considering substrate deformation during cyclic stretching. The numerical simulation showed that the effect is small over the physiological range of cyclic deformation experienced in blood vessels. We also predicted the out-of-plane orientations of stress fibers during cycles of simple elongation, pure uniaxial stretching, and equibiaxial stretching. With cyclic equibiaxial stretching and the assumption of a certain cell height, the predicted orientation of stress fibers agreed with the reported range of orientation of the actin cytoskeleton.Second, using finite element modeling and analyses, we modeled a cell adherent to a substrate and a vascular endothelial cell on the luminal side of the vascular wall. We assumed that a cell consists of a nucleus and cytoplasm, and that both are incompressible, isotropic, hyperelastic materials. We also assumed that the bottom surface of the cell completely attaches to the substrate surface. The analyses of the stress and strain in the cell showed that the strain was greatest at the substrate and decreased in higher positions in the cell; the amount of strain in the top region of the cell depended on its shape. Moreover, the existence of the nucleus caused a complicated distribution of stress and strain in the cytoplasm. This result provides important information for predicting the orientation of stress fibers with nonuniform deformation of a cell.
著者
山田 宏 坂田 則行
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

プラークの発達に伴って形成される頸動脈と胸部大動脈の線維性被膜を正常領域と比べた結果,管軸方向の単軸引張りについて伸展性の顕著な低下と応力の顕著な増大が見られ,これはコラーゲンとI型コラーゲンの顕著な増大とエラスチンの顕著な減少と関連付けられた.また,プラークを有する頸動脈モデルの有限要素解析より,液体状の脂質コア内の圧力は血圧に比べて顕著に小さい結果が得られた.さらに,生理的内膜肥厚の生じた環状の頸動脈について,3層に分離して残留応力を解放して伸展試験と有限要素解析を実施することで各層の影響を評価する手法を併せて確立できた.
著者
丘 維禮 細谷 睦 山田 宏治 小南 信也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SCE, 超伝導エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.93, no.279, pp.13-18, 1993-10-20

磁束量子パラメトロン(QFP)多数決論理回路の回路規模の拡大について検討した。従来、歩留まり30%を得るには、1つの回路に含まれるQFP数は300以下に制限されていたが、現状の素子特性ばらつき維持しつつ、配線数を減らすことで信号レベルを大きくすれば、回路規模は指数関数的に増大できることが分った。信号レベルがQFPの全出力電流の1, 5の場合(従来:1/8)、10^4個のQFPからなる回路の歩留まりは90%になる。一方、回路遅延は多少大きくなり配線の困難さは増す。本検討結果を基に実用的回路である32ビットの加算器(パイプライン・ピッチ32ps、全遅延176ps)が3200個のQFPで設計できることを示した。
著者
山田 宏
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

景気の行方を予測することは,広く国民全体の共通の関心事である。このニーズに応えるためには,より精度の高い景気先行指標の開発を目指した不断の努力が欠かせない。この研究では,よりよい景気先行指標の開発を助けるための幾つかの基礎的な研究を行った。具体的には,(i)景気循環成分を取り出すためのトレンド推定に関する研究,(ii)景気先行指数構成系列評価のための統計的手法の開発に関する研究,などを行った。